アルゼンチンカトリック教会の変容

アルゼンチンカトリック教会の変容

国家宗教から公共宗教へ
渡部奈々 著
定価:5,500円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2017年12月20日
  • 判型:
    A5判
  • ページ数:
    238頁
  • ISBN:
    978-4-7923-3366-9
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内容紹介

目  次


序 章
1 問題の所在…1
2 研究の目的…3
3 本研究の位置づけ…6
4 本書の構成…9
第1章 公共宗教とは何か
1 宗教の公共的役割…15
1-1 カサノヴァの公共宗教論(15)
1-2 ロールズの政治的リベラリズム論(20)
1-3 ハーバーマスのポスト世俗社会論(24)
1-4 現代宗教の望ましい形態とは(30)
2 先行研究のアプローチと本研究の位置づけ…31
3 小 括…40
第2章 カトリック教会の「現代化」とアルゼンチン教会
1 カトリック教会の「現代化」…41
1-1 近代化への抵抗と社会問題に対する関心(41)
1-2 第二バチカン公会議(47)
1-3 公会議以降―パウロ六世(54)
1-4 ヨハネ・パウロ二世(57)
1-5 公共宗教として―カトリック教説の二重性(61)
2 国家宗教としてのアルゼンチンカトリック教会…63
2-1 政治権力の確立(63)
2-2 公会議がもたらした亀裂(66)
2-3 軍政との共謀(68)
3 小 括…74
第3章 公共宗教の萌芽―「第三世界のための司祭運動」
1 MSTM設立前の社会状況…75
1-1 ペロニズムの左翼化と革新派司祭(77)
1-2 労働司祭運動(80)
1-3 ラテンアメリカにおける解放への希求(81)
2 MSTM設立と発展…86
2-1 MSTM設立(86)
2-2 MSTMの政治化とペロニズム支持(89)
3 MSTM分裂から終焉まで…92
3-1 分裂と孤立化(92)
3-2 ペロニスタ左派の追放(94)
3-3 MSTMの終焉(95)
4 「聖」と「俗」のイデオロギー融和の失敗…96
4-1 ペロニズムの変質(97)
4-2 乖離する聖職者像とMSTM司祭(98)
5 小 括…103
第4章 公共宗教への変容
1 組織教会の変容…107
1-1 民主化移行期におけるカトリック教会(107)
1-2 経済危機と「アルゼンチンの対話」(112)
1-3 「対話」にみる公共宗教性(115)
2 市民組織運動にみる民の教会…119
2-1 市民組織マドレ・ティエラ(120)
2-2 その理念と政治的中立性(123)
2-3 社会変革から市民社会運動へ(126)
3 スラム司牧にみる民の教会…128
3-1 深刻化する麻薬問題(129)
3-2 スラム司祭の取り組み(134)
3-3 社会的包摂を目指して(137)
3-4 教皇フランシスコの存在(140)
4 公共宗教としてのアルゼンチンカトリック教会…143
4-1 組織教会の公共宗教性(143)
4-2 民の教会の公共宗教性(149)
5 小 括…152
第5章 ソーシャル・キャピタルから捉える公共宗教性
―モレノ市の事例
1 ソーシャル・キャピタルとは何か…156
1-1 ソーシャル・キャピタル論(156)
1-2 ソーシャル・キャピタルと宗教(158)
2 大ブエノスアイレス圏モレノ市…161
2-1 モレノ市の形成と貧困化(162)
2-2 モレノ市におけるキリスト教会(163)
2-3 調査地と調査方法(165)
3 カトリック教会…166
3-1 児童デイケアセンター「カサ・デル・ニーニョ」(166)
3-2 カサ・デル・ニーニョにおけるソーシャル・キャピタル(169)
3-3 共同炊事場「コメドール・ラティノアメリカーノ」(171)
3-4 マリア・アウシリアドーラ教会(174)
3-5 草の根レベルにおけるカトリック教会の公共的役割(177)
4 ペンテコステ派教会…180
4-1 ペンテコステ派教会の拡大(180)
4-2 UADクリスト・レイ教会(185)
5 小 括…189
第6章 結 論…191
補遺1…197
補遺2…200
あとがき…209
参考文献…213
事項・人名索引…229