刑法各論講義 第5版
松宮孝明 著
定価:3,850円(税込)-
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発行:
2018年08月01日
-
判型:
A5判 -
ページ数:
558頁 -
ISBN:
978-4-7923-5252-3
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内容紹介
目 次
第5版はしがき
参考文献
第1部 序 論
Lesson1「刑法各論」とは何か? 3
§1 刑法各論の意義と課題 3
1 泥棒に殺人罪を適用しないために (3)
2 「各論」の意味と射程 (4)
3 「法益」の意味 (4)
4 「各論」学習の方法 (5)
§2 刑法各論の「体系」 6
1 「法益」による分類 (6)
2 「静的状態」の保護と「動的自由」の保護 (6)
3 検討の順序 (7)
第2部 個人法益に対する罪(1)
─「ヒト」の生命・身体に対する罪─
Lesson2「人」の「始期」と「終期」 11
§1 「人」の「始期」 11
1 その意義 (11)
2 一部露出説と全部露出説 (12)
3 母体外での生育可能性と「人」 (14)
4 胎児傷害 (15)
§2 「人」の「終期」 16
1 その意義 (16)
2 「三徴候説」と「脳死説」 (17)
3 「(全)脳死」の意味 (18)
§3 残された問題─受精卵および胚の保護─ 19
1 受精卵および胚の法的地位 (19)
2 立法の必要性 (21)
Lesson3 殺人の罪 24
§1 総 説 24
1 殺人の罪の分類 (24)
2 不特定・多数人に対する大量殺人との関係 (24)
§2 尊属殺人罪(旧200条) 25
1 最高裁による違憲判決 (25)
2 尊属犯罪一般の削除 (26)
§3 自殺関与・同意殺人 26
1 自殺(未遂)不処罰の根拠と自殺関与の着手時期 (26)
2 自殺と他殺の区別 (28)
3 同意殺人罪 (30)
4 詐欺または脅迫によって同意が得られた場合 (30)
5 同意に関する行為者の錯誤 (31)
6 安楽死・尊厳死と自殺関与・同意殺人 (32)
§4 殺人予備罪 33
Lesson4 傷害の罪 36
§1 総 説 36
§2 傷害罪 36
1 傷害罪の客体 (37)
2 行為と結果 (37)
3 傷害罪の故意 (39)
4 傷害罪と被害者の同意 (39)
§3 傷害致死罪 41
1 結果的加重犯 (41)
2 結果的加重犯と危険性説 (41)
§4 傷害現場助勢罪 42
§5 同時傷害の特例 43
1 本規定の意味 (43)
2 本規定適用の要件 (44)
3 本規定の適用範囲 (44)
§6 暴行罪 45
1 暴行の概念 (46)
2 「暴行」の多様性 (46)
3 本罪の故意 (47)
§7 凶器準備集合罪・同結集罪 47
1 本罪の性格 (47)
2 共同加害目的 (48)
3 「凶器」 (49)
4 罪数関係 (50)
Lesson6 過失傷害の罪 52
§1 総 説 52
§2 過失傷害罪、過失致死罪 52
§3 業務上過失致死傷罪 53
1 「業務上過失」の定義 (53)
2 重い法定刑の根拠 (54)
§4 重過失致死傷罪 55
§5 危険運転致死傷罪 56
1 立法の特色 (56)
2 行為類型 (58)
3 共犯と罪数 (59)
4 準危険運転致死傷罪 (60)
§6 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪 61
§7 過失運転致死傷罪 62
Lesson6 堕胎の罪 66
§1 総 説 66
1 その本質と保護法益 (66)
2 堕胎行為 (66)
3 母体保護法との関係 (68)
4 立法問題 (68)
§2 各犯罪類型 69
1 自己堕胎罪 (69)
2 同意堕胎罪・同致死傷罪 (70)
3 業務上堕胎罪・同致死傷罪 (70)
4 自己堕胎罪と同意堕胎罪・業務上堕胎罪との共犯関係 (71)
5 不同意堕胎罪・同致死傷罪 (72)
Lesson7 遺棄の罪 75
§1 総 説 75
1 その性格と保護法益 (75)
2 遺棄の客体 (76)
3 「遺棄」の意味 (76)
§2 各犯罪類型 79
1 遺棄罪 (79)
2 保護責任者遺棄罪 (79)
3 遺棄致死傷罪 (81)
第3部 個人法益に対する罪(2)─自由に対する罪─
Lesson8 逮捕および監禁の罪─自由に対する罪① ─ 87
§1 総 説 87
§2 逮捕・監禁罪 88
1 逮捕と監禁の区別 (88)
2 本罪の客体と保護法益 (88)
3 逮捕・監禁行為 (90)
4 「不法に」 (91)
5 逮捕・監禁罪は「継続犯」 (91)
§3 逮捕・監禁致死傷罪 92
1 逮捕・監禁致死傷罪の性格 (92)
2 死傷結果 (92)
Lesson9 脅迫の罪─自由に対する罪② ─ 94
§1 総 説 94
1 その性格と保護法益 (94)
2 「脅迫」の意味 (95)
§2 脅迫罪 96
1 脅迫行為 (96)
2 故 意 (97)
§3 強要罪 97
1 強要行為 (97)
2 未遂─着手時期─ (98)
3 他罪との関係 (98)
§4 特別法の規定 98
1 人質をとっての強要 (98)
2 集団的脅迫等 (99)
Lesson10 略取、誘拐および人身売買の罪
─自由に対する罪③ ─ 101
