新税法理論

新税法理論

-優しい税法-
図子善信 著
定価:4,400円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2018年03月01日
  • 判型:
    A5判
  • ページ数:
    464頁
  • ISBN:
    978-4-7923-0624-3
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内容紹介

目  次
はしがき i
第1編 税法総論
第1部 税法律関係
はじめに
第1章 序   論
1 税の意味
. 租・税の字義 (5)  . 従来の税の定義 (5)
. 新しい税の定義 (7)  . 税の性質 (9)
2 課 税 権
. 課税権の定義 (10)  . 統治権と国 (10)
. 憲法と課税権 (11)  . 国民主権と課税権 (12)
. 課税権の行使 (13)
3 租税法律主義
. 租税法律主義の意義 (14)  . 租税法律主義の内容 (15)
. 委任立法 (18)  . 合法性の原則に係る諸問題 (20)
. 遡及立法の可否 (22)
第2章 税法律関係の構造
1 税法律関係の性質
. 権力関係説と債権債務関係説 (24)
. 公法上の債権債務関係 (25)  . 税債権債務と民法 (26)
. その他の税法律関係 (27)
2 税金債務

3 納 税 者 28
. 納税者の意義 (28)
. 「源泉徴収による国税」の誤解 (30)
. 納税者の範囲 (31)  . 従たる税金債務者 (32)
4 納税義務者 335 納税の義務 34
第3章 税額確定理論 361 税金債務の成立 36
. 成立原因の旧説 (36)  . 国税通則法の立脚説 (37)
. 抽象的納税義務論(通説) (38)
. 税額未確定税金債務論 (39)
. 成立と税額確定を分離する意味 (40)
2 税額の確定手続 41
. 申告納税方式 (41)  . 賦課課税方式 (42)
. 事後調査体制への経緯 (43)
3 税額確定の意義 44
. 税額確定手続の意義 (44)
. 抽象的納税義務論の確定論 (45)
. 確定手続不要の国税 (45)  . 課税標準の未決定 (47)
. 税額決定のプロセス(48)
4 税額決定行為 50
. 納税申告 (50)  . 税額の決定と意思表示 (51)
. 申告と民法の適用関係 (53)
. 税務署長による決定 (54)
5 確定した税額の修正 55
. 修正申告 (55)  . 更  正 (57)
. 更正に関する吸収説と併存説 (58)  . 更正の請求 (59)
第4章 付随的税金債務 621 附帯的税金債務 62
. 延滞税 (63)  . 利子税 (66)  . 加算税 (67)

. 過怠税 (72)
72

2 附従的税金債務

. 第二次納税義務 (73)  . 保証債務 (75)
. 連帯納付義務(75)
77

第5章 税金債務の消滅

77

1 納  付

. 納付方法 (77)  . 納期限 (79)
. 期限の緩和 (79)
80

2 免税制度

82

3 滞納処分

. 自力執行 (82)  . 税金債権の優先 (83)
. 執行の停止 (83)
84

4 消滅時効

. 国税通則法の特則 (84)  . 時効中断事由 (84)
. 時効と除斥期間 (85)  . 平成27年最高裁判決 (87)
88

第6章 還付債権

88

1 還付債権の成立

. 還付金 (89)  . 過誤納金 (89)
91

2 還付債権の成立時期

92

3 還付債権の消滅

. 金銭還付および充当 (92)  . 消滅時効 (92)
93

4 還付加算金

第2部 税法の適用

95

はじめに

95

第1章 税法の執行者

95

1 納税義務者

97

2 税理士制度

98

3 行政機関

. 国税の行政組織 (98)  . 地方税の行政組織 (101)

第2章 税法上の調査 1031 調査の必要 1032 国税通則法24条の調査 1043 任意の調査 105
第3章 質問検査権等 1071 間接強制調査の意義と沿革 107
. 意  義 (107)  . 間接強制調査の沿革 (109)
2 間接強制調査と憲法 1103 質問検査権 113
. 法規定 (113)  . 質問検査の相手方 (114)
. 質問検査の要件 (117)  . 質問検査の形態 (119)
4 調査の手続 120

