カール・シュミットと五人のユダヤ人法学者

カール・シュミットと五人のユダヤ人法学者

初宿正典 著
定価:9,900円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2016年10月01日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    590頁
  • ISBN:
    978-4-7923-0600-7
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内容紹介

目 次
まえがき  iii
目 次  vii
凡 例  xv
略語および主な引用文献略称一覧  xvi

Ⅰ カール・シュミット
1 ケルン時代のシュミット
―ケルゼンの罷免問題にも触れながら―
はじめに3
第1節 シュミットのケルン大学への招聘問題5
1 シュミットのこの時期の経歴  5
2 ケルン大学の人事  6
3 シュミットのケルン大学教授就任  9
第2節 ケルン大学教授ケルゼン罷免問題とシュミット11
1 ケルゼン罷免の報  11
2 助命嘆願書  13
3 シュミットの反応  18
第3節 シュミットのケルン時代の活動と著作21
おわりに39
2 シュミットの憤激の書簡
―シュミット vs. カース―
1 はじめに―背 景  44
2 ルートヴィヒ・カースのシュライヒャー宛の書簡(公開状)  46
3 シュミットからカースに宛てた反論(私信)  48
4 戦後におけるこの論争の回想  50
3 シュミットとの対話Ⅰ
―シュミットにおける《学問と政治》あるいは《理論と実践》―
解 題  52
ロスコップフとの対話  53
4 シュミットのマキァヴェッリ論
解 題  62
「マキァヴェッリ―1927年6月22日に寄せて」  63
5 ニュルンベルクにおけるシュミットの尋問
はじめに  70
第1回尋問(1947年4月3日)  72
第2回尋問(1947年4月21日)  79
第3回尋問(1947年4月29日)  87
6 シュミットの《陸と海》概念の起源
―彼の思想形成に占める《故郷》の重要性の一断面―
1 はじめに  94
2 娘アーニマ  95
3 故郷ザウアーラント  96
4 おわりに  100
7 シュミットとの対話Ⅱ
―シュミット,彼自身を語る―
解 題  102
シュミットとの対話―シュミット,彼自身を語る  104
出自と学業  107
法学への決断  111
ローマ・カトリシズムと政治形態  112
ヒンデンブルクの宣誓トラウマと訴訟アレルギー  114
権力掌握と全権委任法  118
問題の核心―選挙期間中には誰が統治するのか  120
国会議事堂放火事件  126
法学的実証主義  126
第三帝国を初めて目にした時  131
8 シュミットの《合法的世界革命》論
1 はじめに  135
2 合法性,正統性および超合法性  137
3 《進歩のイデオロギー》  141
4 ファシズム前の超合法性の2つのモデル
  ―1871年以降のフランスと1919年以降のドイツ  143
5 先例としてのヒトラーの合法的革命  145
6 政治の主体,また憲法制定権力の担い手としての人類  148
9 シュミットの死
1 シュミットとの会見  151
2 シュミットの死  155
⓾ シュミットの『レヴィアータン論』新装版
1 はじめに―1980年代のシュミット研究  161
2 『レヴィアータン論』の新装版  164
3 編者マシュケの「解説」概観  167
【資料】シェルスキーの『ホッブズ論』の運命172
解 題  172
シェルスキー『ホッブズ論』序文  174

Ⅱ エーリヒ・カウフマン
1 シュミットとカウフマン
はじめに―問題の所在189
第1節 『政治神学』初版におけるカウフマンへの言及194
1 例外状態の考え方(『政治神学』第1章での言及)  195
2 学問方法論(『政治神学』第2章での言及)  198
3 政治神学(第3章における言及)  205
第2節 ヴァイマル期のシュミットのその他の著作における
    カウフマンへの言及208
第3節 カウフマンにおけるシュミットへの論及215
1 検討対象の限定  215
2 『批判』におけるシュミットへの言及  216
3 平等論に関するカウフマンとシュミットの理解  219
4 カウフマンのシュミット批判  223
5 小 結  229
第4節 カウフマンのシュミット観229
1 カウフマンとシュミットの略歴  229
2 カウフマンのシュミット観  231
おわりに239
《補論》「真理ではなく権威が法をつくる」という命題の引用について243
【資料Ⅰ】エルンスト・フォルストホフ「内乱の中の国法学者」247
【資料Ⅱ】カール・シュミットとその学派
    ―フォルストホフへの公開状―251
解 題  251
エーリヒ・カウフマン「カール・シュミットとその学派―
エルンスト・フォルストホフに対する公開状」  255
2 カウフマンの《ニコラスゼー・ゼミナール》
はじめに259
第1節 《ニコラスゼー・ゼミナール》の内容262
第2節 カウフマン記念集会に集った人々とその発言内容の概観270
第3節 カウフマンの挨拶284

