イギリス犯罪学研究Ⅰ

イギリス犯罪学研究Ⅰ

守山 正 著
定価:6,600円(税込)
  • 在庫:
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  • 発行:
    2011年06月10日
  • 判型:
    A5判
  • ページ数:
    312頁
  • ISBN:
    978-4-7923-1895-6
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内容紹介

目   次
FOREWORD

はしがき

第Ⅰ部 犯罪学一般
第1章 イギリス犯罪学の成立と展開
――3人の大陸系巨匠の貢献――  3

Ⅰ はじめに  3
Ⅱ イギリス犯罪学の展開  4
1 初期の展開  4
2 20世紀以降の展開  6
Ⅲ ヘルマン・マンハイム(1889-1974)  7
1 境遇と学問  7
2 難民としての訪英  8
3 イギリスでの学究活動  9
4 業績の評価  10
Ⅳ グリュンフット(1893-1964)  11
1 境遇と学問  11
2 イギリスヘの移住  13
3 イギリスにおける経歴  15
4 学問的評価  16
Ⅴ ラジノビッツ(1906-1999)  19
1 境遇と学問  19
2 調査と渡英  20
3 学問的業績と評価  21
Ⅵ おわりに  22

第2章 悪質運転者の犯罪経歴
――イギリスの内務省研究調査から――  31

Ⅰ はじめに  31
Ⅱ 交通犯罪者の犯罪行動に関する調査の経緯  32
1 初期の調査  32
2 その他の調査知見  33
Ⅲ 交通犯罪者と犯罪経歴に関する調査  34
1 調査の方法  35
2 悪質交通犯罪者の特徴  37
3 悪質交通犯罪者の犯行パターン  38
Ⅳ 交通犯罪の規制方法  40
1 悪質運転犯罪者のプロファイリング化  41
2 過去の調査研究との連携  42
3 交通係警察官の役割と情報  42
Ⅴ おわりに  43

第Ⅱ部 犯罪予防
第3章 1990年代の犯罪予防に関する警察改革  51
Ⅰ はじめに  51
Ⅱ イギリスの社会状況  52
Ⅲ 警察活動の変化  53
Ⅳ コミュニティ・ポリシング  55
Ⅴ 自警組織の活発化  56
Ⅵ 状況的犯罪予防  57
Ⅶ 今後の行方  59
第4章 犯罪予防戦略と地域社会の関与  64
Ⅰ はじめに  64
Ⅱ 犯罪予防の展開  65
1 中央政府による展開  65
2 地方機関による展開  67
3 民間組織の犯罪予防活動  68
Ⅲ 理念の変化  69
1 1998年法のその後  69
2 「犯罪予防」から「犯罪削減」へ  70
3 「犯罪削減」から「地域安全」へ  72
Ⅳ 犯罪予防活動への地域関与  74
1 NWの活動  74
2 NWの評価  75
Ⅴ わが国の地域安全活動との比較  77
Ⅵ おわりに  79
第Ⅲ部 犯罪対策
第5章 コミュニティ・ポリシングとしての
    リストラティブ・ジャスティス
――テムズ・バリー警察の実践――  89
Ⅰ はじめに  89
Ⅱ コミュニティ・ポリシングの技法としてのカンファレンス 90
1 リストラティブ・ジャスティスの活動  90
2 リストラティブ・ジャスティスと警察活動  92
Ⅲ テムズ・バリー警察による修復的警告制度  93
1 イギリスの警告制度  93
2 テムズ・バリー警察の導入の契機  94
3 カンファレンスの展開  95
4 成行状況  96
Ⅳ 問題点  97
Ⅴ おわりに  98
第6章 「コミュニティ・サービス」は「社会奉仕」か 104
Ⅰ はじめに 104
Ⅱ 「コミュニティ・サービス」の意義 105
1 「コミュニティ」の意義  106
2 「サービス」の意義  107
Ⅲ 「コミュニティ・サービス」と労働観 110
Ⅳ イギリス・CSOの今後 112
1 法改正の動き  112
2 運用状況  112
3 CSOの今後  113
Ⅴ おわりに 115

第7章 性犯罪対策の概要
――「子どもの安全」を確保する―― 121

Ⅰ はじめに 121
Ⅱ 性犯罪の性格と現状 122
1 性犯罪イメージの変貿―「児童虐待」から「捕食者」犯罪へ  122
2 性犯罪の状況  123
Ⅲ 性犯罪対策の法体制 125
1 性犯罪関係の諸法令  125
Ⅳ 性犯罪対策の実務体制―MAPPAとMAPPP129
1 MAPPAの理念・枠組み  129
2 MAPPA対象の犯罪者  131
3 MAPPAの目的  132
4 戦略管理委員会(the Strategic Management Board,
  SMB)の役割  134
5 MAPPAと被害者  135
6 市民アドバイザー  136
Ⅴ 性犯罪者に対する処遇 137
1 施設内処遇  137
2 社会内処遇  138
Ⅵ 今後の課題―性犯罪者対策の成果 139

