刑罰権の淵源

刑罰権の淵源

安藤泰子 著
定価:15,400円(税込)
  • 在庫:
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  • 発行:
    2018年05月26日
  • 判型:
    A5判
  • ページ数:
    680頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5248-6
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内容紹介

目  次
はしがき
第一篇 刑罰権の淵源
第一章 国際刑法理論の基礎3
はじめに3
第一節 国際刑法理論の基礎4
一 問題の所在─4
二 概要─6
三 諸説─7
四 検討─12
第二節 理論的帰結の検証14
一 現状─14
二 超国家的刑罰権説─16
三 仮説─18
四 検証─20
第三節 刑罰権国家独占原則─その相対性─29
一 独立機関の刑罰権─29
二 理論的整合性の検討─31
第四節 固有説38
一 固有説と独立機関刑罰権説─39
二 独立機関刑罰権説と内在的制約論─41
三 内在的制約論と固有説─44
四 国際刑事裁判所の「超」国家的機関性─48
第五節 刑罰権概念の確定53
一 超国家的刑罰権概念─53
二 判例における固有説─56
三 総括─59
第二章 法の分化73
はじめに73
第一節 「機関」刑罰権論の端緒75
一 共存社会と刑罰論─75
二 検討─78
第二節 国際刑罰権の哲学的基礎83
一 現象から刑法理論へ─83
二 刑罰権の淵源─86
三 吉岡一男─86
四 西原春夫─87
第三節 仮説─「一部」と「例外」の重畳結合88
一 「人」の欲求と、人を介する「国家」の欲求─88
二 理論的鳥瞰─89
三 仮説「公式の設定」─93
第四節 検証94
一 罪刑法定主義の例外現象─94
二 罪刑法定主義における「決定的」相違─97
三 法域の隙間─98
四 共存社会にみる刑法思潮─101
五 「私」法から「公」法へ─108
六 田中耕太郎─121
七 「一部」と「例外」の重畳結合─122
第五節 罪刑法定主義を巡る拮抗123
一 団藤重光─123
二 「合意」法と「非」合意法─125
三 法の一般原則─128
四 法の一般原則を巡る「国内刑法と国際刑法」における罪刑法定主義─131
第六節 国際刑法現象の端緒136
一 端緒─136
二 連続性─137
三 今世紀国際刑法─138
四 共存社会と国際「機関」─140
小括─142
第七節 国際刑法現象143
一 桎梏からの解放─143
二 逆転現象─145
三 平野龍一─146
四 例外からの本質化─147
五 超か「非」超か─148
第八節 国際刑法理論150
一 理論構築への足掛かり─150
二 責任の分化─151
三 国際刑法の本質─合意原則を破る─152
四 法の限界と原則の相対性─153
第九節 仮説の検証157
一 仮説─「一部」と「例外」の重畳結合=本質化─157
二 仮説と「機関」刑罰権論の整合─158
総括─本質化への史的展開─160
第三章 保護法としての国際刑法175
第一節 国際刑法における刑罰論の構造175
一 西原春夫の刑法─175
二 今世紀国際刑法の本質─187
三 瀧川幸辰の刑法─189
第二節 伝統的国家論から今世紀共存社会論へ195
一 国家論の変遷─195
二 国内刑法にみる、国際刑法の端緒と展開─204
第三節 伝統的刑罰論の概念的変化215
一 補完性原則の本質─215
二 「人」─218
三 刑罰思潮─219
四 法の進化─220
第四節 国家と刑罰222
一 国家の存在目的と役割─222
二 ドイツ連邦共和国基本法─223
三 伝統的刑罰論の揺らぎ─225
四 国家と刑罰義務─226
五 「人」の保護を求める国際刑法理論─228
第五節 次世紀国際刑法の展望229
一 伝統的犯罪論の拡大と限界─229
二 判例にみる基本法の国家義務─231
三 国際刑法の保護法論─233
四 共存社会と保護契機─235
五 西原春夫の「保護論」─236
第四章 義務論255
第一節 瀧川幸辰の「義務論」255
一 義務論─255
二 「機関」と義務─258
三 レオン・デュギー─262
四 穂積陳重─264
五 恒藤恭─266
六 牧野英一─268
七 刑事法における義務論─270
第二節 共存社会における義務論274
一 刑事補償─274
