公判審理から見た捜査

公判審理から見た捜査

予審的視点の再評価
高内寿夫 著
定価:7,700円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2016年02月20日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    412頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5172-4
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内容紹介

目 次
はしがきi
目 次  ix
略語表  xvii
初出一覧  xviii

第1部 フランス刑事手続における予審の機能
第1章 予審的視点の再評価…3
 1 問題の所在…3
 2 予審の意義(フランスにおける予審の成立過程)…6
  ⑴ 概念の定義…6
  ⑵ 予審の意義…8
 3 予審的視点の提言…11
 4 新しい予審制度の提案…15

第2章 予審前史…19
 1 糺問手続と予審…19
  ⑴ 初期弾劾手続の予審活動…19
  ⑵ 捜査および審問手続の発展…23
  ⑶ 糺問手続における審問(予審)…27
 2 革命期の予審…31
  ⑴ 1791年法における予審権…31
  ⑵ 罪刑法典における予審権…37
  ⑶ 共和暦9年法(検察官制度の創設)…41
 3 小括…45

第3章 予審制度の成立過程…47
 1 準備作業段階…47
  ⑴ 起草作業の開始(予審判事の創設)…47
  ⑵ 各裁判所の意見…50
 2 コンセイユ・デタの審議―刑事手続の基本思想―…51
  ⑴ 論点の提示…51
  ⑵ 陪審制論議…53
  ⑶ カンバセレスによる刑事手続構造論…54
  ⑷ 起訴陪審の存置…57
  ⑸ 予審判事と検察官の組織…58
 3 起訴陪審の廃止…61
  ⑴ 審議の再開…61
  ⑵ 起訴陪審の廃止…62
  ⑶ 民事裁判所と刑事裁判所の結合…64
 4 訴追と予審の分離原則…65
  ⑴ 審理経過…65
  ⑵ 第3修正案の提示…66
  ⑶ 分離原則の提示…68
  ⑷ 論点の提示…69
  ⑸ 分離原則の完成…71
  ⑹ 現行犯概念の拡大…74
  ⑺ 法典の公布…75
 5 小括…76

第4章 予審手続の機能…79
 1 公判前の手続における予審の位置付け(訴追と予審の分離原則)…80
  ⑴ 全体構造…80
  ⑵ 検察官…81
  ⑶ 予審判事の活動の自由…86
  ⑷ 評議部…88
  ⑸ 重罪起訴部…89
 2 予審と公判審理の関係…90
  ⑴ 理論的考察―エリの見解を中心に―…90
  ⑵ 予審記録の利用…97
 3 予審審理の性格…103
  ⑴ 予審審理の書面性…103
  ⑵ 予審対象者の尋問…106
 4 小括…111

第5章 権利保障の装置としての予審…114
 1 1897年法の制定…115
  ⑴ 1856年法(評議部の廃止)…115
  ⑵ 1897年法の制定過程…116
  ⑶ 1897年法の内容…121
 2 予審対象者の防御権と予審の無効理論の展開…126
  ⑴ C.I.C.における予審手続の無効…126
  ⑵ 本質的無効の展開…127
  ⑶ 明文上の無効(1897年法)…130
  ⑷ 1897年法以降の本質的無効の展開…132
  ⑸ 予審行為の適法性の証明(予審の書面性と無効)…136
 3 小括…138

第6章 予審の現代的課題…140
 1 現行刑事訴訟法典の制定…140
  ⑴ 治罪法典下における法改正…140
  ⑵ ドンヌデュ・ド・ヴァーブルによる予審改革案…142
  ⑶ 現行刑事訴訟法典の制定過程…145
 2 現行刑事訴訟法典における予審手続…146
 3 近時における予審改革の動向…150
  ⑴ 改革の背景…150
  ⑵ ポンピドゥー政権下(1969年?1974年)の予審改革…152
  ⑶ ジスカールデスタン政権下(1974年?1981年)の予審改革…152
  ⑷ ミッテラン政権下(1981年?1995年)の予審改革…154
  ⑸ シラク政権下(1995年?2007年)の予審改革…163
  ⑹ サルコジ政権下(2007年?2012年)の予審改革…166
 4 小括…167
  ⑴ 現行刑事訴訟法典における予審…167
  ⑵ 予審改革を巡るその後の状況…168
 
第2部 公判審理から見た捜査
 
第1章 「捜査活動の記録」という視点…173
 1 フランスの予審と戦前におけるわが国の予審の相違点…174
  ⑴ 予審手続自体の相違点…174
  ⑵ 公判手続との関係における相違点…175
  ⑶ 訴追手続との関係における相違点…176
 2 捜査における「予審的視点」…178
  ⑴ 公判審理と予審…178
  ⑵ 訴追と予審の分離原則…179
  ⑶ 予審の書面性…180
  ⑷ 証拠開示の徹底…181
  ⑸ 証拠能力の事前処理…182
 3 「捜査活動の記録」という視点…183
  ⑴ 「捜査活動の記録」とは…183
  ⑵ 「捜査活動の記録」の視点の内容…184
  ⑶ 捜査活動は客観的に記録されるべきであること
―捜査活動の記録化―…185
  ⑷ 捜査記録と両当事者の公判準備…186
  ⑸ 捜査記録と捜査活動の適法性…187
  ⑹ 捜査記録と証拠能力…188
  ⑺ 捜査記録と証明力…189
  ⑻ 捜査記録目録の作成…190
  ⑼ 捜査記録…191

