新時代の刑事弁護

新時代の刑事弁護

浦 功 編著
定価:7,700円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2017年09月01日
  • 判型:
    A5判
  • ページ数:
    716頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5218-9
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内容紹介

              目  次
取調べの可視化と黙秘権──新時代の刑事弁護の展望──
浦    功
Ⅰ はじめに 1
1 2004年改正 (1)  2 2016年改正 (2)
3 取調べ可視化制度の導入 (3)
Ⅱ 可視化法制と「黙秘中心」の弁護実践 4
1 可視化法制の骨組み (4)  2 「黙秘中心」の弁護実践 (5)
Ⅲ 黙秘権と「取調べ受忍義務」 9
1 黙秘権の憲法上の位置付けと被疑者取調べの実状 (8)
2 「取調べ受忍義務」について (9)
Ⅳ 黙秘権の行使等を助言する弁護活動をめぐる検察等との攻防 12
1 黙秘権行使の助言をめぐる攻防 (12)
2 「ミランダの会」の活動をめぐる攻防 (15)
3 「刑事被疑者弁護に関する意見交換会」における攻防 (18)
4 裁判例の中での攻防 (22)
Ⅴ 取調べ可視化の論議と憲法上の位置づけ 28
1 法制審特別部会における論議と全過程の録音・録画の義務化 (29)
2 取調べ可視化の憲法上の位置づけ (31)
3 取調べ可視化は「政策論」か? (33)
Ⅵ 取調べの可視化と黙秘権保障の内容 35
1 黙秘権の保障と「説得」について (35)
2 黙秘権の行使と不利益推認の禁止について (40)
Ⅶ 結びに代えて 47
1 可視化法制と捜査の構造 (47)
2 可視化法制化における弁護人の役割 (49)
3 刑事弁護の「真価」の発揮を (51)
《座談会》日本の刑事弁護の到達点と課題
浦   功=後藤 貞人=下村 忠利
山口 健一=渡辺  修=信岡登紫子
1 出席者の自己紹介 53
2 刑事弁護をめぐる1970年代の状況 55
⑴ 公安事件 (55)  ⑵ 接見妨害等 (56)
⑶ 一般の刑事弁護活動 (57)  ⑷ 公安事件における公判 (59)
⑸ 弁護人抜き裁判法案 (61)
3 刑事弁護をめぐる1980年代の状況 64
⑴ 再審死刑無罪4件 (64)  ⑵ 学界、弁護士会の対応 (64)
⑶ ずさんな捜査 (67)  ⑷ 平野絶望発言 (68)
⑸ 刑事弁護離れの時代 (69)  ⑹ 一般的指定 (70)
⑺ 1989年の松江の人権擁護大会 (71)
4 刑事弁護をめぐる1990年代の状況 75
⑴ 刑事弁護センターの発足当番弁護士制度 (75)
⑵ 『実務刑事弁護』 (75)  ⑶ 大阪刑事弁護委員会の発足 (77)
⑷ 当番弁護士制度 (78)  ⑸ アクション・プログラム (79)
⑹ ミランダの会の結成 (80)
⑺ 浦委員長時代──若手の育成── (81)
⑻ 公判廷における若手弁護士の活動の変化 (84)
⑼ 刑事被疑者弁護に関する意見交換会 (84)
⑽ ガイドラインの議論 (85)  ⑾ 刑事司法の健全運営義務 (88)
5 刑事弁護をめぐる2000年?2010年代の状況 91
⑴ 高見・岡本国賠 (91)  ⑵ 司法制度改革審議会意見書 (92)
⑶ 公的弁護制度 (95)  ⑷ 刑事司法の大変革 (99)
⑸ 公判前整理手続、証拠開示の評価 (101)
⑹ 弁護士職務基本規程 (103)  ⑺ 志布志事件、村木事件等 (105)
6 2016年改正と今後の課題 108
