刑法総論 [第3版]

刑法総論 [第3版]

山中敬一 著
定価:7,700円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2015年08月01日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    1224頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5156-4
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正誤表

内容紹介

目 次
 第3版はしがき
 文献略称
第1編 序 論
第1章 刑法の意義および機能…3
第1節 刑法の意義…3
§1 形式的意義における刑法 ・ 実質的意義における刑法…3
§2 現行刑法…4
1 現行刑法の成立過程(4) 2 現行刑法の特徴(5) 
3 刑法の改正(5)
§3 刑法の法体系における地位…11
1 公法としての刑法(11) 2 刑事実体法としての刑法(11)
3 刑法の実現(12)
§4 一般刑法と特別刑法…12
1 意 義(12) 2 特別刑法と行政刑法(12)
3 一般刑法と行政刑法の区別基準(13) 4 自然犯と法定犯(13)
5 区別の流動性(14)
§5 刑法総則 ・ 各則…14
1 意 義(14) 2 刑法総則の適用(14)
3 「特別の規定鰒の意義(15)
§6 刑法学…15
1 刑法学の任務(15) 2 刑事法学(16)
第 2 節 刑法の機能…17
§7 刑法規範の三つの機能…17
1 規制機能(17) 2 保護機能(17) 3 保障機能(18)
§8 刑法規範の段階的構造とその実現…18
1 行為規範と制裁規範(18)
2 事前的犯罪予防機能・事後的犯罪処理機能(19)
3 行為規範の意義(21)
4 制裁規範の前提としての評価規範違反と決定規範違反(21)
5 制裁規範実現としての処罰の機能(22)

第2章 刑法思想の史的展開…24
第1節 古典学派の刑法思想…24
§9 初期啓蒙期の刑法観…24
1 合理的刑法観の誕生(24)
2 ドイツ啓蒙絶対主義の刑法思想(24)
§10 前期旧派の刑法思想…25
1 ベッカリアの刑法思想(25)
2 フォイエルバッハの刑法思想(26)
3 前期旧派の刑法思想の特徴(27)
§11 後期旧派の刑法思想…27
1 後期旧派の刑法思想の哲学的背景(27)
2 後期旧派の刑法思想(28)
第2節 近代学派の刑法思想…30
§12 初期近代学派の生成…30
1 近代学派誕生の背景(30) 2 イタリア実証学派の犯罪理論(30)
§13 リストの近代学派刑法理論…31
1 刑事社会学派の刑法思想(31) 2 リストの目的刑主義(31)
第3節 折衷説からナチズムの刑法思想へ…32
§14 折衷主義の有力化…32
1 学派の争いの終息(32) 2 折衷主義の刑法思想(33)
§15 ナチズムの刑法思想…33
1 ナチス刑法学の一般的特徴(33) 2 権威主義刑法(33)
第4節 わが国における刑法思想の展開…34
§16 西洋近代の刑法思想の継受…34
1 仮刑律・新律綱領・改定律例(35)
2 旧刑法の制度とフランス刑法の影響(35)
3 折衷主義の刑法理論(36)
4 社会防衛的主観主義刑法学の登場(36)
5 現行刑法の制定とドイツ刑法学の影響(37)
§17 わが国における学派の争い…37
1 新派刑法学(37) 2 旧派刑法学(38)
3 学派の争いの終焉(39)

