法秩序の効力根拠
新基礎法学叢書⑩

法秩序の効力根拠

竹下賢 著
定価:4,290円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2016年10月01日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    276頁
  • ISBN:
    978-4-7923-0596-3
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内容紹介

目 次

はしがき
初出一覧
凡例

序章 法秩序と体系構造……1
はじめに1
序節 法規範と法体系1
第1節 法規範の重層構造(その1)3
1 2種類の法規範3
2 第1次的ルールと第2次的ルール6
3 規範的体系と制度的体系10
第2節 法規範の重層構造(その2)14
1 裁決規範と組織規範14
2 重層構造の規範構成17
第3節 法規範の段階構造20
おわりに27

第I部 規範的法体系の存在構造

第1章 美濃部・横田論争とケルゼンの法体系論……35
はじめに35
第1節 「当為」としての法36
1 範疇としての「存在」と「当為」37
2 峻別論の徹底39
3 動態的法秩序44
第2節 「存在」としての法46
1 「内容」としての「可能」47
2 「内容」としての「当為」52
3 法の「内容」と「実体」54
第3節 法における「存在」と「妥当」58
1 法の「存在」59
2 法の「妥当」69
おわりに75

第2章 根本規範の実質的解釈……77
─エンギッシュのケルゼン批判─
はじめに77
第1節 法概念をめぐる対立と法の妥当79
第2節 ケルゼン学説における妥当と実効性82
1 客観的当為としての規範82
2 法規範の段階構造と根本規範84
3 妥当の条件としての実効性88
第3節 エンギッシュによるケルゼン批判90
1 妥当根拠としての実効性90
2 実質的憲法の理論92
3 ケルゼンとの立場の差95
おわりに97

第3章 精神的存在としての法……101
─妥当概念とニコライ・ハルトマン─
はじめに101
第1節 現代哲学における存在論の位置101
1 法哲学と哲学の一般的動向101
2 観念論と経験論102
3 存在論の復興104
第2節 実在的なものの哲学105
1 実在論としての存在論105
2 実在的存在と観念的存在107
3 実在的存在の層構造110
第3節 精神的存在112
1 精神の実在性112
2 精神的存在の3形態113
3 精神とより低次の層116
4 精神の相互関係118
第4節 存在論的妥当概念 120
1 精神的存在論の問題点と展望120
2 時空的妥当の概念121
おわりに123

第4章 法の存在論的構造と歴史性……125
─三島淑臣論文に即して─
はじめに125
第1節 法意識のディレンマ126
─三島「〈自然法論〉と法実証主義の彼方」の問題意識─
第2節 法の認識129
─三島「自然法と法の歴史性の問題」の理論展開─
1 法の認識論の問題次元130
2 法の客観性132
3 法の絶対性134
第3節 法の存在論的構造136
おわりに139

第II部 法の規範秩序の効力根拠

第5章 規範的妥当概念と妥当根拠論……145
─ラートブルフの法哲学─
はじめに145
第1節 法的安定性の妥当根拠論147
1 法的安定性の概念148
2 法的安定性の実現された秩序について152
3 法的安定性の理念と正義の理念との連関155
第2節 妥当根拠と道徳的義務158
おわりに161

第6章 法の理念と政治の理念……163
─尾高朝雄「法の『窮極に在るもの』」との関連で─
はじめに163
第1節 問題提起の意義164
1 「窮極に在るもの」と「根底にあるもの」164
2 問題意識からみた法と政治の関係166
3 「法の窮極に在るもの」と「法の本質」168
第2節 理念と実力としての政治170
第3節 政治の理念の諸類型174
1 政治の理念と法の目的理念174
2 『窮極論』の政治の理念176
3 価値理念としての「国民」178
第4節 政治の理念の類型区別179
1 「自由」と「国民」179
2 「国民」と「国家」182
3 政治の理念の類型区別184
おわりに187

第7章 法の妥当根拠論と哲学的人間学……189
─恒藤恭の法哲学─
はじめに189
第1節 法哲学の課題190
第2節 法的世界観の考察態度191
1 形而上学の疑念191
2 自然法論の拒否192
3 方法二元論の価値論的側面193
第3節 新カント主義からの脱却194
第4節 法の本質論196
1 法の歴史性と強制的機能196
2 社会的実在への注目197
第4節 法の妥当根拠論198
1 本質論の考察前提 198
2 本質論から根拠論へ199
3 法の妥当根拠200
おわりに201

第8章 承認説の妥当根拠論……203
─エンギッシュの法哲学─
はじめに203
第1節 妥当の識別基準としての承認205
第2節 承認説の内容208
第3節 理論的基礎について211
第4節 承認と法理念との関連213
おわりに217

第9章 人格主義の妥当根拠論……221
─ヴェルツェルの法哲学─
はじめに221
第1節 妥当根拠としての平和と義務づける力222
第2節 客観的超越的当為について224
第3節 責任ある人格について228
第4節 当為内容について232
第5節 承認説の再検討233
むすび238

あとがき……243
文献一覧……246
人名索引……251
事項索引……253