国際違法行為責任の研究
国家責任論の基本問題萬歳寛之 著
定価:5,720円(税込)-
在庫:
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発行:
2015年09月01日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
356頁 -
ISBN:
978-4-7923-3334-8
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内容紹介
目 次
序………1
第1部 国家責任論の課題………7
第1章 国家責任論の展開………9
第1節 学 説………9
(1) 過失責任論………9
① グロティウス(10) ② トリーペル(12)
③ オッペンハイム(14)
(2) 客観責任論――アンチロッチ………17
① 過失の地位(18) ② 賠償の機能(20)
第2節 条 約………23
(1) 法律的紛争と賠償概念………24
① 国際仲裁裁判と国家責任(25)
② 国際紛争平和的処理条約(27)
(2) 賠償概念の系譜………30
① ヴェルサイユ条約(30) ② 国際連盟規約(33)
③ 常設国際司法裁判所規程(35)
第3節 国際裁判………37
(1) 国際判例上の国家責任論………37
① 一般的国家責任論の定式化(38)
② 義務違反=権利侵害=賠償の図式(39)
(2) 国際法規範の変化と責任事例………41
① ジェノサイド条約留保事件(42)
② ジェノサイド条約適用事件(43)
第4節 国際法委員会草案………46
(1) 暫定草案………46
① 客観責任論(47) ② 学説の評価(49)
(2) 国家責任条文………52
① 暫定草案の修正(52) ② 国家責任条文の体系的基礎(53)
第2章 過失責任の基盤………57
第1節 民事・刑事責任と人格要素………58
(1) 刑事責任………59
(2) 民事責任………61
第2節 国家の過失………63
(1) 過失責任と文明国概念………63
① 責任能力概念(64) ② 過失責任の認定(65)
(2) 国家責任論の転換………68
① 責任能力概念の形骸化(68)
② 責任の発生と責任非難の要素(70)
第2部 国家責任の発生と解除………73
第3章 違法性認定の基礎………75
第1節 国家責任法の適用事例………75
(1) 国家機能の排他性………75
(2) 相互主義………80
第2節 国家責任法の適用事例の拡大………85
(1) 属人的連関と国家責任………86
① 「高度に危険な活動」と国家責任(87)
② 海洋汚染と国家責任(90)
(2) 対世的義務の登場………93
第4章 国家責任の発生………99
第1節 国家責任条文における違法性概念………100
(1) 行為の国家への帰属………100
(2) 国際義務違反………103
(3) 学説上の批判………106
第2節 「相当の注意」義務の法的性格………109
(1) 外国人の待遇基準をめぐる対立………110
① 国内標準主義(110) ② 国際標準主義(113)
(2) 「決定の過程」としての「相当の注意」概念………116
① 国際仲裁裁判における国際標準主義(116)
② 国際責任の観念の一般目的と国際最低基準(119)
第3節 「相当の注意」義務違反の認定………121
(1) 領域内の事例――コルフ海峡事件………121
① 国家責任の認定(122) ② 「決定の過程」(123)
(2) 領域内の事例――在イラン米国大使館占拠事件………126
① 国家責任の認定(126) ② 「決定の過程」(129)
(3) 領域外の事例――ジェノサイド条約適用事件………131
① 国家責任の認定(131) ② 「決定の過程」(133)
第4節 国際義務違反の構成要素………136
(1) 責任非難の要素………136
(2) 「違反」と「責任」………138
第5章 国家責任の解除………142
第1節 国際裁判における賠償認定………144
(1) 賠償義務の基本的性格………144
(2) 原状回復の原則性………148
① 原状回復と金銭賠償の関係性(148)
② 原状回復と満足の関係性(150)
(3) 賠償の基本形態と機能………152
① 原状回復(152) ② 金銭賠償(155)
③ 満 足(157)
第2節 国家責任条文における「責任の内容」………162
(1) 中止と再発防止の機能………163
(2) 賠償の範囲と被害概念………165
① 完全な賠償の意味(165) ② 被害概念(166)
(3) 賠償の形態………169
① 原状回復(170) ② 金銭賠償(172)
③ 満 足(173)
(4) 国家責任条文第2部の課題………176
第3節 国家責任の解除をめぐる現代的課題………178
(1) 国家間紛争における個人損害………178
① 賠償算定の便宜的尺度としての個人損害(178)
② シシリー電子会社事件(179) ③ 損害の国家的性格(182)
(2) 被害実体の拡大………184
(3) 国際違法行為と被害の因果関係………187
第4節 条約における国家責任条項の機能………192
(1) 国際人道法関連条約………192