第3章 刑法理論の基礎…41
第1節 現代刑法の理論的基礎…41
§18 学派の争いの終焉と戦後の刑法理論の展開…41
1 新旧両派の熾烈な対立(41) 2 両派の総合(42)
3 目的主義刑法学と刑事政策的機能主義刑法学(42)
4 規範主義的刑法学・その他(43) 5 わが国の戦後刑法学の展開(44)
6 現代の刑法理論への動き(44) 7 刑法理論の展開(46)
§19 現代における刑事政策と刑法理論…46
1 刑法理論における犯罪予防と人権保障(46)
2 刑事政策的刑法理論(47) 3 謙抑的事後予防刑法理論(49)
第2節 犯罪の基礎理論…50
§20 謙抑的法益保護の原則…50
1 刑法の任務(50) 2 個人的法益保護の原則(51)
3 犯罪化・非犯罪化と自己決定権(52)
4 危険社会における刑法の機能の変化(52)
5 刑法の第二次性・補充性(54)
6 客観主義・主観主義から行為無価値・結果無価値へ(55)
§21 責任と予防…56
1 責任主義(56) 2 責任主義と予防目的(57)
第3節 刑罰の基礎理論…58
§22 刑罰の意義…58
1 応報刑論から予防刑論へ(58) 2 予防刑論(59)
§23 刑事制裁の体系(刑罰と処分)…62
1 刑罰の種類(62) 2 保安処分と刑罰の二元主義(62)
3 刑罰以外の制裁(63) 4 自由刑の執行(64)
第4章 罪刑法定主義…66
第1節 罪刑法定主義の思想…66
§24 罪刑法定主義の意義…66
1 罪刑法定主義の由来(66) 2 罪刑法定主義の思想(67)
§25 罪刑法定主義の思想的 ・ 実定法的基盤…67
1 罪刑法定主義の思想的淵源(67)
2 わが国における実定法上の罪刑法定主義の展開(68)
第2節 罪刑法定主義の内容…70
§26 法律主義…70
1 慣習法の排除と判例の法源性(70)
2 命令・委任と罰則(70) 3 条例と罰則制定権(71)
第3節 罪刑法定主義の派生原理…72
§27 派生原理総説…73
1 派生原理の種類(73) 2 絶対的不定期刑の禁止(73)
3 判例の遡及的変更の禁止(74)
§28 類推解釈の禁止…75
1 刑法学における解釈の意義(75) 2 解釈の種類(76)
3 類推解釈の禁止(78)
§29 明確性の原則…83
1 明確性の原則の意義(83) 2 明確性の判断基準(83)
3 判例の検針(84)
§30 適正処罰の原則…87
1 適正処罰の原則の意義(87)
2 適法処罰の原則の適用例(88)

第5章 刑法の適用範囲…93
第1節 総 説…93
第2節 刑法の場所的適用範囲…94
§31 国際刑法と刑事国際法…94
§32 立法主義…95
1 属地主義(96) 2 属人主義(96) 3 保護主義(96)
4 世界主義(96) 5 代理処罰主義(97)
§33 国内犯…98
1 「日本国内鰒の意義(98) 2 犯罪地の決定(99)
3 未遂・危険犯・共犯・予備(100)
§34 すべての者の国外犯…101
§35 国民の国外犯…102
§35の2 国民以外の者の国外犯…103
§36 公務員の国外犯…103
§37 条約による国外犯…104
§38 国外犯規定の理論的 ・ 実際的意味…105
1 国外犯処罰の理論的根拠(105) 2 裁判権との区別(106)
3 国際司法共助(106) 4 国際司法共助の一般原則(107)
§39 外国判決の効力…108
第3節 時間的適用範囲…109
§40 刑罰法規不遡及の原則…109
§41 犯罪後の法律による刑の変更…110
1 刑法6条の意義(110) 2 「犯罪後鰒の意義(110)
3 「法律鰒の意義(111) 4 「刑の変更鰒と諸々の法律効果(111)
5 「刑の変更鰒と犯罪成立要件(112)
§42 限時法および白地刑罰法規と補充規範の改廃…115
1 限時法の意義(115) 2 限時法における追及効(115)
3 白地刑罰法規と刑の廃止(116)
第4節 刑法の人的適用範囲…119
§43 総 説…119
§44 天皇 ・ 摂政…119
§45 国務大臣 ・ 国会議員…120
§46 外国の元首 ・ 外交官 ・ 軍隊…120

第2編 犯罪論
第1章 犯罪論の体系…123
第1節 犯罪論体系の構造…123
§47 犯罪論体系の意義…123
§48 犯罪論体系の視座…124
1 三つのアプローチ(124) 2 目的合理的体系(126)
3 形式的合理的体系(127) 4 実質的合理的体系(127)
5 実質的犯罪論?(127)
§49 犯罪論の構造…128
1 犯罪論と刑罰権の発生(128)
2 犯罪体系の共通要素としての行為(130)
3 犯罪論の基本的体系と拡張的体系(130)
4 犯罪論の段階的構造(131)
§50 二段階犯罪論体系 ・ 三段階犯罪論体系…134
第2節 犯罪論体系の理念史的展開…135
§51 犯罪論体系と諸要素の位置づけ…135
§52 犯罪論体系の展開…136
1 古典的犯罪論体系(136) 2 新古典的犯罪論体系(136)
3 目的的行為論の犯罪論体系(136)
4 現代新古典的犯罪論体系(137)
5 問題思考的・機能主義犯罪論体系(137)
§53 規範体系的機能主義の犯罪論体系…138

