応用刑事訴訟法

応用刑事訴訟法

太田 茂 著
定価:3,850円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2017年09月20日
  • 判型:
    B5判
  • ページ数:
    348頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5217-2
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内容紹介


                目  次

        序   章

第1 刑事司法の目的は何か ―S/N比の譬え―…………………………3
 1 刑事司法の目的は何か…………………………3
 2 無罪率のもつ意味…………………………3
 3 S/N比の譬え……4
 4 取調べの意義と目的、その功罪……5
 5 私の小さな経験から――若手検事時代の失敗と反省――……6
 6 私の事件帖序章――ある虚偽自白の窃盗事件――……7
第2 法制史比較法的観点からみた我が国の刑事司法の特徴……10
 1 我が国の法制史の概観……10
 (1) 上  代 (10)  (2) 上   世 (10)
 (3) 中世から近世へ――固有法への劇的変化―― (11) 
 (4) 貞永式目の制定 (11)   (5) 当時は活発な『訴訟社会』だった? (12)
 (6) 明治維新による近代へ (14)
 2 法制度の近代化は、かえって国民から裁判所を遠いものとしてしまった……14
 3 刑事の分野での法制度の進展……15
 4 戦後の現行刑訴法の制定……15
 5 現行刑訴法の分かりにくさの原因はこの制定経緯にある……15

            第1編  捜査法を中心に
〔事例講義1〕 
 資産家老夫婦に対する強盗殺人事件……19
〔事例講義2〕
 覚せい剤の組織的密売事件……69
〔事例講義3〕
 連続強盗・同致傷事件……83
〔事例講義4〕
 連続窃盗・強盗殺人事件……111
〔事例講義5〕
 振り込め詐欺事件……134
〔事例講義6〕
 犯罪事実の一部起訴……149

              第2編 私の事件帖
1 M市における連続保険金殺人事件……161
2 独居V女殺人・死体遺棄事件……164
3 公共工事をめぐる談合・贈収賄事件……166
4 軽微な交通事故事件を端緒とする市長の贈収賄事件……168
5 山奥の警察署が摘発した全国に10億円の被害を与えたアダルトサイト架空請求事件 ……170
6 通信傍受により摘発した非対面方式の覚せい剤密売事件……172
7 轢逃げ交通事故の兄弟誤認逮捕事件……174
8 連続放火「ギョーザ(餃子)」のアリバイ潰し事件……176
9 ある消費税法違反事件……178
エピローグ……182

            第3編 公判・証拠法を中心に
第1章 証拠法総論……188
第1 証拠法の基本問題と証拠構造の理解の重要性……188
 1 自由心証主義……188
 2 厳格な証明と自由な証明……190
 3 証拠の関連性など……192
 4 要証事実と立証趣旨、主要事実・間接事実・補助事実、直接証拠・間接証拠・補助証拠などの基本的概念……192
 5 証拠構造を理解すること……193
第2章 伝聞法則の基本問題……196
 1 伝聞法則導入の経緯がもたらす問題……196
 2 重要な基本的概念の不統一がもたらす問題など……197
 3 「供述書」と「供述録取書」の媒体には様々なものがあること……200
 (1) 供 述 書 (200)  (2) 供述録取書 (200)
 4 伝聞法則適用例外規定の骨格……200
 (1) 類型的・定型的に極めて高度の信用性があるため、無条件に伝聞例外が認められるもの (201)
 (2) 一定の要件はあるが、類型的に信用性が高いことなどから、その要件がかなり緩やかなも
の (202) 
 (3) ⑵ほど類型的に信用性が高いとまでは言えないが、更にある程度要件を厳しくすることにより、伝聞例外として認められるもの (203)
 (4) 類型的な信用性は⑶よりも更に低いため、その必要性が極めて高く、特信性が個別に認められる場合に限り、伝聞例外として認められるもの (203)
 (5) 刑訴法324条の伝聞供述(典型的な口頭の又聞き) (203)
 (6) 当事者が同意・合意することにより、証拠能力が付与される場合 (204)
 (7) 弾劾証拠(刑訴法328条) (204)
 5 再伝聞、再々伝聞等について……204
 6 「精神状態に関する供述」の問題点……206
第3章 事例講義1 集団強姦事件……210
第3章 事例講義2 轢き逃げ殺人事件……228
第4章 違法収集証拠の諸問題……251
第1 違法収集証拠排除法則の生成・発展の歴史の概観……251
 1 アメリカにおける排除法則生成発展の経緯等……251
 2 我が国における排除法則の生成発展の経緯……252
第2 違法収集証拠排除法則の論拠と排除法則に関する重要な問題点……253
 1 排除法則の論拠……253
 2 具体的問題点……253
第3 最判昭和53・9・7の判旨とそれを踏まえたより網羅的な排除法則の要件など……254
 1 事案の概要と判決要旨……254
 2 本最決を踏まえたより網羅的な排除法則の要件など……255
 3 前記第2のその他の重要な問題点については、どのように考えるべきか。……256
 (1) 私人の違法行為によって収集された証拠物には排除法則の適用があるか否か。 (256)
 (2) 申立適格(排除の申立てをする資格を当該証拠収集手続における違法行為の被害者等に限定すべきか、他の被疑者等もその手続の違法性を申立てることが許されるか。 (256)
 (3)  証拠物に限らず、違法な取調べ等によって得られた自白についても排除法則の適用があるか。 (257)
 (4)  違法収集証拠に基づいて更に得られた証拠(派生証拠・毒樹の果実)について、どのような範囲・程度において排除がなされるべきか。 (257)
 (5)  違法収集証拠に対して被告人側が同意し、あるいは取調べに異議がない場合には証拠能力が認められるか。 (257)
第4 毒樹の果実論(派生証拠の問題)……258
 1 毒樹の果実論についての指導的判例……258
 2 違法承継論、密接関連論、毒樹の果実論と相互の関係……259
 (1) 違法承継論 (260)  (2) 密接関連論 (260)
 (3) それぞれの論の関係 (261)
第5 実践的応用問題……261
第5章 訴因と公訴事実の諸問題……266
第1 訴因制度導入の経緯と、定着した「訴因」の意義……266
第2 訴因の「特定」の諸問題……268
 1 訴因の特定に関する基本問題……269
 2 事例による検討……272
第3 訴因の変更の要否などの諸問題……273
第4 訴因変更の可否に関する諸問題……282
 1 訴因変更の可否の基本問題……282
 (1) 詐   欺 (284)  (2) 覚せい剤使用 (285)   
(3) 窃盗・盗品有償譲受け (286)  (4) 収賄・贈賄 (287)
 (5) 過失運転致死・犯人隠避 (287)

           第 4 編 諸外国の刑事司法制度
第1章 アメリカの刑事司法……292
第2章 イギリスの刑事司法……307
第3章 フランスの刑事司法……313
第4章 ドイツの刑事司法……318
第5章 中国の刑事司法……323