商学双書3
社会保障論
土田武史 編著
定価:3,300円(税込)-
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発行:
2015年03月20日
-
判型:
A5判並製 -
ページ数:
428頁 -
ISBN:
978-4-7923-4254-8
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内容紹介
目 次
はしがき
序章 社会保障とは何か 1
1 社会保障の役割 1
1-1 全ての国民に最低生活を保障する役割 1
1-2 生活を安定させる役割 2
1-3 社会的公平を図る役割 4
2 社会保障の前提条件 5
3 社会保障の体系 6
3-1 日本の社会保障制度の体系 6
3-2 保障分野による体系 8
4 社会保障の新たな取り組み 9
第1章 医療保険 13
1 医療保険とは 13
1-1 医療保険の役割 13
1-2 公的医療保険の特徴 14
1-3 医療保険制度体系 15
(1)公的医療保険の全体像 (15)
(2)公的医療保険と民間医療保険の関係 (17)
2 医療保険制度の概要 19
2-1 健康保険制度 19
(1)被保険者 (19)
(2)被扶養者 (20)
(3)保険者 (20)
(4)財源 (20)
2-2 国民健康保険制度 22
(1)被保険者 (22)
(2)保険者 (23)
(3)財源 (24)
Column 保険料か,税か (25)
2-3 高齢者医療制度 26
(1)後期高齢者医療制度 (26)
(2)前期高齢者医療制度 (29)
3 医療保険の給付 29
3-1 保険給付 29
3-2 患者の一部負担金 32
4 医療保障の三者関係 33
4-1 現物給付の医療サービス 33
4-2 診療報酬の仕組み 34
(1)診療報酬の支払い方式 (34)
(2)日本の診療報酬制度 (36)
5 医療費 38
5-1 医療費の増加要因 38
5-2 国民医療費 38
6 医療提供体制 40
6-1 医療供給の状況 40
6-2 これからの医療提供体制 42
Column データヘルスとは? (42)
第2章 介護保険 45
1 介護保険とは 45
1-1 高齢社会における介護保障の必要性 45
1-2 介護保険が創設される以前の状況 46
2 介護保険の仕組み 47
2-1 保険者 47
2-2 被保険者 49
2-3 保険料 50
(1)第1号被保険者の保険料 (50)
(2)第2号被保険者の保険料 (51)
2-4 介護サービス利用の手続き 52
(1)要介護認定 (52)
Column 介護保険がカバーするリスクとは何か (53)
(2)介護サービス計画,介護予防サービス計画の作成 (54)
2-5 保険給付の種類 54
(1)居宅介護サービス (55)
(2)施設介護サービス (56)
(3)地域密着型介護サービス (56)
(4)介護予防給付 (57)
(5)定期巡回・随時対応サービスの創設 (57)
2-6 介護保険のサービスの提供者 58
2-7 給付基準と支給限度額 58
2-8 介護報酬 59
2-9 利用者の負担(自己負担) 60
2-10 介護保険の運営 60
(1)財政 (60)
(2)介護予防と地域支援事業 (61)
3 介護保険制度の最近の動向 62
第3章 公的年金 65
1 公的年金とは 65
2 公的年金の目的と必要性 66
2-1 目的 66
2-2 必要性 67
(1)家族による扶養と個人による貯蓄の限界 (67)
(2)私的年金と公的扶助の限界 (68)
(3)公的年金の必要性とその特徴 (69)
3 公的年金の体系 70
4 公的年金の保険者および被保険者・保険料 72
4-1 保険者 72
4-2 被保険者・保険料 73
Column 学生納付特例の意義 (74)
5 公的年金の給付 75
5-1 老齢年金 75
(1)老齢基礎年金 (75)
(2)老齢厚生年金 (76)
5-2 年金の給付水準 77
5-3 障害年金 78
5-4 遺族年金 80
5-5 併給調整 81
6 公的年金の財政 81
6-1 財源調達方式と財政方式 81
6-2 公的年金の財政構造 83
7 公的年金が直面する主な課題とそれに対応した改革 85
7-1 公的年金の財政問題 85
7-2 年金保険料の未納問題 87
7-3 低年金・無年金問題 89
7-4 厚生年金保険非適用の非正規労働者 91
8 おわりに 93
第4章 雇用保険 95
1 雇用保険制度の目的 95
1-1 失業保険法の制定 95
1-2 失業保険から雇用保険へ 95
2 雇用保険の保険者と被保険者 97
2-1 保険者と行政組織 97
2-2 被保険者 97
3 失業の定義 98
4 保険給付 99
4-1 求職者給付 99
