早稲田大学比較法研究所叢書 43
持続可能社会への転換と法・法律学
Law and Sustainability楜澤能生 編
定価:4,074円(税込)-
在庫:
在庫がありません -
発行:
2016年03月31日
-
判型:
A5判 -
ページ数:
384頁 -
ISBN:
978-4-7923-3346-1
書籍購入は弊社「早稲田正門店インターネット書店」サイトでの購入となります。
内容紹介
目 次
はしがき
序 論 楜澤能生1
Ⅰ 社会構成原理としての持続可能性 ……… 1
Ⅱ 持続可能性概念 ……… 2
Ⅲ 持続可能社会と法・法律学 ……… 5
1 法律概念としての持続可能性 ……… 5
2 法学方法論への影響 ……… 8
3 持続性概念による基本的法概念のクリティーク ……… 9
4 持続可能社会への転換と所有権概念 ……… 11
5 規範性の根拠としての自然の内発性 ……… 12
Ⅳ 本書の構成 ……… 13
第1部 持続可能社会の展望
第1章 死生観と持続可能性─現代人の探求と社会的応答の可能性島薗 進17
Ⅰ 災害をどう受け止めるか ……… 17
Ⅱ 原発災害への応答 ……… 21
Ⅲ 死生の循環・永遠回帰 ……… 24
Ⅳ 世代を超えた連帯 ……… 28
Ⅴ 死生観と絆を取り戻す ……… 35
第2章 緑の福祉国家の可能性─資本主義・社会主義・エコロジーの交差とコミュニティ経済広井良典42
Ⅰ 「持続可能な福祉国家/福祉社会」は可能か ……… 42
Ⅱ 資本主義の進化とこれからの社会保障 ……… 48
Ⅲ コミュニティとローカライゼーション ……… 58
第2部 「持続可能社会法学」の方法
第3章 世代間正義の根拠と目標宇佐美誠71
Ⅰ 持続可能性と世代間正義 ……… 71
Ⅱ 将来世代の意味・区分・特徴 ……… 73
Ⅲ 将来世代配慮の正当化論の検討 ……… 75
Ⅳ 新たな正当化論へ ……… 78
Ⅴ 世代間平等主義 ……… 81
Ⅵ 水準低下の隘路 ……… 84
Ⅶ 世代間十分主義へ ……… 87
Ⅷ 結 論 ……… 90
第4章 法哲学から見る人口減少社会と法山田八千子96
Ⅰ 人口減少社会と法における問題設定─持続可能な社会への転換の中で─ ……… 96
1 人口減少社会とは何か ……… 96
2 人口減少社会における人口政策と法 ……… 98
Ⅱ 人口減少社会と人口学 ……… 102
1 形式的人口学による人口減少社会の構造と問題 ……… 102
2 人口増加の停止と減少の開始の仕組み ……… 103
3 近代における人口転換理論 ……… 105
4 第2の人口転換理論の提唱と限界 ……… 107
Ⅲ 人口減少社会における政策プログラム法の意義と限界 ……… 109
1 社会的決定ルールとしての「私」による法秩序 対 集団的な決定としての政治 ……… 109
2 基本法の意義と特徴 ………110
3 立法による政策プログラム実現の限界 ………113
Ⅳ 人口減少社会における幸福と法 ……… 118
1 人口減少社会と豊かさ ……… 118
2 「法による幸福の実現」に内在する問題点 ……… 119
3 幸福と自由との順接関係への懐疑 ……… 121
第5章 「持続可能な発展」概念の法規範としての可能性─国際社会・EUを素材に─中村民雄127
はじめに ……… 127
Ⅰ 国際社会における「持続可能な発展」概念の形成 ……… 128
Ⅱ EU法における持続可能な発展 ……… 131
Ⅲ 法規範性をめぐる議論 ……… 136
1 国際法学説 ……… 136
2 国際法廷 ……… 137
3 EU ……… 139
Ⅳ 残る可能性と今後の課題 ……… 143
第3部 実定法学と持続可能性
第6章 人間の学としての会社法学─開発の側の論理の見直し上村達男153
Ⅰ はじめに ……… 153
Ⅱ リオ宣言と持続可能社会法学 ……… 155
Ⅲ 「開発の側の論理」としての伝統的会社法理論 ……… 157
Ⅳ 人間を疎外する二つの要素─法人と市場 ……… 160
Ⅴ 株式会社制度に人間を取り戻すために ……… 163
1 株主主権 ……… 165
2 企業価値とは何か ……… 166
3 普通株式(common share)とは何か ……… 166
4 議決権とは ……… 167
5 投資家と株主の関係 ……… 168
6 コーポレート・ガバナンスとは ……… 169
7 株主平等原則とは ……… 170
8 人間関与度 ……… 170
Ⅵ おわりに ……… 171
