明治憲法における「国務」と「統帥」
統帥権の憲法史的研究荒邦啓介 著
定価:8,140円(税込)-
在庫:
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発行:
2017年11月20日
-
判型:
A5判 -
ページ数:
450頁 -
ISBN:
978-4-7923-0621-2
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内容紹介
目次
凡例
初出一覧
はじめに …… 1
一 近衛の「要綱」、松本委員会の「要綱」 …… 1
二 統帥権の独立 …… 3
三 「国務」と「統帥」との分立構造 ─《権力の割拠性》の一事例─ …… 4
四 本書の課題と構成 …… 6
序 章 「国務」と「統帥」との分立及びロンドン海軍軍縮条約問題 …… 13
一 「国務」と「統帥」との分立の一幕 …… 13
二 ロンドン海軍軍縮条約問題と統帥権論争 …… 16
第一部 歴史的展開
第一章 日本近代軍制史と軍令機関の設置─ 明治憲法制定まで─ …… 33
一 明治初頭の軍事官衙 …… 35
二 兵部省の設置 …… 39
三 陸軍省・海軍省の設置 …… 44
四 明治六年第六局の設置 …… 48
五 明治七年参謀局の設置 …… 52
六 明治一一年参謀本部条例 …… 56
七 プロイセン・ドイツ軍制とその受容 …… 64
(一) プロイセン陸軍省の創設─軍事権限の統合化 65
(二) 参謀本部と軍事内局─軍事権限の再拡散化 67
(三) 対議会責任の回避としての陸軍省権限の縮小 71
(四) 組織と対議会責任 74
八 「本省ト本部ト権限ノ大略」及び「省部事務合議書」 …… 75
九 軍人訓誡と軍人勅諭 …… 80
(一) 軍人勅諭と憲法学 80
(二) 軍人訓誡 81
(三) 軍人勅諭 83
一〇 「編制」事務─陸軍省官制と参謀本部条例における重複─ …… 87
一一 「省部権限ノ大略」及び「上裁文書署名式」 …… 94
一二 軍令機関と内閣 …… 98
一三 「検閲」事務をめぐる「権限争議」─陸軍省と参謀本部の対立─ …… 103
一四 参軍官制から参謀本部条例・海軍軍令部条例へ …… 105
一五 小 結 …… 115
第二章 明治憲法第一一条・第一二条の制定過程 …… 141
一 岩倉具視「大綱領」 …… 141
二 滞欧憲法調査─憲法起草作業までの伊藤博文─ …… 143
三 『兵制学』とプロイセン憲法の翻訳─憲法起草作業までの井上毅─ …… 151
四 伊藤・井上らによる憲法起草作業 …… 155
(一) 大権の規定の方法 155
(二) 井上毅の甲案・乙案、ロエスレルの「日本帝国憲法草案」 158
(三) 夏島草案 160
(四) 十月草案 162
(五) 二月草案 163
(六) 「帝国陸軍将来必要ト認ムル要件」と「陸軍提出案ニ付意見」 164
(七) 浄写三月案 171
五 「勅令ノ令ノ字ヲ裁ト改メタシ」─枢密院審議の開始─ …… 174
六 黒田内閣案と伊藤らによる修正─枢密院審議の終結─ …… 181
七 小 結 …… 185
第三章 国務大臣の責任制度形成過程─ 大臣責任における《割拠》と《統合》─ …… 207
一 単独責任か連帯責任か …… 207
二 伊藤と連帯責任制度論─シュタイン国家学の受容─ …… 209
三 井上と単独責任制度論─「維新」の原理との整合性─ …… 217
四 憲法と官制 …… 221
五 小 結 …… 228
第四章 統帥権事件史点描 …… 241
一 軍部大臣現役武官制と陸軍二個師団増設問題 …… 241
二 ワシントン海軍軍縮条約締結期における「海軍省意見」 …… 244
三 大正一四年の帝国議会における論議 …… 247
(一) 内閣の解釈 247
(二) 陸軍の解釈 249
四 小 結 …… 251
第二部 理論史的検討