4-2 就職促進給付 101
4-3 教育訓練給付 103
4-4 雇用継続給付 103
5 雇用保険二事業と雇用保険の財政 105
5-1 雇用保険二事業 105
5-2 雇用保険の財源 106
6 平成26年雇用保険法改正 106
(1)育児休業給付の充実(2014年4月1日施行) (107)
(2)教育訓練給付金の拡充および教育訓練支援給付金の創設(2014年10月1日施行) (107)
(3)就業促進手当(再就職手当)の拡充(2014年4月1日施行) (108)
(4)平成25年度までの暫定措置の延長 (108)
Column 求職者支援制度とは (108)
第5章 労働者災害補償保険制度 111
1 労災保険制度の目的 111
1-1 労災保険とは何か 111
1-2 労働基準法上の災害補償責任 112
2 適用事業,保険者,保険料 113
2-1 適用事業 113
2-2 保険者 114
2-3 保険料 114
3 業務災害,通勤災害の認定 115
3-1 業務災害の認定 116
3-2 通勤災害の認定 117
4 保険給付 118
5 社会復帰促進等事業 122
Column 過労死等の労災認定 (123)
第6章 生活保護 125
1 生活保護とは何か:原理と原則 125
はじめに 125
1-1 四つの基本原理 126
(1)国家責任による最低生活保障の原理 (126)
(2)無差別平等の原理 (126)
(3)健康で文化的な最低生活保障の原理 (126)
(4)補足性の原理 (126)
1-2 実施上の四つの原則 127
(1)申請保護の原則 (127)
(2)基準及び程度の原則 (127)
(3)必要即応の原則 (128)
(4)世帯単位の原則 (128)
2 保護の内容 129
2-1 保護の種類 129
(1)生活扶助 (129)
(2)教育扶助 (129)
(3)住宅扶助 (130)
(4)医療扶助 (130)
(5)介護扶助 (130)
(6)出産扶助 (130)
(7)生業扶助 (131)
(8)葬祭扶助 (131)
2-2 保護基準・最低生活費 131
3 生活保護の実施 134
3-1 実施過程 134
3-2 生活保護の費用,財政 135
4 生活保護の動向・実態 137
4-1 地域差,地域性 137
4-2 生活保護世帯の特徴 138
5 生活保護の見直し・今後 139
Column 東日本大震災・原発事故,被災者支援,生活保護 (141)
第7章 障害者福祉 143
1 障害者福祉制度の目的と背景 143
1-1 障害者福祉をめぐる理念 143
1-2 障害者権利条約 144
1-3 障害者基本法 145
2 障害者総合支援法の特徴 146
2-1 支援費制度から障害者自立支援法へ 146
2-2 障害者自立支援法のポイント 147
(1)障害者施策を3障害一元化 (148)
(2)利用者本位のサービス体系に再編 (148)
(3)就労支援の抜本的強化 (148)
(4)支給決定の透明化,明確化 (149)
(5)安定的な財源の確保 (149)
2-3 障害者自立支援法から障害者総合支援法へ 150
3 制度の対象者 151
4 給付内容 151
5 実施主体 152
6 サービスの供給体制 157
6-1 サービス提供事業所 157
6-2 障害福祉計画 157
7 財政 158
7-1 国庫負担 157
7-2 利用者負担 157
8 障害者福祉制度の課題について 160
Column 障がい者制度改革推進会議の情報発信 (161)
Column 骨格提言 (162)
第8章 家族政策 165
1 少子化対策に着目して 165
2 少子化の現状 165
2-1 人口動態 165
2-2 少子化の動向 167
2-3 少子化は問題か 168
3 少子化の要因 170
3-1 少子化をもたらす2 つの要因 170
3-2 未婚化・晩婚化の進行 171
3-3 既婚夫婦の出生児数の低下 174
4 少子化対策の展開 176
4-1 展開の経緯と主な内容 176
(1)1990年代の展開 (176)
(2)2000年代の展開 (178)
4-2 対策の特徴とその意味 180
(1)「仕事と家庭の両立支援政策」を中心とした政策展開 (181)
(2)「安上がりの政策」志向とその実状 (183)
4-3 若干の評価と今後の課題 187
第9章 社会保障財政 189
1 社会保障制度の財政規模 189
1-1 増え続ける日本の社会保障給付費 189
1-2 社会保障規模の国際比較 191
1-3 国民負担率の国際比較 193
2 財政制度における社会保障 195
2-1 財政制度と社会保障との関係 195
2-2 一般会計歳出における社会保障関係費 196
(1)社会保障関係費の構成 (196)
(2)社会保障関係費の規模 (197)
