比較福祉の方法
久塚純一 著
定価:3,520円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2011年06月20日
-
判型:
A5版並製 -
ページ数:
304頁 -
ISBN:
978-4-7923-6099-3
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内容紹介
目次
[開講の章]
この「本」で学ぶことは……。………………………………………………………………1
1 安易な研究・安易な実践にサヨウナラ――所与の前提の存在………………………2
1 大衆化した「福祉」 2 2 福祉を支える所与の前提 5
3 再生産の構造 6
2 「なに」を「どこから」観察しているのか
――「観察」と「表現」が意味するもの…………………………………………………7
1 絵・写真・論文 8
2 「福祉の対象者」や「権利の主体」はどのようにして選ばれるのか 9
3 研究の「対象」を選ぶことにまつわる欲望 11
3 さあ始めよう 気をつけるべきこと……………………………………………12
1 意識して質問しよう 12 2 意識して考えよう 13
3 考える順序・本書の構成 14
1章 比較福祉論への接近
――「何」を「いかに」問題とすべきか…………………………………………………17
1 社会保障制度の歴史的広がり――「情報の入手」と「注意すべきこと」…………17
1 歴史的広がりについての情報 18 2 情報に対しての態度 20
2 普遍的に実施されるようになった社会保障
――「情報」として登録されるもの………………………………………………………22
1 現状についての情報 22 2 現状についての情報に対する態度 29
3 比較のための加工――「ナマの実態」と「加工された結果としての一覧表」……32
1 「ナマの実態」の加工 33 2 「加工の例」と課題 34
2章 比較福祉研究の現状――「何」と「何」を比較しようとしているのか……………37
1 私たちの身近にある比較――日常生活を安定させる………………………………37
1 日常会話でも使用されている比較 37 2 大きいゴジラは小さい 39
3 メディアで利用される比較 41 4 統計に表れる数値と比較 43
2 比較のための操作と概念の統一化――ナマデータのままでは,比べられない……47
1 「交通事故死」についての国際比較 47
2 抽象化や概念の統一化 51
3 「ソレ」を「もっともソレたらしめているもの」 53
3 社会保障の国際比較の現状――私たちの行っている国際比較とは………………57
1 自分たちの方法を知ることの大切さ 57
2 私たち=あなたたち=の手法 59 3 手法を支えている論理性 61
3章 比較福祉の重層的構造――比較福祉の基礎となるデータの重層性…………………67
1 日常生活を構成する重層的構造――福祉をめぐる多くの困難性……………………67
1 「福祉の対象の把握」と「対応の方法」 68 2 「言語」の問題 71
3 「連帯」することの難しさ 75
2 比較福祉の基礎となるデータ
比較のために必要とされる「生もの」の概念的統一化作業………………………79
1 「失業率」の国際比較 80 2 「乳児死亡率」の国際比較 83
3 「専門職」の国際比較 88 4 「平均入院日数」の国際比較 89
3 基礎データを支える専門性――「いいかげんではだめだ」という構造……………93
1 「保健室」の情景 93 2 「視力検査」は緊張する 95
3 「病」・「障害」の認定 99 4 「専門性」と「抽象化」 100
4章 比較福祉研究の方法――社会保障の日仏比較歴史からのアプローチ……………111
1 「テーマ」を発見することの重要性――事実を前提とすることの重要性………113
1 医療保険制度の形成をめぐる日仏の差異 113
2 結果についての評価 114 3 評価の背景に潜んでいるもの 119
2 現代に潜む歴史性
――フランスにおける「償還制」と「診療報酬超過請求権」の存在理由…………121
1 今でも見られる「償還制」と「診療報酬超過請求権」 121
2 「償還制」と「診療報酬超過請求権」の由来 122
3 医師と患者が報酬や謝礼を決定していたことの崩壊過程 127
4 1928年の社会保険の登場 132 5 県レベルの協約から全国協約へ 134
6 「償還制」と「診療報酬超過請求権」の意味 136
3 福祉における「民間団体」の役割――「公共性」の誕生…………………………140
1 「社会事業法」(昭13年・法59)制定時の議論(「民」から「公」へ) 141
2 GHQとの文書の往復(「公的責任」への一本化) 142
3 � .「措置」から「契約」へ という図式の登場(「公的責任」の変容) 144
4 いわゆる「NPO」をめぐる議論に見る「民」と「公」(「民」への期待) 145
5 介護保険をどのように見るか 152
6 フランスのAssociation からのヒント 153
5章 比較福祉研究と歴史的時期区分
――「旧い論理」と「新しい論理」の相互関係…………………………………………157
1 フランスにおける医師への謝礼をめぐる「旧い論理」と「新しい論理」
――「歴史的経緯」と複数の論理の併存………………………………………………157
1 問題の設定 158 2 医師への謝礼と近代市民法についての視点 160
2 医師への謝礼をめぐる法的紛争――当事者の論理と裁判所の判断………………163
1 医師への謝礼と近代市民法との接触 163
2 フィルターになるもの 165