第2章 行為論…141
第1節 行為論の意義と機能…141
§54 行為論の意義…141
§55 行為概念の機能…142
1 行為論の三つの機能(143) 2 三つの機能のそれぞれの意義(143)
第2節 行為概念の意義と機能…144
§56 行為概念の二つの意味…144
§57 行為概念の二つの内部的機能…145
第3節 行為論の諸学説…146
§58 因果的行為論(自然的行為論 ・ 有意的行為論)…146
1 因果的行為論の内容(146) 2 因果的行為論の批判(147)
§59 目的的行為論…148
1 目的的行為論の内容(148) 2 目的的行為論の問題点(148)
3 目的的行為論の批判(149)
§60 社会的行為論…150
1 社会的行為論(150) 2 純粋な社会的行為論(151)
§61 人格的行為論…152
§62 身体動静説…152
§63 人的 ・ 社会的帰属可能性説(本書の立場)…153
1 行為論の意義(153) 2 人的・社会的帰属概念(154)
3 行為論の犯罪成立要件不該当の徴表機能(156)

第3章 構成要件論…157
第1節 構成要件の概念…157
§64 構成要件の意義…157
1 狭義の構成要件・全構成要件(保障構成要件)(157)
2 その他の意味における構成要件(158)
§65 構成要件論の史的展開…159
1 ベーリングの価値中立的構成要件の誕生と背景(159)
2 不法構成要件(159) 3 消極的構成要件要素の理論(160)
§66 構成要件と違法性との関係…161
1 わが国における構成要件論の展開(161)
2 現代の構成要件論(161)
§67 客観的構成要件と主観的構成要件…165
1 総 説(165) 2 客観的構成要件(166)
3 主観的構成要件(167)
§68 客観的構成要件の機能…168
1 罪刑法定主義的機能(168) 2 体系的機能(168)
3 故意規制的機能(168) 4 違法推定機能(169)
§69 主観的構成要件の機能…169
1 犯罪個別化機能(170) 2 違法性の意識に対する提訴機能(170)
§70 構成要件の諸形態…171
1 基本的構成要件(171) 2 拡張された構成要件(171)
§71 基本的構成要件の諸類型…173
1 実質犯と形式犯(173) 2 形式犯(173)
3 侵害犯と危険犯(174) 4 結果犯と挙動犯(単純行為犯)(177)
5 結果的加重犯(178) 6 即成犯・継続犯・状態犯(180)
§72 構成要件の内容的分類…182
1 開かれた構成要件と全体的行為評価要素(183)
2 基本的構成要件・派生的構成要件・独立構成要件(184)
3 単一犯と結合犯(184)
第2節 構成要件要素…185
§73 構成要件要素の分類…186
1 客観的構成要件要素と主観的構成要件要素(186)
2 記述的構成要件要素と規範的構成要件要素(189)
§74 行為主体…190
1 身分犯(190) 2 自手犯(194) 3 法人の犯罪能力(195)
第3節 被害者の同意…205
§75 被害者の同意の意義…205
1 法益保護の放棄とその効果(205)
2 国家的法益・社会的法益に関する同意(206)
§76 被害者の同意の体系的地位…206
1 同意の分類と体系的地位(206)
2 違法阻却事由としての被害者の同意?(207)
3 構成要件の保護の目的としての「法益鰒の意義(209)
4 個人的法益処分権の限界としての「重大な傷害」(211)
5 重大な傷害における利益衡量の要素としての同意(212)
§77 同意の要件…213
1 意思表示説・意思方向説(213) 2 行為者による同意の認識(214)
3 同意の意思内容・対象・時期・方法・同意能力・同意の代理(214)
§78 同意における意思の欠缺…217
1 同意の有効要件(217) 2 同意者の錯誤(217)
3 暴行・脅迫に基づく同意(221)
第4節 不作為犯論…223
§79 不作為犯の意義と展開…223
1 不作為犯の意義(223) 2 不作為犯理論史(232)
§80 不作為の因果関係…234
1 不作為の因果関係の意義(234)
2 不作為の因果関係に関する学説(235) 3 期待説(236)