(3)費目別社会保障関係費の変化 (199)
2-3 普通会計における社会保障関係費 199
3 財源構成と財源調達方式 200
3-1 社会保障の財源構成 200
3-2 財源調達方式 201
3-3 主要制度の財源構成と財源調達方式 202
3-4 両方式のメリットとデメリット 203
4 財源調達方式の選択基準 205
4-1 受益と負担の対応関係による選択基準 205
4-2 財源政策の政策基準 206
第10章 社会保険と民間保険 209
1 保険の仕組みと保険の技術的原則 209
はじめに 209
1-1 保険の基本的仕組み 209
1-2 大数の法則(危険率の測定) 210
1-3 共同準備財産の形成 211
1-4 収支相等の原則 211
1-5 給付・反対給付均等の原則 212
2 社会保険と民間保険の異同 213
2-1 社会保険の要件 213
(1)国家管理 (213)
(2)国庫負担 (214)
(3)強制加入 (214)
(4)雇用主負担 (215)
2-2
保険の技術的原則からみた社会保険と民間保険の類似点と相違点
215
3 社会保険の機能 218
3-1 生活リスクと社会保険の対応 218
3-2 社会保障としての社会保険 219
3-3 社会保険の所得再分配機能 221
3-4 日本の所得再分配と社会保険 222
Column ジニ係数とローレンツ曲線 (223)
4 福祉国家における連帯と社会保険 226
第11章 雇用と社会保障 229
1 日本的雇用慣行の縮小 229
はじめに 229
1-1 日本的雇用慣行 230
1-2 日本的雇用慣行の縮小 230
1-3 非正規労働者の増大と社会保険 230
2 積極的雇用政策 231
2-1 消極的雇用政策と積極的雇用政策 231
2-2 職業訓練 232
(1)OJT とOff-JT (232)
(2)初期職業教育と卒後職業訓練 (233)
(3)職業訓練プログラムの体系 (233)
(4)現行職業訓練制度の課題 (234)
3 雇用政策の国際比較 235
3-1 積極的労働市場政策支出 235
3-2 雇用政策費の内訳 235
4 新しいセーフティネットの模索 236
4-1 非正規労働対策の拡充 236
4-2 雇用保険非適用者に対する職業訓練の開始 238
4-3 給付付き税額控除の可能性 239
まとめ―生活保障体系のなかの社会保障 241
第12章 社会保障と企業福祉 243
1 企業福祉とは何か 243
1-1 「企業福祉」とは 243
1-2 企業福祉の基本的な仕組み 244
1-3 企業福祉の変遷 245
(1)企業福祉の生成 (245)
(2)企業福祉の拡大と合理化 (246)
(3)生涯総合福祉プランの展開 (247)
(4)転機に立つ企業福祉 (248)
2 企業福祉の内容と実施体制 249
2-1 企業福祉の内容 249
(1)施策構成 (249)
(2)制度の仕組み (251)
2-2 給付・サービスと実施体制 251
2-3 カフェテリアプランの導入 252
2-4 退職金・企業年金 253
(1)退職金の性質と退職一時金の年金化 (253)
(2)企業年金制度の現状 (255)
Column 代行返上 (255)
3 企業福祉の費用とその動向 258
3-1 福利厚生費の構造 258
3-2 福利厚生費の動向 259
3-3 福利厚生費の合理化とその特徴 261
4 企業福祉の今後の方向 262
4-1 これまでの多面的な関係 262
4-2 企業福祉の今後の方向 263
Column ワークライフバランス (264)
第13章 社会保障の歴史 267
1 救貧制度の成立と展開 267
はじめに 267
1-1 救貧法の成立 268
(1)商業革命と救貧法の成立 (268)
(2)救貧法の内容と意義 (269)
1-2 救貧法の展開 270
(1)自由放任主義と救貧法の改正 (270)
(2)新救貧法の成立 (272)
2 救貧法の解体と公的扶助の成立 273
2-1 貧困調査 273
2-2 王立救貧法委員会と少数派報告 275
2-3 リベラル・リフォームにおける改革 275
3 社会保険の成立と展開 276
3-1 ドイツにおける社会保険の成立 276
3-2 ドイツの社会保険の内容とその意義 277
3-3 イギリスにおける社会保険の導入 280
4 社会保障の形成 281
4-1 失業保険の破綻と失業扶助との統合 281
4-2 アメリカの社会保障法の成立 282
4-3 ニュージーランドにおける社会保障法 283
4-4 ベヴァリッジ報告 284
5 社会保障の展開 286
5-1 社会保障の普及 286
5-2 1980年代以降の社会保障の変容 289
第14章 日本の社会保障の歴史 291
1 戦前期-社会保障前史 291
はじめに 291
