内容紹介
目 次 はしがき
Ⅰ 法の適用と解釈
1.法の解釈とは 1 2.法源─法的判断の根拠 5 3.法解釈の方法 13
Ⅱ 制定法に反する「解釈」─利息制限法旧1条2項をめぐって─ 1.利息制限法旧1条2項─判例と立法 24 2.3つの大法廷判決①─昭和37年判決:元本充当否定 26 3.3つの大法廷判決②─昭和39年判決:元本充当肯定 29 4.3つの大法廷判決③─昭和43年判決:返還請求肯定 36 5.制定法の規定を空文化する解釈は可能か 39 6.まとめ─反制定法的法解釈とは何か? 45
Ⅲ 違憲判断と法改正─社会の変化と法の対応─ 1.相続分の規定─非嫡出子の地位 47 2.2つの大法廷決定 48 3.戦前の家族法について─「家」の制度と婚外子の地位 52 4.現行民法900条の沿革─明治民法1004条 58 5.大正期の改正論議 59 6.現行民法900条─戦後の改正に際しての議論 62 7.立法政策と法律婚の保護 66 8.付記・新憲法24条と家族のあり方─婚姻の重視と家制度 69
Ⅳ 判例をどのように読み取るか─その事件の争点の把握─ 1.はじめに 73 2.不特定物売買と瑕疵担保責任に関する2つの判決の比較 74 3.他主占有者の相続人の「所有の意思」の立証責任─平成8年判決 78 4.185条への言及─昭和46年判決の内容 82 5.185条への言及の必要性はどこにあったか─平成8年判決の争点との関係 85
Ⅴ 判断の手順と民法の基本原理─所有権と契約─
1.所有権取得の根拠─所有権の法理と契約の法理 90 2.完成した建物の所有権の帰属─その根拠について 92 3.建築途中の工作物の所有権─注文者・元請人・下請人の関係 97 4.まとめ─物権の法理上、建物の所有権が下請人に帰属する場合は? 103
Ⅵ 不動産の二重譲渡─紛争はどのようにして生じたか─ 1.はじめに 105 2.不動産の二重譲渡─何を意味するか 105 3.二重譲渡を認めることは、理論的に可能か 107 4.二重譲渡がなぜ「起きてしまった」か─ひとつのケーススタディ 112 5.第二譲受人の地位─単純悪意者と「背信的悪意者」 117 6.まとめ─第一譲渡の移転登記がされていないことをどう考えるか 121
Ⅶ 意思表示と権利外観法理─説明概念・整理概念─ 1.権利の外観に対する信頼の保護─外観の作出と外観への信頼 124 2.外観への信頼を保護する規定─条文の趣旨の確認 127 3.94条2項の類推適用をめぐって 130 4.表見代理─109条と110条 137 5.動産の即時取得・債権の準占有者への弁済 145 6.「権利外観法理」の定義─「整理概念」か「説明概念」か 148
Ⅷ バランス論から考える─体系的解釈の手掛かりとして─ 1.体系的解釈とバランス論 151 2.問題①:無権代理人による本人相続 152 3.単独相続の場合との比較─「追認拒絶は信義則上許されない」とは何を意味するか? 155 4.三好裁判官の反対意見 158 5.追認権・追認拒絶権の承継の問題か、117条の問題か─能見教授の見解 160 6.問題②:共同抵当と弁済者代位─価値判断による体系の選択 163 7.裁判例における対立の根拠の検討①:同時配当と異時配当とで異なる結果になってもよいか 169 8.裁判例における対立の根拠の検討②─後順位者を保護するか、物上保証人を保護するか 172 9.まとめ─バランス論は体系検討の手がかりとなること 177
Ⅸ 学説の対立は何を意味するか
1.基本概念についての対立の意味 180 2.法定責任説の考え方と債務不履行責任説の考え方 182 3.基本概念・体系にかかわる議論①─「特定物ドグマ」の克服 186 4.基本概念・体系にかかわる議論②─権利の担保責任の歴史からの示唆 188 5.両説の対立の意味─効果に違いが生ずるか? 192 6.まとめ 201
Ⅹ 事実を見ながら考える─損害の把握と賠償額の算定─ 1.損害の分類と損害の認識 204 2.現実にどのような損害が生じているか─瑕疵ある船舶の修理代金の例 207 3.損害項目の問題と賠償額算定の基準時問題 210 4.賠償額算定の基準時の問題─事実の全体から損害の発生態様を確かめること 214 5.損害抑止義務と損害額の総合的評価:店舗の浸水とカラオケ店の営業利益 219 6.まとめ─事実の観察、とりわけ事業活動への債務不履行の影響 222
Ⅺ まとめ─実体に基礎づけられた概念の活用─ 1.これまでの章を振り返る 225 2.法の解釈・適用と、概念の問題─最高裁判決を例として 233 3.まとめ─法解釈の客観性について 245
