香川大学法学会叢書9
労働者の損害賠償責任
細谷越史 著
定価:5,500円(税込)-
在庫:
美本なし(ケース又はカバー汚れ) -
発行:
2014年01月10日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
230頁 -
ISBN:
978-4-7923-3318-8
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内容紹介
目 次
はしがき
序 章 日本の問題状況と本研究の課題 1
第一部 ドイツにおける労働者の責任制限法理
第一章 責任制限法理の形成 11
1 労働者の責任に関する一般原則 11
2 配慮義務による責任制限の根拠づけ 12
3 責任制限の前提条件としての危険内包労働 15
4 過失の三区分に即した責任判断 16
5 責任制限の例外としての金銭・物品の不足等に関する
責任事例 20
(1) 金銭・物品の不足等に関する労働者の責任 (20)
(2) 金銭・物品の不足等の責任に関する合意の効力 (22)
6 責任制限法理の課題 25
第二章 責任制限の根拠の転換と適用範囲の拡大 29
1 危険内包労働の状況に即した考察方法への重心移動 29
(1) 自動車運転業務の場合 (29)
(2) 典型的には危険内包労働とみなされない業務の場合 (30)
2 配慮義務論からリスク責任論への転換 33
(1) リスク責任論に依拠する責任制限法理 (33)
(2) 配慮義務論の問題点およびリスク責任論の優位性と課題 (41)
(3) 責任制限法理の人的適用範囲 (45)
第三章 責任制限の根拠の複合化と責任判断基準の
精緻化 51
1 労働者保護的根拠によるリスク責任論の補強 51
2 軽過失事例における責任制限 54
(1) 一般的に労働者を完全に免責する立場 (55)
(2) 個々の事案毎に諸事情を考慮して損害分配を行う立場 (60)
3 保険による保護と労働者の責任制限 63
(1) 使用者の保険によるリスク分散の懈怠と労働者の責任制限 (63)
(2) 労働者の加入する保険と責任制限 (69)
4 重過失事例における責任制限 70
(1) 個々の事案毎に諸事情を考慮して損害分配を行う立場 (70)
(2) 一般的な上限規制を支持する立場 (84)
5 故意・過失の関連点 86
(1) 故意・過失を義務違反や法益侵害との関連で判定する立場 (88)
(2) 故意・過失を損害の発生との関連で判定する立場 (90)
第四章 責任制限の包括的適用 95
1 経営に起因する全ての労働に対する責任制限の適用 95
(1) 責任制限の前提条件としての経営に起因する全ての労働 (96)
(2) 責任制限の根拠 (100)
(3) 責任判断の基準 (106)
(4) 責任制限法理の法的性格 (108)
2 金銭・物品の不足等の事例への責任制限の適用拡大 114
(1) 金銭・物品の不足等に関する労働者の責任 (115)
(2) 金銭・物品の不足等の責任に関する合意の効力 (118)
3 小括 132
第二部 日本における労働者の責任制限法理
第一章 責任制限をめぐる理論状況 143
1 労働者の責任に関する一般原則 143
2 民法学説 144
(1) 使用者責任の代位責任的理解を前提とした求償権制限論 (144)
(2) 使用者責任の固有責任的理解を前提とした求償権等制限論 (146)
3 労働法学説 150
第二章 判例法理の特徴と課題 157
1 判例における考慮要素と責任判断の傾向 157
(1) 自動車事故の事例 (157)
(2) 取引等に関する事故の事例 (162)
2 判例の責任判断における課題 166
(1) 重過失事例における責任制限 (166)
(2) 故意または重過失による義務違反や指示・規則等の
違反事例における責任制限の適用可能性 (168)
(3) 責任発生要件としての債務不履行等の存否の判断 (170)
(4) 損害賠償請求と機能的関連性がある手段の考慮 (171)
(5) 過失相殺の位置づけ (174)
第三章 責任制限法理の再構成 176
1 責任制限の根拠 176
(1) 労働の従属性ないし他人決定性 (176)
(2) 信義則 (177)
(3) 危険責任・報償責任法理ないし経営上のリスクの帰責原則 (179)
(4) 生存権および人たるに値する生活の理念 (183)
2 具体的な責任判断 185
(1) 軽過失の場合 (185)
(2) 重過失の場合 (188)