(1)社会保障の源流としての救貧と共済 (291)
(2)日本における社会保障という言葉の誕生と普及 (291)
1-1 救貧の系列 292
(1)恤救規則の時代 (292)
(2)軍人特別立法 (294)
(3)方面委員制度の普及と救護法の制定 (294)
1-2 共済の系列 295
(1)恩給の先行と共済組合の後追い (295)
(2)健康保険法の制定 (297)
(3)労働者年金保険法 (299)
(4)国民健康保険法の制定 (300)
2 被占領期から国民皆保険・皆年金体制の成立まで 302
2-1 生活保護法の制定 302
2-2 社会保障の模索 303
2-3 講和後~国民皆保険・皆年金体制の成立 304
3 国民皆保険・皆年金体制下の社会保障 306
3-1 生活保護 306
3-2 健康保険 307
3-3 年金 307
3-4 「福祉元年」 308
4 1980年代前半の改革 309
4-1 生活保護 309
4-2 老人保健制度の創設と健康保険 309
4-3 基礎年金の創設 310
おわりに 311
第15章 諸外国の社会保障 315
1 イギリスの社会保障 315
はじめに 315
1-1 国民保険制度と制度改革 315
(1)公的年金の概要 (317)
(2)キャメロン政権下の年金改革 (319)
(3)拠出制の雇用関連給付 (319)
1-2 福祉関連給付と福祉改革 320
1-3 NHS制度と改革 322
1-4 高齢者,障害者向けの介護制度と改革 323
まとめ 324
2 フランス 326
はじめに 326
2-1 社会保障制度全体の概要 326
2-2 各制度の概要 328
(1)年金制度 (328)
(2)医療保険制度 (329)
(3)家族給付 (331)
(4)失業・社会的排除対策 (332)
(5)高齢者介護給付 (333)
2-3 最近の動向 333
3 ドイツ 335
3-1 ドイツの社会保障制度の特徴 335
3-2 ドイツの社会保障制度の概要 336
(1)公的扶助:社会扶助と求職者基礎保障 (336)
(2)社会保険 (338)
3-3 ドイツの社会保障制度の最近の動向 339
(1)公的扶助:ハルツ�法(2005年)による再編 (339)
(2)医療保険:医療費適正化をめぐる動き (341)
(3)年金保険:「三本柱モデル」への移行と「年金パッケージ」 (342)
(4)介護保険:新要介護評価基準と要介護度の導入の動き (343)
4 デンマーク 345
はじめに 345
4-1 デンマークの概要 345
(1)概要 (345)
(2)行政機構 (346)
(3)納税者番号制度(国民登録番号制度) (346)
4-2 保健医療 347
(1)行政機構と財源 (347)
(2)医療提供体制と受診の流れ (347)
(3)医療の品質保障 (348)
4-3 現金給付-子ども手当と年金 349
(1)子ども若者手当,子ども支援手当 (349)
(2)国民年金 (349)
(3)労働市場付加年金ATP (350)
4-4 失業保険と積極的雇用政策 351
(1)失業保険 (351)
(2)積極的雇用政策とフレクシキュリティ (352)
(3)その他―早期退職手当 (352)
まとめ 354
5 東アジア 355
5-1 東アジアの社会保障 355
5-2 韓国・台湾の社会保障 357
5-3 中国の社会保障 360
Column 社会保障の国際比較 (364)
第16章 社会保障の新たな課題 367
1 社会的排除と包摂 367
1-1 社会的排除概念の起源と背景 367
1-2 貧困と社会的排除 368
1-3 さまざまな社会的包摂 370
1-4 日本の政策領域における社会的排除-包摂論の展開 371
1-5 日本で社会的排除概念を用いる意義:問題の可視化をめざして
372
1-6 可視化された社会的排除 373
1-7 まとめ:社会的排除-包摂論がわれわれに問いかけること 374
2 社会的企業の可能性 376
はじめに 376
2-1 社会的企業についての概観 376
(1)前提としての福祉の混合経済 (376)
(2)社会的企業とは何か (377)
(3)社会的企業の広がりと制度化 (378)
(4)社会保障にかかわる社会的企業の活動分野と具体例 (379)
2-2 社会的企業への政策的・学術的期待と懸念 380
(1)社会的企業概念の二つの潮流 (380)
(2)社会保障分野の社会的企業の政策的意義 (380)
(3)社会保障分野での社会的企業概念の研究上の意義 (381)
おわりに 382
3 災害支援と社会保障 384
3-1 災害に向けた社会保障はあるのか 384
3-2 災害サイクルからみる社会保障 385
(1)緊急期の社会保障 (386)
(2)応急期の社会保障 (386)
