日本のジャーナリズムはどう生きているか

日本のジャーナリズムはどう生きているか

「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」記念講座2016
八巻和彦 編著
定価:1,650円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2016年12月10日
  • 判型:
    A5判並製
  • ページ数:
    278頁
  • ISBN:
    978-4-7923-3357-7
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内容紹介

目  次

はじめに Homo Communicansとしての人間
     早稲田大学商学学術院教授 八巻和彦
 Ⅰ 言語・理性・会話 ……1
 Ⅱ ヴォルテールと「啓蒙主義」再考 ……4
 Ⅲ 連動する<コミュニケーション>と<批判> ……11

第1部 報道の「危機」とは何だろうか

 1 ジャーナリズムの危機!
     毎日新聞社特別編集委員・TBSスペシャルコメンテーター 岸井成格
 Ⅰ 石橋湛山と報道の自由 ……21
 Ⅱ 危機に立つ日本の報道の自由 ……22
 Ⅲ 安保法制の持つ危険性 ……25
 Ⅳ 暴走する権力と萎縮するメディア ……29
 Ⅴ ジャーナリズムの危機に立ち向かうために ……33
 コラム 文明の岐路に立つ世界と日本 ……36

 2 「報道の自由」が消えてなくなる日
     日刊現代編集局ニュース編集部長 小塚かおる
 Ⅰ はじめに ……37
 Ⅱ 夕刊紙の魅力 ……38
 Ⅲ ジャーナリズムの「客観中立」 ……40
 Ⅳ 危機にある日本の表現の自由 ……42
 Ⅴ 権力のメディア支配の舞台裏 ……48
 Ⅵ 真実と事実は違う ……51
 コラム 天の邪鬼になれ ……52

 3 日本の言論はなぜ歪むのか
     雑誌編集者 間宮 淳
 Ⅰ 情報は必ず歪む ……53
 Ⅱ 従軍慰安婦論争に見る「論」の歪み ……54
 Ⅲ 日本の「論」が抱える歪みの構造 ……60
 Ⅳ いま,メディアの基層でなにが変化しているのか ……63
 コラム 蛇足として ……68

第2部 いま,何が起きているのか

 4 沖縄の自己決定権を問う
     琉球新報社東京報道部長 新垣 毅
 Ⅰ はじめに ……71
 Ⅱ ジャーナリズムの方法と概念 ……72
 Ⅲ 沖縄でいま,何が起きているのか ……74
 Ⅳ 「自己決定権」の報道キャンペーン ……78
 Ⅴ おわりに ……85
 コラム 尊厳の闘い ……86

 5 神戸が担った日米同盟
     毎日放送報道局ディレクター 坪井兵輔
 Ⅰ “ローカル”にこだわり,“グローバル”に問う ……87
 Ⅱ テレビドキュメンタリーとは何か ……88
 Ⅲ 社会の襞ひだに光をあてる ……89
 Ⅳ 知られざる最前線と隠された民間人の犠牲 ……91
 Ⅴ いま,自衛隊と私たちの暮らしに何が起きているのか ……98
 Ⅵ 究極のワンカットを目指して ……100
 コラム 蘇る最前線 ……102

 6 中国報道から日本社会を考える
     朝日新聞社編集委員 ■岡桂子
 Ⅰ 大きな組織の小さな個人 ……103
 Ⅱ 反日デモの記憶 ……105
 Ⅲ 中国の言論弾圧とリテラシー ……110
 Ⅳ ジャパン・バイアスの罠 ……114
 コラム 空気に水をさす ……118

第3部 身近なテーマから考える

 7 「エロス」と「セックス」と「表現の自由」
     講談社週刊現代編集部編集次長 花房麗子
 Ⅰ はじめに ……121
 Ⅱ 週刊誌とは何か ……122
 Ⅲ 「エロス」と表現の自由 ……124
 Ⅳ 女性が幸せになれるヌードグラビア ……128
 Ⅴ セックス特集と雑なるものを伝える週刊誌の使命 ……131
 コラム グラビア記事にも編集者の人格が表れる ……136