. 実地調査の事前通知 (120)  . 調査理由の開示の要否 (121)
. 身分証明書の携帯等 (122)  . 調査の終了手続 (123)
125

5 記帳義務

. 所得税法の記帳義務 (125)
. 法人税法の記帳義務 (126)
. 消費税法の記帳義務 (127)
129

第4章 租税回避

129

1 租税回避の意義

130

2 経済的観察法(実質課税の原則)

133

3 租税回避否認規定

. 個別的否認規定 (133)  . 包括的否認規定 (133)
. 権利濫用の法理 (136)
137

4 英米法の判例理論

. 判例による否認法理 (137)
. 平成17年最高裁判決 (138)
139

5 租税回避否認理論の評価

. 理論の整理 (139)  . 英米法の判例法理 (140)
. 法的実質主義の評価 (140)

6 結論と一般的否認規定

. 租税回避の問題点 (141)  . 現行税法の解釈 (142)

. 一般的否認規定の必要性 (142)  . 不当の判断 (144)

第3部 税金争訟論

147

はじめに

148

第1章 税金債務の争訟通論

148

1 主張の必要性

148

2 行政不服審査制度

150

3 行政争訟手続の前提

. 税務行政庁への信認 (150)  . 主張の二方法 (151)

. 従来の行政争訟の見解 (152)

154

第2章 税金債務の不服審査

154

1 国税不服審判所

155

2 審査請求と再調査の請求

156

3 不服申立期間

157

4 審   理

. 再調査の請求の審理 (158)  . 審査請求の審理 (159)

160

5 決定および裁決

. 決  定 (160)  . 裁  決 (161)

162

第3章 課税処分取消訴訟

162

1 行政事件訴訟

. 行政事件訴訟の意義 (162)

. 抗告訴訟と処分の違法性 (163)

164

2 課税処分取消訴訟の訴訟物

. 総額主義と争点主義 (165)  . 両説の検討 (166)

. 結  論 (167)

169

第4章 取消訴訟の本質

169

1 裁判所の権限

170

2 裁判所の処分取消権

3 処分の取消原因 171
. 行政行為の瑕疵 (172)  . 民法の錯誤論 (173)
. 課税処分における錯誤 (173)
4 行政処分の無効 1745 行政行為の公定力 175
. 公定力の意義 (175)  . 公定力概念の疑問 (176)
. 瑕疵ある行政行為の意義 (177)
第5章 その他の救済訴訟 1791 無効確認訴訟 1792 当事者訴訟 181
. 債務不存在確認訴訟 (181)
. 不当利得返還請求訴訟 (182)
3 国家賠償請求訴訟 183
. 課税処分と国家賠償請求の可否 (183)
. 平成22年最高裁判決 (185)
. 国家賠償請求の要件 (186)  . 損害の範囲 (188)
. 立証責任 (190)
第4部 税と刑罰
はじめに 191
第1章 税法における刑罰規定 1921 税法と刑法 1922 税法上の犯罪の性質 1933 税法上の犯罪の種類 195
. 脱税犯 (195)  . 租税危害犯 (197)
第2章 犯則調査 2001 国税犯則取締法 2002 犯則調査の性質 2023 犯則調査の内容 203
. 任意調査 (203)  . 強制調査 (203)



205

4 通告処分

206

5 告発の法的性質

207

6 捜査機関との関係

208

7 国税犯則取締法の廃止

. 国税通則法の改正 (208)  . 地方税法の改正 (210)

第2編 税法各論

第1部 所得税法の問題

215

はじめに

217

第1章 所得概念

217

1 二つの所得概念

217

2 制限的所得概念

219

3 包括的所得概念

220

4 純資産増加説と帰属所得

222

5 純資産増加説とキャピタルゲイン

224

第2章 納税義務者と所得の帰属

224

1 納税義務者

. 所得の帰属主体 (224)  . 実質所得者課税の原則 (224)

225

2 課税単位

. 個人単位課税制度 (225)  . 二分二乗方式 (226)

227

3 組合と所得

. パススルー計算 (227)  . 組合利益の計算方法 (228)

. 組合と人格のない社団 (229)

230

第3章 所得税法の所得

230

1 包括的所得概念への転換

231

2 所得税法の課税標準

. 所得の区分 (231)  . 課税標準 (233)