(3)復興期の社会保障 (387)
3-3 社会保障と災害支援の連続性と新しい課題 389
(1)被災者支援と社会保障の隙間の課題 (390)
(2)人為災害と社会保障の課題 (390)
(3)被災者支援の検討課題 (391)
はしがき
序章 社会保障とは何か 1
1 社会保障の役割 1
1-1 全ての国民に最低生活を保障する役割 1
1-2 生活を安定させる役割 2
1-3 社会的公平を図る役割 4
2 社会保障の前提条件 5
3 社会保障の体系 6
3-1 日本の社会保障制度の体系 6
3-2 保障分野による体系 8
4 社会保障の新たな取り組み 9
第1章 医療保険 13
1 医療保険とは 13
1-1 医療保険の役割 13
1-2 公的医療保険の特徴 14
1-3 医療保険制度体系 15
(1)公的医療保険の全体像 (15)
(2)公的医療保険と民間医療保険の関係 (17)
2 医療保険制度の概要 19
2-1 健康保険制度 19
(1)被保険者 (19)
(2)被扶養者 (20)
(3)保険者 (20)
(4)財源 (20)
2-2 国民健康保険制度 22
(1)被保険者 (22)
(2)保険者 (23)
(3)財源 (24)
Column 保険料か,税か (25)
2-3 高齢者医療制度 26
(1)後期高齢者医療制度 (26)
(2)前期高齢者医療制度 (29)
3 医療保険の給付 29
3-1 保険給付 29
3-2 患者の一部負担金 32
4 医療保障の三者関係 33
4-1 現物給付の医療サービス 33
4-2 診療報酬の仕組み 34
(1)診療報酬の支払い方式 (34)
(2)日本の診療報酬制度 (36)
5 医療費 38
5-1 医療費の増加要因 38
5-2 国民医療費 38
6 医療提供体制 40
6-1 医療供給の状況 40
6-2 これからの医療提供体制 42
Column データヘルスとは? (42)
第2章 介護保険 45
1 介護保険とは 45
1-1 高齢社会における介護保障の必要性 45
1-2 介護保険が創設される以前の状況 46
2 介護保険の仕組み 47
2-1 保険者 47
2-2 被保険者 49
2-3 保険料 50
(1)第1号被保険者の保険料 (50)
(2)第2号被保険者の保険料 (51)
2-4 介護サービス利用の手続き 52
(1)要介護認定 (52)
Column 介護保険がカバーするリスクとは何か (53)
(2)介護サービス計画,介護予防サービス計画の作成 (54)
2-5 保険給付の種類 54
(1)居宅介護サービス (55)
(2)施設介護サービス (56)
(3)地域密着型介護サービス (56)
(4)介護予防給付 (57)
(5)定期巡回・随時対応サービスの創設 (57)
2-6 介護保険のサービスの提供者 58
2-7 給付基準と支給限度額 58
2-8 介護報酬 59
2-9 利用者の負担(自己負担) 60
2-10 介護保険の運営 60
(1)財政 (60)
(2)介護予防と地域支援事業 (61)
3 介護保険制度の最近の動向 62
第3章 公的年金 65
1 公的年金とは 65
2 公的年金の目的と必要性 66
2-1 目的 66
2-2 必要性 67
(1)家族による扶養と個人による貯蓄の限界 (67)
(2)私的年金と公的扶助の限界 (68)
(3)公的年金の必要性とその特徴 (69)
3 公的年金の体系 70
4 公的年金の保険者および被保険者・保険料 72
4-1 保険者 72
4-2 被保険者・保険料 73
Column 学生納付特例の意義 (74)
5 公的年金の給付 75
5-1 老齢年金 75
(1)老齢基礎年金 (75)
(2)老齢厚生年金 (76)
5-2 年金の給付水準 77
5-3 障害年金 78
5-4 遺族年金 80
5-5 併給調整 81
6 公的年金の財政 81
6-1 財源調達方式と財政方式 81
6-2 公的年金の財政構造 83
7 公的年金が直面する主な課題とそれに対応した改革 85
7-1 公的年金の財政問題 85
7-2 年金保険料の未納問題 87
7-3 低年金・無年金問題 89
7-4 厚生年金保険非適用の非正規労働者 91
8 おわりに 93
第4章 雇用保険 95
1 雇用保険制度の目的 95
1-1 失業保険法の制定 95
1-2 失業保険から雇用保険へ 95
2 雇用保険の保険者と被保険者 97
2-1 保険者と行政組織 97
2-2 被保険者 97
3 失業の定義 98
4 保険給付 99
4-1 求職者給付 99
4-2 就職促進給付 101
4-3 教育訓練給付 103
4-4 雇用継続給付 103
5 雇用保険二事業と雇用保険の財政 105
5-1 雇用保険二事業 105
5-2 雇用保険の財源 106
6 平成26年雇用保険法改正 106