 8 劇映画はどのように社会と向き合っているのか
     映画監督・株式会社松竹映像センター代表取締役副社長 阿部 勉
 Ⅰ はじめに ……137
 Ⅱ 映画を観るとその国が見えてくる ……139
 Ⅲ マイナスの情報が想像力をかきたてる ……141
 Ⅳ 『京都太秦物語』のフィールドワーク ……147
 Ⅴ 地域から映画をつくる ……149
 Ⅵ 「100万人に観せること」 ……151
 コラム 講義の感想文から ……152

 9 地域雑誌「谷根千」から「新国立競技場」まで
     作家・谷根千記憶の蔵主宰・東京大学客員教授 森 まゆみ
 Ⅰ 男女雇用機会均等法以前の女子大生の就職の実態 ……153
 Ⅱ パブリック・リレーションとは何か ……156
 Ⅲ サイマル出版会で編集を学ぶ ……157
 Ⅳ 地域雑誌「谷中・根津・千駄木」を立ち上げる ……161
 Ⅴ 水平のコミュニケーションをつくり出す ……164
 コラム 新国立競技場問題でジャーナリズムが取り上げるべき10の問題 ……168

第4部 ジャーナリズムにできること

 10 ジャーナリズムの「責任」とドキュメンタリー映画の可能性
     映画監督 ジャン・ユンカーマン
 Ⅰ 知識人の責任 ……171
 Ⅱ チョムスキーと9.11 ……173
 Ⅲ 憲法改正論と『映画 日本国憲法』 ……177
 Ⅳ 沖縄戦・米軍基地と『沖縄 うりずんの雨』 ……181
 Ⅴ 観客を尊重する ……185
 コラム ドキュメンタリー映画の客観性と主観性 ……186

 11 ひきこもりを考える
     山梨日日新聞編集局企画報道グループ 前島文彦
 Ⅰ はじめに ……187
 Ⅱ ひきこもりとはなにか ……188
 Ⅲ 孤立する当事者 ……189
 Ⅳ 家族の苦悩 ……193
 Ⅴ 当事者不在の施策 ……197
 Ⅵ 連載は地域社会を変えたか ……199
 コラム 他者の痛みへの想像力を ……202

 12 広島から「原爆」を伝える
     NHK広島放送局 報道番組チーフ・プロデューサー 高倉基也
 Ⅰ 原爆ドームの横で考える ……203
 Ⅱ オバマ大統領の広島訪問を取材して ……204
 Ⅲ 歴史の闇に葬られた被ばく者たち ……207
 Ⅳ きのこ雲の下の事実を伝える ……212
 Ⅴ 伝えたいことはありますか ……216
 コラム 現場で見つけた伝えたいこと ……218

 13 新国立競技場問題を追って
     東京新聞(中日新聞東京本社)文化部記者 森本智之
 Ⅰ 報道は社会を変えられるか ……219
 Ⅱ 取材は6ページのエッセイからはじまった ……220
 Ⅲ 問題の深層 ……222
 Ⅳ さらなる問題点 ……225
 Ⅴ 取材の反省点 ……229
 Ⅵ 私の考える調査報道 ……230
 コラム あるお母さんと女の子のこと ……234

 14 テレビドキュメンタリーはどこに向かうのか
     NHK大型企画開発センター長 角 英夫
 Ⅰ はじめに ……235
 Ⅱ 変容するテレビドキュメンタリーの位置 ……236
 Ⅲ 技術革新はテレビジャーナリズムを覚醒させるか ……238
 Ⅳ グローバル時代のジャーナリズム ……243
 Ⅴ ジャーナリズムの精神をどう守る ……245
 Ⅵ おわりに --ドキュメンタリーはどこに向かうのか ……248
 コラム 石橋湛山から学んだこと ……250

 あとがき ……251

 関連年表 ……254
 「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」受賞者 ……258
 執筆者紹介 ……267