表示責任と債権法改正
香川大学法学会叢書10

表示責任と債権法改正

表示責任論研究序説
藤田寿夫 著
定価:6,600円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2018年03月20日
  • 判型:
    A5判
  • ページ数:
    352頁
  • ISBN:
    978-4-7923-2714-9
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内容紹介

目  次


 はしがき
 初出一覧
序 章 1
第1章 予備的契約 5
第1節 業務提携の基本合意 5
  はじめに 5
  1 業務提携の基本合意 7
   (1) 最終契約を締結する義務について (8)
   (2) 民法130条の適用若しくは類推適用又は禁反言の
原則について (8)
   (3) 独占交渉義務及び誠実協議義務について (9)
   (4) 損害賠償の範囲について (9)
  2 基本合意に基づく独占交渉義務・誠実交渉義務 9
   (1) 予備的契約 (9)
   (2) 締結義務 (10)
   (3) 独占交渉義務・誠実協議義務 (11)
   (4) 交渉破棄の正当事由 (12)
   (5) 損害賠償の範囲 (13)
第2節 不動産取引と協定 14
  はじめに 14
  1 契約の成立 15
  2 予備的契約 18
   (1) 損失負担合意 (18)
   (2) 交渉すべき旨の合意 (19)
  3 信義則上の責任 22
   (1) 協定のない場合 (23)
   (2) 協定のある場合 (25)
  小  括 28
第2章 契約準備段階における信義則上の責任 31
第1節 契約締結に至らなかった場合 31
  はじめに 31
  1 契約・予約・予備的契約 33
   (1) 契約の「締結」と「成立」 (33)
   (2) 予  約 (35)
   (3) 予備的契約 (37)
  2 信頼保護と締結自由 38
   (1) 信頼保護と締結自由との関係 (38)
   (2) 契約締結規定との関係 (39)
   (3) 予備的契約との関係 (40)
   (4) 履行補助者法理の類推 (41)
  3 交渉破棄責任の類型 42
   (1) 説明義務違反の場合(誤信惹起型) (43)
   (2) 信頼破棄の場合(信頼裏切り型) (44)
    (a) 信頼による拘束 (44)  (b) 信頼による拘束の存続 (47)  
(c) 信頼拘束から解放する正当理由 (47)
   (3) 賠償範囲 (48)
    (a) 説明義務違反の場合 (48)  (b) 信頼破棄の場合 (49)
   (4) 入札と信義則上の責任 (50)
  小  括 53
第2節 わが国の契約準備段階での信義則上の責任判例 55
  1 交渉破棄責任の新類型 55
   (1) はじめに (55)
   (2) 最判平成19年2月27日(判時1964号45頁) (56)
   (3) 交渉補助者の信義則上の責任 (62)
   (4) 具体的措置・処分の誘因となる言動 (62)
   (5) 損害賠償の範囲 (64)
   (6) 最判平成18年9月4日との関係 (65)
  2 将来の契約基礎の危殆化 69
   (1) はじめに (69)
   (2) 近時の新判決例 (69)
    (a) 溶接工場新築事件 (70)  (b) インドネシア・プラント事件 (71)
(c) 運転シミュレータ共同開発事件 (74)
     ① 共同開発契約 (78)  ② 本件共同開発協定の性格 (79)
③ 契約準備段階における信義則上の責任 (80)
   (3) 将来の契約基礎の危殆化 (81)
   (4) 小  括 (84)
第3節 不利な契約が締結された場合 85
  はじめに 85
   (1) 過失の詐欺 (86)
   (2) 不意打ち・不当威圧 (88)
   (3) 本節の目的 (89)
  1 グリゴライトの見解 90
   (1) 狭義の欠缺補充か? (90)
   (2) 制定法訂正 (91)
   (3) 体系適合の規範代用 (92)
   (4) 説明義務違反の法律効果 (92)
  2 ローレンツの見解 94
   (1) 詐欺取消との関係 (94)
    (a) ドイツ連邦通常裁判所の立場 (95)  (b) ローレンツの批判 (95)
   (2) 決定自由とドイツ民法123条(詐欺・強迫) (98)
   (3) 錯誤・詐欺の類推適用? (99)
   (4) 保護法益としての決定自由 (101)
   (5) 過失の詐欺 (101)
   (6) 不意打ちからの保護 (102)
    (a) 不当威圧法理の比較法的検討 (103)  (b) 競争法上の行為態様命令の参照 (104)
  小  括 105
   (1) 過失の詐欺 (105)
   (2) 錯誤・詐欺の類推適用? (106)
   (3) 不意打ち・不当威圧 (107)
第4節 法的性質・消滅時効 109
  はじめに 109
  1 ① 最判平23・4・22 111
  2 当事者の説明義務と交渉補助者 113
  3 消滅時効 115
  4 ① 最判の射程と関連最判 117
  5 「信義則上の説明義務」 121
   (1) 契約解消・代金減額(残留信頼損害) (122)
   (2) 瑕疵担保責任との関係 (125)
   (3) 立証責任 (126)
  小  括 128
第5節 契約の解消・代金減額(残留信頼損害) 129
  はじめに 129
  1 近時の関連判例と不実告知・不告知 131
   (1) 不実告知 (131)
   (2) 黙示的不実告知 (132)
   (3) 不告知 (137)
   (4) 第三者の行為態様の帰責 (138)