第五章 統帥権理論の諸相 …… 257
一 穂積八束 …… 259
二 上杉慎吉 …… 261
三 井上密 …… 263
四 市村光恵 …… 265
五 副島義一 …… 266
六 美濃部達吉 …… 268
七 吉野作造 …… 273
八 佐々木惣一 …… 275
九 清水澄 …… 278
一〇 小 結 …… 282
第六章 有賀長雄の統帥権理論 …… 297
一 「幽霊」学者─統帥権理論の出発点─ …… 297
二 有賀学説の素描─憲法第一一条・第一二条・第五五条とその周辺─ …… 301
(一) 第一一条・第一二条 302
(二) 第五五条 305
三 「国家と軍隊との関係」 …… 309
(一) ドイツ帝国 310
(二) 日本 313
(三) 「混成事務」と大臣責任 316
四 「日本憲法講義」 …… 320
五 小 結 …… 325
第七章 中野登美雄の統帥権理論 …… 339
一 「多少衒学的でキザ」─統帥権理論の終着点─ …… 339
二 昭和五年の統帥権理論 …… 342
三 昭和九年の統帥権理論 …… 353
四 「総力戦」・「総国家」・「全体主義」─『統帥権の独立』以後─ …… 361
五 小 結 ─「東條内閣の使命」─ …… 366
第三部 「国務」と「統帥」との間─昭和二〇年の前と後─
第八章 国防国家における「国務」と「統帥」 …… 383
一 国防国家・昭和一五年 …… 384
二 「統帥と国務の調和」 …… 386
三 「政府部内の統合および能率の強化」 …… 388
四 「非常に簡潔で抽象的」な憲法─一つの明治憲法論として─ …… 394
終 章 自衛隊法第七条の日本国憲法第七二条との整合性
─「最高の」を鍵とした自衛隊法第七条制定過程の再検討─ …… 409
一 はじめに─昭和二九年の《決着》─ …… 409
二 自衛隊法第七条と日本国憲法第七二条─鍵となる「最高の」という三文字 ─ …… 411
三 防衛二法の制定過程 …… 415
四 「最高の」の挿入─佐藤達夫の問題提起─ …… 419
(一) 「最高の」が挿入された時点 420
(二) 「最高の」が挿入された理由 421
五 おわりに …… 425
あとがき 433
人名索引 (1)
凡例
初出一覧
はじめに …… 1
一 近衛の「要綱」、松本委員会の「要綱」 …… 1
二 統帥権の独立 …… 3
三 「国務」と「統帥」との分立構造 ─《権力の割拠性》の一事例─ …… 4
四 本書の課題と構成 …… 6
序 章 「国務」と「統帥」との分立及びロンドン海軍軍縮条約問題 …… 13
一 「国務」と「統帥」との分立の一幕 …… 13
二 ロンドン海軍軍縮条約問題と統帥権論争 …… 16
第一部 歴史的展開
第一章 日本近代軍制史と軍令機関の設置─ 明治憲法制定まで─ …… 33
一 明治初頭の軍事官衙 …… 35
二 兵部省の設置 …… 39
三 陸軍省・海軍省の設置 …… 44
四 明治六年第六局の設置 …… 48
五 明治七年参謀局の設置 …… 52
六 明治一一年参謀本部条例 …… 56
七 プロイセン・ドイツ軍制とその受容 …… 64
(一) プロイセン陸軍省の創設─軍事権限の統合化 65
(二) 参謀本部と軍事内局─軍事権限の再拡散化 67
(三) 対議会責任の回避としての陸軍省権限の縮小 71
(四) 組織と対議会責任 74
八 「本省ト本部ト権限ノ大略」及び「省部事務合議書」 …… 75
九 軍人訓誡と軍人勅諭 …… 80
(一) 軍人勅諭と憲法学 80
(二) 軍人訓誡 81
(三) 軍人勅諭 83
一〇 「編制」事務─陸軍省官制と参謀本部条例における重複─ …… 87
一一 「省部権限ノ大略」及び「上裁文書署名式」 …… 94
一二 軍令機関と内閣 …… 98
一三 「検閲」事務をめぐる「権限争議」─陸軍省と参謀本部の対立─ …… 103
一四 参軍官制から参謀本部条例・海軍軍令部条例へ …… 105