① 陸戦条約第3条(192) ② ジュネーブ4条約(194)
③ 第一追加議定書(196)
(2) 国連海洋法条約第12部………198"
第3部 国家責任の追及………203
第6章 国際請求の国家間化――外交的保護制度………207
第1節 外交的保護の性格………208
(1) 外交的保護の擬制………208
(2) 個人損害の地位………210
第2節 外交的保護の条件………213
(1) 管轄権………213
① 条約上の裁判条項(214)
② 常設国際司法裁判所規程第36条(ハ)(215)
(2) 原告適格………218
① 原告適格性判断の要素(219)
② バルセロナ・トラクション事件(220)
③ 原告適格の認定と個人損害(223)
第3節 国際裁判における国内法の地位………225
(1) 「事実としての国内法」概念………225
(2) 国内的事実の評価………229
① 国内法の「適用」――セルビア公債事件(229)
② 国内法への「依拠」――バルセロナ・トラクション事件(231)
③ 請求の受理可能性(235)
(3) 国際裁判手続における事実認定………238
第4節 外交的保護の目的………242
(1) 「個人損害の填補」のための外交的保護………243
(2) 外交的保護の変容………245
第7章 国際請求の二国間化――対世的義務違反の責任追及………248
第1節 国際請求の資格認定………249
(1) 国際請求の基礎としての損害概念………249
(2) 司法的解決による共通利益の回復………252
① ウィンブルドン号事件(252) ② 南西アフリカ事件(254)
③ バルセロナ・トラクション事件(257)
第2節 国家責任条文の参照基準――条約法条約第60条………259
(1) 起草過程………260
① フィッツモーリス草案(260)
② ウォルドック草案と1963年暫定草案(262)
(2) 最終草案と条約法条約………265
(3) クロフォード第3報告書………271
第3節 国家責任条文における責任追及制度………274
(1) 「被害国」と「被害国以外の国家」の区別………274
(2) 国際義務の分類………278
① 集団的利益を定めた義務(278)
② 一体的義務(281)
(3) 「影響性」概念………281
第4節 国家責任条文採択後の国際判例………286
(1) 「被害国」による対世的義務違反の責任追及………286
① ジェノサイド条約適用事件(286) ② ディアロ事件(290)
(2) 「被害国以外の国家」による対世的義務違反の責任追及………294
第5節 国家責任の追及制度の到達点………299
結 び………303
国家責任関係・主要文献目録………313
事項・人名索引………336
判例索引………339
条約索引………341
国家責任条文(国際違法行為に対する国家の責任に関する条文:2001年)索引………342
序………1
第1部 国家責任論の課題………7
第1章 国家責任論の展開………9
第1節 学 説………9
(1) 過失責任論………9
① グロティウス(10) ② トリーペル(12)
③ オッペンハイム(14)
(2) 客観責任論――アンチロッチ………17
① 過失の地位(18) ② 賠償の機能(20)
第2節 条 約………23
(1) 法律的紛争と賠償概念………24
① 国際仲裁裁判と国家責任(25)
② 国際紛争平和的処理条約(27)
(2) 賠償概念の系譜………30
① ヴェルサイユ条約(30) ② 国際連盟規約(33)
③ 常設国際司法裁判所規程(35)
第3節 国際裁判………37
(1) 国際判例上の国家責任論………37
① 一般的国家責任論の定式化(38)
② 義務違反=権利侵害=賠償の図式(39)
(2) 国際法規範の変化と責任事例………41
① ジェノサイド条約留保事件(42)
② ジェノサイド条約適用事件(43)
第4節 国際法委員会草案………46
(1) 暫定草案………46
① 客観責任論(47) ② 学説の評価(49)
(2) 国家責任条文………52
① 暫定草案の修正(52) ② 国家責任条文の体系的基礎(53)
第2章 過失責任の基盤………57
第1節 民事・刑事責任と人格要素………58
(1) 刑事責任………59
(2) 民事責任………61
第2節 国家の過失………63
(1) 過失責任と文明国概念………63
① 責任能力概念(64) ② 過失責任の認定(65)
(2) 国家責任論の転換………68
① 責任能力概念の形骸化(68)
② 責任の発生と責任非難の要素(70)
第2部 国家責任の発生と解除………73
第3章 違法性認定の基礎………75
第1節 国家責任法の適用事例………75
(1) 国家機能の排他性………75
(2) 相互主義………80
第2節 国家責任法の適用事例の拡大………85
(1) 属人的連関と国家責任………86
① 「高度に危険な活動」と国家責任(87)
② 海洋汚染と国家責任(90)
(2) 対世的義務の登場………93
第4章 国家責任の発生………99
第1節 国家責任条文における違法性概念………100
(1) 行為の国家への帰属………100
(2) 国際義務違反………103