(1)育児休業給付の充実(2014年4月1日施行) (107)
(2)教育訓練給付金の拡充および教育訓練支援給付金の創設(2014年10月1日施行) (107)
(3)就業促進手当(再就職手当)の拡充(2014年4月1日施行) (108)
(4)平成25年度までの暫定措置の延長 (108)
Column 求職者支援制度とは (108)
第5章 労働者災害補償保険制度 111
1 労災保険制度の目的 111
1-1 労災保険とは何か 111
1-2 労働基準法上の災害補償責任 112
2 適用事業,保険者,保険料 113
2-1 適用事業 113
2-2 保険者 114
2-3 保険料 114
3 業務災害,通勤災害の認定 115
3-1 業務災害の認定 116
3-2 通勤災害の認定 117
4 保険給付 118
5 社会復帰促進等事業 122
Column 過労死等の労災認定 (123)
第6章 生活保護 125
1 生活保護とは何か:原理と原則 125
はじめに 125
1-1 四つの基本原理 126
(1)国家責任による最低生活保障の原理 (126)
(2)無差別平等の原理 (126)
(3)健康で文化的な最低生活保障の原理 (126)
(4)補足性の原理 (126)
1-2 実施上の四つの原則 127
(1)申請保護の原則 (127)
(2)基準及び程度の原則 (127)
(3)必要即応の原則 (128)
(4)世帯単位の原則 (128)
2 保護の内容 129
2-1 保護の種類 129
(1)生活扶助 (129)
(2)教育扶助 (129)
(3)住宅扶助 (130)
(4)医療扶助 (130)
(5)介護扶助 (130)
(6)出産扶助 (130)
(7)生業扶助 (131)
(8)葬祭扶助 (131)
2-2 保護基準・最低生活費 131
3 生活保護の実施 134
3-1 実施過程 134
3-2 生活保護の費用,財政 135
4 生活保護の動向・実態 137
4-1 地域差,地域性 137
4-2 生活保護世帯の特徴 138
5 生活保護の見直し・今後 139
Column 東日本大震災・原発事故,被災者支援,生活保護 (141)
第7章 障害者福祉 143
1 障害者福祉制度の目的と背景 143
1-1 障害者福祉をめぐる理念 143
1-2 障害者権利条約 144
1-3 障害者基本法 145
2 障害者総合支援法の特徴 146
2-1 支援費制度から障害者自立支援法へ 146
2-2 障害者自立支援法のポイント 147
(1)障害者施策を3障害一元化 (148)
(2)利用者本位のサービス体系に再編 (148)
(3)就労支援の抜本的強化 (148)
(4)支給決定の透明化,明確化 (149)
(5)安定的な財源の確保 (149)
2-3 障害者自立支援法から障害者総合支援法へ 150
3 制度の対象者 151
4 給付内容 151
5 実施主体 152
6 サービスの供給体制 157
6-1 サービス提供事業所 157
6-2 障害福祉計画 157
7 財政 158
7-1 国庫負担 157
7-2 利用者負担 157
8 障害者福祉制度の課題について 160
Column 障がい者制度改革推進会議の情報発信 (161)
Column 骨格提言 (162)
第8章 家族政策 165
1 少子化対策に着目して 165
2 少子化の現状 165
2-1 人口動態 165
2-2 少子化の動向 167
2-3 少子化は問題か 168
3 少子化の要因 170
3-1 少子化をもたらす2 つの要因 170
3-2 未婚化・晩婚化の進行 171
3-3 既婚夫婦の出生児数の低下 174
4 少子化対策の展開 176
4-1 展開の経緯と主な内容 176
(1)1990年代の展開 (176)
(2)2000年代の展開 (178)
4-2 対策の特徴とその意味 180
(1)「仕事と家庭の両立支援政策」を中心とした政策展開 (181)
(2)「安上がりの政策」志向とその実状 (183)
4-3 若干の評価と今後の課題 187
第9章 社会保障財政 189
1 社会保障制度の財政規模 189
1-1 増え続ける日本の社会保障給付費 189
1-2 社会保障規模の国際比較 191
1-3 国民負担率の国際比較 193
2 財政制度における社会保障 195
2-1 財政制度と社会保障との関係 195
2-2 一般会計歳出における社会保障関係費 196
(1)社会保障関係費の構成 (196)
(2)社会保障関係費の規模 (197)
(3)費目別社会保障関係費の変化 (199)
2-3 普通会計における社会保障関係費 199
3 財源構成と財源調達方式 200
3-1 社会保障の財源構成 200
3-2 財源調達方式 201
