ロバーツコートの立憲主義
大林啓吾/溜箭将之 編
定価:6,600円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2017年04月20日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
400頁 -
ISBN:
978-4-7923-0604-5
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内容紹介
目 次
はしがき i
総 論
第1章 ロバーツの裁判官像 [大林啓吾] 3
はじめに 4
Ⅰ アンパイアとしての裁判官 6
1 ロバーツの経歴 6
2 ロバーツの裁判官像の背景 8
3 上院司法委員会でのロバーツの発言 10
Ⅱ アンパイア発言をめぐる分析 13
1 アンパイア発言の評価 13
2 アンパイア発言への批判 14
3 反論 15
Ⅲ ロバーツと法の支配 17
1 先例拘束 17
2 先例変更なき変更 20
Ⅳ ロバーツのリーダーシップ 21
1 長官としての役割 21
2 テンパラメント 23
3 連邦最高裁のまとめ役 26
Ⅴ ロバーツの立憲主義 29
1 ロバーツとイデオロギー 29
2 ミニマリズムと憲法判断回避 32
3 ロバーツの消極性と積極性 33
4 ロバーツの立憲主義 36
おわりに 38
第2章 ロバーツコートの裁判官たち [溜箭将之] 41
はじめに 42
Ⅰ ロバーツコート 43
1 政治的文脈と選任過程 43
2 全般的な特徴 45
Ⅱ レーンキストコート以来の裁判官 48
1 アントニン・スカリア(Antonin Scalia, 1936生・1986任命(レーガン)) 48
2 アンソニー・M・ケネディ(Anthony M. Kennedy, 1936生・1988任命(レーガン)) 49
3 クラレンス・トーマス(Clarence Thomas, 1948生・1991任命(ブッシュ父)) 51
4 ルース・ベーダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg, 1933生・1993任命(クリントン)) 52
5 スティーヴン・G・ブライヤー(Stephen G. Breyer, 1938生・1994任命(クリントン)) 54
Ⅲ 新たに就任した裁判官 55
1 サミュエル・アンソニー・アリートJr.(Samuel Anthony Alito, Jr., 1950生・2006任命(ブッシュ子)) 55
2 ソーニャ・ソトマイヨール(Sonia Sotomayor, 1954生・2009任命(オバマ)) 57
3 エレナ・ケイガン(Elena Kagan, 1960生・2010任命(オバマ)) 58
Ⅳ スカリアとブライヤーの対立 59
1 「原意主義」対「生ける憲法」 60
2 州権主義対連邦主義 64
Ⅴ キャスティングボート―ケネディかロバーツか 68
1 典型的キャスティングボート 69
2 長官の矜持・意地 72
3 サプライズ 74
Ⅵ リベラル派と保守派の動向 76
1 5対4判決の割合 76
2 保守的判例法の形成 76
3 リベラルの巻き返し? 78
Ⅶ ロバーツコートと立憲主義 82
1 裁判所へのアクセス 82
2 裁判所を取り巻く状況 84
おわりに 85
各 論
第3章 平等―ケネディ裁判官の影響力の増加 [髙橋正明] 89
はじめに 90
Ⅰ アファーマティブアクション 91
1 ロバーツコートに至るまでのAAに関する議論の流れ 91
2 ロバーツコートにおけるAAに関する判例の流れ 94
3 小括 110
Ⅱ 同性婚 111
1 ロバーツコートに至るまでの同性愛者の権利に関する議論 111
2 ロバーツコートにおける同性婚に関する判例 113
3 小括 123
Ⅲ 差別禁止法 124
1 判例 124
2 特徴 127
おわりに 127
第4章 ロバーツコートの中絶判例 [小竹 聡] 131
はじめに 132
Ⅰ ロバーツコート 132
1 裁判官 132
2 時期区分 135
Ⅱ ロバーツコートの中絶判例 136
1 Ayotte判決 137