(3) 学説上の批判………106
第2節 「相当の注意」義務の法的性格………109
(1) 外国人の待遇基準をめぐる対立………110
① 国内標準主義(110) ② 国際標準主義(113)
(2) 「決定の過程」としての「相当の注意」概念………116
① 国際仲裁裁判における国際標準主義(116)
② 国際責任の観念の一般目的と国際最低基準(119)
第3節 「相当の注意」義務違反の認定………121
(1) 領域内の事例――コルフ海峡事件………121
① 国家責任の認定(122) ② 「決定の過程」(123)
(2) 領域内の事例――在イラン米国大使館占拠事件………126
① 国家責任の認定(126) ② 「決定の過程」(129)
(3) 領域外の事例――ジェノサイド条約適用事件………131
① 国家責任の認定(131) ② 「決定の過程」(133)
第4節 国際義務違反の構成要素………136
(1) 責任非難の要素………136
(2) 「違反」と「責任」………138
第5章 国家責任の解除………142
第1節 国際裁判における賠償認定………144
(1) 賠償義務の基本的性格………144
(2) 原状回復の原則性………148
① 原状回復と金銭賠償の関係性(148)
② 原状回復と満足の関係性(150)
(3) 賠償の基本形態と機能………152
① 原状回復(152) ② 金銭賠償(155)
③ 満 足(157)
第2節 国家責任条文における「責任の内容」………162
(1) 中止と再発防止の機能………163
(2) 賠償の範囲と被害概念………165
① 完全な賠償の意味(165) ② 被害概念(166)
(3) 賠償の形態………169
① 原状回復(170) ② 金銭賠償(172)
③ 満 足(173)
(4) 国家責任条文第2部の課題………176
第3節 国家責任の解除をめぐる現代的課題………178
(1) 国家間紛争における個人損害………178
① 賠償算定の便宜的尺度としての個人損害(178)
② シシリー電子会社事件(179) ③ 損害の国家的性格(182)
(2) 被害実体の拡大………184
(3) 国際違法行為と被害の因果関係………187
第4節 条約における国家責任条項の機能………192
(1) 国際人道法関連条約………192
① 陸戦条約第3条(192) ② ジュネーブ4条約(194)
③ 第一追加議定書(196)
(2) 国連海洋法条約第12部………198"
第3部 国家責任の追及………203
第6章 国際請求の国家間化――外交的保護制度………207
第1節 外交的保護の性格………208
(1) 外交的保護の擬制………208
(2) 個人損害の地位………210
第2節 外交的保護の条件………213
(1) 管轄権………213
① 条約上の裁判条項(214)
② 常設国際司法裁判所規程第36条(ハ)(215)
(2) 原告適格………218
① 原告適格性判断の要素(219)
② バルセロナ・トラクション事件(220)
③ 原告適格の認定と個人損害(223)
第3節 国際裁判における国内法の地位………225
(1) 「事実としての国内法」概念………225
(2) 国内的事実の評価………229
① 国内法の「適用」――セルビア公債事件(229)
② 国内法への「依拠」――バルセロナ・トラクション事件(231)
③ 請求の受理可能性(235)
(3) 国際裁判手続における事実認定………238
第4節 外交的保護の目的………242
(1) 「個人損害の填補」のための外交的保護………243
(2) 外交的保護の変容………245
第7章 国際請求の二国間化――対世的義務違反の責任追及………248
第1節 国際請求の資格認定………249
(1) 国際請求の基礎としての損害概念………249
(2) 司法的解決による共通利益の回復………252
① ウィンブルドン号事件(252) ② 南西アフリカ事件(254)
③ バルセロナ・トラクション事件(257)
第2節 国家責任条文の参照基準――条約法条約第60条………259
(1) 起草過程………260
① フィッツモーリス草案(260)
② ウォルドック草案と1963年暫定草案(262)
(2) 最終草案と条約法条約………265
(3) クロフォード第3報告書………271
第3節 国家責任条文における責任追及制度………274
(1) 「被害国」と「被害国以外の国家」の区別………274
(2) 国際義務の分類………278
① 集団的利益を定めた義務(278)
② 一体的義務(281)
(3) 「影響性」概念………281
第4節 国家責任条文採択後の国際判例………286
(1) 「被害国」による対世的義務違反の責任追及………286
① ジェノサイド条約適用事件(286) ② ディアロ事件(290)
(2) 「被害国以外の国家」による対世的義務違反の責任追及………294
第5節 国家責任の追及制度の到達点………299
結 び………303
国家責任関係・主要文献目録………313
事項・人名索引………336
判例索引………339
条約索引………341
国家責任条文(国際違法行為に対する国家の責任に関する条文:2001年)索引………342