3 「医師への謝礼の額」を判断する際の基準について 167
4 時効について 170
3 医師への謝礼を規律したもう一つの要素としての医師組合運動
――伝統的自由医療の系譜………………………………………………………………172
1 医師の組織化 173 2 医師組合の法認 177
3 医師組合規約 179
6章 福祉と「セックス」・「ジェンダー」比較――「約束された議論」の前提………183
1 福祉と「セックス」・「ジェンダー」――整理してから問題を設定する…………183
1 トピックス 184 2 議論の流れを整理してみると 189
3 女性╱男性という切り口 191
2 「『女性』という用語」と「意味しようとしている『女性』」
――具体的事例を介しての理解…………………………………………………………194
1 発端 194 2 いかに「調査」したか 201
3 結果 207 4 何がわかってきたか 210
3 福祉の専門職性と性――「性」を消すことと「性」を前面に出すこと…………213
1 社会保障や社会福祉制度に潜む女性性と男性性 213
2 障害者や高齢者と性 216 3 専門職と性 217
7章 比較のための「圏域設定」
――「地域医療計画」の設定をめぐっての調査から……………………………………223
1 「地域医療計画」からみる比較の圏域の意味
「行政の圏域」と「生活の圏域」…………………………………………………223
1 「地域医療計画」とは 224
2 「地域医療計画」にいう「必要病床数」とは 225
3 病床数比較の前提 227
2 地域医療計画にみる圏域設定
――福岡県における地域医療計画の策定を素材として………………………………230
1 福岡県で生じたこと 230
2 病床は過剰だったのか� . 不足だったのか� . 233
3 比較の空間的単位は適正であったのか� . 235
3 「地域医療計画」策定と病床数の推移――くり返される患者の争奪戦…………248
1 各都道府県で二次医療圏はどのように設定されたか 248
2 病院病床の過剰・不足都道府県と増床との関係 253
3 開設・廃止(動態)と増床 260
8章 福祉の国際比較と「ケース」検討
――「実態」のとらえ方と「再構成」の手法…………………………………………267
1 生ものを把握し記録する技術――どのように記録されるか………………………267
1 観察者の位置と被観察者の位置 268
2 「あっち」と「こっち」 269 3 「ナマ」の記録について 270
2 いわゆる「ケース」検討について――専門(家)的試みとは…… ………………273
1 「ケース」検討について 273 2 ある医師の試み 279
3 「知的障害者の言語」についての研究の試み 281
3 翻訳者は「誰」の「何」を代弁しているのか――「本人の意図」とは…… ……285
1 翻訳者は「何」を代弁しようとしているのか 285
2 裁判制度の代理人の役割 286
3 自己決定とパターナリズムの力学 287
あとがき
[開講の章]
この「本」で学ぶことは……。………………………………………………………………1
1 安易な研究・安易な実践にサヨウナラ――所与の前提の存在………………………2
1 大衆化した「福祉」 2 2 福祉を支える所与の前提 5
3 再生産の構造 6
2 「なに」を「どこから」観察しているのか
――「観察」と「表現」が意味するもの…………………………………………………7
1 絵・写真・論文 8
2 「福祉の対象者」や「権利の主体」はどのようにして選ばれるのか 9
3 研究の「対象」を選ぶことにまつわる欲望 11
3 さあ始めよう 気をつけるべきこと……………………………………………12
1 意識して質問しよう 12 2 意識して考えよう 13
3 考える順序・本書の構成 14
1章 比較福祉論への接近
――「何」を「いかに」問題とすべきか…………………………………………………17
1 社会保障制度の歴史的広がり――「情報の入手」と「注意すべきこと」…………17
1 歴史的広がりについての情報 18 2 情報に対しての態度 20
2 普遍的に実施されるようになった社会保障
――「情報」として登録されるもの………………………………………………………22
1 現状についての情報 22 2 現状についての情報に対する態度 29
3 比較のための加工――「ナマの実態」と「加工された結果としての一覧表」……32
1 「ナマの実態」の加工 33 2 「加工の例」と課題 34
2章 比較福祉研究の現状――「何」と「何」を比較しようとしているのか……………37
1 私たちの身近にある比較――日常生活を安定させる………………………………37
1 日常会話でも使用されている比較 37 2 大きいゴジラは小さい 39
3 メディアで利用される比較 41 4 統計に表れる数値と比較 43
2 比較のための操作と概念の統一化――ナマデータのままでは,比べられない……47
1 「交通事故死」についての国際比較 47
2 抽象化や概念の統一化 51
3 「ソレ」を「もっともソレたらしめているもの」 53
3 社会保障の国際比較の現状――私たちの行っている国際比較とは………………57
1 自分たちの方法を知ることの大切さ 57
2 私たち=あなたたち=の手法 59 3 手法を支えている論理性 61
3章 比較福祉の重層的構造――比較福祉の基礎となるデータの重層性…………………67
1 日常生活を構成する重層的構造――福祉をめぐる多くの困難性……………………67
1 「福祉の対象の把握」と「対応の方法」 68 2 「言語」の問題 71