⑴ IT機器と施設管理の問題 (108)  ⑵ 取調べの可視化 (110)
⑶ 刑事事件の減少と弁護人依頼権 (113)
⑷ 刑事弁護の質の向上 (115)  ⑸ 裁判員裁判の問題点 (116)
⑸ 日本の刑事司法の変化 (118)
弁護技術の向上──裁判員裁判を中心にして──
西村  健
Ⅰ はじめに 121
Ⅱ 弁護技術向上が求められる背景 122
1 裁判員裁判導入前の刑事裁判 (122)
2 裁判員制度導入前の日弁連の考え方 (123)
3 司法制度改革審議会意見書 (124)  4 諸外国の状況 (125)
Ⅲ 日弁連の研修・研究等 127
1 模擬裁判への取り組み (127)  2 研  究 (128)
3 研  修 (128)  4 法廷用語の日常語化 (129)
5 情報収集等 (129)  6 分野別研究及び研修 (130)
7 刑事弁護研修等に関する活動 (131)  8 その他 (132)
Ⅳ 大阪弁護士会の研修・研究等 132
1 研修カレンダー (132)  2 研修の概要 (133)
3 研修受講義務化 (133)  4 法曹三者の意見交換会 (133)
5 裁判員裁判経験交流会 (133)  6 リハーサル研修 (133)
7 法廷傍聴活動 (134)  8 個別意見交換会傍聴 (134)
9 模擬裁判員裁判 (134)  10 夏季研修 (135)
Ⅴ 法廷技術研修の概要 135
1 アメリカの法廷技術──NITAを中心に── (135)
2 日弁連の現在の研修方法等 (136)
3 日弁連の現在の研修内容 (137)
4 法廷技術研修の課題 (141)
Ⅵ 裁判員アンケート結果と検討 142
1 アンケート項目 (143)  2 アンケート分析 (143)
3 裁判員経験者との意見交換会での意見 (143)
4 筆者が出席した最近の意見交換会 (144)
5 検察官が有利な背景 (147)  6 最高裁の分析について (148)
Ⅶ 今後の課題 149
1 課題克服の要点 (150)  2 法廷技術研修の継続 (150)
3 弁護戦略研修の発展拡充 (150)
4 研修検討結果の反映 (150)
5 アンケート結果の分析と活用 (151)
6 発展型研修メニューの充実化 (151)
7 研修義務化の拡大 (151)  8 研修方法の見直し (151)
9 講師の確保と技術向上 (152)
Ⅷ おわりに 152
取調べの可視化法制時代の弁護活動──黙秘権の行使とその解除を中心として──
鈴木 一郎=森  直也
Ⅰ はじめに 153
Ⅱ 可視化法の必要性 156
1 はじめに (156)
2 我が国の捜査機関における従来の取調態様とその原因 (156)
3 捜査機関の取調技術の高度化に向けた施策 (159)
4 取調態様は現実に変化するか (160)
5 取調べ態様の適正化としての可視化 (161)
Ⅲ 取調べの可視化法の概要 161
1 可視化法の概要 (161)  2 可視化法の解釈 (162)
Ⅳ 現行の実務運用 168
1 はじめに (168)
2 検察庁における被疑者取調べ録画・録音 (168)
3 警察における取調べ録画の運用実態 (170)
Ⅴ 取調べ可視化のもとでの捜査弁護の在り方論の整備 171
1 取調べ可視化のもとでの捜査弁護活動の考え方の基本 (171)
2 捜査弁護活動の在り方を考える視点 (174)
3 捜査弁護活動の方針の立て方 (175)
4 黙秘解除の具体的な手順 (182)  5 おわりに (183)
弁護人の接見技術──面接における聞き取り技術について──
岩佐  嘉彦
Ⅰ はじめに 187
Ⅱ 面接の技法についての筆者の立ち位置 187
Ⅲ 接見の技術を検討する意義 189