§81 通説による不作為犯の体系構成…237
1 保障人的地位 ・ 義務(237) 2 作為の可能性(237)
3 同価値性(238)
§82 不作為犯の体系構成…238
1 不作為犯の成立要件(総説)(238)
2 保障人的義務の発生根拠(240)
3 保障人的地位と保障人的義務(247)
4 危険回避可能性(248) 5 不作為犯の実行行為(250)
6 不作為犯の客観的帰属(250)
§83 わが国の判例…252
1 不作為による嬰児の餓死(252)
2 放火に関する判例(253)
3 轢き逃げに関する判例(254)
4 治療を受けさせずに死亡させた事案(255)
第5節 客観的帰属論…256
§84 客観的帰属論の意義…256
1 客観的帰属とは何か(256) 2 帰属と因果関係(257)
§85 客観的帰属論の展開…258
1 客観的帰属論前史(258)
2 因果関係論とその限定理論(258)
3 違法性連関論の登場(259) 4 客観的帰属論の提唱(259)
5 規範の保護範囲の理論(260)
6 現代客観的帰属論の誕生(260)
§86 条件関係論(客観的帰属論の基礎)…261
1 因果概念(261) 2 条件公式(263)
3 条件公式の問題点(264) 4 条件公式の放棄(269)
5 合法則的条件の理論(269)
§87 相当因果関係説…275
1 相当因果関係説の意義(275) 2 相当因果関係と判例(279)
3 相当因果関係説の変容と問題点(280)
§88 客観的帰属論の構造 ・ 機能 ・ 内容…291
1 客観的帰属論の構造と機能(291) 2 危険創出連関(293)
3 危険実現連関(298)
第6節 故意構成要件…311
§89 故意構成要件の意義…311
§90 故意の体系的地位と対象…312
1 故意の体系的地位(313) 2 故意の対象範囲(313)
3 故意の対象と内容(315)
§91 故意の種類…322
1 侵害故意と危険故意(322)
2 確定的故意と不確定的故意(323)
3 事前の故意 ・ 事後の故意 ・ 条件付故意(325)
4 故意の本質(未必の故意と認識ある過失の区別)(328)
5 未必の故意に関する判例(333)
第7節 構成要件的事実の錯誤…335
§92 錯誤の意義…335
1 構成要件的事実の錯誤の射程(335)
2 事前の錯誤と事後の錯誤(336)
§93 具体的事実の錯誤…337
1 具体的事実の錯誤の意義(337) 2 学 説(338)
3 学説の検討(342)
4 器物損壊罪 ・ 財産罪等における具体的事実の錯誤(350)
§94 抽象的事実の錯誤…351
1 抽象的事実の錯誤の意義(351) 2 学説の状況(352)
3 判例の動向(361)
§95 因果経過の錯誤…362
1 因果経過の錯誤の意義(362)
2 因果関係の錯誤論の基礎(363)
3 因果関係の錯誤無用論(364) 4 故意帰責説(365)
5 実行行為性の認識?(366)
6 ヴェーバーの概括的故意の事例(368)
7 早すぎた構成要件実現(373)
第8節 過失構成要件論…380
§96 過失の概念と過失犯例外処罰の原則…380
1 過失の概念(380) 2 過失犯の例外処罰(381)
§97 過失構成要件の意義…382
1 過失構成要件の構造(382) 2 過失正犯構成要件該当性(383)
3 過失実行行為の意義(384)
§98 過失犯の理論…386
1 過失理論の展開と課題(386) 2 旧過失論(伝統的過失論)(387)
3 新過失論(388) 4 新々過失論(危惧感説)(390)
5 修正旧過失論(391) 6 客観的帰属構成要件説(392)
7 過失実行行為の競合の諸類型(394)
§99 構成要件要素としての客観的帰属…396
1 危険創出連関(396)
2 危険創出連関否定原理 ・ 危険状況創出行為(400)
§100 管理監督過失論…406
1 管理監督過失論の展開(407) 2 管理監督過失の意義(414)
3 監督過失の処罰根拠(418) 4 組織過失論の提唱(418)
§101 危険実現連関…426
1 危険増加連関(427) 2 狭義の危険実現連関(433)

