政教分離の基礎理論
―人権としての政教分離―後藤光男 著
定価:7,150円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2018年07月01日
-
判型:
A5判 -
ページ数:
338頁 -
ISBN:
978-4-7923-0635-9
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内容紹介
目 次
はしがき
第1部 信教の自由・政教分離の歴史的意義と保障内容
序 章 信教の自由の歴史的意義 3
1 はじめに─信教の自由の歴史─4
2 明治国家と信教の自由5
(1)ある社会思想史家の回想 5
(2)明治維新の舞台裏 7
(3)明治国家の信教の自由と政教分離 10
3 靖国神社の沿革と性格14
4 国家神道の歴史と戦後17
第1章 信教の自由の保障内容23
1 信教の自由の保障23
2 憲法における宗教の定義24
3 宗教的行為の自由と市民法秩序26
4 法律・条例による信教の自由の制約の例28
(1)無差別大量殺人を行った団体の規制法(オウム対策法) 28
(2)破壊活動防止法 34
(3)宗教法人法 36
(4)奈良県文化観光税条例・京都市古都保存協力税条例 39
5 信教の自由に基づく刑事免責が主張される例50
(1)牧会権事件 51
(2)線香護摩事件 52
6 行政の行為等を違法とするために信教の自由が主張される例52
(1)キリスト教徒日曜日授業事件 52
(2)エホバの証人剣道実技拒否事件 54
7 自由権規約との関係56
[補論1] 宗教上の輸血拒否─子どもの人権との関係で─
1 はじめに57
2 エホバの証人と輸血拒否・国旗敬礼拒否59
(1)日本における輸血拒否の事例 59
(2)日本における輸血拒否の判例 60
(3)エホバの証人の国旗敬礼拒否 63
3 宗教上の輸血拒否と子どもの人権64
(1)患者の自己決定権 64
(2)子どもの権利と親権 67
(3)子どもの人権享有主体性 68
(4)裁判所の関与 69
4 結 び70
[補論2] 日曜日授業と信教の自由─キリスト教徒日曜日訴訟─
1 事 実71
2 判 旨73
(1) 本件欠席記載の処分性について 73
(2) 本件欠席記載の違法性について 73
(3) 子どもらの授業を受ける権利の侵害について 76
3 研 究76
(1) 問題の所在 76
(2) 信教の自由を制約する国家行為の違憲審査基準 79
(3) 公教育の宗教的中立性の原則 82
4 むすび 84
[補論3] 宗教上の人格権
1 はじめに85
2 個人の信教の自由と団体の信教の自由85
3 「宗教上の人格権」について87
4 法準則の体系化90
第2章 政教分離93
1 政教分離の意義93
2 政教分離の規範内容97
(1)政教分離の保障 97
(ア)宗教団体に対する特権付与の禁止
(イ)宗教団体の「政治上の権力」行使の禁止
(ウ)国及びその機関の宗教活動の禁止
(エ)宗教団体に対する公金支出・公財産利用供与の禁止
(2)日本における政教分離の判例 99
(ア)津地鎮祭訴訟
(イ)殉職自衛官合祀拒否訴訟
(ウ)大阪地蔵像訴訟
(エ)箕面(みのお)忠魂碑・慰霊祭・補助金訴訟
(オ)岩手県靖国神社公式参拝要請決議訴訟および靖国神社玉ぐし料支出訴訟
(カ)愛媛玉串料訴訟
(キ)主基斎田「抜穂の儀」参列訴訟
(ク)鹿児島県知事大嘗祭参列訴訟
(ケ)内閣総理大臣靖国神社参拝訴訟
(コ)神奈川県知事「即位の礼・大嘗祭」訴訟(即位礼正殿の儀参列訴訟)
(サ)砂川政教分離(空知太神社)訴訟
(シ)白山比咩(ひめ)神社訴訟
3 政教分離と違憲審査基準─目的効果論について─110
第2部 憲法における政教分離の意義
第3章 政教分離の法的性格117
1 はじめに117