第7章 環境法における「持続可能な発展」大塚 直173
Ⅰ はじめに ……… 173
Ⅱ 持続可能な発展概念の国際的な展開 ……… 174
1 生成の経緯と概念の内容 ……… 174
2 持続可能な発展概念の国際法的位置づけと諸説の対立 ……… 176
3 他の国際環境法上の基本原則との関係、ガバナンスとの関係 ……… 182
4 持続可能な発展と指標 ……… 183
Ⅲ 持続可能な発展概念の国内における展開 ……… 184
1 環境基本法への導入と国内法における位置づけ ……… 184
2 環境基本計画策定における議論 ……… 186
3 わが国において持続可能な発展概念をどう理解すべきか ……… 188
第8章 社会保障法と持続可能性菊池馨実199
Ⅰ はじめに ……… 199
Ⅱ 社会保障の法理念と自立支援 ……… 201
1 自律支援と自立支援 ……… 201
2 社会保障の規範的根拠 ……… 202
Ⅲ 子ども・子育て支援 ……… 204
1 子どもと社会保障 ……… 204
2 子育て支援 ……… 205
Ⅳ 現役世代の社会保障 ……… 206
1 現役世代への対応 ……… 206
2 低賃金労働者・失業者の自立支援 ……… 207
Ⅴ 病気・障害と社会保障 ……… 208
1 医療と平等 ……… 208
2 障害者への施策 ……… 209
Ⅵ 高齢者と社会保障 ……… 210
1 高齢者弱者論の克服 ……… 210
2 高齢期の社会保障 ……… 211
Ⅶ 社会保障の持続可能性 ……… 213
1 社会保障の変容 ……… 213
2 社会保障への不信感と不公平感 ……… 214
3 社会保障の持続可能性 ……… 216
Ⅷ むすびにかえて ……… 218
第9章 持続可能な社会と社会法矢野昌浩220
Ⅰ 課題の設定 ……… 220
1 問題の状況 ……… 220
2 課題の設定・限定 ……… 221
Ⅱ 基本的な認識・視点 ……… 223
1 ポスト・フォーディズムという時代認識 ……… 223
2 半失業(underemployment)という視点 ……… 226
3 小括 ……… 227
Ⅲ 社会法の現代化に向けて ……… 228
1 議論の前提 ……… 228
2 欧州社会政策の理論潮流 ……… 229
3 雇用と社会保障の連携? ……… 234
Ⅳ おわりに ……… 236
第10章 持続可能戦略としてのジェンダー平等─日本とドイツの比較から─三成美保243
はじめに ……… 243
Ⅰ 「アジェンダ21」から「2030アジェンダ」へ─ジェンダー平等の視点から ……… 244
1 「アジェンダ21」(1992年)から「ミレニアム開発目標」(2000年)へ ……… 244
Ⅱ ドイツの「持続可能戦略」とジェンダー平等 ……… 251
1 ドイツと日本の家族政策 ……… 251
2 「ドイツ持続可能戦略」 ……… 253
Ⅲ 持続可能政策としての時間政策 ……… 258
1 時間政策 ……… 258
2 時間政策としての育児支援─連邦親手当・親時間法 ……… 259
3 時間政策としての介護支援─介護時間改正法(2015年) ……… 262
4 企業と地域 ……… 263
おわりに ……… 264
第11章 持続可能な医療供給体制と医事法佐藤雄一郎271
はじめに ……… 271
Ⅰ 第6次改正の内容 ……… 272
Ⅱ 病院の診療機能に関する制限をめぐるアメリカ法の動きから ……… 275
Ⅲ 「あるべき医療機能」の決定プロセス ……… 278
第12章 持続可能な医療安全と医事法甲斐克則282
Ⅰ 序 ……… 282
Ⅱ 医療事故における責任追及モデルの変革 ……… 283
Ⅲ 近時の刑事医療過誤事件の分析 ……… 288
Ⅳ 持続可能な医療安全の確立と医事法の役割 ……… 293
Ⅴ 結 語 ……… 303
第13章 持続可能な安全医薬品の供給と医事法山口斉昭308
Ⅰ はじめに ……… 308
Ⅱ 医薬品の規制について ……… 311
1 薬事法規制の歴史の主なもの ……… 311
2 規制の現状 ……… 313
3 まとめと課題 ……… 316
Ⅲ 「安全医薬品の供給」と「持続可能性」について ……… 317
1 上記(課題)が解決された場合に医薬品による被害はなくなるか ……… 317
2 上記(課題)が解決された場合に「薬害」はなくなるか ……… 320
Ⅳ 結びにかえて ……… 330
第4部 アジアと持続可能性
第14章 ASEANによる持続可能社会へ向けた地域人権レジームの構築勝間 靖337