第4章 違法論…436
第1節 違法論の基礎…436
§102 違法性判断の意義…436
1 違法性の判断 ・ 可罰的違法性の判断(436)
2 形式的違法性と実質的違法性(439)
3 客観的違法論と主観的違法論(441)
§103 行為無価値 ・ 結果無価値 ・ 危険無価値…443
1 概念内容(443) 2 結果無価値論か行為無価値論か(445)
3 結果無価値と危険無価値(448)
§104 可罰的違法性論…449
1 可罰的違法性の理論(449) 2 可罰的違法性の諸類型(451)
§105 正当化事由の意義と体系…463
1 正当化事由の意義(463)
2 一元的および多元的正当化根拠(463)
3 主要正当化原理と補助的正当化原理(465)
§106 主観的正当化要素の要否…466
1 主観的正当化要素の意義(466)
2 主観的正当化要素と違法論(466)
3 主観的正当化要素の必要説・不要説(467)
§107 超法規的違法阻却事由…469
1 超法規的違法阻却事由と35条(469)
2 判例における超法規的違法阻却事由(469)
3 超法規的違法阻却事由と予防防衛(471)
4 防御的緊急避難類似構成(471)
§108 正当化事由の錯誤…472
1 正当化事由の錯誤の意義(472) 2 学説の状況(473)
3 本書の立場(故意構成要件阻却説)(478)
第2節 正当防衛…479
§109 正当防衛の意義と基本思想…479
1 正当防衛の意義(479) 2 正当防衛の二元的正当化根拠(480)
3 正当防衛の正当化根拠に関する異説の検討(481)
§110 正当防衛の要件…484
1 急迫不正の侵害(484)
2 自己または他人の権利を防衛するため(492)
3 やむを得ずにした行為(502) 4 防衛行為の内在的制限(513)
§111 過剰防衛 ・ 誤想防衛…527
1 過剰防衛(527) 2 誤想防衛(536) 3 誤想過剰防衛(537)
§112 盗犯等防止法による正当防衛…542
1 1条1項(542) 2 1条2項(544)
第3節 緊急避難…546
§113 緊急避難の意義…546
§114 緊急避難の不処罰根拠…547
1 違法阻却一元説(547) 2 責任阻却一元説(549)
3 二分説(550)
4 本書の立場(可罰的違法阻却と可罰的責任阻却の二分説)(555)
§115 緊急避難の成立要件…557
1 自己または他人の生命、身体、自由または財産に対する現在の危難(557)
2 危難を避けるためにやむを得ずにした行為(561)
3 生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合(565)
4 業務上特別義務者の特則(574) 5 過剰避難 ・ 誤想避難(575)
§116 義務衝突…578
1 広義の義務衝突の意義(579) 2 狭義の義務衝突の意義(580)
3 義務衝突の法的性質(581)
§117 自救行為…584
1 自救行為の意義と根拠(584) 2 判 例(585)
3 自救行為の要件(586)
第4節 一般的正当行為…589
§118 35条の趣旨と適用範囲…589
1 35条の射程をめぐる問題状況(589) 2 学説の状況(590)
§119 法令行為…592
1 法令行為の意義(592) 2 法令にもとづく職権行為(592)
3 法令にもとづく権利行為または権限行為(593)
4 法令によって一定の技術的要件のもとに適法性を明示された行為(598)
5 法令によって政策的に許容された社会的有害行為(599)
§120 正当業務行為…599
1 正当業務行為総説(599) 2 治療行為(600)
3 取材活動(611) 4 弁護活動(612)
§121 超法規的正当化事由としての被害者の同意…612
1 重大な傷害に対する被害者の同意(613) 2 判 例(613)
§122 推定的同意…614
1 推定的同意の意義と類型(614)
2 推定的同意の法的性格(615) 3 推定的同意の要件(618)
第5章 責任論…621
第1節 責任論の基礎…621
§123 責任の本質…621
1 責任の意義(621) 2 責任主義(622)
§124 責任論の基礎としての意思自由論…623
1 責任における意思自由の意義(623)
2 意思自由に関する諸見解(624)
§125 責任の概念をめぐる諸説…627
1 行為責任論 ・ 性格責任論 ・ 人格的責任論(627)
2 心理的責任論 ・ 規範的責任論(629)
§126 責任論と可罰的責任論…633
1 狭義の責任(634) 2 可罰的責任(634)
§127 責任要素と責任判断…634
1 責任要素(634) 2 責任判断(635)
第2節 責任能力…637
§128 責任能力の本質…637
1 責任能力の概念(637) 2 責任能力の体系的地位(640)
3 責任能力の存在時期(643)
§129 責任無能力 ・ 限定責任能力の意義…644
1 心神喪失 ・ 心神耗弱の意義(644) 2 責任能力の認定(646)
§130 責任無能力 ・ 限定責任能力の具体的内容…648
1 精神障害の意義(648)
2 判例における心神喪失 ・ 心神耗弱(649)
§131 刑事未成年者…654
§132 原因において自由な行為…656
1 問題の所在(656) 2 学説の対立(657)
3 意思不連続類型と意思連続類型(667)
4 自ら招いた限定責任能力(669)
5 原因において自由な行為に関する判例(670)
6 実行開始後に陥った責任無能力(673)
第3節 過失責任論…679
§133 責任としての過失…679
1 総 説(679) 2 注意義務(680) 3 予見可能性(682)
4 注意義務の標準(687)
§134 過失の種類…689
1 認識のない過失 ・ 認識のある過失(689)
2 通常の過失 ・ 業務上の過失 ・ 重過失(689)
第4節 違法性の意識の可能性…692
§135 違法性の意識 ・ 違法性の錯誤の意義…692
§136 違法性の意識に関する学説…693
1 違法性の意識不要説(694) 2 厳格故意説(695)
3 自然犯 ・ 法定犯区別説(697) 4 制限故意説(698)
5 責任説(699)
§137 近時の判例の動向…701
1 従来の判例の主流(701) 2 最高裁判例の動向(701)
3 最近の下級審判例の動向(703)
§138 違法性の意識の内容と形態…704
1 違法性の意識の内容(対象)(704)
2 違法性の意識の構成要件関連性(707)
3 違法性の意識の形態(708)
§139 違法性の錯誤の「回避可能性鰒の判断…710
1 回避可能性の判断の特質(710)
2 回避可能性判断の手がかり(710)
§140 事実の錯誤と違法性の錯誤の限界…714
1 総 説(714)
2 事実の錯誤と違法性の錯誤のスペクトル(715)
3 区別基準に関する学説(720)
4 事実の錯誤か違法性の錯誤か争われた判例(723)
第5節 可罰的責任論…726
§141 可罰的責任の意義…726
1 規範的責任論の問題点(726) 2 可罰的責任論の構想(727)
§142 期待可能性の意義…728
1 従来の期待可能性の思想(728) 2 判例における展開(729)
3 期待可能性と超法規的責任阻却(731)
4 期待可能性論の体系的地位(731)
5 期待可能性の標準(732) 6 期待可能性の錯誤(735)
§143 可罰的責任阻却 ・ 減少事由…738
1 総 説(738) 2 可罰的責任阻却緊急避難(738)
3 中止犯の減免根拠(738) 4 過剰防衛 ・ 過剰避難(738)
5 親族相盗例 ・ 親族間の犯人蔵匿 ・ 証拠隠滅等(738)
6 安楽死 ・ 尊厳死(739)