2 Scheidler判決 140
3 CarhartⅡ判決 144
4 McCullen判決 147
Ⅲ 最近の裁量上訴不受理事件 151
おわりに 153
第5章 信教の自由―法律による信仰保護と漂流する国教樹立禁止条項 [高畑英一郎] 157
はじめに 158
Ⅰ 宗教条項とその発展 158
Ⅱ 自由な宗教活動条項とRFRA・RLUIPA 161
1 Smith判決とRFRA・RLUIPAの制定 161
2 ロバーツコートでの信教の自由 163
3 検討 174
Ⅲ 国教樹立禁止条項 176
1 ロバーツコートでの国教樹立禁止条項 176
2 検討 181
Ⅳ 国教樹立禁止条項と納税者訴訟 183
Ⅴ その他 185
1 言論条項と宗教的表現 185
2 同性婚と宗教 186
3 信仰と採用 187
おわりに 187
第6章 表現の自由―修正1条絶対主義? [大林啓吾] 191
はじめに 192
Ⅰ 修正1条によって保護されるか否かに関する判断 194
1 有害または不快表現 195
2 虚偽表現 203
3 著作権と表現の自由 205
4 脅迫表現 207
Ⅱ 内容規制・内容中立規制をめぐる対立 211
1 前哨戦 212
2 内容規制と内容中立規制をめぐる問題 214
3 政治資金規正と言論 218
Ⅲ 特定分野における敬譲 221
1 公務員の表現および刑務所内の閲読 221
2 学校および大学における表現の自由 228
3 テロ対策と表現の自由 233
Ⅳ 修正1条の保守化? 235
1 各分野の特徴 235
2 各裁判官の動向 236
3 保守的影響? 239
Ⅴ 新カテゴリカルアプローチ 240
1 新カテゴリカルアプローチの特徴 240
2 2次的表現 241
3 カテゴリカルアプローチの二重の意味 243
おわりに 244
第7章 刑事手続―保守的コート? [青野 篤] 247
はじめに 248
Ⅰ 修正4条 249
1 「捜索」該当性 249
2 無令状捜索の合理性 251
3 自動車の停止 256
4 行政上の捜索 258
5 排除法則 261
6 小括 263
Ⅱ 修正5条 264
1 二重の危険 264
2 自己負罪拒否特権 265
3 ミランダルール 266
4 小括 268
Ⅲ 修正6条 269
1 陪審裁判を受ける権利 269
2 対質権 271
3 弁護人依頼権 273
4 小括 277
Ⅳ 修正8条 278
1 死刑の対象 278
2 死刑の判断過程 280
3 死刑の執行方法 281
4 少年に対する仮釈放のない終身刑 283
5 刑務所の過剰収容 284
6 小括 284
おわりに 285
第8章 統治分野に関する諸判例 [御幸聖樹] 289
はじめに 290
Ⅰ 連邦議会 291
1 州際通商条項 291
2 必要かつ適切条項 295
3 課税条項 299
4 支出条項 301
5 行政機関による連邦法の解釈 304
6 小括 307
Ⅱ 大統領 308
1 大統領の合衆国憲法上の権限 308
2 連邦議会の授権に基づく(基づかなければならない)大統領の権限 313
3 大統領の権限についての小括 317
Ⅲ 裁判所 318
1 州の主権免責 318
2 その他 321
3 裁判所の権限についての小括 322
Ⅳ 連邦制 322
1 専占 322
2 その他 324
3 連邦制についての小括 325
おわりに 325
終 論
第9章 ロバーツコートのゆくえ―スカリア裁判官の遺産(の危機?) [会沢 恒] 329
はじめに 330
Ⅰ 問題領域 333
1 選挙・投票権関連 333
2 平等・公民権 334
3 “Kulturkampf”と宗教関係 335
4 法人と所有 336
5 刑事司法 337
6 憲法分野以外の特徴的問題領域 339
Ⅱ 保守にとってのアメリカ的価値 340
1 道徳,宗教,キリスト教 341
2 マイノリティ 345
3 アメリカ例外論 347
4 反知性主義,デモクラシー,裁判官の限定的役割 349
Ⅲ 原意主義と裁判所による歴史の参照-修正2条をめぐって 353
1 事案と判旨 354
2 原意主義の達成と限界 357
おわりに 362
1 連邦最高裁におけるイデオロギーバランスの変動の見込み 362