二 国際刑法における義務論─276
三 共存社会─278
第三節 共存社会における社会刑罰権論279
一 社会刑罰権論─279
二 共存社会観─282
三 歴史的系譜─283
四 カール・ビンディング─290
五 齊籘金作─293
第五章 社会公訴権305
第一節 訴権の検出305
一 国際刑法の本質─305
二 国際刑法の現在─310
三 刑事裁判化の端緒─313
四 公訴権概念の峻別─315
第二節 社会刑罰論と社会公訴権322
一 補完性原則を巡る諸問題─322
二 刑罰権の基礎─理論と実務─326
三 訴権の帰属性─330
四 社会公訴権─333
五 社会公訴権と代替説─335
第六章 公訴義務353
第一節 訴追義務353
一 訴追制度の変遷─353
二 「人」が有する訴権─356
三 検討─公訴権─360
四 公訴義務─363
第二節 社会公訴権と公訴義務366
一 訴権に関する序説的考察─366
二 社会公訴権の起源─371
三 社会公訴権の原点と系譜─372
第七章 刑罰の史的変遷391
はじめに391
第一節 刑罰の史的変遷392
一 史的検討の必要性─392
二 考察の対象─394
三 原始─395
四 ゲルマン古代─397
五 フランク時代─400
六 封建時代─404
七 中世後期─408
八 近世初期─410
第二節 検討412
一 「国家」以外が有する刑罰権─412
二 社会が有する刑罰権─414
三 刑罰権国家独占原則の相対性─416
第八章 国際刑法の公法性427
はじめに427
第一節 前世紀国際法から今世紀国際法へ428
一 国際公法の萌芽─428
二 国際刑法の展望─429
三 国際法の限界と再定義─431
第二節 伝統的刑罰論から今世紀刑罰論へ439
一 犯罪概念の動態性と政治力学─439
二 核兵器の使用─440
三 個人責任法理のさらなる展開─442
四 社会構造の変化と刑罰論の変遷─448
五 「人」の可能性─455
第九章 国家が負う義務465
第一節 国家が負う義務465
一 刑事手続の国家化─465
二 刑罰権の起源─国家と「人」─468
三 主権の相対性と「機関」創設─473
四 国家が負う義務─476
第二節 義務論の実証的検討481
一 欧州連合における刑罰論の展開─481
二 問題の所在─485
三 「機関」の「義務」─486
四 義務規定の萌芽期─489
第三節 義務論の可能性491
一 義務論─491
二 共存社会の現在─493
三 義務論の理論─496
第一〇章 国際刑法理論の構築513
第一節 国際刑法における刑法理論の構築513
一 西原春夫「保護論」と瀧川幸辰「義務論」─513
二 「機関」の連続性と社会刑罰権論─521
三 共存社会の「機関」創設─524
四 社会公訴権の本質と刑法理論─532
五 「保護」と「義務」─538
六 国際刑法と「国際法の刑法化」─547
第二節 次世紀への展望553
一 共存社会における刑罰論─553
二 主権の変容性と「人」の平和的共存─557
三 司法発動請求権と「人」─560
四 権利から義務化へ─561
五 刑法学の役割─564
六 刑法における人間─567
第二篇 国際刑法における罪刑法定主義
第一章 罪刑法定主義の相対性581
はじめに581
第一節 罪刑法定主義の役割583
一 厳格性からの解除─583
第二節 判例と学説の役割590
一 判例の発展に委ねて─590
二 学説の役割─592
第三節 国際刑法における刑罰論595
一 罪刑法定主義と譲渡説─595
二 先行研究─597
三 契機性の排除─598
第四節 刑法学史に学ぶ602
一 国際刑法の原点─602
二 刑法の淵源─602
第五節 罪刑法定主義の原理性608
一 議論の起点─608
二 慣習法上の犯罪─609
三 慣習国際法の結実─611
第二章 罪刑法定主義と慣習法623
はじめに623
第一節 国際刑法思想624
一 罪刑法定主義の連続性─624
二 国家刑罰権の無起動性─625
三 慣習法の補充性と受容─629
四 慣習法への依拠─631
五 慣習法の機能─633
第二節 罪刑法定主義の緩和635
一 規範から罪刑「法」定へ─635
二 「法」定、を補う法─638
第三節 国際刑法における慣習法642
一 自然法、慣習法を含む「非」法─642
二 国際刑法における慣習法排除の妥当性─643
三 マグナ・カルタは、法か─645
四 人権の実定法化─647
五 罪刑法定主義を巡る契機─649
結びに650