第6章 未遂犯論…751
第1節 未遂犯の意義…751
§144 犯罪の発展段階…751
1 可罰性の拡張(751) 2 予備 ・ 陰謀(752)
3 未遂犯の態様(753)
§145 未遂犯の処罰根拠…755
1 主観主義刑法における未遂論と客観主義刑法における未遂論(756)
2 現代の客観的未遂論と主観的未遂論(757)
3 危険概念と未遂の処罰根拠(757)
第2節 実行の着手…759
§146 実行の着手の意義…759
1 主観説(759) 2 客観説(760) 3 折衷説(767)
§147 実行の着手論の具体的適用…769
1 結合犯における実行の着手(770)
2 離隔犯における実行の着手(771)
3 不作為犯における実行の着手(773)
4 間接正犯における実行の着手(774)
5 被害者の意識的または無意識的行為の利用による実行の着手(775)
6 行為者自身の事後の行為が予定されている犯罪の実行の着手(778)
7 共同正犯における実行の着手(779)
第3節 不能犯…781
§148 不能犯の意義…781
1 不能犯の意義と効果(781)
2 不能犯と幻覚犯 ・ 事実の欠缺(782)
§149 不能犯に関する学説…783
1 絶対的不能 ・ 相対的不能説(783)
2 構成要件的定型性欠缺説(784) 3 主観説(784)
4 抽象的危険説(784) 5 具体的危険説(785)
6 客観的危険説(786) 7 二元的危険予測説(本書の立場)(790)
8 判 例(793) 9 主体の不能(796)
10 不作為における不能(797)
第4節 中止犯(中止未遂)…800
§150 中止犯の意義と性格…800
1 中止犯の意義(800) 2 中止犯の法的性格(800)
§151 中止犯の要件…807
1 「犯罪を中止した鰒という要件(807)
2 「自己の意思により鰒の要件(822)
§152 予備 ・ 陰謀の中止…829
1 予備 ・ 陰謀の中止の意義(829)
2 予備 ・ 陰謀の中止の基準刑(830)
§153 中止の効果…830