2 保守派裁判官としてのスカリアの遺産 364
補 論 [大林啓吾] 367
1 総論 367
2 各論 368
3 終論 371
4 整理 372
5 ロバーツコートの現在 374
事項索引 377
判例索引 382
はしがき i
総 論
第1章 ロバーツの裁判官像 [大林啓吾] 3
はじめに 4
Ⅰ アンパイアとしての裁判官 6
1 ロバーツの経歴 6
2 ロバーツの裁判官像の背景 8
3 上院司法委員会でのロバーツの発言 10
Ⅱ アンパイア発言をめぐる分析 13
1 アンパイア発言の評価 13
2 アンパイア発言への批判 14
3 反論 15
Ⅲ ロバーツと法の支配 17
1 先例拘束 17
2 先例変更なき変更 20
Ⅳ ロバーツのリーダーシップ 21
1 長官としての役割 21
2 テンパラメント 23
3 連邦最高裁のまとめ役 26
Ⅴ ロバーツの立憲主義 29
1 ロバーツとイデオロギー 29
2 ミニマリズムと憲法判断回避 32
3 ロバーツの消極性と積極性 33
4 ロバーツの立憲主義 36
おわりに 38
第2章 ロバーツコートの裁判官たち [溜箭将之] 41
はじめに 42
Ⅰ ロバーツコート 43
1 政治的文脈と選任過程 43
2 全般的な特徴 45
Ⅱ レーンキストコート以来の裁判官 48
1 アントニン・スカリア(Antonin Scalia, 1936生・1986任命(レーガン)) 48
2 アンソニー・M・ケネディ(Anthony M. Kennedy, 1936生・1988任命(レーガン)) 49
3 クラレンス・トーマス(Clarence Thomas, 1948生・1991任命(ブッシュ父)) 51
4 ルース・ベーダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg, 1933生・1993任命(クリントン)) 52
5 スティーヴン・G・ブライヤー(Stephen G. Breyer, 1938生・1994任命(クリントン)) 54
Ⅲ 新たに就任した裁判官 55
1 サミュエル・アンソニー・アリートJr.(Samuel Anthony Alito, Jr., 1950生・2006任命(ブッシュ子)) 55
2 ソーニャ・ソトマイヨール(Sonia Sotomayor, 1954生・2009任命(オバマ)) 57
3 エレナ・ケイガン(Elena Kagan, 1960生・2010任命(オバマ)) 58
Ⅳ スカリアとブライヤーの対立 59
1 「原意主義」対「生ける憲法」 60
2 州権主義対連邦主義 64
Ⅴ キャスティングボート―ケネディかロバーツか 68
1 典型的キャスティングボート 69
2 長官の矜持・意地 72
3 サプライズ 74
Ⅵ リベラル派と保守派の動向 76
1 5対4判決の割合 76
2 保守的判例法の形成 76
3 リベラルの巻き返し? 78
Ⅶ ロバーツコートと立憲主義 82
1 裁判所へのアクセス 82
2 裁判所を取り巻く状況 84
おわりに 85
各 論
第3章 平等―ケネディ裁判官の影響力の増加 [髙橋正明] 89
はじめに 90
Ⅰ アファーマティブアクション 91
1 ロバーツコートに至るまでのAAに関する議論の流れ 91
2 ロバーツコートにおけるAAに関する判例の流れ 94
3 小括 110
Ⅱ 同性婚 111
1 ロバーツコートに至るまでの同性愛者の権利に関する議論 111
2 ロバーツコートにおける同性婚に関する判例 113
3 小括 123
Ⅲ 差別禁止法 124
1 判例 124
2 特徴 127
おわりに 127
第4章 ロバーツコートの中絶判例 [小竹 聡] 131
はじめに 132
Ⅰ ロバーツコート 132
1 裁判官 132
2 時期区分 135
Ⅱ ロバーツコートの中絶判例 136
1 Ayotte判決 137
2 Scheidler判決 140
3 CarhartⅡ判決 144
4 McCullen判決 147
Ⅲ 最近の裁量上訴不受理事件 151
おわりに 153
第5章 信教の自由―法律による信仰保護と漂流する国教樹立禁止条項 [高畑英一郎] 157