Ⅰ 法の適用と解釈
1.法の解釈とは 1 2.法源─法的判断の根拠 5 3.法解釈の方法 13
Ⅱ 制定法に反する「解釈」─利息制限法旧1条2項をめぐって─ 1.利息制限法旧1条2項─判例と立法 24 2.3つの大法廷判決①─昭和37年判決:元本充当否定 26 3.3つの大法廷判決②─昭和39年判決:元本充当肯定 29 4.3つの大法廷判決③─昭和43年判決:返還請求肯定 36 5.制定法の規定を空文化する解釈は可能か 39 6.まとめ─反制定法的法解釈とは何か? 45
Ⅲ 違憲判断と法改正─社会の変化と法の対応─ 1.相続分の規定─非嫡出子の地位 47 2.2つの大法廷決定 48 3.戦前の家族法について─「家」の制度と婚外子の地位 52 4.現行民法900条の沿革─明治民法1004条 58 5.大正期の改正論議 59 6.現行民法900条─戦後の改正に際しての議論 62 7.立法政策と法律婚の保護 66 8.付記・新憲法24条と家族のあり方─婚姻の重視と家制度 69
Ⅳ 判例をどのように読み取るか─その事件の争点の把握─ 1.はじめに 73 2.不特定物売買と瑕疵担保責任に関する2つの判決の比較 74 3.他主占有者の相続人の「所有の意思」の立証責任─平成8年判決 78 4.185条への言及─昭和46年判決の内容 82 5.185条への言及の必要性はどこにあったか─平成8年判決の争点との関係 85
Ⅴ 判断の手順と民法の基本原理─所有権と契約─
1.所有権取得の根拠─所有権の法理と契約の法理 90 2.完成した建物の所有権の帰属─その根拠について 92 3.建築途中の工作物の所有権─注文者・元請人・下請人の関係 97 4.まとめ─物権の法理上、建物の所有権が下請人に帰属する場合は? 103
Ⅵ 不動産の二重譲渡─紛争はどのようにして生じたか─ 1.はじめに 105 2.不動産の二重譲渡─何を意味するか 105 3.二重譲渡を認めることは、理論的に可能か 107 4.二重譲渡がなぜ「起きてしまった」か─ひとつのケーススタディ 112 5.第二譲受人の地位─単純悪意者と「背信的悪意者」 117 6.まとめ─第一譲渡の移転登記がされていないことをどう考えるか 121
Ⅶ 意思表示と権利外観法理─説明概念・整理概念─ 1.権利の外観に対する信頼の保護─外観の作出と外観への信頼 124 2.外観への信頼を保護する規定─条文の趣旨の確認 127 3.94条2項の類推適用をめぐって 130 4.表見代理─109条と110条 137 5.動産の即時取得・債権の準占有者への弁済 145 6.「権利外観法理」の定義─「整理概念」か「説明概念」か 148
Ⅷ バランス論から考える─体系的解釈の手掛かりとして─ 1.体系的解釈とバランス論 151 2.問題①:無権代理人による本人相続 152 3.単独相続の場合との比較─「追認拒絶は信義則上許されない」とは何を意味するか? 155 4.三好裁判官の反対意見 158 5.追認権・追認拒絶権の承継の問題か、117条の問題か─能見教授の見解 160 6.問題②:共同抵当と弁済者代位─価値判断による体系の選択 163 7.裁判例における対立の根拠の検討①:同時配当と異時配当とで異なる結果になってもよいか 169 8.裁判例における対立の根拠の検討②─後順位者を保護するか、物上保証人を保護するか 172 9.まとめ─バランス論は体系検討の手がかりとなること 177
Ⅸ 学説の対立は何を意味するか
1.基本概念についての対立の意味 180 2.法定責任説の考え方と債務不履行責任説の考え方 182 3.基本概念・体系にかかわる議論①─「特定物ドグマ」の克服 186 4.基本概念・体系にかかわる議論②─権利の担保責任の歴史からの示唆 188 5.両説の対立の意味─効果に違いが生ずるか? 192 6.まとめ 201
Ⅹ 事実を見ながら考える─損害の把握と賠償額の算定─ 1.損害の分類と損害の認識 204 2.現実にどのような損害が生じているか─瑕疵ある船舶の修理代金の例 207 3.損害項目の問題と賠償額算定の基準時問題 210 4.賠償額算定の基準時の問題─事実の全体から損害の発生態様を確かめること 214 5.損害抑止義務と損害額の総合的評価:店舗の浸水とカラオケ店の営業利益 219 6.まとめ─事実の観察、とりわけ事業活動への債務不履行の影響 222
Ⅺ まとめ─実体に基礎づけられた概念の活用─ 1.これまでの章を振り返る 225 2.法の解釈・適用と、概念の問題─最高裁判決を例として 233 3.まとめ─法解釈の客観性について 245