第7章 共犯論…832
第1節 正犯と共犯の基礎理論…832
§154 正犯論 ・ 共犯論の基礎…832
1 正犯と共犯の意義と種類(832) 2 必要的共犯(834)
3 正犯と共犯の区別(839)
§155 共犯論の基礎…848
1 共犯の本質(848) 2 共犯独立性説と共犯従属性説(850)
3 実行従属性(852) 4 可罰従属性(共犯の処罰根拠)(854)
5 罪名従属性(863)
§156 間接正犯と共犯…865
1 間接正犯の意義と必要性(865)
2 間接正犯の理論的根拠(866) 3 間接正犯論の問題点(867)
4 間接正犯事例の検討と教唆犯の成否(869)
第2節 共同正犯…885
§157 意 義…885
1 共同正犯の意義と効果(885)
2 共同正犯論における犯罪共同 ・ 行為共同(886)
3 犯罪共同説の問題点(888)
§158 共同正犯の成立要件…892
1 共同実行の意思(892) 2 共同実行の事実(894)
§159 共同正犯の諸形態…896
1 片面的共同正犯(897) 2 過失の共同正犯(900)
3 結果的加重犯の共同正犯(907) 4 承継的共同正犯(908)
5 不作為犯の共同正犯(918) 6 共謀共同正犯(922)
7 予備罪の共同正犯(938)
§160 処 分…941
第3節 教唆犯…942
§161 意義および要件…942
1 意 義(942) 2 要 件(942)
§162 教唆犯の諸類型…956
1 間接教唆(956) 2 再間接教唆(957) 3 従犯の教唆(958)
4 独立教唆犯(959)
§163 教唆犯の処分…959
第4節 従 犯…960
§164 意義と要件…960
1 意 義(960) 2 幇助の客観的要件(960)
3 幇助の主観的要件(979) 4 幇助の対象となる正犯(981)
5 幇助の因果関係(被幇助者の実行)(983)
§165 共同正犯と従犯の区別…988
1 意 義(988) 2 学説の対立(988) 3 判 例(989)
4 学説の検討(989) 5 見張りと従犯(990)
§166 処 分…991
§167 間接従犯等…992
1 間接従犯(992) 2 教唆犯の従犯(994)
第5節 共犯の諸問題…996
§168 共犯と身分…996
1 問題の所在(996) 2 65条の解釈(996)
3 65条1項の適用(1000) 4 65条2項の解釈(1002)
§169 共犯と錯誤…1011
1 共犯者間の錯誤の意義(1011) 2 同一共犯形式内の錯誤(1011)
3 異なった共犯形式内の錯誤(1015)
§170 共犯の未遂…1018
1 共犯の障害未遂(1018) 2 共犯の中止未遂(1019)
3 共犯関係からの離脱(1021)
§171 共犯の競合…1029
第8章 罪数論…1030
第1節 総 説…1030
§172 罪数論の意義…1030
§173 犯罪の個数の決定基準…1031
1 学説の検討(1031) 2 考察(可罰類型的不法評価説)(1034)
第2節 本来的一罪…1036
§174 一罪と数罪の意義…1036
1 単純一罪・包括一罪・法条一罪(1036)
2 認識上の一罪と評価上の一罪(1037)
§175 包括一罪…1038
1 包括一罪の意義(1038) 2 包括一罪概念の多義性(1038)
3 包括一罪の体系的分類(1040)
§176 法条競合(法条一罪)…1048
1 法条競合の意義(1048) 2 法条競合の種類(1048)
第3節 科刑上一罪…1055
§177 科刑上一罪の意義 ・ 性格 ・ 根拠…1055
1 科刑上一罪の意義(1055) 2 科刑上一罪の性格(1055)
3 科刑上一罪の根拠(1056)
§178 観念的競合…1057
1 観念的競合の意義(1057) 2 要 件(1057) 3 処 分(1064)
§179 牽連犯…1066
1 牽連犯の意義と牽連性の判断基準(1066)
2 牽連犯の要件(1068) 3 処 分(1069)
§180 科刑上一罪の諸問題…1069
1 共犯と罪数(1069) 2 「かすがい鰒現象(1074)
第4節 併合罪…1078
§181 併合罪の意義と要件…1078
1 併合罪の意義・根拠(1078) 2 併合罪の要件(1080)
§182 併合罪の処分…1081
1 併合罪処分の三つの主義(1081) 2 併合罪処分(1082)
3 単純数罪(1087)