Ⅰ 国際レジームと人権 ……… 337
Ⅱ 地域人権レジームとアジア ……… 339
Ⅲ ASEAN政府間人権委員会 ……… 341
Ⅳ 『ASEAN人権宣言』(2012) ……… 343
はしがき
序 論 楜澤能生1
Ⅰ 社会構成原理としての持続可能性 ……… 1
Ⅱ 持続可能性概念 ……… 2
Ⅲ 持続可能社会と法・法律学 ……… 5
1 法律概念としての持続可能性 ……… 5
2 法学方法論への影響 ……… 8
3 持続性概念による基本的法概念のクリティーク ……… 9
4 持続可能社会への転換と所有権概念 ……… 11
5 規範性の根拠としての自然の内発性 ……… 12
Ⅳ 本書の構成 ……… 13
第1部 持続可能社会の展望
第1章 死生観と持続可能性─現代人の探求と社会的応答の可能性島薗 進17
Ⅰ 災害をどう受け止めるか ……… 17
Ⅱ 原発災害への応答 ……… 21
Ⅲ 死生の循環・永遠回帰 ……… 24
Ⅳ 世代を超えた連帯 ……… 28
Ⅴ 死生観と絆を取り戻す ……… 35
第2章 緑の福祉国家の可能性─資本主義・社会主義・エコロジーの交差とコミュニティ経済広井良典42
Ⅰ 「持続可能な福祉国家/福祉社会」は可能か ……… 42
Ⅱ 資本主義の進化とこれからの社会保障 ……… 48
Ⅲ コミュニティとローカライゼーション ……… 58
第2部 「持続可能社会法学」の方法
第3章 世代間正義の根拠と目標宇佐美誠71
Ⅰ 持続可能性と世代間正義 ……… 71
Ⅱ 将来世代の意味・区分・特徴 ……… 73
Ⅲ 将来世代配慮の正当化論の検討 ……… 75
Ⅳ 新たな正当化論へ ……… 78
Ⅴ 世代間平等主義 ……… 81
Ⅵ 水準低下の隘路 ……… 84
Ⅶ 世代間十分主義へ ……… 87
Ⅷ 結 論 ……… 90
第4章 法哲学から見る人口減少社会と法山田八千子96
Ⅰ 人口減少社会と法における問題設定─持続可能な社会への転換の中で─ ……… 96
1 人口減少社会とは何か ……… 96
2 人口減少社会における人口政策と法 ……… 98
Ⅱ 人口減少社会と人口学 ……… 102
1 形式的人口学による人口減少社会の構造と問題 ……… 102
2 人口増加の停止と減少の開始の仕組み ……… 103
3 近代における人口転換理論 ……… 105
4 第2の人口転換理論の提唱と限界 ……… 107
Ⅲ 人口減少社会における政策プログラム法の意義と限界 ……… 109
1 社会的決定ルールとしての「私」による法秩序 対 集団的な決定としての政治 ……… 109
2 基本法の意義と特徴 ………110
3 立法による政策プログラム実現の限界 ………113
Ⅳ 人口減少社会における幸福と法 ……… 118
1 人口減少社会と豊かさ ……… 118
2 「法による幸福の実現」に内在する問題点 ……… 119
3 幸福と自由との順接関係への懐疑 ……… 121
第5章 「持続可能な発展」概念の法規範としての可能性─国際社会・EUを素材に─中村民雄127
はじめに ……… 127
Ⅰ 国際社会における「持続可能な発展」概念の形成 ……… 128
Ⅱ EU法における持続可能な発展 ……… 131
Ⅲ 法規範性をめぐる議論 ……… 136
1 国際法学説 ……… 136
2 国際法廷 ……… 137
3 EU ……… 139
Ⅳ 残る可能性と今後の課題 ……… 143
第3部 実定法学と持続可能性
第6章 人間の学としての会社法学─開発の側の論理の見直し上村達男153
Ⅰ はじめに ……… 153
Ⅱ リオ宣言と持続可能社会法学 ……… 155
Ⅲ 「開発の側の論理」としての伝統的会社法理論 ……… 157
Ⅳ 人間を疎外する二つの要素─法人と市場 ……… 160
Ⅴ 株式会社制度に人間を取り戻すために ……… 163
1 株主主権 ……… 165
2 企業価値とは何か ……… 166
3 普通株式(common share)とは何か ……… 166
4 議決権とは ……… 167
5 投資家と株主の関係 ……… 168
6 コーポレート・ガバナンスとは ……… 169
7 株主平等原則とは ……… 170
8 人間関与度 ……… 170
Ⅵ おわりに ……… 171
第7章 環境法における「持続可能な発展」大塚 直173
Ⅰ はじめに ……… 173
Ⅱ 持続可能な発展概念の国際的な展開 ……… 174
1 生成の経緯と概念の内容 ……… 174
2 持続可能な発展概念の国際法的位置づけと諸説の対立 ……… 176
