目　　次
　古稀論文集刊行に寄せて…ⅰ
　まえがき…ⅲ
一　比較基層文化論序説
伊勢から熊野へ―私のふる里幻視行―…池田雅之……３
二　日本の再生思想とは何か
日本人は「本体」を取りもどせるか…大嶋　仁……27
出雲神話と「結びの思想」…町田宗鳳……45
日本の「再生」思想…川勝平太……61
再生・再帰の熊野―救いの道としての熊野古道―…三石　学……101
伊勢路を歩く行脚僧
　　―天田愚庵『順礼日記』に籠められた〈祈り〉と〈再生〉―…半田美永……121
三　日本人の生き方と霊性
山室山への遥かな道程―本居宣長の安心―…吉田悦之……139
聖地を去るということ―南方熊楠をめぐって―…唐澤太輔……159
近代日本人のアイデンティティー
　　―岡倉覚三における〈祈り〉と〈再生〉―…小林亜紀子……179
安井息軒と中国知識人…古賀勝次郎……197
フロベール、二葉亭と中村光夫―ロマン主義以後の日仏近代文化―…浜田　泉……217
祈りの文学・宮澤賢治の童話と音声表現…原　良枝……237
高岡智照尼にみる流転の人生と再生…伊藤玄二郎……255
四　現代社会における信仰と祈り
祈りと芸術 そして生きること…稲田美織……269
「象徴」のあいまいさ埋める天皇の祈り…金子桂一……291
かなしみと祈り―『万葉集』天智天皇挽歌群を素材として―…内藤　明……309
宗教体験にみる死と再生について…阿部倫子……323
祈りの文字化…笹原宏之……339
アーミッシュの祈りと再生の歩み…尾山清仁……373
復活と死の境界にて―ドストエフスキー『白痴』をめぐるメモランダム―…亀山郁夫……399
五　グローバル社会の中の命と暮し
ラフカディオ・ハーンの生涯にみる祈りと再生のコスモロジー…西川盛雄……421
今のときを生き生きと生きるという事…照屋佳男……437
病むことの意味―基層文化からの試論―…細田満和子……455
近代の合理主義と無意識の闇―フロイトをてがかりに―…池田知栄子……473
〈祈り〉と〈再生〉の人生を描く
　　―韓国映画『国際市場』と歴史認識―…樋口謙一郎……491
分析道具としての比較・分類―国際関係論と生物学―…多賀秀敏……509
六　コミュニティーの蘇生と人育て
震災後のレジリエンス―環境再生の祈りを中心に―…早田　宰……539
再生する文学―文化資源としてのラフカディオ・ハーン―…小泉　凡……555
子どもの「居場所」から展開する支援のかたち…佐川佳之……571
江戸に学ぶ「人づくり社会」の知恵…小泉吉永……583
建長寺、鎌倉を通してみた「再生と祈り」
　　―寺院や宗教者の役割とは―…高井正俊……601
教育の再生と未来への祈り
　　―「てらこや」の被災地支援と日常の実践現場からの提言―…小木曽　駿……617
求められるリーダー像とコミュニティーのかたち
　　―「鎌倉てらこや」一四年をふりかえって―…池田季実子……639
七　基層文化から見た死と再生
古代ケルト文化と「水界」への信仰
　　―ガリアとブリタニアの神像と神話要素をめぐって―…鶴岡真弓……669
語り継がれる民族の記憶―『バルザス＝ブレイス』をめぐって―…大場静枝……695
『冬物語』の神話世界―祈りから再生へ―…冬木ひろみ……713
神話と永遠回帰、そして祈り…那須政玄……729
「死者の日」にみるメキシコの死生観と祈り…畑　惠子……747
琉球弧の「ミルク神」の世界観
　　―「南波照間島」伝説から「弥勒世」の再生の祈りへ―…須藤義人……763
「何もないこと」の眩暈―沖縄・ちゅら海の願い―…吉田昭彦……781
八　文化を超えて共に生きる
ヨーロッパの底力とは何か―近代文明の臨界と超克―…富岡幸一郎……801
スコットランド独立とスケール間の政治…柑本英雄……815
多文化共生への祈りと再生―アレン・セイの作品から―…花光里香……837
ジョーゼフ・キャンベルの日本訪問―冒険と再生の旅―…澤　智恵……863
何が社会の働きを強めるのか
　　―「恥」に関するルース・ベネディクトの考察を手がかりとして―…杉尾美幸……883
学校教育は「麗しの島」をどう教えてきたか
　　―台湾文化の再生と日本の義務教育―…滝澤雅彦……897
東アジアにおける「和解」の再生と「知の共同空間」…劉　　傑……915

　あとがき…929