一五 小 結 …… 115
第二章 明治憲法第一一条・第一二条の制定過程 …… 141
一 岩倉具視「大綱領」 …… 141
二 滞欧憲法調査─憲法起草作業までの伊藤博文─ …… 143
三 『兵制学』とプロイセン憲法の翻訳─憲法起草作業までの井上毅─ …… 151
四 伊藤・井上らによる憲法起草作業 …… 155
(一) 大権の規定の方法 155
(二) 井上毅の甲案・乙案、ロエスレルの「日本帝国憲法草案」 158
(三) 夏島草案 160
(四) 十月草案 162
(五) 二月草案 163
(六) 「帝国陸軍将来必要ト認ムル要件」と「陸軍提出案ニ付意見」 164
(七) 浄写三月案 171
五 「勅令ノ令ノ字ヲ裁ト改メタシ」─枢密院審議の開始─ …… 174
六 黒田内閣案と伊藤らによる修正─枢密院審議の終結─ …… 181
七 小 結 …… 185
第三章 国務大臣の責任制度形成過程─ 大臣責任における《割拠》と《統合》─ …… 207
一 単独責任か連帯責任か …… 207
二 伊藤と連帯責任制度論─シュタイン国家学の受容─ …… 209
三 井上と単独責任制度論─「維新」の原理との整合性─ …… 217
四 憲法と官制 …… 221
五 小 結 …… 228
第四章 統帥権事件史点描 …… 241
一 軍部大臣現役武官制と陸軍二個師団増設問題 …… 241
二 ワシントン海軍軍縮条約締結期における「海軍省意見」 …… 244
三 大正一四年の帝国議会における論議 …… 247
(一) 内閣の解釈 247
(二) 陸軍の解釈 249
四 小 結 …… 251
第二部 理論史的検討
第五章 統帥権理論の諸相 …… 257
一 穂積八束 …… 259
二 上杉慎吉 …… 261
三 井上密 …… 263
四 市村光恵 …… 265
五 副島義一 …… 266
六 美濃部達吉 …… 268
七 吉野作造 …… 273
八 佐々木惣一 …… 275
九 清水澄 …… 278
一〇 小 結 …… 282
第六章 有賀長雄の統帥権理論 …… 297
一 「幽霊」学者─統帥権理論の出発点─ …… 297
二 有賀学説の素描─憲法第一一条・第一二条・第五五条とその周辺─ …… 301
(一) 第一一条・第一二条 302
(二) 第五五条 305
三 「国家と軍隊との関係」 …… 309
(一) ドイツ帝国 310
(二) 日本 313
(三) 「混成事務」と大臣責任 316
四 「日本憲法講義」 …… 320
五 小 結 …… 325
第七章 中野登美雄の統帥権理論 …… 339
一 「多少衒学的でキザ」─統帥権理論の終着点─ …… 339
二 昭和五年の統帥権理論 …… 342
三 昭和九年の統帥権理論 …… 353
四 「総力戦」・「総国家」・「全体主義」─『統帥権の独立』以後─ …… 361
五 小 結 ─「東條内閣の使命」─ …… 366
第三部 「国務」と「統帥」との間─昭和二〇年の前と後─
第八章 国防国家における「国務」と「統帥」 …… 383
一 国防国家・昭和一五年 …… 384
二 「統帥と国務の調和」 …… 386
三 「政府部内の統合および能率の強化」 …… 388
四 「非常に簡潔で抽象的」な憲法─一つの明治憲法論として─ …… 394
終 章 自衛隊法第七条の日本国憲法第七二条との整合性
─「最高の」を鍵とした自衛隊法第七条制定過程の再検討─ …… 409
一 はじめに─昭和二九年の《決着》─ …… 409
二 自衛隊法第七条と日本国憲法第七二条─鍵となる「最高の」という三文字 ─ …… 411
三 防衛二法の制定過程 …… 415
四 「最高の」の挿入─佐藤達夫の問題提起─ …… 419
(一) 「最高の」が挿入された時点 420
(二) 「最高の」が挿入された理由 421
五 おわりに …… 425
あとがき 433
人名索引 (1)