2 政教分離の意義118
3 政教分離の目的122
4 政教分離の法的性格124
(1)制度的保障として把握する説 124
(2)目的と手段の関係として把握する説 131
(3)人権として把握する説 132
5 おわりに135
第4章 政教分離と信教の自由の関係137
1 序 説137
2 信教の自由と政教分離をめぐる理論138
(1)政教分離を制度的保障論で把握する説 139
(2)自由と分離の関係を目的と手段の関係で把握する説 141
(3)政教分離を信教の自由と統一的に把握する説(人権として把握する説) 143
3 信教の自由と政教分離の再把握146
(1)カッツ(W. G. Katz)の見解 147
(2)プェファ(L. Pfeffer)の見解 149
(3)アメリカ連邦最高裁判所の立場 153
4 むすび158
第5章 政教分離訴訟と違憲審査基準161
1 国家の宗教的中立性と非宗教性161
(1)はじめに 161
(2)津地鎮祭最高裁判決の多数意見と少数意見 162
(3)目的・効果基準の適用 166
(ア)靖国神社への公式参拝
(イ)靖国神社への玉串料等の支出(愛媛玉串料訴訟)
(ウ)殉職自衛官の護国神社への合祀申請
(エ)箕面忠魂碑・慰霊祭・補助金訴訟
(オ)大阪地蔵像訴訟
(カ)主基斎田「抜穂の儀」参列訴訟
(キ)即位の礼・大嘗祭訴訟
2 政教分離と違憲審査基準─最高裁の立場─190
(1)砂川政教分離(空知太神社)訴訟最高裁判決 190
(2)白山比咩(しらやまひめ)神社訴訟最高裁判決 195
3 政教分離と目的効果基準の問題点─判例を読み直す─198
第3部 政教分離と公法上の脱法行為
第6章 政教分離の脱法行為(1)─公法上の脱法行為論─205
1 序 205
2 脱法行為論206
3 行政による政教分離の脱法行為211
(1) 津地鎮祭事件と「閣僚の靖国神社参拝問題」 211
(2) 殉職自衛官合祀事件と国(自衛隊)の脱法行為 215
4 むすび221
第7章 政教分離の脱法行為(2)─自治体の違憲決議─223
1 はじめに223
2 靖国神社公式参拝運動の背景223
3 靖国神社公式参拝要請決議について226
4 地方議会決議の範囲と限界229
5 憲法尊重擁護義務との関係233
6 まとめ235
第8章 政教分離の脱法行為(3)
─殉職自衛官合祀拒否訴訟─237
1 はじめに237
2 最高裁判決の理論構造237
3 国(自衛隊)による脱法行為247
4 国(自衛隊)と隊友会の共生関係248
5 まとめ249
第4部 政教分離の重要問題
第9章 政教分離と象徴天皇制─納税者訴訟から考える─253
1 問題の所在─大阪「即位の礼・大嘗祭」違憲訴訟の提起─253
2 納税者訴訟の意義257
3 政教分離と靖国訴訟260
4 政教分離と天皇訴訟262
(1)大分県「抜穂の儀」違憲訴訟 262
(2)鹿児島県「大嘗祭」違憲訴訟 267
(3)東京都「即位の礼・大嘗祭」違憲訴訟 270
(4)神奈川県「即位の礼・大嘗祭」違憲訴訟 272
5 結 語273
第10章 政教分離と良心的兵役拒否277
1 問題の所在277
2 良心的兵役拒否の生成と展開279
(1)CO(Conscientious Objection)の今日的定義 279
(2)CO(Conscientious Objection)免除法制史の背景 280
3 宗教の自由と兵役拒否282
(1)一般的兵役拒否とシーガー判決 282
(2)選択的兵役拒否と修正1条の宗教条項 284
(3)政治的兵役拒否 288
4 選択的兵役拒否と憲法上の根拠289
5 結 語292
第11章 政教分離と信教の自由の相克
─「エホバの証人」剣道授業拒否事件と「イスラーム教」
スカーフ事件をめぐって─295
1 問題の所在295