はじめに 158
Ⅰ 宗教条項とその発展 158
Ⅱ 自由な宗教活動条項とRFRA・RLUIPA 161
1 Smith判決とRFRA・RLUIPAの制定 161
2 ロバーツコートでの信教の自由 163
3 検討 174
Ⅲ 国教樹立禁止条項 176
1 ロバーツコートでの国教樹立禁止条項 176
2 検討 181
Ⅳ 国教樹立禁止条項と納税者訴訟 183
Ⅴ その他 185
1 言論条項と宗教的表現 185
2 同性婚と宗教 186
3 信仰と採用 187
おわりに 187
第6章 表現の自由―修正1条絶対主義? [大林啓吾] 191
はじめに 192
Ⅰ 修正1条によって保護されるか否かに関する判断 194
1 有害または不快表現 195
2 虚偽表現 203
3 著作権と表現の自由 205
4 脅迫表現 207
Ⅱ 内容規制・内容中立規制をめぐる対立 211
1 前哨戦 212
2 内容規制と内容中立規制をめぐる問題 214
3 政治資金規正と言論 218
Ⅲ 特定分野における敬譲 221
1 公務員の表現および刑務所内の閲読 221
2 学校および大学における表現の自由 228
3 テロ対策と表現の自由 233
Ⅳ 修正1条の保守化? 235
1 各分野の特徴 235
2 各裁判官の動向 236
3 保守的影響? 239
Ⅴ 新カテゴリカルアプローチ 240
1 新カテゴリカルアプローチの特徴 240
2 2次的表現 241
3 カテゴリカルアプローチの二重の意味 243
おわりに 244
第7章 刑事手続―保守的コート? [青野 篤] 247
はじめに 248
Ⅰ 修正4条 249
1 「捜索」該当性 249
2 無令状捜索の合理性 251
3 自動車の停止 256
4 行政上の捜索 258
5 排除法則 261
6 小括 263
Ⅱ 修正5条 264
1 二重の危険 264
2 自己負罪拒否特権 265
3 ミランダルール 266
4 小括 268
Ⅲ 修正6条 269
1 陪審裁判を受ける権利 269
2 対質権 271
3 弁護人依頼権 273
4 小括 277
Ⅳ 修正8条 278
1 死刑の対象 278
2 死刑の判断過程 280
3 死刑の執行方法 281
4 少年に対する仮釈放のない終身刑 283
5 刑務所の過剰収容 284
6 小括 284
おわりに 285
第8章 統治分野に関する諸判例 [御幸聖樹] 289
はじめに 290
Ⅰ 連邦議会 291
1 州際通商条項 291
2 必要かつ適切条項 295
3 課税条項 299
4 支出条項 301
5 行政機関による連邦法の解釈 304
6 小括 307
Ⅱ 大統領 308
1 大統領の合衆国憲法上の権限 308
2 連邦議会の授権に基づく(基づかなければならない)大統領の権限 313
3 大統領の権限についての小括 317
Ⅲ 裁判所 318
1 州の主権免責 318
2 その他 321
3 裁判所の権限についての小括 322
Ⅳ 連邦制 322
1 専占 322
2 その他 324
3 連邦制についての小括 325
おわりに 325
終 論
第9章 ロバーツコートのゆくえ―スカリア裁判官の遺産(の危機?) [会沢 恒] 329
はじめに 330
Ⅰ 問題領域 333
1 選挙・投票権関連 333
2 平等・公民権 334
3 “Kulturkampf”と宗教関係 335
4 法人と所有 336
5 刑事司法 337
6 憲法分野以外の特徴的問題領域 339
Ⅱ 保守にとってのアメリカ的価値 340
1 道徳,宗教,キリスト教 341
2 マイノリティ 345
3 アメリカ例外論 347
4 反知性主義,デモクラシー,裁判官の限定的役割 349
Ⅲ 原意主義と裁判所による歴史の参照-修正2条をめぐって 353
1 事案と判旨 354
2 原意主義の達成と限界 357
おわりに 362
1 連邦最高裁におけるイデオロギーバランスの変動の見込み 362
2 保守派裁判官としてのスカリアの遺産 364
補 論 [大林啓吾] 367
1 総論 367
2 各論 368
3 終論 371
4 整理 372
5 ロバーツコートの現在 374
事項索引 377
判例索引 382