終末期医療と刑法
医事刑法研究 第7巻

終末期医療と刑法

甲斐克則 著
定価:3,190円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2017年11月20日
  • 判型:
    A5判
  • ページ数:
    306頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5228-8
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内容紹介

目  次


はしがき
序章 安楽死・尊厳死をめぐる法と倫理…1
1 序…1
2 安楽死をめぐる法と倫理…2
3 尊厳死をめぐる法と倫理…4
4 終末期医療(特に尊厳死)のガイドラインの枠組み呈示…9
5 結 語…11
第1章 終末期医療・尊厳死と医師の刑事責任
―川崎協同病院事件第1審判決に寄せて―…15
1 序…15
2 川崎協同病院事件の事実の概要…17
3 川崎協同病院事件第1審判決の要旨…18
4 終末期医療・尊厳死と医師の刑事責任
―第1審判決の検討と位置づけ―…22
5 厚生労働省「報告書」の分析と尊厳死問題ガイドライン要綱私案…30
6 結 語…32
第2章 尊厳死問題における患者の自己決定のアポリア
―河見誠教授の批判に答える―…35
1 序…35
2 尊厳死問題における患者の自己決定のアポリア…36
3 「物語としての生と身体」論の意義と問題性…41
4 結 語…45
第3章 ドイツにおける終末期医療をめぐる法的・倫理的論議の
最近の動向…49
1 はじめに…49
2 ドイツにおける議論の動向…49
3 おわりに…55
第4章 終末期医療と尊厳死
―日本刑法学会ワークショップから―…57
第5章 終末期医療における病者の自己決定の意義と法的限界…63
1 序…63
2 安楽死と病者の自己決定…65
3 自殺幇助と病者の「死ぬ権利」
―ダイアン・プリティ事件を素材に―…74
4 尊厳死と病者の自己決定…80
5 結 語…102
第6章 自殺幇助と患者の「死ぬ権利」:
難病患者の「死ぬ権利」を否定した事例―プリティ判決
(Pretty v. the United Kingdom, 29 April 2002, Reports 2002―Ⅲ)―…113
1 事 実…113
2 判 旨…115
3 解 説…118

第7章 終末期医療のルール化と法的課題…123
1 序…123
2 終末期医療の「ルール化」の意味・意義と問題点…124
3 ルール化の内容と法的根拠…126
4 結 語―今後の課題―…129
第8章 ドイツにおける延命治療中止に関するBGH無罪判決
―プッツ事件―…133
1 はじめに…133
2 事実の概要…133
3 判 旨…135
4 若干の論評…139
第9章 終末期医療と臨床倫理…141
1 はじめに…141
2 日本における近年の問題状況…142
3 司法の動向…143
4 人工延命措置の差控え・中止(尊厳死)をめぐる法理と倫理…148
5 おわりに…154
第10章 ベネルクス3国の安楽死法の比較検討…157
1 序…157
2 オランダにおける安楽死の法制度とその運用の実態…159
3 ベルギーにおける安楽死の法制度とその運用の実態…176
4 ルクセンブルクにおける安楽死の法制度…178
5 結 語…182
第11章 オランダの安楽死の現状と課題…187
1 序…187
2 オランダの安楽死等審査法の基本要件と手続…188
3 安楽死等審査法施行後の動向…191
4 緩和ケア・緩和的鎮静と安楽死…194
5 結 語…197
第12章 イギリスにおける人工延命措置の差控え・中止(尊厳死)
論議…201
1 序…201
2 イギリスにおける判例の動向
―トニー・ブランド事件判決の射程―…202
3 イギリスにおける終末期医療の意思決定のルール作り…207
4 結 語…214
第13章 PEG施行について患者の事前指示と家族の希望が異なる
場合どうするか―法律家の立場から―…219
1 はじめに…219
2 患者の事前指示の法的意義…220
3 胃瘻造設差控えの患者の事前指示と家族の希望とが衝突した場合
 …223
4 ひとたび胃瘻を開始した後に患者の胃瘻中止の事前指示と
家族の希望とが衝突した場合…224

第14章 人工延命措置の差控え・中止(尊厳死)問題の「解決」モデル
 …227
1 序―問題状況と問題設定―…227
2 「自己決定モデル」とその検討…229
3 補完モデルとしての「最善の利益モデル」と「治療義務の限界
モデル」…245
4 結 語…252
終章 終末期の意思決定と自殺幇助―各国の動向分析―…259
1 序―問題状況―…259
2 ベネルクス3国(特にオランダ)の動向…260
3 アメリカ合衆国の動向…265
4 イギリスの動向…268
5 ドイツの動向…272
6 結 語―日本における議論の方向性―…279