Ⅲ ゲルハルト・ライプホルツ
1 ライプホルツにおける亡命と抵抗
序―問題の限定289
第1節 ライプホルツのイギリス亡命までの前半生294
第2節 ロンドン時代301
1 ベルとの出会い  301
2 ナチズムと教会  305
第3節 オックスフォード時代307
1 『キリスト教・政治および権力』  307
2 正義と法  319
3 ドイツ抵抗運動と《7月20日事件》  321
第4節 戦後のライプホルツとその抵抗論327
《補論》ベルとライプホルツの往復書簡集331
【資料】ライプホルツ「政治と自然法」334
解 題  334
政 治  334
2 シュミットとライプホルツ
―その関わりに関する覚え書き―
はじめに  340
1 シュミットとライプホルツの略歴  344
2 学会における両者の関わりの概観  346
3 シュミットによるライプホルツの引用  350
4 ライプホルツによるシュミットの引用  352
5 裁判所の審査権  357
⑴ ライプホルツの平等論  357
⑵ シュミットの憲法裁判論  358
⑶ シュミットの司法国家論  361
6 ライプホルツの1933年論文  363
おわりに  367
【資料】「カール・シュミットの態度」
   ―ライプホルツのシュミット批判―370
解 題  370
ライプホルツ 「カール・シュミットの態度」  370
3 ライプホルツの死をめぐるドイツの反応
はじめに  374
1 ライプホルツの死に関する文献リスト  375
Ⅰ 筆者名の記載のあるもの,または判明したもの  375
Ⅱ 筆者名の記載のないもの  376
Ⅲ その他の新聞・雑誌等の訃報  376
2 若干のコメント  377
《補論》ライプホルツ追想383

Ⅳ フーゴ・プロイス
プロイスのヴァイマル憲法構想
はじめに―問題の限定389
第1節 プロイスの生涯概観391
第2節 内務国務次官プロイス399
第3節 プロイスの草案とその特質404
1 《主権》概念の回避  405
2 新しい自由邦の形成可能性  408
3 議会制構想  411
4 基本権規定に関する特徴  413
5 大統領制  416
第4節 プロイス草案の審議421
1 閣議での審議  421
2 諸邦委員会とプロイス構想の変質  424
3 国民議会での審議と基本権規定の拡充  425
おわりに428
【資料Ⅰ】「裏返しの官憲国家?」
    ―ヴァイマル憲法草案起草者プロイスの誕生―430
解 題  430
プロイス「民族国家か,それとも裏返しの官憲国家か?」  433
【資料Ⅱ】プロイスのヴァイマル憲法草案438
解 題  438
プロイス草案比較対照表  439
ヴァイマル憲法草案  440
【資料Ⅲ】プロイスによるビスマルク憲法とプロイセン憲法の改正提案
      467
解 題  467
1 ビスマルク憲法改正提案  471
2 プロイセン憲法改正提案  494

Ⅴ フリッツ・シュティーア=ゾムロ
シュティーア=ゾムロとヴァイマル憲法構想
はじめに―問題の限定507
第1節 フリッツ・シュティーア=ゾムロの生涯概観508
⑴ 出生から学生時代  508
⑵ 学者としての出発  509
⑶ ケルン大学創設と学部長時代  510
⑷ ナチスの反ユダヤ主義政策の中のシュティーア=ゾムロ  512
第2節 シュティーア=ゾムロの業績概観514
第3節 シュティーア=ゾムロのヴァイマル憲法構想517
1 総 説  517
2 シュティーア=ゾムロの憲法草案の構成  522
⑴ 目 次  522
⑵ 全体的特徴  523
⑶ 基本権規定  523
3 シュティーア=ゾムロにおける新憲法の統治構造  525
⑴ 概 観  525
⑵ 連邦議会  526
⑶ 法案提出権  529
⑷ 国家元首(大統領)の地位  530
⑸ 連邦とラントの関係  531
⑹ 裁判制度  534
おわりに代えて535

関連年譜  538
初出誌一覧  544
独訳目次  548
人名索引  554