ラムサール条約の国内実施と地域政策
―地域連携・協働による条約義務の実質化―中央学院大学社会システム研究所 [編集] 佐藤 寛/林 健一 [著]
定価:4,400円(税込)-
在庫:
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発行:
2018年03月30日
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判型:
A5判 -
ページ数:
258頁 -
ISBN:
978-4-7923-8079-3
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内容紹介
目 次 序章 本書の検討課題と構成 1 1 湿地をめぐる問題の所在 2 2 検討素材としてのラムサール条約 5 3 分析の視点と検討課題 7 (1)分析の視点1:「条約の示す義務等」の実質化 7 (2)分析の視点2:「地域連携」による湿地の効果的な保全再生 8 (3)本書の構成 10 第1部 地域連携によるラムサール条約義務の発展的実現 第1章 ラムサール条約の効果的な実施と 地方自治体の役割 17 1 はじめに 17 2 地方自治体が条約義務の実質化に果たす役割 18 (1)国内法と国際法の関係 18 (2)国内法における国際法の地位と役割 19 (3)地方自治体が条約の国内実施に果たす役割 23 3 ラムサール条約の効果的な実施と地方自治体の役割 28 (1)湿地の意義とその役割 28 (2)締約国の湿地保全義務 31 (3)条約の効果的な実施のための措置 32 (4)ラムサール条約義務の実質化に向けた地方自治体の役割 34 4 おわりに 35 第2章 ラムサール条約の観点から見た 日本の湿地政策の課題 39 1 はじめに 39 2 ラムサール条約からみた日本の湿地政策の課題 39 (1)日本におけるラムサール条約への取組み状況 39 (2)条約登録湿地選定のための国際的基準と日本の指定要件 40 (3)国レベルでの湿地保全政策の方向性 42 3 日本のラムサール条約登録湿地の特徴 43 (1)登録湿地の指定状況 43 (2)「国際的に重要な湿地」の選定基準から見た特徴 46 (3)国内法の保護形態から見た特徴 47 4 我が国の湿地保護制度の特徴と課題 49 (1)鳥獣保護法による保護・規制制度の概要 49 (2)自然公園法による保護・規制制度の概要 51 (3)条約の国内実施を行う上での法・政策面の課題 52 5 おわりに 56 第3章 地域連携によるラムサール条約義務等の 実質化 59 1 本章の検討課題 59 2 条約の国内実施基盤としての生物多様性基本法 60 (1)生物多様性基本法の概要 61 (2)生物多様性基本法が示す基本原則 64 (3)生物多様性地域戦略の意義と策定状況 65 3 地域連携の基盤となる生物多様性地域連携促進法 68 (1)地域連携促進法の概要 69 (2)地域連携保全活動の意義 69 (3)地域連携保全活動計画の意義と活用状況 70 4 地域連携によるラムサール条約湿地の保全・再生 72 (1)ラムサール条約の示す義務等の方向性 72 (2)「条約の義務等」を実質化するための措置の選定 72 (3)実質化問題の検討A:地域戦略の活用による湿地の保全・再生 74 (4)実質化問題の検討B:渡り性水鳥保護とその生息地の保全・再生 76 5 おわりに 78 第4章 地域連携・協働による湿地保全再生システムの 構築に向けて 83 1 はじめに 83 2 湿地保全再生政策における地域連携・協働の必要性 84 (1)地域連携が必要とされる背景 84 (2)ラムサール条約湿地と参加・連携・協働 86 (3)地域連携・協働の必要性 87 3 「地域連携・協働による湿地保全再生システム」構築に 向けた視座 89 (1)地域連携・協働システム構築に向けた課題 90 (2)マルチステークホルダー・プロセスの活用 91 (3)環境指標を中核とした地域連携・協働システム 93 4 おわりに 95 第2部 条約の国内実施をめぐる諸問題の考察 第5章 条約湿地のブランド化と持続可能な利用 ──「ワイズユース」定着に向けて 99 1 はじめに 99 2 条約湿地のブランド化への期待と懸念 100 (1)問題の所在 100 (2)地域ブランド登場の背景 104 (3)地域ブランドの概念とその展開 105 3 条約湿地のブランド化と“wise use” 109 (1)“wise use”概念の変遷 109 (2)“wise use”を取り巻く課題の諸相 112 (3)条約湿地における地域ブランド化の取り組み事例の分析 113 (4)ラムサールブランド構築に向けた地域政策の課題 119 4 おわりに 120 第6章 有明海のラムサール条約登録湿地の 環境保全と地域再生 125 1 はじめに 125 2 有明海の特徴と干拓の歴史 126 (1)有明海の特徴と干潟の分布 126 (2)有明海の干拓と干潟 129 (3)ラムサール条約の示す義務の方向性 130 (4)有明海とその周辺地域が直面する課題 130 3 有明海のラムサール条約湿地のケーススタディ 131 (1)東よか干潟 131 (2)肥前鹿島干潟 137 (3)荒尾干潟 143 4 CEPAを活用した地域再生に向けて 149 第7章 水田と一体となったラムサール条約登録湿地の 保全と活用 153 1 はじめに 153 2 水田とラムサール条約湿地 154 (1)水田の多面的な機能 154 (2)水田と湿地の関係 155 (3)水田とラムサール条約湿地の関係 156 3 水田と一体となったラムサール条約湿地のケーススタディ 158 (1)伊豆沼・内沼 158 (2)片野鴨池 165 (3)佐潟 170 (4)瓢湖 177 4 おわりに 182 第8章 ウトナイ湖が直面する課題 ──環境社会学的な視点から 185 1 はじめに 185 2 ウトナイ湖──小さな川の流れが集まるところ 186 (1)ウトナイ湖の概要 186 (2)勇払原野の自然環境と地域開発 189 3 ウトナイ湖の鳥獣保護をめぐる課題 191 (1)ウトナイ湖の渡り性水鳥の概況 191 (2)ウトナイ湖の鳥獣保護施策 192 (3)新たな課題──鳥インフルエンザへの対応 194 4 おわりに 195 巻末資料:Ramsar Handbooks(1巻〜20巻)の概要 198 あとがき 230 参考文献・資料 233