第8章 「デジスタンス」と刑事政策
――犯罪常習者が犯罪を止めるとき―― 145

Ⅰ はじめに 145
Ⅱ デジスタンス研究の経緯 146
1 デジスタンス研究の端緒  146
2 理論的枠組み  148
Ⅲ 「デジスタンス」とは何か 149
1 「デジスタンス」定義  149
2 二次的デジスタンス  150
3 理論的根拠  152
Ⅳ 各種デジスタンス研究 153
1 サンプソンとラウブの研究  153
2 マルーナとファーレルの研究  154
3 シェフィールド大学の研究グループ  154
4 チュービンゲン大学の研究グループ  156
Ⅴ 犯罪者処遇とデジスタンス 157
1 保護観察とデジスタンス  157
2 社会的文脈とデジスタンス  158
3 犯罪者関係からデジスタンス関係ヘ  159
Ⅵ おわりに 160

第Ⅳ部 犯罪者処遇
第9章 終身刑としての不定期刑 169
Ⅰ はじめに 169
Ⅱ 終身刑の制度 170
1 必要的終身刑  171
2 裁量的終身刑  172
3 少年に対する終身刑  173
Ⅲ 終身刑の運用状況 174
1 終身刑の言渡し   174
2 終身刑受刑者の服役期間  175
Ⅳ 死刑廃止と終身刑 180
1 死刑廃止の経緯  180
2 死刑廃止運動と労働党政策  182
3 冤罪事件と死刑廃止  184
Ⅴ 今後の動向―2003年刑事司法法 187
Ⅵ おわりに 190

第10章 保護観察の変節
――支援から管理へ―― 196

Ⅰ はじめに 196
Ⅱ 保護観察の歴史概観 196
1 宣教的理念から診断的理念へ  196
2 拘禁代替策としての保護観察  198
3 刑罰としての保護観察  200
Ⅲ 任務の変化 201
1 矯正と保護の統合  201
2 公衆保護とリスク管理の強化  202
3 管理主義の強化  203
Ⅳ リスク社会と公衆保護 204
Ⅴ 保護観察の現状 206
Ⅵ おわりに 208

第11章 労働党の少年司法政策
――1998年犯罪・秩序違反法を中心に―― 215

Ⅰ はじめに 215
Ⅱ 労慟党政権の少年司法政策 216
Ⅲ 1998年法の内容 217
1 指 針  217
2 具体的内容    219
Ⅳ 1998年法の評価 223
Ⅴ おわりに 226

第12章 刑事司法の私事化現象
――施設民営化を素材に―― 233

Ⅰ はじめに 233
Ⅱ 刑事司法の私事化現象 235
1 私事化の意義  235
2 私事化の必要性  237
Ⅲ 私事化と正当性論争 239
1 推進論の根拠  239
2 正当性論争  241
3 民営化反対論  242
Ⅳ イギリス民営化の動向 243
1 民営化の前史  243
2 ウォールズ施設の誕生  245
3 ウォールズ施設の評価  247
Ⅴ おわりに 249

補 遺 論文紹介(翻訳)
《翻訳》 エスニック・マイノリティに対する
    イギリスの法政策
          トニー・ウォード 258
Ⅰ イギリスの民族問題 258
Ⅱ 人種、雇用、住宅 260
Ⅲ 犯罪と刑事司法 262
Ⅳ 統計上の矛盾 265
Ⅴ 結  論 269

参考文献
索  引

The British Criminology Studies vol.1
Ⅰ The Contribution of Three Criminologists coming from the Continent to British Criminology
Ⅱ The Criminal Careers of Illegal Drivers
Ⅲ The Characteristics of Crime Prevention Strategies by the Police in the 1990s
Ⅳ The Community Safety Movements; The Neighbourhood Watch
Ⅴ The Restorative Justice Project by the Thames Valley Police
Ⅵ The Structure of Community Service; Contribution to Community or Punishment?
Ⅶ Treating Sex Offenders; Development of Legislation and the MAPPA
Ⅷ Desistance from Crime; Why Do They Stop Offending?
Ⅸ Indeterminate Sentence as Life Sentence
Ⅹ Changing Probation Work; From Helping to Managing Offenders
 The Juvenile Justice Policy by the New Labour
 Privatising the Criminal Justice; Contracted-out Prisons