3 「連帯」することの難しさ 75
2 比較福祉の基礎となるデータ
比較のために必要とされる「生もの」の概念的統一化作業………………………79
1 「失業率」の国際比較 80 2 「乳児死亡率」の国際比較 83
3 「専門職」の国際比較 88 4 「平均入院日数」の国際比較 89
3 基礎データを支える専門性――「いいかげんではだめだ」という構造……………93
1 「保健室」の情景 93 2 「視力検査」は緊張する 95
3 「病」・「障害」の認定 99 4 「専門性」と「抽象化」 100
4章 比較福祉研究の方法――社会保障の日仏比較歴史からのアプローチ……………111
1 「テーマ」を発見することの重要性――事実を前提とすることの重要性………113
1 医療保険制度の形成をめぐる日仏の差異 113
2 結果についての評価 114 3 評価の背景に潜んでいるもの 119
2 現代に潜む歴史性
――フランスにおける「償還制」と「診療報酬超過請求権」の存在理由…………121
1 今でも見られる「償還制」と「診療報酬超過請求権」 121
2 「償還制」と「診療報酬超過請求権」の由来 122
3 医師と患者が報酬や謝礼を決定していたことの崩壊過程 127
4 1928年の社会保険の登場 132 5 県レベルの協約から全国協約へ 134
6 「償還制」と「診療報酬超過請求権」の意味 136
3 福祉における「民間団体」の役割――「公共性」の誕生…………………………140
1 「社会事業法」(昭13年・法59)制定時の議論(「民」から「公」へ) 141
2 GHQとの文書の往復(「公的責任」への一本化) 142
3 � .「措置」から「契約」へ という図式の登場(「公的責任」の変容) 144
4 いわゆる「NPO」をめぐる議論に見る「民」と「公」(「民」への期待) 145
5 介護保険をどのように見るか 152
6 フランスのAssociation からのヒント 153
5章 比較福祉研究と歴史的時期区分
――「旧い論理」と「新しい論理」の相互関係…………………………………………157
1 フランスにおける医師への謝礼をめぐる「旧い論理」と「新しい論理」
――「歴史的経緯」と複数の論理の併存………………………………………………157
1 問題の設定 158 2 医師への謝礼と近代市民法についての視点 160
2 医師への謝礼をめぐる法的紛争――当事者の論理と裁判所の判断………………163
1 医師への謝礼と近代市民法との接触 163
2 フィルターになるもの 165
3 「医師への謝礼の額」を判断する際の基準について 167
4 時効について 170
3 医師への謝礼を規律したもう一つの要素としての医師組合運動
――伝統的自由医療の系譜………………………………………………………………172
1 医師の組織化 173 2 医師組合の法認 177
3 医師組合規約 179
6章 福祉と「セックス」・「ジェンダー」比較――「約束された議論」の前提………183
1 福祉と「セックス」・「ジェンダー」――整理してから問題を設定する…………183
1 トピックス 184 2 議論の流れを整理してみると 189
3 女性╱男性という切り口 191
2 「『女性』という用語」と「意味しようとしている『女性』」
――具体的事例を介しての理解…………………………………………………………194
1 発端 194 2 いかに「調査」したか 201
3 結果 207 4 何がわかってきたか 210
3 福祉の専門職性と性――「性」を消すことと「性」を前面に出すこと…………213
1 社会保障や社会福祉制度に潜む女性性と男性性 213
2 障害者や高齢者と性 216 3 専門職と性 217
7章 比較のための「圏域設定」
――「地域医療計画」の設定をめぐっての調査から……………………………………223
1 「地域医療計画」からみる比較の圏域の意味
「行政の圏域」と「生活の圏域」…………………………………………………223
1 「地域医療計画」とは 224
2 「地域医療計画」にいう「必要病床数」とは 225
3 病床数比較の前提 227
2 地域医療計画にみる圏域設定
――福岡県における地域医療計画の策定を素材として………………………………230
1 福岡県で生じたこと 230
2 病床は過剰だったのか� . 不足だったのか� . 233
3 比較の空間的単位は適正であったのか� . 235
3 「地域医療計画」策定と病床数の推移――くり返される患者の争奪戦…………248
1 各都道府県で二次医療圏はどのように設定されたか 248
2 病院病床の過剰・不足都道府県と増床との関係 253
3 開設・廃止(動態)と増床 260
8章 福祉の国際比較と「ケース」検討
――「実態」のとらえ方と「再構成」の手法…………………………………………267
1 生ものを把握し記録する技術――どのように記録されるか………………………267
1 観察者の位置と被観察者の位置 268
2 「あっち」と「こっち」 269 3 「ナマ」の記録について 270
2 いわゆる「ケース」検討について――専門(家)的試みとは…… ………………273
1 「ケース」検討について 273 2 ある医師の試み 279
3 「知的障害者の言語」についての研究の試み 281
3 翻訳者は「誰」の「何」を代弁しているのか――「本人の意図」とは…… ……285
1 翻訳者は「何」を代弁しようとしているのか 285
2 裁判制度の代理人の役割 286
3 自己決定とパターナリズムの力学 287
あとがき