第2章 裁判員裁判における検察官面前調書の取扱い…194
 1 はじめに…194
  ⑴ 裁判員制度における検面調書の利用…194
  ⑵ 論点の整理…196
 2 証人尋問のあり方…198
  ⑴ 証人尋問の中での解決…198
  ⑵ 証人尋問における誘導尋問の活用…199
 3 検面調書の証拠能力に関する審理…203
  ⑴ 問題の所在…203
  ⑵ 公判前整理手続…205
  ⑶ 証人尋問請求…206
  ⑷ 「供述不能」の審理…208
  ⑸ 「相反性」の審理その1…209
  ⑹ 「相反性」の審理その2―反対尋問権のパラドックス―…211
  ⑺ 特信性の審理…213
  ⑻ 裁判員の参加…215
 4 検面調書の証拠調べ方法…218
  ⑴ 問題の所在…218
  ⑵ 「一部朗読」か「全部朗読」か…220
  ⑶ 「全文朗読」か「要旨の告知」か…221
  ⑷ 検面調書に対する反対尋問権の保障について…223
 5 評議における検面調書の取扱い…225
  ⑴ 問題の所在…225
  ⑵ 私見…226
 6 まとめと展望…228
  ⑴ 憲法37条2項の視点…228
  ⑵ 供述心理学の知見…230
  ⑶ 参考人の取調べ録音・録画について…233

第3章 参考人取調べの録音・録画について…238
 1 はじめに…238
 2 捜査段階における参考人取調べの録音・録画の実施…239
  ⑴ 参考人取調べの問題点…239
  ⑵ 供述録取書の問題点…242
  ⑶ 取調べ録音・録画の趣旨について…244
  ⑷ 導入への課題と解決の方向性…248
  ⑸ 録音・録画の手続…249
  ⑹ 録音・録画の任意性…251
  ⑺ 録音・録画の範囲について…252
  ⑻ 被害者等の取調べの録音・録画…253
 3 公判前整理手続…254
  ⑴ 証拠開示…254
  ⑵ 関係者のプライバシーへの配慮…256
 4 証人尋問…256
  ⑴ 証人尋問における活用…256
  ⑵ 取調官の質問の提示…258
 5 録音・録画記録の証拠能力…260
  ⑴ 録音・録画記録の再生…260
  ⑵ 伝聞例外の要件について…262
  ⑶ 証明力を争うための証拠…264
 6 まとめ…267

第4章 被疑者取調べの適法性について…270
 1 はじめに…270
 2 昭和59年決定の問題点…272
  ⑴ 刑訴法198条の規定…272
  ⑵ 昭和59年決定の立場…273
 3 黙秘権の保障について…278
  ⑴ 黙秘権の趣旨…278
  ⑵ 黙秘権保障義務の内容…283
 4 在宅被疑者取調べの適法性について…292
  ⑴ 出頭拒否権・退去権について…292
  ⑵ 在宅被疑者の取調べの適法性…297
 5 逮捕・勾留中の被疑者取調べの適法性について…301
  ⑴ 取調べ受忍義務否定説の立場…301
  ⑵ 取調べ受忍義務肯定説の立場…304
 6 弁護人の立会い権など…304
  ⑴ 弁護人の立会い…304
  ⑵ 接見指定…307
 7 おわりに…308

第5章 被疑者取調べの録音・録画について…310
 1 はじめに…310
 2 2015年改正法案における取調べ録音・録画制度…311
 3 被疑者取調べの録音・録画の趣旨…313
  ⑴ 特別部会の議論…313
  ⑵ 被疑者取調べの適法性の確保…315
  ⑶ 供述の任意性判断…317
  ⑷ 当事者の公判準備…317
  ⑸ 取調べ録音・録画の権利性について…318
 4 被疑者取調べの録音・録画の手続…320
  ⑴ 取調べの録音・録画の実施…320
  ⑵ 捜査段階における録音・録画記録媒体の利用…324
 5 公判前整理手続における利用…325
  ⑴ 公判前整理手続における証拠開示…325
  ⑵ 公判前整理手続における裁判所の利用…328
 6 公判審理における利用…330
  ⑴ 被疑者調書の任意性判断の証拠として用いる場合…330
  ⑵ 実質証拠としての利用…335
 7 おわりに…340

第6章 「新たな準備手続」と刑事訴訟法の理念
――司法制度改革審議会意見の批判的考察――…342
 1 はじめに…342
 2 意見書の方向性と問題点…343
  ⑴ 新たな準備手続の位置付け…343
  ⑵ 新たな準備手続の特色と問題点…344
 3 新たな準備手続と予断排除…347
 4 新たな準備手続と黙秘権…351
 5 新たな準備手続と証拠能力…354
  ⑴ 違法収集証拠…354
  ⑵ 伝聞証拠…357
  ⑶ 準備手続記録の証拠能力…358
 6 新たな準備手続と証拠開示…359
  ⑴ 証拠開示の範囲…359
  ⑵ 証拠開示の意義…360
  ⑶ 検察官による一件記録の提出…362
 7 むすびにかえて…364

第7章 裁判員制度の構造をいかに理解すべきか…366
 1 はじめに―予断排除のダブル・スタンダード―…366
 2 公判前整理手続への裁判官の関与…369
 3 評議における裁判官と裁判員…375
 4 評決のあり方…382
 5 まとめに代えて―若干の提言―…387