1 依頼人から「正確に」事実を聞き取ることの重要性 (189)
2 可視化時代における聞き取りの意義について (190)
3 面接の技術の位置づけ (192)
4 面接の技術を検討する意義⑴ (192)
5 面接の技術を検討する意義⑵ (194)
Ⅳ 司法面接との関係 194
1 弁護人の接見の構造 (194)
2 いわゆる司法面接との関係について (195)
Ⅴ 接見をする上での枠組み 198
1 接見前の準備(面接の計画) (198)
2 接見の冒頭での対応(初回接見を例として) (198)
Ⅵ 事実関係の確認 203
1 自由報告 (203)  2 WH質問 (208)
3 クローズド質問 (209)  4 誘導質問 (209)
5 相手の様子や話す内容をよく確認すること (210)
Ⅶ 面接の終了 210
Ⅷ 終わりに 211
GPS捜査と弁護活動
亀石 倫子
Ⅰ はじめに 213
Ⅱ 事案の概要 214
Ⅲ 弁護活動 216
1 捜査段階 (216)  2 証拠の収集と弁護側立証 (216)
Ⅳ 一審の判断 220
Ⅴ 控訴審の判断 222
Ⅵ 下級審で分かれる判断 224
Ⅶ 上告審における主張 225
Ⅷ 平成29年大法廷判決 227
Ⅸ おわりに 228
裁判員裁判と身体拘束からの解放
長部研太郎
Ⅰ 裁判員裁判と保釈の重要性 231
1 無罪推定の原則 (231)  2 公判前整理手続 (232)
3 連日開廷 (232)  4 夜間・休日接見の申合せ (233)
Ⅱ 裁判員裁判と保釈の要件 233
1 裁判員裁判の対象事件 (233)
2 権利保釈と裁量保釈の関係 (234)
3 刑訴法89条1号 (235)  4 刑訴法89条4号 (235)
5 公判前整理手続の進行と保釈 (238)
6 強盗致傷の否認事件について保釈を許可した準抗告決定 (238)
7 裁判員裁判制度施行後の保釈の状況 (240)
Ⅲ 具体的事例の検討 240
1 事後強盗致傷型 (240)  2 家族内での殺人・傷害致死型 (241)
3 殺人未遂で殺意を争っている場合 (247)  4 その他 (253)
Ⅳ 公判開始後の保釈請求 255
1 公判開始後に保釈請求を行うケース (255)
2 ケース9(罪名=覚せい剤取締法違反・関税法違反) (256)
Ⅴ 裁判員裁判と保釈保証金 256
1 保釈保証金の準備 (256)  2 保釈保証金の立替業者 (257)
3 全弁協の保釈保証書発行事業 (258)
4  殺人未遂被告事件について保証金の全額が全弁協の保証書に代えることが認められた例(ケース10) (259)
Ⅵ 判断権者についての制度変更 260
1 裁判官による保釈の判断 (260)
2 公判裁判所による保釈の判断 (260)
3 公判前整理手続を公判裁判所以外の裁判所(裁判官)が担当 (260)
証拠開示論の21世紀的展開
小坂井 久
Ⅰ はじめに 263
Ⅱ 証拠開示の意義・目的、あるいは、機能 265
1 総  論 (265)
2 各論──各意義・目的の実質的根拠── (272)
Ⅲ 証拠開示の憲法的基礎 279
1 前  提 (279)  2 様々なる条文根拠 (280)
3 まとめに代えて(可視化原理としての証拠開示) (282)
Ⅳ 証拠開示論の歴史的経緯(証拠開示の欠缺を経て) 283
1 旧刑訴法から昭和刑訴へ (283)
2 昭和刑訴から最高裁昭和44年決定、そして、それ以降 (286)
Ⅴ 現行証拠開示制度(2004年法)から 289
1 現行(2004年法)制度の状況 (289)
2  「全面的」証拠開示論の排斥という問題(法制審議会特別部会の議論をめぐって) (295)
Ⅵ 2016年法の概要と評価・対応 300
1 概要と問題点・意義など (300)