3 他の国際環境法上の基本原則との関係、ガバナンスとの関係 ……… 182
4 持続可能な発展と指標 ……… 183
Ⅲ 持続可能な発展概念の国内における展開 ……… 184
1 環境基本法への導入と国内法における位置づけ ……… 184
2 環境基本計画策定における議論 ……… 186
3 わが国において持続可能な発展概念をどう理解すべきか ……… 188
第8章 社会保障法と持続可能性菊池馨実199
Ⅰ はじめに ……… 199
Ⅱ 社会保障の法理念と自立支援 ……… 201
1 自律支援と自立支援 ……… 201
2 社会保障の規範的根拠 ……… 202
Ⅲ 子ども・子育て支援 ……… 204
1 子どもと社会保障 ……… 204
2 子育て支援 ……… 205
Ⅳ 現役世代の社会保障 ……… 206
1 現役世代への対応 ……… 206
2 低賃金労働者・失業者の自立支援 ……… 207
Ⅴ 病気・障害と社会保障 ……… 208
1 医療と平等 ……… 208
2 障害者への施策 ……… 209
Ⅵ 高齢者と社会保障 ……… 210
1 高齢者弱者論の克服 ……… 210
2 高齢期の社会保障 ……… 211
Ⅶ 社会保障の持続可能性 ……… 213
1 社会保障の変容 ……… 213
2 社会保障への不信感と不公平感 ……… 214
3 社会保障の持続可能性 ……… 216
Ⅷ むすびにかえて ……… 218
第9章 持続可能な社会と社会法矢野昌浩220
Ⅰ 課題の設定 ……… 220
1 問題の状況 ……… 220
2 課題の設定・限定 ……… 221
Ⅱ 基本的な認識・視点 ……… 223
1 ポスト・フォーディズムという時代認識 ……… 223
2 半失業(underemployment)という視点 ……… 226
3 小括 ……… 227
Ⅲ 社会法の現代化に向けて ……… 228
1 議論の前提 ……… 228
2 欧州社会政策の理論潮流 ……… 229
3 雇用と社会保障の連携? ……… 234
Ⅳ おわりに ……… 236
第10章 持続可能戦略としてのジェンダー平等─日本とドイツの比較から─三成美保243
はじめに ……… 243
Ⅰ 「アジェンダ21」から「2030アジェンダ」へ─ジェンダー平等の視点から ……… 244
1 「アジェンダ21」(1992年)から「ミレニアム開発目標」(2000年)へ ……… 244
Ⅱ ドイツの「持続可能戦略」とジェンダー平等 ……… 251
1 ドイツと日本の家族政策 ……… 251
2 「ドイツ持続可能戦略」 ……… 253
Ⅲ 持続可能政策としての時間政策 ……… 258
1 時間政策 ……… 258
2 時間政策としての育児支援─連邦親手当・親時間法 ……… 259
3 時間政策としての介護支援─介護時間改正法(2015年) ……… 262
4 企業と地域 ……… 263
おわりに ……… 264
第11章 持続可能な医療供給体制と医事法佐藤雄一郎271
はじめに ……… 271
Ⅰ 第6次改正の内容 ……… 272
Ⅱ 病院の診療機能に関する制限をめぐるアメリカ法の動きから ……… 275
Ⅲ 「あるべき医療機能」の決定プロセス ……… 278
第12章 持続可能な医療安全と医事法甲斐克則282
Ⅰ 序 ……… 282
Ⅱ 医療事故における責任追及モデルの変革 ……… 283
Ⅲ 近時の刑事医療過誤事件の分析 ……… 288
Ⅳ 持続可能な医療安全の確立と医事法の役割 ……… 293
Ⅴ 結 語 ……… 303
第13章 持続可能な安全医薬品の供給と医事法山口斉昭308
Ⅰ はじめに ……… 308
Ⅱ 医薬品の規制について ……… 311
1 薬事法規制の歴史の主なもの ……… 311
2 規制の現状 ……… 313
3 まとめと課題 ……… 316
Ⅲ 「安全医薬品の供給」と「持続可能性」について ……… 317
1 上記(課題)が解決された場合に医薬品による被害はなくなるか ……… 317
2 上記(課題)が解決された場合に「薬害」はなくなるか ……… 320
Ⅳ 結びにかえて ……… 330
第4部 アジアと持続可能性
第14章 ASEANによる持続可能社会へ向けた地域人権レジームの構築勝間 靖337
Ⅰ 国際レジームと人権 ……… 337
Ⅱ 地域人権レジームとアジア ……… 339
Ⅲ ASEAN政府間人権委員会 ……… 341
Ⅳ 『ASEAN人権宣言』(2012) ……… 343