  2 効  果 139
   (1) 契約解消 (139)
   (2) 契約解消+損害賠償 (140)
   (3) 契約解消せず,契約を維持した場合 (140)
  小  括 142
第3章 アレンジャーの情報提供義務違反 145
第1節 はじめに 145
第2節 最判平成24年11月27日 145
第3節 アレンジャーの情報提供義務 148
  1 シンジケート・ローンの組成 148
  2 アレンジャーの義務 148
  3 提供されるべき情報 150
  4 守秘義務との関係 151
  5 免責条項との関係 152
第4章 動機の錯誤 155
第1節 保証契約と動機の錯誤 155
  1 判  例 155
   (1) 主債務者の財産状態の錯誤 (156)
   (2) 他に保証人がいるとの錯誤 (156)
  2 近時の学説 158
第2節 高松高判平成11年11月18日 159
第3節 基礎錯誤 162
  1 表示錯誤と動機錯誤 162
  2 保証人の保護要件 162
  3 共通基礎錯誤 164
  4 一部無効(取消) 165
第5章 契約の解釈 167
第1節 契約解釈 167
  はじめに 167
  1 契約解釈の方法 168
  2 その後の学界の展開 169
第2節 規範的解釈 171
  はじめに 171
  1 最判平成22年7月20日 171
  2 規範的解釈 174
   (1) 関連判例 (174)
   (2) 規範的解釈 (177)
   (3) 規範的解釈としての利益適合的解釈・契約目的適合的解釈 (179)
第3節 手付条項の解釈と履行の着手 179
  はじめに 179
  1 手付契約の解釈事例 180
  2 履行の着手 185
  3 手付契約の特別解釈方法 189
   (1) 制定法適合的解釈 (189)
   (2) 不明瞭解釈準則 (190)
  小  括 192
第4節 予約とその確定性 193
  はじめに 193
  1 日本民法556条の制定過程 194
  2 スイス法の動向 197
  3 わが国の判決例の検討 199
   (1) 完結型予約 (199)
   (2) 債権的予約 (201)
  小  括 203
   (1) 予約の締結意思 (204)
   (2) 予約の確定性 (205)
第6章 契約不適合(瑕疵担保) 207
第1節 契約不適合と表示 207
  はじめに 207
  1 改正民法の契約不適合 207
  2 ドイツ法における契約不適合(瑕疵)と表示 209
   (1) 性状合意 (210)
   (2) 契約上前提とされた使用 (212)
   (3) 契約上前提とされた使用と性状合意との関係 (213)
   (4) 典型的当事者意思 (214)
    (a) 通常の使用 (214)  (b) 普通の性状 (215)
(c) 期待できる性状 (215)  (d) 製造者・売主の広告・表示 (216)
   (5) 性状保証 (218)
  3 新562条の「契約不適合」の解釈 219
第2節 売買における契約不適合責任の効果,
債務不履行との関係 222
  はじめに 222
  1 売買における契約不適合責任(瑕疵担保)の効果 225
   (1) 追完請求 (226)
   (2) 解  除 (227)
   (3) 代金減額請求 (228)
   (4) 履行に代わる損害の賠償請求 (228)
   (5) 同時履行の抗弁権 (229)
   (6) 催告の不要 (229)
   (7) 追完に過分の費用がかかるとき (230)
   (8) 小  括 (231)
  2 ドイツ法における履行請求権と追完請求権との関係 231
   (1) 引渡時説 (232)
   (2) 危険移転時説 (233)
  3 わが国における履行請求権と追完請求権との関係 235
   (1) 拒絶と履行認容 (235)
   (2) 履行として受領説 (235)
   (3) 単なる引渡説 (236)
  小  括 237
第3節 請負における契約不適合責任と債務不履行 239
  はじめに 239
  1 ドイツにおける「引取」 241
   (1) 明示的黙示的引取 (242)
   (2) 終局的引取拒絶 (243)
   (3) 正当な一時的引取拒絶 (243)
   (4) 不当な一時的引取拒絶 (244)
  2 わが国の請負における「引渡」 246
   (1) 推断的「引渡」 (247)
   (2) 正当な一時的受領拒絶 (248)
   (3) 不当な一時的受領拒絶 (253)
  小  括 255
第4節 契約連鎖における契約不適合責任 257
  はじめに 257
  1 ドイツ新民法の求償 259
   (1) 従属的求償 (259)
    (a) 要  件 (259)  (b) 効  果 (261)
   (2) 独立的求償 (262)
    (a) 要  件 (263)  (b) 効  果 (264)
   (3) 立証責任転換 (265)
   (4) 不利な特約の制限 (266)
   (5) 供給連鎖に準用 (267)
   (6) 検査・通知義務 (267)
   (7) 独立的求償の時効 (267)
   (8) 時効期間の延長 (268)
  2 わが国の判例との比較 268
  小  括 271
第7章 債務不履行における無駄になった
出費の賠償 275
第1節 はじめに 275
第2節 ドイツ新民法における出費賠償 276
  1 ドイツ新民法284条の新設 276
  2 給付に代わる損害賠償に代えて 277
  3 給付を受けることを信じて出費したこと 278
  4 費用の正当性 278
第3節 わが国の判決例 279
  1 非収益目的での出費 279
  2 二重賠償の回避 280
  3 費用の正当性 286
第4節 小  括 289

