幇助犯の規範構造と処罰根拠
小島秀夫 著
定価:4,950円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2015年03月10日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
268頁 -
ISBN:
978-4-7923-5137-3
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内容紹介
はしがき
序 章 1
Ⅰ 刑法の課題と幇助犯の成否をめぐる議論との関係 1
Ⅱ 犯罪論の試金石としての幇助犯論 3
Ⅲ 本書のパースペクティヴ 4
第1章 正犯・共犯の構成モデルと共犯の規範構造 8
Ⅰ はじめに 8
Ⅱ 統一モデル 8
1 統一的正犯者概念 9
2 批判的考察 12
Ⅲ 区別モデル 16
1 拡張的正犯者概念 17
2 制限的正犯者概念 19
3 検討 21
Ⅳ 過失犯における構成モデル 24
Ⅴ まとめ 29
第2章 共犯の処罰根拠 31
Ⅰ はじめに 31
Ⅱ 共犯の処罰根拠に関する学説の展開 32
1 堕落説 34
2 惹起説 39
3 連帯説 43
Ⅲ 共犯従属性の体系的地位と共犯の処罰根拠 44
1 不法要素説 45
2 処罰条件説 48
3 共犯独立性説の再検討 51
4 共犯従属性の観点からみた共犯の処罰根拠 54
5 質的従属性の一考察 60
Ⅳ まとめ 66
第3章 共同正犯と幇助犯の区別基準 68
Ⅰ はじめに 68
Ⅱ 従来の対立―客観説と主観説 70
1 客観説 70
2 主観説 75
Ⅲ 行為支配説の現状 79
1 行為支配説の二つの潮流 80
2 行為支配説に対する批判的考察 82
Ⅳ 故意の再評価 86
1 自律性と行動規範 86
2 実行行為に内在する共同決定としての「構成要件的故意」による区別 87
Ⅴ わが国の判例理論 89
Ⅵ まとめ 93
第4章 いわゆる共謀共同正犯における実行行為概念の再検討 95
Ⅰ はじめに 95
Ⅱ 従来の共謀行為と実行行為の関係性 97
1 共同正犯の行動規範 97
2 諸説の論拠と批判的考察 101
Ⅲ 共謀共同正犯の事例に潜在する複数行為 105
1 承継的共同正犯の裏返しとしての共謀共同正犯 105
2 離隔犯的構造を有する事前共謀 110
Ⅳ 事前共謀の実行行為性判断と未遂犯の成立時期 113
1 申し合わせの可罰性をめぐるドイツの議論 113
2 共謀行為の推進力 117
Ⅴ まとめ 121
第5章 いわゆる承継的共犯の規範論的考察 123
Ⅰ はじめに 123
Ⅱ いわゆる承継的共犯の犯罪構造 125
1 正犯行為の内側で行われる幇助行為 125
2 幇助犯成立の時間的限界 132
Ⅲ 行動規範論に基づく承継的共同正犯の否定 139
1 いわゆる承継的共犯の故意概念と行動規範 139
2 後続行為者に関する罪数問題 148
Ⅳ まとめ 153
第6章 幇助犯における因果関係の意味 156
Ⅰ はじめに 156
Ⅱ 幇助行為と正犯結果との因果関係の要否 157
Ⅲ 条件関係必要説の再検討 162
1 従来の認定方法 162
2 合法則的条件公式の適用可能性 165
Ⅳ 危険増加原理に対する批判的考察 167
1 危険犯としての幇助犯と危険増加原理 167
2 因果関係の意味としての危険増加原理 171
Ⅴ 一括消去モデルによる必要条件公式の適用可能性 174
Ⅵ まとめ 179
第7章 幇助犯における故意の認識対象 182
Ⅰ はじめに 182
Ⅱ 正犯結果の要否 182
Ⅲ 正犯行為の要否 185
1 行動規範論と制裁規範論の相違 186
2 認識対象としての正犯行為の具体化 191
Ⅳ まとめ 199
第8章 幇助行為の可罰性と故意帰属 200
Ⅰ はじめに 200
Ⅱ いわゆる中立的行為による幇助をめぐる議論 201
1 ウィニー提供事件の概要 201
2 客観的帰属論の展開とその所見 207
3 故意帰属の基準としての「故意的に創出された許されない危険な行為」 222