3-3 主要制度の財源構成と財源調達方式 202
3-4 両方式のメリットとデメリット 203
4 財源調達方式の選択基準 205
4-1 受益と負担の対応関係による選択基準 205
4-2 財源政策の政策基準 206
第10章 社会保険と民間保険 209
1 保険の仕組みと保険の技術的原則 209
はじめに 209
1-1 保険の基本的仕組み 209
1-2 大数の法則(危険率の測定) 210
1-3 共同準備財産の形成 211
1-4 収支相等の原則 211
1-5 給付・反対給付均等の原則 212
2 社会保険と民間保険の異同 213
2-1 社会保険の要件 213
(1)国家管理 (213)
(2)国庫負担 (214)
(3)強制加入 (214)
(4)雇用主負担 (215)
2-2
保険の技術的原則からみた社会保険と民間保険の類似点と相違点
215
3 社会保険の機能 218
3-1 生活リスクと社会保険の対応 218
3-2 社会保障としての社会保険 219
3-3 社会保険の所得再分配機能 221
3-4 日本の所得再分配と社会保険 222
Column ジニ係数とローレンツ曲線 (223)
4 福祉国家における連帯と社会保険 226
第11章 雇用と社会保障 229
1 日本的雇用慣行の縮小 229
はじめに 229
1-1 日本的雇用慣行 230
1-2 日本的雇用慣行の縮小 230
1-3 非正規労働者の増大と社会保険 230
2 積極的雇用政策 231
2-1 消極的雇用政策と積極的雇用政策 231
2-2 職業訓練 232
(1)OJT とOff-JT (232)
(2)初期職業教育と卒後職業訓練 (233)
(3)職業訓練プログラムの体系 (233)
(4)現行職業訓練制度の課題 (234)
3 雇用政策の国際比較 235
3-1 積極的労働市場政策支出 235
3-2 雇用政策費の内訳 235
4 新しいセーフティネットの模索 236
4-1 非正規労働対策の拡充 236
4-2 雇用保険非適用者に対する職業訓練の開始 238
4-3 給付付き税額控除の可能性 239
まとめ―生活保障体系のなかの社会保障 241
第12章 社会保障と企業福祉 243
1 企業福祉とは何か 243
1-1 「企業福祉」とは 243
1-2 企業福祉の基本的な仕組み 244
1-3 企業福祉の変遷 245
(1)企業福祉の生成 (245)
(2)企業福祉の拡大と合理化 (246)
(3)生涯総合福祉プランの展開 (247)
(4)転機に立つ企業福祉 (248)
2 企業福祉の内容と実施体制 249
2-1 企業福祉の内容 249
(1)施策構成 (249)
(2)制度の仕組み (251)
2-2 給付・サービスと実施体制 251
2-3 カフェテリアプランの導入 252
2-4 退職金・企業年金 253
(1)退職金の性質と退職一時金の年金化 (253)
(2)企業年金制度の現状 (255)
Column 代行返上 (255)
3 企業福祉の費用とその動向 258
3-1 福利厚生費の構造 258
3-2 福利厚生費の動向 259
3-3 福利厚生費の合理化とその特徴 261
4 企業福祉の今後の方向 262
4-1 これまでの多面的な関係 262
4-2 企業福祉の今後の方向 263
Column ワークライフバランス (264)
第13章 社会保障の歴史 267
1 救貧制度の成立と展開 267
はじめに 267
1-1 救貧法の成立 268
(1)商業革命と救貧法の成立 (268)
(2)救貧法の内容と意義 (269)
1-2 救貧法の展開 270
(1)自由放任主義と救貧法の改正 (270)
(2)新救貧法の成立 (272)
2 救貧法の解体と公的扶助の成立 273
2-1 貧困調査 273
2-2 王立救貧法委員会と少数派報告 275
2-3 リベラル・リフォームにおける改革 275
3 社会保険の成立と展開 276
3-1 ドイツにおける社会保険の成立 276
3-2 ドイツの社会保険の内容とその意義 277
3-3 イギリスにおける社会保険の導入 280
4 社会保障の形成 281
4-1 失業保険の破綻と失業扶助との統合 281
4-2 アメリカの社会保障法の成立 282
4-3 ニュージーランドにおける社会保障法 283
4-4 ベヴァリッジ報告 284
5 社会保障の展開 286
5-1 社会保障の普及 286
5-2 1980年代以降の社会保障の変容 289
第14章 日本の社会保障の歴史 291
1 戦前期-社会保障前史 291
はじめに 291
(1)社会保障の源流としての救貧と共済 (291)
(2)日本における社会保障という言葉の誕生と普及 (291)
1-1 救貧の系列 292
(1)恤救規則の時代 (292)
(2)軍人特別立法 (294)