第8章 事情変更の原則 291
第1節 はじめに 291
第2節 最判平成9年7月1日 293
第3節 事情変更の要件 295
  1 予見不可能・帰責事由判断の当事者 296
  2 事情変更原則における予見不可能性 296
  3 契約上・法律上のリスク配分 297

第9章 敷引特約の効力 301
第1節 はじめに 301
第2節 ドイツ法の検討 301
  1 美観補修 302
  2 価格論拠 302
  3 美観補修条項 303
   (1) 終了時補修条項 (303)
   (2) 補修期間条項 (304)
   (3) 補修費用負担条項 (304)
  4 条項の全部無効 305
  5 合わせて一本 305
第3節 わが国の最判の検討 306
  1 最判平成17年12月16日 306
  2 最判平成23年3月24日 307
  3 最判平成23年7月12日 309
第4節 中間条項の規制 310
第5節 補修費負担特約と比較すべき任意規定 312
第6節 補修費用との比較 313
第7節 透明性 313
第8節 不当条項の効力 314

第10章 振込・指図と三者不当利得 315
第1節 はじめに 315
第2節 原因関係の瑕疵 316
  1 補償関係の瑕疵 316
  2 対価関係の瑕疵 318
  3 二重欠缺の場合 320
第3節 有効な指図が欠缺する場合 320
第4節 指図の撤回 324
第5節 小  括 326

結 章 327