2 信教の自由と政教分離の関係298
3 信教の自由と政教分離の相克299
(1)「エホバの証人」剣道授業拒否事件 299
(2)「イムラーム教」スカーフ事件 299
本書で参考にした初出文献一覧309
参考文献一覧311
はしがき
第1部 信教の自由・政教分離の歴史的意義と保障内容
序 章 信教の自由の歴史的意義 3
1 はじめに─信教の自由の歴史─4
2 明治国家と信教の自由5
(1)ある社会思想史家の回想 5
(2)明治維新の舞台裏 7
(3)明治国家の信教の自由と政教分離 10
3 靖国神社の沿革と性格14
4 国家神道の歴史と戦後17
第1章 信教の自由の保障内容23
1 信教の自由の保障23
2 憲法における宗教の定義24
3 宗教的行為の自由と市民法秩序26
4 法律・条例による信教の自由の制約の例28
(1)無差別大量殺人を行った団体の規制法(オウム対策法) 28
(2)破壊活動防止法 34
(3)宗教法人法 36
(4)奈良県文化観光税条例・京都市古都保存協力税条例 39
5 信教の自由に基づく刑事免責が主張される例50
(1)牧会権事件 51
(2)線香護摩事件 52
6 行政の行為等を違法とするために信教の自由が主張される例52
(1)キリスト教徒日曜日授業事件 52
(2)エホバの証人剣道実技拒否事件 54
7 自由権規約との関係56
[補論1] 宗教上の輸血拒否─子どもの人権との関係で─
1 はじめに57
2 エホバの証人と輸血拒否・国旗敬礼拒否59
(1)日本における輸血拒否の事例 59
(2)日本における輸血拒否の判例 60
(3)エホバの証人の国旗敬礼拒否 63
3 宗教上の輸血拒否と子どもの人権64
(1)患者の自己決定権 64
(2)子どもの権利と親権 67
(3)子どもの人権享有主体性 68
(4)裁判所の関与 69
4 結 び70
[補論2] 日曜日授業と信教の自由─キリスト教徒日曜日訴訟─
1 事 実71
2 判 旨73
(1) 本件欠席記載の処分性について 73
(2) 本件欠席記載の違法性について 73
(3) 子どもらの授業を受ける権利の侵害について 76
3 研 究76
(1) 問題の所在 76
(2) 信教の自由を制約する国家行為の違憲審査基準 79
(3) 公教育の宗教的中立性の原則 82
4 むすび 84
[補論3] 宗教上の人格権
1 はじめに85
2 個人の信教の自由と団体の信教の自由85
3 「宗教上の人格権」について87
4 法準則の体系化90
第2章 政教分離93
1 政教分離の意義93
2 政教分離の規範内容97
(1)政教分離の保障 97
(ア)宗教団体に対する特権付与の禁止
(イ)宗教団体の「政治上の権力」行使の禁止
(ウ)国及びその機関の宗教活動の禁止
(エ)宗教団体に対する公金支出・公財産利用供与の禁止
(2)日本における政教分離の判例 99
(ア)津地鎮祭訴訟
(イ)殉職自衛官合祀拒否訴訟
(ウ)大阪地蔵像訴訟
(エ)箕面(みのお)忠魂碑・慰霊祭・補助金訴訟
(オ)岩手県靖国神社公式参拝要請決議訴訟および靖国神社玉ぐし料支出訴訟
(カ)愛媛玉串料訴訟
(キ)主基斎田「抜穂の儀」参列訴訟
(ク)鹿児島県知事大嘗祭参列訴訟
(ケ)内閣総理大臣靖国神社参拝訴訟
(コ)神奈川県知事「即位の礼・大嘗祭」訴訟(即位礼正殿の儀参列訴訟)
(サ)砂川政教分離(空知太神社)訴訟
(シ)白山比咩(ひめ)神社訴訟
3 政教分離と違憲審査基準─目的効果論について─110
第2部 憲法における政教分離の意義
第3章 政教分離の法的性格117
1 はじめに117
2 政教分離の意義118
3 政教分離の目的122
4 政教分離の法的性格124
(1)制度的保障として把握する説 124
(2)目的と手段の関係として把握する説 131
(3)人権として把握する説 132