2 一覧表交付の課題と対応(①について) (301)
3 整理手続の請求権について(②について) (306)
4 類型証拠開示の拡充(③について) (308)
5 今後の展望 (309)
Ⅶ まとめに代えて 310
弁護人の予定主張明示義務と予定主張のあり方
秋田 真志
Ⅰ 問題の所在──弁護人の予定主張はいかにあるべきか── 311
Ⅱ 事例紹介──車椅子放火事件── 316
Ⅲ 弁護人の予定主張の在り方をめぐる法規定と解釈論 317
1 予定主張の明示義務の範囲 (318)
2  議論の整理とパラダイム転換の提唱──内容より目的を重視すべきである── (334)
3 主張明示義務の範囲と内容 (336)  4 戦略論の視点 (341)
Ⅳ 車椅子放火事件のてん末とその教訓 343
Ⅴ まとめにかえて 344
数学的刑事弁護──検察官の誤謬に打ち克つ──
大川 一夫
Ⅰ はじめに 345
Ⅱ コリンズ裁判 346
1 あなたが弁護人なら (346)  2 コリンズ裁判の問題提起 (348)
3 陪審制における常識と裁判員制度 (350)  4 検察官の役割 (350)
Ⅲ ベイズの定理 351
1 光秀の定理 (351)  2 モンティ・ホール問題とは (352)
3 ベイズの定理の重要性 (353)
4 モンティ・ホール問題をどう説明するか (354)
Ⅳ 日本の裁判では 356
1 はじめに (356)  2 釜ヶ崎監視カメラ撤去事件 (356)
3 水俣病裁判と多変量解析 (357)
4 「確率・統計」の誤りの主張 (357)
Ⅴ 検察官の誤謬 358
1 認知バイアス (358)  2 ウェイソン教授の実験 (359)
Ⅵ 弁護人の誤謬 360
1 弁護人の誤謬とは (360)  2 弁護人の過誤 (361)
Ⅶ イギリスの禁止令 361
1 ベイズの定理の利用 (361)  2 ベイズの定理禁止令 (362)
3 ベイズの定理の真理性 (362)
Ⅷ 改めて日本の裁判では 363
1 横浜セクハラ事件 (363)  2 石黒教授らの分析 (363)
3 刑事事件では (363)  4 DNA型鑑定の重要性 (364)
5 裁判官と確率・統計 (364)
6 統計学的に見る保釈の運用 (365)
Ⅸ これからの刑事弁護 366
1 「検察官の誤謬」と「ベイズの定理」の重要性 (366)
2 統計的手法の重要性 (366)  3 分かりやすい説明の重要性 (366)
4 弁護人の役割 (366)
Ⅹ 終わりに 367
裁判員裁判における科学的証拠と専門家証人に対する尋問
小田 幸児
Ⅰ はじめに 369
Ⅱ 科学的証拠の意義と危険性 371
1 科学的証拠の意義と危険性 (371)
2 裁判員裁判と科学鑑定 (374)
Ⅲ 科学的証拠の証拠能力 377
1 科学的証拠に対するわが国判例の傾向 (377)
2 Fryeテスト、Daubert判決等 (378)
Ⅳ 科学的証拠に対処するための準備 381
1 科学的専門分野に関する知識、知見についての自主的学習 (382)
2 専門家による協力 (382)
3 専門的論文等の調査、収集および検索 (384)
4 積極的な証拠開示請求 (384)
5 特別弁護人(刑訴法31条2項) (385)
Ⅴ 科学的証拠/専門家証人と弁護活動(特に尋問について) 387
1 専門家証人尋問に関する基本的視点 (387)
2 専門家証人の人的特異性と尋問者の態度等 (388)
3 専門家証人に対する尋問に関する一般的なこと (390)
4 専門家証人に対する反対尋問 (395)
5 当事者鑑定/鑑定の請求と専門家に対する主尋問 (414)
6 対質尋問とコンカレント・エヴィデンス (433)
Ⅵ 結びに変えて 437
反 対 尋 問
