基地イワクニの行政法問題
愛媛大学法学会叢書 15巻

基地イワクニの行政法問題

本田博利 著
定価:6,600円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2012年08月01日
  • 判型:
    A5版上製
  • ページ数:
    404頁
  • ISBN:
    978-4-7923-0537-6
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内容紹介

目  次

はしがき
第1章 米軍再編と基地イワクニ 1
Ⅰ 基地イワクニの形成 1
1 基地の概要 1
2 基地の沿革と現況 2
3 基地と市民生活 6
4 滑走路沖合移設事業 10
Ⅱ 米軍再編と基地イワクニ 12
1 厚木からの空母艦載機移駐 12
2 住民投票と新庁舎建設問題 20
3 愛宕山米軍住宅問題と民間空港再開問題 28
4 市長選挙と新市長の移駐容認 39
5 4つの基地訴訟の提起 42
Ⅲ 民主党政権下での米軍住宅反対運動 45
1 政権交代と愛宕山跡地購入費の予算計上 45
2 被害の拡大と進む基地機能強化 55
3 米軍住宅案・施設配置案及び購入額の提示 63
補論 3・11以後―基地と原発 93
Ⅳ ワンパッケージ論の破綻と沖縄海兵隊岩国移転案の浮上 96
1 普天間の辺野古移設座礁とワンパッケージ論の破綻 96
2 沖縄海兵隊岩国移転案の浮上と愛宕山売却の凍結・完了 105
3 結び―2プラス2「先送り」後の“基地イワクニ” 122
第2章 [第1論文]米軍岩国基地沖合移設事業の
公有水面埋立法上の問題点
―県知事権限の活用提案― 131
Ⅰ はじめに 132
1 地元「無視」の米軍再編 132
2 移設事業の本来目的―基地騒音の軽減 133
3 本稿の趣旨―埋立目的の逸脱に対する県知事権限の活用提案 135
Ⅱ 問題の所在 137
1 移設事業に関する4枚の図面 137
2 3つの疑問 140
3 航空機騒音調査の再実施の必要性 146
Ⅲ 海の埋立ての法システム 147
1 海の管理法制 147
2 公有水面埋立法の基本構造 148
3 1973年改正―①環境配慮条項の導入 149
4 1973年改正―②環境アセスメント実施の義務付け 150
5 瀬戸内海環境保全特別措置法による埋立規制 151
6 環境影響評価法に基づくアセスメントの実施 151
Ⅳ 移設事業の公有水面埋立法上の問題点 152
1 願書の法的問題点―①埋立ての目的・用途の変容 152
2 願書の法的問題点―②航空機騒音予測の欠落 159
3 埋立承認処分の法的問題点 163
4 法違反への対応―①アセスメント実施の義務付け 164
5 法違反への対応―②変更申請の承認 166
6 法違反への対応―③免許権者による独自のアセスメントの実施 171
7 法違反への対応―④承認の取消し(撤回) 172
Ⅴ 結び―県知事権限の活用提案 177
補論1 県の変更承認と国の竣功通知 179
補論2 裁判の推移 191
第3章 [第2論文] 岩国市・愛宕山新住宅市街地
開発事業廃止の法的問題点
―新住宅市街地開発法及び都市計画法の観点から― 207
Ⅰ はじめに 208
1 米軍再編の「受け皿」となった海と山の巨大公共事業 208
2 愛宕山新住事業の概要と事業廃止の経緯 209
Ⅱ 事業廃止の数々の問題点 213
1 前例なき新住事業の廃止 213
2 異例の都市計画の「変更」による事業廃止 215
3 跡地利用計画なき事業の廃止 218
4 米軍再編への追随 220
5 情報公開・説明責任の放棄 223
6 有力な反対意見の存在 224
Ⅲ 事業廃止の法的問題点1:新住法上の根拠 228
1 新住事業実施の法システム 228
2 事業廃止の新住法上の根拠 234
Ⅳ 事業廃止の法的問題点2:都市計画法上の根拠 237
1 事業廃止の都市計画法上の根拠 237
2 先例としての茨城県・流通業務団地造成事業の廃止 239
[付記1] 公有水面埋立承認処分・変更承認処分の取消訴訟 242
[付記2] 爆音訴訟(軍用機の飛行差止め・損害賠償等請求訴訟) 244
Ⅴ 事業廃止の法的評価1:法的根拠の欠如 244
1 事業廃止の法的手続 244
2 法的根拠の欠如 246
Ⅵ 事業廃止の法的評価2:手続法規違反 247
1 都市計画事業廃止の法的要件 247
2 手続要件の不充足 249
Ⅶ 事業廃止の法的評価3:実体法規違反 253
1 事業認可の取消しの法的要件 253
2 実体要件の判断要素 256
3 実体要件の不充足 260
Ⅷ 法的救済の可能性 274
1 取消訴訟 274
2 その他の法的措置 288
Ⅸ 結びに代えて 292
補論 裁判の推移 299
第4章 [第3論文] 自治体情報公開審査会答申の
尊重義務 319
Ⅰ はじめに―問題の所在 320
Ⅱ 審査会の答申の尊重義務 323
1 審査会の救済機能 323
2 審査会の審査手続 330
3 答申と異なる決定の可能性 331
4 答申と異なる決定を行った事例 334
5 小括 337
Ⅲ 岩国市の事例 342
1 事案の概要 342
2 審査会の答申の内容 348
3 答申を無視した市長の決定 356
4 裁判上の救済の可能性 363
Ⅳ 結びに代えて 365
1 岩国市における答申「無視」の「伏線」としての
「再答申(補充答申)」の事例 366
2 答申「尊重」の法的な「慣行」確立のための提案 371
3 行政不服審査法改正に伴う審査会機能強化の方向性 375
補論 判決 378
1 判決の概要 378
2 判例解説 378