. 損益通算 (234)

3 包括的所得概念と雑所得(一般所得) 234
. 雑所得の意義 (234)  . 所得計算の一般方式 (235)
. 所得の計算方式と所得の算式 (236)
第4章 総収入金額と必要経費 2371 総収入金額 237
. 総収入金額の意味 (237)  . 収入の認識時点 (237)
. 経済的利益 (239)
2 権利確定主義と管理支配基準 240
. 権利確定主義の意味 (240)  . 管理支配基準 (241)
. 所得の認識 (242)
3 必要経費 242
. 必要経費の意味 (242)
. 必要経費と純資産増加説 (243)
. 費用の意味 (244)  . 所得を生ずべき業務の意味 (245)
. 債務確定主義 (246)
第5章 非課税所得と根拠 2481 所得の性質に配意した非課税 248
. 生活用動産の譲渡による所得 (248)
. 学資および扶養 (249)  . 相続・遺贈・贈与 (249)
. 損害保険金等 (250)  . 選挙活動費 (251)
2 所得の範囲を明確にするもの 2513 政策的非課税 251
第6章 各種所得の問題 2531 雑 所 得 253
. 公的年金等 (253)  . 雑所得と損益通算 (253)
2 利子所得 2543 配当所得 2554 不動産所得 257
. 不動産所得の範囲 (257)  . 所得計算 (257)
. 不動産所得の区分の理由 (258)

5 事業所得

. 事業所得の範囲 (259)  . 業務と事業 (260)
. 所得計算 (261)
262

6 給与所得

. 給与所得の範囲 (262)  . 所得計算 (263)
266

7 退職所得

. 退職所得の範囲 (266)  . 所得計算 (268)
. 分離課税 (269)
269

8 山林所得

. 山林所得の範囲 (269)  . 所得計算 (270)
. 事業と業務 (271)  . 分離課税と五分五乗 (272)
272

9 譲渡所得

. 譲渡所得の範囲 (272)  . 所得計算と総収入金額 (274)
. 所得計算と取得費および譲渡費用 (277)
. 課税方式 (281)
282

10 一時所得

. 一時所得の範囲 (283)  . 所得計算 (286)
. 課税方式 (287)
289

第7章 所得控除

289

1 課税総所得金額等

289

2 所得控除の沿革

. 明治20年所得税法 (289)  . 大正9年所得税法 (290)
. 昭和15年所得税法 (291)  . 昭和22年所得税法 (291)
. 昭和40年現行所得税法 (292)  . まとめ (292)
292

3 所得控除の意義

293

4 所得控除の分類

. 生活費関係の控除 (293)  . 消費を修正する控除 (295)
. 政策的控除 (296)
297

5 所得税額と税額控除

第8章 源泉徴収制度の法律関係

299

1 源泉徴収制度の概要

. 所得税法の規定 (299)  . 国税通則法の規定 (301)

302

2 源泉徴収制度に関する理論

304

3 源泉徴収による所得税の本質

第2部 法人税法の問題

307

はじめに

308

第1章 法人所得と納税義務者

308

1 法人の所得

. 法人実在説 (308)  . 法人擬制説 (308)

310

2 法人税の納税義務者

. 法  人 (310)  . 人格のない社団等 (310)

313

3 限定的納税義務

. 公益法人等の納税義務 (313)

. 限定的納税義務の根拠 (315)

. 収益事業の判断基準 (316)

318

第2章 法人所得算定の原則

318

1 確定決算主義

319

2 法人税法の所得計算の基本

320

3 公正妥当な会計処理の基準

323

第3章 資本等取引

323

1 法人税法の所得と純資産増加説

325

2 資本金等の額

. 会社設立または増資(法人税法施行令8条1項1号) (325)

. 合併(法人税法施行令8条1項5号) (326)

. 減資(法人税法施行令8条1項12号) (326)

. 資本の払戻し(法人税法施行令8条1項18号) (327)

. 自己株式(法人税法施行令8条1項20号) (328)