山本 了宣
Ⅰ はじめに 439
Ⅱ 耳という器官の性質 442
Ⅲ 質問が下手だとどうなるか 443
Ⅳ 発問の基本原則 445
1 最も直接的な質問をせよ (446)
2 役目の無い言葉を削れ (447)
3 音そのものを少なくせよ (448)
4 一つの質問で一つの事柄を扱え (449)
5 証人の視点・立場を考えよ (449)
6 基本原則1?5についてのまとめ (452)
7 修正原則について (453)
Ⅴ 発問の細則 454
1 指示語を減らす (454)  2 あいまい語・俗語を使わない (455)
3 価値観の入った言葉 (456)  4 相対的な言葉を避けよ (458)
5 尊敬語と受動態に注意 (459)
6 違う物に同じラベルをつけるな 表現の重複を避けよ (459)
7 似た言葉・似た音を避ける (460)
8 争うべき証言に言及するときは、引用符を付けて、かつ、短く (461)
Ⅵ 知識:尋問には、質問外の発言(予告、指示、情報提供)が含まれる 465
1 予告・宣言 (465)  2 情報提供 (466)  3 指  示 (466)
Ⅶ 技法:質問を分ける──質問ではない部分に注目して── 467
1 注釈を外に出す (467)  2 特定部分を外に出す (468)
Ⅷ 詳論:証人の視点・立場に沿った質問を作る──尋問者の頭の中の分析── 470
Ⅸ おわりに 472
実践的反対尋問事項書の作り方
髙見 秀一
Ⅰ はじめに 475
Ⅱ 使い勝手のよい反対尋問事項書とは 476
Ⅲ 使い勝手の悪い反対尋問事項書とは 477
1 場合分けしてあること(チャート図になっていること) (477)
2 証拠の所在がわからないこと (477)
3 具体的な獲得目標がわからないこと (477)
Ⅳ 各  論 478
1 見やすいとは (478)
2 何が獲得目標かが一目でわかるとは (480)
3 弾劾の資料が具体的に引用されていること (484)
4 ワープ(ジャンプ)に対応できること (485)
5 聞くべき事実が最小レベルまで練れていること (485)
6 異議への対応が準備されていること (487)
Ⅴ 具体的な準備作業はどうやるのか 489
1 現場に行く (489)
2 ブレーンストーミング(事件全体についてのもの) (490)
3 時系列を作成する (490)
4 供述調書などを再読する (491)
5 反対尋問についてのケースセオリー (494)
Ⅵ 具体的事件で作成した尋問事項書の大見出し、中見出し、小見出し 495
Ⅶ 尋問終了後に行う作業 500
Ⅷ 判決書の「理由」との対比を試みてみる 501
1 無罪判決に至った理由の骨格 (501)
2 Dの供述が信用できないとされた根拠についての具体的検討 (502)
3 小  括 (515)
Ⅸ おわりに 516
法廷通訳と刑事弁護
栗林亜紀子
Ⅰ はじめに 517
Ⅱ 日本の法廷通訳制度の現状 518
1 要通訳事件の件数 (518)  2 条  文 (518)
3 法廷通訳人の選任方法 (520)  4 法廷での通訳の様子 (523)
Ⅲ 通訳問題を考える際の基本的な視点 524
1 聴き取りや表現の誤りの危険 (524)
2 通訳人の能力を担保する制度の不存在 (525)
Ⅳ 弁護人が気を付けるべきこと(公判段階) 526
1 通訳人の能力に注意を払う (526)
2 あるべき通訳とはなにかを理解する (526)
3 法廷で留意すること (528)
4 通訳人の事前の準備への協力 (529)
5 通訳内容に疑問がある場合の事後的手段 (531)
Ⅴ 弁護人が気を付けるべきこと(捜査段階・公判準備段階) 533
1 通訳人の中立性を意識する (534)
2 通訳人には通訳に徹してもらう (534)