第3編 刑罰論
第1章 刑罰権の実現および刑罰の体系…1091
第1節 刑罰権…1091
§183 刑罰権の意義…1091
1 一般的刑罰権・個別的刑罰権(1091)
2 観念的刑罰権・現実的刑罰権(1092)
§184 処罰条件 ・ 処罰阻却事由…1092
§185 現実的刑罰権…1093
1 刑罰執行権の発生(1093) 2 刑罰執行権の消滅(1093)
第2節 刑罰の体系…1094
§186 主 刑…1095
1 死 刑(1095) 2 自由刑(1097) 3 財産刑(1098)
§187 付加刑…1099
1 総 説(1099) 2 没 収(1099) 3 追 徴(1104)
4 任意的没収・追徴(1105)
第2章 刑罰の適用…1106
第1節 法定刑と刑の加重減軽…1106
§188 法定刑の軽重…1106
1 法定刑の意義(1106) 2 法定刑の軽重(1107)
§189 法定刑の加重 ・ 減軽…1108
1 刑の加重・減軽の意義(1108)
2 法律上の刑の加重・減軽事由(1108)
3 法律上の刑の減軽事由(1111) 4 裁判上の減軽(酌量減軽)(1115)
5 加減例(1115)
第2節 刑の量定 ・ 言渡し ・ 免除…1117
§190 刑の量定…1117
1 宣告刑・量刑(1117) 2 量刑基準(1117)
3 量刑の資料(1118)
§191 刑の言渡し…1118
1 刑の言渡しの意義(1118) 2 刑の言渡しの方法(1119)
3 刑の免除(1119)
第3章 刑罰の執行と仮釈放…1121
第1節 刑の執行…1121
§192 各種の刑の執行…1121
1 総 説(1121) 2 死刑の執行(1121)
3 自由刑の執行(1122) 4 財産刑の執行(1123)
§193 刑の執行猶予…1124
1 意 義(1124) 2 執行猶予言渡しの要件(1126)
3 刑の執行猶予の取消(1129) 4 刑の執行猶予の効果(1130)
5 刑の一部の執行猶予(1131)
第2節 仮釈放…1133
§194 仮釈放(仮出場)…1133
1 意 義(1133) 2 28条の仮釈放(1133) 3 仮出場(1135)
第4章 刑罰の消滅…1136
§195 刑の消滅の意義…1136
§196 犯人の死亡 ・ 法人である犯人の消滅…1137
1 犯人の死亡の意義と効果(1137)
2 刑の一身専属性の例外(1137)
§197 時 効…1137
1 刑事時効の種類(1137) 2 時効制度の趣旨(1138)
3 公訴時効(1139) 4 刑の時効(1140)
§198 恩 赦…1140
1 恩赦の意義(1140) 2 恩赦の種類・手続(1141)
§199 刑の消滅…1142
1 刑の消滅の意義(1142) 2 要件・効果(1142)
第5章 保安処分…1144
§200 保安処分の意義と種類…1144
1 保安処分の意義(1144) 2 保安処分の種類(1145)
3 代替主義と併科主義(1145) 4 わが国における保安処分(1146)
§201 現代における保安処分の理念と人権…1146
1 保安処分の理念(1146)
2 保安処分における人権の具体的保障の必要性(1147)
§202 現行法上の保安処分…1148
1 補導処分(1148) 2 保護観察(1148)
3 更生緊急保護(1149) 4 少年に対する保護処分(1150)
5 精神障害者・覚せい剤の慢性中毒者に対する入院措置(1151)
6 麻薬中毒者に対する入院措置(1152)
7 暴力主義的破壊活動を行った団体の規制処分(1152)

事項索引…1153
判例索引…1170