境界と自由
新基礎法学叢書③

境界と自由

カント理性法論における主権の成立と政治的なるもの
木原 淳 著
定価:4,950円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2012年03月20日
  • 判型:
    A5版上製
  • ページ数:
    236頁
  • ISBN:
    978-4-7923-0529-1
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内容紹介

目次
 
 はしがき
 
序 章………………………………………………………………………………………………1
 1.背景   1
  (1)啓蒙主義自然法論とグローバリズム   1
  (2)ブルジョワジーと「リヴァイアサン」の合流   4
  (3)国民国家枠への回帰   7
 2.カント国家論の意義と本書の構成   10
  (1)カント国家論の意義   10
  (2)本書の構成   14
 3.『法論』を中心とするカント評価と研究   17
  (1)権威主義をめぐる議論   17
  (2)超越論的方法をめぐる議論   21
  (3)平等をめぐる議論   26
  (4)わが国における『法論』研究   28
 
第一章 「実体」としての土地…………………………………………………………………31
  ―労働所有説批判と可想的占有論―
 1.土地所有とその政治性   31
 2.「内的な私のもの」から「外的な私のもの」へ   34
 3.「身体の延長」と占有の可想的性格   41
  (1)ロックの労働所有説   41
  (2)カントによる労働所有説批判   46
 4.土地の特殊性   49
 5.根源的取得論への架橋―第一章の結びとして―   56
 
第二章 法秩序形成としての根源的取得………………………………………………………59
 1.土地支配の起源   59
 2.土地とその先占について   61
 3.根源的取得と力   70
  (1)暴力=支配力の範囲   70
  (2)国際法上の無主物先占論   73
 4.根源的取得による上級所有権   80
  (1)上級所有権   80
  (2)主権の成立   83
 5.普遍的意志と権力先占―第二章の結びとして―   87
 
第三章 抵抗と自由―主権と合法的正義の優越―……………………………………………90
 1.抵抗権をめぐる対立軸   90
 2.定言的命法と法の普遍的法則   92
  (1)道徳的自由   92
  (2)合法性の優位   94
 3.理性法国家における自由   97
  (1)理性理念による国制   97
  (2)抵抗否認の論拠   101
  (3)市民的自由の限界   106
 4.反イギリス的自由   111
  (1)「穏健な国制」批判   111
  (2)普遍的立法と命令の区分   117
 5.身分的自由から法的的自由へ―第三章の結びとして―   121
 
第四章 代表性と同一性―誰が主権者か􌗉― ………………………………………………125
 1.主権者と国家公民   125
 2.「主権者」の観念   127
  (1)抵抗権否認論からの整理   127
  (2)主権観念の分類   133
 3.ルソーモデルを軸とした主権者観念の整理   138
  (1)ルソー型の主権者観念および代表観念   138
  (2)人民主権モデルからの離反   143
   ①ルソーモデルからの逸脱―代表議会制への志向―   143
   ②国民と主権者の対置   146
 4.代表性原理と同一性原理   148
  (1)集合的人格はいかにして可能か� .   148
  (2)共通基盤としての主権的秩序   152
 5.普遍的「人民」から「国民」への移行―第四章の結びとして―   154
 
第五章 パトリオティズムと世界国家批判…………………………………………………159
 1.「国民」の根拠   159
 2.根源的契約理念の射程   161
  (1)国際関係観   161
  (2)目的としての国家   165
 3.世界国家否認論   169
  (1)大国批判   169
  (2)小国の賛美   174
 4.二つのパトリオティズム   178
 5.国土への愛着としての公共性―第五章の結びとして―   184
 
第六章 理性法秩序とその境界………………………………………………189
 1.世界市民主義   189
 2.普遍的理性と境界の設定   196
 
 文献表   206
 あとがき   221
 事項・人名索引   223__