3 参考──大阪弁護士会の通訳能力判定試験制度の紹介── (535)
Ⅵ まとめに代えて 536
刑事控訴審弁護──「学者」弁護士始末──
渡辺  修
Ⅰ はじめに──「学者」弁護士として── 543
Ⅱ 事後強盗致傷事件──控訴審国選受任と「3つの注意」── 544
1 裁判員裁判と被告人の控訴 (544)
2 控訴審国選「3つの注意」 (546)
Ⅲ 神戸拘置所から大阪拘置所へ──防御準備のための移送申し立て── 546
1 控訴審弁護と初回接見 (546)  2 移送申し立て (547)
3 勾留取消し申し立て (547)
Ⅳ 被告人の不満──裁判員裁判と被告人「不参加」裁判── 549
1 原判決の認定 (549)  2 控訴趣意書提出最終日延長申立 (550)
3 被告人の不満と事実誤認 (551)  4 被害弁償怠慢 (560)
5 現地調査と調査報告書 (562)
6 弁護人控訴理由の組み立て (563)
Ⅴ 「ヤヌス審」における審理と弁護人の防御活動 565
1 「ヤヌスの神」としての控訴審 (565)
2 「やむを得ない事由」の疎明 (566)
3 被告人本人の控訴趣意書 (567)
4 証拠調べとして実施する「事実の取調べ」請求 (568)
5 被告人質問の実現 (569)  6 刑訴法388条「弁論能力」制限 (571)
7 本件控訴審の結論 (571)
Ⅵ おわりに──刑事控訴審における被告人の包括的防御権実現のために── 572
1 接見「三猿の教え」 (572)  2 控訴審弁護 (573)
3 被告人の包括的防御権実現 (573)
弁護人の役割論──主として準司法機関説の立場から──
森下  弘
Ⅰ 問題の所在と論争点の整理 577
1 はじめに──問題提起── (577)
2 真実義務を巡る議論と弁護人の役割論との関係 (591)
3 本稿の目的 (593)
Ⅱ 弁護人の役割論に対する比較法的視点 594
1 はじめに (594)
2 ドイツとアメリカ等における議論状況から学ぶべきこと (594)
3 小   括 (598)
Ⅲ 憲法・法令からの検討 599
1 憲法的視点から (599)  2 必要的弁護制度からの検討 (599)
3 弁護人の固有権と被告人等の各種権利からの検討 (605)
4 誠実義務説に対するいくつかの疑問 (608)
5 身代わり犯について (612)
6 司法機関性の内容と判断基準 (616)
Ⅳ まとめに代えて 617
日本の絞首刑を考える
後藤 貞人
Ⅰ はじめに 619
Ⅱ わが国の絞首刑の歩み 620
1 明治政府による絞首刑の選択 (620)
2 明治6年太政官布告65号 (621)  3 現在の絞首刑 (622)
4 太政官布告65号からの変更の根拠 (626)
Ⅲ 絞首刑によって受刑者が死に至る機序 627
1  最高裁判所はどのような資料に基づいて絞首刑による死の機序を理解していたか (627)
2 昭和27年10月27日付古畑種基鑑定 (632)
3  古畑鑑定の誤り──瞬間的に意識を失い死刑囚は何ら苦痛を感じないか? (638)
4 絞首刑による5つの死因 (645)  5 受刑者の苦痛 (653)
6 死因をコントロールすることができない (656)
Ⅳ アメリカ合衆国、イギリス、そしてわが国 660
1 「ニューヨーク州市警委員会報告書」(1885年)とその後 (660)
2 イギリスにおける「失敗のない死刑執行に関する研究と報告」(1888年) (662)
3 わが国 (664)  4 小  括 (674)
Ⅴ わが国の刑事裁判における絞首刑の残虐性 675
1 松下事件とその後 (675)  2 大阪パチンコ店放火殺人事件 (675)
Ⅵ おわりに 683__