(3)方面委員制度の普及と救護法の制定 (294)
1-2 共済の系列 295
(1)恩給の先行と共済組合の後追い (295)
(2)健康保険法の制定 (297)
(3)労働者年金保険法 (299)
(4)国民健康保険法の制定 (300)
2 被占領期から国民皆保険・皆年金体制の成立まで 302
2-1 生活保護法の制定 302
2-2 社会保障の模索 303
2-3 講和後~国民皆保険・皆年金体制の成立 304
3 国民皆保険・皆年金体制下の社会保障 306
3-1 生活保護 306
3-2 健康保険 307
3-3 年金 307
3-4 「福祉元年」 308
4 1980年代前半の改革 309
4-1 生活保護 309
4-2 老人保健制度の創設と健康保険 309
4-3 基礎年金の創設 310
おわりに 311
第15章 諸外国の社会保障 315
1 イギリスの社会保障 315
はじめに 315
1-1 国民保険制度と制度改革 315
(1)公的年金の概要 (317)
(2)キャメロン政権下の年金改革 (319)
(3)拠出制の雇用関連給付 (319)
1-2 福祉関連給付と福祉改革 320
1-3 NHS制度と改革 322
1-4 高齢者,障害者向けの介護制度と改革 323
まとめ 324
2 フランス 326
はじめに 326
2-1 社会保障制度全体の概要 326
2-2 各制度の概要 328
(1)年金制度 (328)
(2)医療保険制度 (329)
(3)家族給付 (331)
(4)失業・社会的排除対策 (332)
(5)高齢者介護給付 (333)
2-3 最近の動向 333
3 ドイツ 335
3-1 ドイツの社会保障制度の特徴 335
3-2 ドイツの社会保障制度の概要 336
(1)公的扶助:社会扶助と求職者基礎保障 (336)
(2)社会保険 (338)
3-3 ドイツの社会保障制度の最近の動向 339
(1)公的扶助:ハルツ�法(2005年)による再編 (339)
(2)医療保険:医療費適正化をめぐる動き (341)
(3)年金保険:「三本柱モデル」への移行と「年金パッケージ」 (342)
(4)介護保険:新要介護評価基準と要介護度の導入の動き (343)
4 デンマーク 345
はじめに 345
4-1 デンマークの概要 345
(1)概要 (345)
(2)行政機構 (346)
(3)納税者番号制度(国民登録番号制度) (346)
4-2 保健医療 347
(1)行政機構と財源 (347)
(2)医療提供体制と受診の流れ (347)
(3)医療の品質保障 (348)
4-3 現金給付-子ども手当と年金 349
(1)子ども若者手当,子ども支援手当 (349)
(2)国民年金 (349)
(3)労働市場付加年金ATP (350)
4-4 失業保険と積極的雇用政策 351
(1)失業保険 (351)
(2)積極的雇用政策とフレクシキュリティ (352)
(3)その他―早期退職手当 (352)
まとめ 354
5 東アジア 355
5-1 東アジアの社会保障 355
5-2 韓国・台湾の社会保障 357
5-3 中国の社会保障 360
Column 社会保障の国際比較 (364)
第16章 社会保障の新たな課題 367
1 社会的排除と包摂 367
1-1 社会的排除概念の起源と背景 367
1-2 貧困と社会的排除 368
1-3 さまざまな社会的包摂 370
1-4 日本の政策領域における社会的排除-包摂論の展開 371
1-5 日本で社会的排除概念を用いる意義:問題の可視化をめざして
372
1-6 可視化された社会的排除 373
1-7 まとめ:社会的排除-包摂論がわれわれに問いかけること 374
2 社会的企業の可能性 376
はじめに 376
2-1 社会的企業についての概観 376
(1)前提としての福祉の混合経済 (376)
(2)社会的企業とは何か (377)
(3)社会的企業の広がりと制度化 (378)
(4)社会保障にかかわる社会的企業の活動分野と具体例 (379)
2-2 社会的企業への政策的・学術的期待と懸念 380
(1)社会的企業概念の二つの潮流 (380)
(2)社会保障分野の社会的企業の政策的意義 (380)
(3)社会保障分野での社会的企業概念の研究上の意義 (381)
おわりに 382
3 災害支援と社会保障 384
3-1 災害に向けた社会保障はあるのか 384
3-2 災害サイクルからみる社会保障 385
(1)緊急期の社会保障 (386)
(2)応急期の社会保障 (386)
(3)復興期の社会保障 (387)
3-3 社会保障と災害支援の連続性と新しい課題 389
(1)被災者支援と社会保障の隙間の課題 (390)
(2)人為災害と社会保障の課題 (390)
(3)被災者支援の検討課題 (391)