5 おわりに135
第4章 政教分離と信教の自由の関係137
1 序 説137
2 信教の自由と政教分離をめぐる理論138
(1)政教分離を制度的保障論で把握する説 139
(2)自由と分離の関係を目的と手段の関係で把握する説 141
(3)政教分離を信教の自由と統一的に把握する説(人権として把握する説) 143
3 信教の自由と政教分離の再把握146
(1)カッツ(W. G. Katz)の見解 147
(2)プェファ(L. Pfeffer)の見解 149
(3)アメリカ連邦最高裁判所の立場 153
4 むすび158
第5章 政教分離訴訟と違憲審査基準161
1 国家の宗教的中立性と非宗教性161
(1)はじめに 161
(2)津地鎮祭最高裁判決の多数意見と少数意見 162
(3)目的・効果基準の適用 166
(ア)靖国神社への公式参拝
(イ)靖国神社への玉串料等の支出(愛媛玉串料訴訟)
(ウ)殉職自衛官の護国神社への合祀申請
(エ)箕面忠魂碑・慰霊祭・補助金訴訟
(オ)大阪地蔵像訴訟
(カ)主基斎田「抜穂の儀」参列訴訟
(キ)即位の礼・大嘗祭訴訟
2 政教分離と違憲審査基準─最高裁の立場─190
(1)砂川政教分離(空知太神社)訴訟最高裁判決 190
(2)白山比咩(しらやまひめ)神社訴訟最高裁判決 195
3 政教分離と目的効果基準の問題点─判例を読み直す─198
第3部 政教分離と公法上の脱法行為
第6章 政教分離の脱法行為(1)─公法上の脱法行為論─205
1 序 205
2 脱法行為論206
3 行政による政教分離の脱法行為211
(1) 津地鎮祭事件と「閣僚の靖国神社参拝問題」 211
(2) 殉職自衛官合祀事件と国(自衛隊)の脱法行為 215
4 むすび221
第7章 政教分離の脱法行為(2)─自治体の違憲決議─223
1 はじめに223
2 靖国神社公式参拝運動の背景223
3 靖国神社公式参拝要請決議について226
4 地方議会決議の範囲と限界229
5 憲法尊重擁護義務との関係233
6 まとめ235
第8章 政教分離の脱法行為(3)
─殉職自衛官合祀拒否訴訟─237
1 はじめに237
2 最高裁判決の理論構造237
3 国(自衛隊)による脱法行為247
4 国(自衛隊)と隊友会の共生関係248
5 まとめ249
第4部 政教分離の重要問題
第9章 政教分離と象徴天皇制─納税者訴訟から考える─253
1 問題の所在─大阪「即位の礼・大嘗祭」違憲訴訟の提起─253
2 納税者訴訟の意義257
3 政教分離と靖国訴訟260
4 政教分離と天皇訴訟262
(1)大分県「抜穂の儀」違憲訴訟 262
(2)鹿児島県「大嘗祭」違憲訴訟 267
(3)東京都「即位の礼・大嘗祭」違憲訴訟 270
(4)神奈川県「即位の礼・大嘗祭」違憲訴訟 272
5 結 語273
第10章 政教分離と良心的兵役拒否277
1 問題の所在277
2 良心的兵役拒否の生成と展開279
(1)CO(Conscientious Objection)の今日的定義 279
(2)CO(Conscientious Objection)免除法制史の背景 280
3 宗教の自由と兵役拒否282
(1)一般的兵役拒否とシーガー判決 282
(2)選択的兵役拒否と修正1条の宗教条項 284
(3)政治的兵役拒否 288
4 選択的兵役拒否と憲法上の根拠289
5 結 語292
第11章 政教分離と信教の自由の相克
─「エホバの証人」剣道授業拒否事件と「イスラーム教」
スカーフ事件をめぐって─295
1 問題の所在295
2 信教の自由と政教分離の関係298
3 信教の自由と政教分離の相克299
(1)「エホバの証人」剣道授業拒否事件 299
(2)「イムラーム教」スカーフ事件 299
本書で参考にした初出文献一覧309
参考文献一覧311