(3) 故意の場合 (193)
3 労働者の故意・過失などの証明責任 195
4 責任制限と過失相殺の関係 200
5 責任を加重する個別合意,就業規則,労働協約の効力 202
6 退職金の減額・不支給と損害賠償請求の調整 209
総括 213
はしがき
序 章 日本の問題状況と本研究の課題 1
第一部 ドイツにおける労働者の責任制限法理
第一章 責任制限法理の形成 11
1 労働者の責任に関する一般原則 11
2 配慮義務による責任制限の根拠づけ 12
3 責任制限の前提条件としての危険内包労働 15
4 過失の三区分に即した責任判断 16
5 責任制限の例外としての金銭・物品の不足等に関する
責任事例 20
(1) 金銭・物品の不足等に関する労働者の責任 (20)
(2) 金銭・物品の不足等の責任に関する合意の効力 (22)
6 責任制限法理の課題 25
第二章 責任制限の根拠の転換と適用範囲の拡大 29
1 危険内包労働の状況に即した考察方法への重心移動 29
(1) 自動車運転業務の場合 (29)
(2) 典型的には危険内包労働とみなされない業務の場合 (30)
2 配慮義務論からリスク責任論への転換 33
(1) リスク責任論に依拠する責任制限法理 (33)
(2) 配慮義務論の問題点およびリスク責任論の優位性と課題 (41)
(3) 責任制限法理の人的適用範囲 (45)
第三章 責任制限の根拠の複合化と責任判断基準の
精緻化 51
1 労働者保護的根拠によるリスク責任論の補強 51
2 軽過失事例における責任制限 54
(1) 一般的に労働者を完全に免責する立場 (55)
(2) 個々の事案毎に諸事情を考慮して損害分配を行う立場 (60)
3 保険による保護と労働者の責任制限 63
(1) 使用者の保険によるリスク分散の懈怠と労働者の責任制限 (63)
(2) 労働者の加入する保険と責任制限 (69)
4 重過失事例における責任制限 70
(1) 個々の事案毎に諸事情を考慮して損害分配を行う立場 (70)
(2) 一般的な上限規制を支持する立場 (84)
5 故意・過失の関連点 86
(1) 故意・過失を義務違反や法益侵害との関連で判定する立場 (88)
(2) 故意・過失を損害の発生との関連で判定する立場 (90)
第四章 責任制限の包括的適用 95
1 経営に起因する全ての労働に対する責任制限の適用 95
(1) 責任制限の前提条件としての経営に起因する全ての労働 (96)
(2) 責任制限の根拠 (100)
(3) 責任判断の基準 (106)
(4) 責任制限法理の法的性格 (108)
2 金銭・物品の不足等の事例への責任制限の適用拡大 114
(1) 金銭・物品の不足等に関する労働者の責任 (115)
(2) 金銭・物品の不足等の責任に関する合意の効力 (118)
3 小括 132
第二部 日本における労働者の責任制限法理
第一章 責任制限をめぐる理論状況 143
1 労働者の責任に関する一般原則 143
2 民法学説 144
(1) 使用者責任の代位責任的理解を前提とした求償権制限論 (144)
(2) 使用者責任の固有責任的理解を前提とした求償権等制限論 (146)
3 労働法学説 150
第二章 判例法理の特徴と課題 157
1 判例における考慮要素と責任判断の傾向 157
(1) 自動車事故の事例 (157)
(2) 取引等に関する事故の事例 (162)
2 判例の責任判断における課題 166
(1) 重過失事例における責任制限 (166)
(2) 故意または重過失による義務違反や指示・規則等の
違反事例における責任制限の適用可能性 (168)
(3) 責任発生要件としての債務不履行等の存否の判断 (170)
(4) 損害賠償請求と機能的関連性がある手段の考慮 (171)
(5) 過失相殺の位置づけ (174)
第三章 責任制限法理の再構成 176
1 責任制限の根拠 176
(1) 労働の従属性ないし他人決定性 (176)
(2) 信義則 (177)
(3) 危険責任・報償責任法理ないし経営上のリスクの帰責原則 (179)
(4) 生存権および人たるに値する生活の理念 (183)
2 具体的な責任判断 185
(1) 軽過失の場合 (185)
(2) 重過失の場合 (188)
(3) 故意の場合 (193)
3 労働者の故意・過失などの証明責任 195
4 責任制限と過失相殺の関係 200
5 責任を加重する個別合意,就業規則,労働協約の効力 202
6 退職金の減額・不支給と損害賠償請求の調整 209
総括 213