Ⅲ 幇助犯における因果経過の齟齬事例 224
1 客観的帰属論の意義と限界 225
2 故意帰属の基準としての「故意的に創出された許されない危険の実現」 229
Ⅳ まとめ 230
終 章 232
参考文献一覧 238
事項索引 253
序 章 1
Ⅰ 刑法の課題と幇助犯の成否をめぐる議論との関係 1
Ⅱ 犯罪論の試金石としての幇助犯論 3
Ⅲ 本書のパースペクティヴ 4
第1章 正犯・共犯の構成モデルと共犯の規範構造 8
Ⅰ はじめに 8
Ⅱ 統一モデル 8
1 統一的正犯者概念 9
2 批判的考察 12
Ⅲ 区別モデル 16
1 拡張的正犯者概念 17
2 制限的正犯者概念 19
3 検討 21
Ⅳ 過失犯における構成モデル 24
Ⅴ まとめ 29
第2章 共犯の処罰根拠 31
Ⅰ はじめに 31
Ⅱ 共犯の処罰根拠に関する学説の展開 32
1 堕落説 34
2 惹起説 39
3 連帯説 43
Ⅲ 共犯従属性の体系的地位と共犯の処罰根拠 44
1 不法要素説 45
2 処罰条件説 48
3 共犯独立性説の再検討 51
4 共犯従属性の観点からみた共犯の処罰根拠 54
5 質的従属性の一考察 60
Ⅳ まとめ 66
第3章 共同正犯と幇助犯の区別基準 68
Ⅰ はじめに 68
Ⅱ 従来の対立―客観説と主観説 70
1 客観説 70
2 主観説 75
Ⅲ 行為支配説の現状 79
1 行為支配説の二つの潮流 80
2 行為支配説に対する批判的考察 82
Ⅳ 故意の再評価 86
1 自律性と行動規範 86
2 実行行為に内在する共同決定としての「構成要件的故意」による区別 87
Ⅴ わが国の判例理論 89
Ⅵ まとめ 93
第4章 いわゆる共謀共同正犯における実行行為概念の再検討 95
Ⅰ はじめに 95
Ⅱ 従来の共謀行為と実行行為の関係性 97
1 共同正犯の行動規範 97
2 諸説の論拠と批判的考察 101
Ⅲ 共謀共同正犯の事例に潜在する複数行為 105
1 承継的共同正犯の裏返しとしての共謀共同正犯 105
2 離隔犯的構造を有する事前共謀 110
Ⅳ 事前共謀の実行行為性判断と未遂犯の成立時期 113
1 申し合わせの可罰性をめぐるドイツの議論 113
2 共謀行為の推進力 117
Ⅴ まとめ 121
第5章 いわゆる承継的共犯の規範論的考察 123
Ⅰ はじめに 123
Ⅱ いわゆる承継的共犯の犯罪構造 125
1 正犯行為の内側で行われる幇助行為 125
2 幇助犯成立の時間的限界 132
Ⅲ 行動規範論に基づく承継的共同正犯の否定 139
1 いわゆる承継的共犯の故意概念と行動規範 139
2 後続行為者に関する罪数問題 148
Ⅳ まとめ 153
第6章 幇助犯における因果関係の意味 156
Ⅰ はじめに 156
Ⅱ 幇助行為と正犯結果との因果関係の要否 157
Ⅲ 条件関係必要説の再検討 162
1 従来の認定方法 162
2 合法則的条件公式の適用可能性 165
Ⅳ 危険増加原理に対する批判的考察 167
1 危険犯としての幇助犯と危険増加原理 167
2 因果関係の意味としての危険増加原理 171
Ⅴ 一括消去モデルによる必要条件公式の適用可能性 174
Ⅵ まとめ 179
第7章 幇助犯における故意の認識対象 182
Ⅰ はじめに 182
Ⅱ 正犯結果の要否 182
Ⅲ 正犯行為の要否 185
1 行動規範論と制裁規範論の相違 186
2 認識対象としての正犯行為の具体化 191
Ⅳ まとめ 199
第8章 幇助行為の可罰性と故意帰属 200
Ⅰ はじめに 200
Ⅱ いわゆる中立的行為による幇助をめぐる議論 201
1 ウィニー提供事件の概要 201
2 客観的帰属論の展開とその所見 207
3 故意帰属の基準としての「故意的に創出された許されない危険な行為」 222
Ⅲ 幇助犯における因果経過の齟齬事例 224
1 客観的帰属論の意義と限界 225
2 故意帰属の基準としての「故意的に創出された許されない危険の実現」 229
Ⅳ まとめ 230
終 章 232
参考文献一覧 238
事項索引 253