328

3 利益または剰余金の分

4 残余財産の分配または引渡 3295 利益積立金 329
. 企業会計との関係 (329)  . 利益積立金の内容 (330)
. 利益積立金の性質 (331)
6 DESと債務消滅益の存否 331
. 事実の概要 (331)  . 判決要旨 (332)
. 検  討 (332)
第4章 益金の額 3341 キャピタルゲインと益金の額(無償譲渡等による収益) 3342 借地権課税の論理 336
. 借地権の対価の認定課税 (336)
. 権利金慣行と借地権慣行 (337)
3 益金不算入 338
. 受取配当等 (338)  . 資産の評価益 (341)
. 特定の受贈益 (343)  . 法人税等の還付金 (343)
第5章 損金の額 3441 原価・費用・損失 3442 所得理論による損金不算入 345
. 資産の評価損 (345)  . 役員給与 (346)
. 寄付金 (347)  . 法人税額等 (350)
. 税額控除される所得税額等 (351)
3 政策的損金不算入 351
. 第二次納税義務の納付税額 (351)
. 不正行為等に係る費用等 (352)  . 交際費等 (353)
. 政策的損金不算入と所得理論 (356)
4 繰越欠損金の損金算入 357
. 制度の趣旨 (357)
. 企業会計における当期純損失の経理 (357)
. 所得理論と繰越欠損金 (358)

第6章 グループ法人税制 3611 企業のグループ化と税制 3612 組織再編税制 362
. 一般組織再編 (362)  . 適格組織再編 (364)
. 包括的否認規定 (367)
3 連結納税制度 369
. 連結納税制度の趣旨 (369)  . 欠損金の通算 (371)
. 連結納税制度の開始 (371)  . 包括的否認規定 (372)
4 完全支配関係取引の特例 373
. 完全支配関係 (373)  . キャピタルゲインの特例 (373)
. 完全支配関係のその他の特例 (374)
5 グループ法人税制の意義 375
第3部 消費税法の問題
はじめに 379
第1章 消費税の合理性 3811 消費税の課税の根拠 381
. 水平的公平 (381)  . 消費と担税力 (382)
. 所得に対する逆進性 (383)
2 消費税と転嫁 385
. 間接税としての消費税 (385)
. 消費税と価格表示 (386)  . 転嫁と仕入税額控除 (387)
3 消費税の会計処理 387
第2章 消費税の課税対象 3891 課税物件 389
. 規定の意義 (389)  . 資産の譲渡等 (390)
. 特定仕入れ (391)  . 外国貨物 (392)
2 課税資産の譲渡等と非課税取引 392
. 非消費 (392)  . 行政の非課税 (394)
. 政策的非課税 (394)  . 給与と非課税取引の本質 (395)

3 課税取引と免税

. 課税取引 (396)  . 免税取引 (396)

399

第3章 納税義務者

399

1 事 業 者

400

2 免税事業者

. 免税の意義 (400)  . その他の義務免除 (401)

. 課税事業者の選択 (401)  . 免税事業者の転嫁 (402)

403

3 課税貨物の引取者

404

第4章 消費税法における事業

404

1 事業の範囲

406

2 非事業の意義

406

3 事業と給与

408

第5章 課税標準と税率

408

1 課税標準

. 課税資産の譲渡等 (408)  . 特定課税仕入れ (411)

. 課税貨物 (411)

411

2 税率と消費税額

413

第6章 前段階税額控除

413

1 インボイス方式と帳簿保存方式

414

2 仕入税額控除

. 課税仕入れに係る消費税額 (414)

. 特定課税仕入れに係る消費税額 (415)

416

3 非課税売上と仕入税額控除

418

4 簡易課税制度

419

5 免税事業者と仕入税額控除

420

6 帳簿保存方式

422

7 仕入税額控除の法的性格

424

第7章 軽減税率の導入

424

1 軽減税率

425

2 適格請求書等保存制度(インボイス方式)

3 平成31年導入の軽減税率 426
. 軽減税率の根拠 (426)  . 消費税額の計算 (426)
. 仕入税額控除 (427)  . 帳簿および請求書等 (428)
4 複数税率とインボイス方式 429
. インボイス方式のメリット (429)
. わが国におけるインボイス方式の意義 (429)
. インボイス方式と免税事業者 (430)