§1 総 説 101
1 略取、誘拐および人身売買の罪の構成 (101)
2 本罪の性格と保護法益 (103)
§2 未成年者拐取罪 104
1 行 為 (104)
2 被害者の同意 (105)
3 親告罪 (105)
4 他の拐取罪との関係 (105)
§3 営利目的拐取罪 105
1 営利、わいせつ、結婚または生命もしくは身体に対する加害の目的 (105)
2 甘言と成人被拐取者の同意 (107)
§4 身の代金目的略取罪・要求罪 107
1 本罪の性格と構成 (107)
2 身の代金要求罪 (108)
§5 所在国外移送目的拐取罪・人身売買罪・被略取者等所在国外移送罪 110
§6 被略取者引渡し罪 111
Lesson11 強制わいせつ、強制性交等の罪
─自由に対する罪④ ─ 115
§1 総 説 115
§2 強制わいせつ罪 116
1 本条の趣旨 (116)
2 暴行・脅迫 (117)
3 「わいせつな行為」の意味─本罪は「傾向犯」か?─ (118)
§3 強制性交等罪 120
1 主体と客体 (120)
2 行 為 (121)
3 他罪との関係 (122)
§4 準強制わいせつ及び準強制性交等罪 123
§5 監護者わいせつ及び監護者性交等罪 123
§6 親告罪規定の削除 124
§7 強制わいせつ等による致死傷罪 124
1 本罪の性格 (124)
2 加重結果について故意があるとき (125)
§8 淫行勧誘罪 126
1 本罪の性格 (126)
2 「営利の目的」と「淫行の常習」 (127)
Lesson12 住居を侵す罪─自由に対する罪⑤ ─ 129
§1 総 説 129
1 その構成 (129)
2 本罪の性格と保護法益 (129)
3 公共空間と「侵入」 (131)
4 多元的保護法益論 (133)
§2 住居侵入罪 134
1 行為の客体 (134)
2 「侵入」と居住者の同意 (136)
§3 不退去罪 138
1 退去の要求 (138)
2 不退去行為 (138)
第4部 個人法益に対する罪(3)─人格的法益に対する罪─
Lesson13 秘密に対する罪─人格的法益に対する罪① ─ 145
§1 総 説 145
§2 信書開封罪 145
1 保護法益 (145)
2 成立要件 (146)
3 親告罪 (146)
§3 秘密漏示罪 147
1 行為主体 (147)
2 「人の秘密」 (148)
3 漏示行為 (148)
4 共 犯 (149)
5 罪 数 (149)
Lesson14 名誉に対する罪─人格的法益に対する罪② ─ 151
§1 総 説 151
1 名誉の意味 (151)
2 名誉毀損罪と侮辱罪の区別 (153)
§2 名誉毀損罪 153
1 1947(昭和22)年の改正 (153)
2 「事実の摘示」 (154)
3 「人の名誉」 (155)
4 公然性 (155)
5 罪 数 (156)
§3 事実の証明 156
1 その趣旨 (157)
2 「公共の利害に関する事実」 (157)
3 目的の公益性 (158)
4 ふたつのみなし規定 (158)
5 真実性の証明 (159)
6 証明の効果 (160)
7 真実証明の法的性質と証明に失敗した場合の効果 (160)
8 摘示事実を真実だと信じていた場合の扱い (165)
§4 その他の一般的正当行為 167
§5 死者の名誉毀損 167
1 保護法益 (168)
2 行 為 (168)
§6 侮辱罪 168
1 成立要件 (168)
2 共 犯 (168)
3 罪 数 (169)
第5部 個人法益に対する罪(4)─経営基盤を脅かす罪─
Lesson15 信用・業務に対する罪 173
§1 総 説 173
1 経営基盤を脅かす罪 (173)
2 「自由に対する罪」と「社会的評価に対する罪」への分裂 (174)
3 電子計算機損壊等業務妨害罪の追加 (174)
§2 信用毀損罪 175
1 「信用」 (175)
2 「虚偽の風説の流布」と「偽計」 (176)
3 信用毀損罪の結果 (176)
§3 業務妨害罪 177
1 「業務」概念 (177)
2 「公務」も「業務」か? (178)
3 「虚偽の風説の流布」と「偽計」 (180)
4 「威力」 (180)
5 業務妨害罪の「結果」 (180)
§4 電子計算機損壊等業務妨害罪 181
1 本条の趣旨 (181)
2 「電子計算機」 (182)
第6部 個人法益に対する罪(5)─財産権に対する罪─
Lesson16 財産権に対する罪(財産犯)総論 185
§1 総 説 185
1 財産権のもつ二面性 (185)
2 財産犯の分類と体系 (186)
3 あらたな財産権の保護領域─知的財産権─ (188)
4 刑法による財産権保護と「法秩序の統一性」 (188)
5 財産犯総論であつかう諸問題 (190)
§2 財産犯の客体 190
1 「財物」ないし「物」の意味 (190)
2 「財産上不法の利益」 (193)
§3 財物罪の保護法益 197
1 本権説と所持説 (197)
2 所有権に対する罪か財産権一般に対する罪か? (202)
Lesson17 窃盗の罪─財産権に対する罪① ─ 205
§1 総 説 205
§2 窃盗罪 206
1 財物の「占有」 (206)
2 窃取行為 (211)
3 「不法領得の意思」 (213)
§3 不動産侵奪罪 218
1 不動産の「侵奪」 (218)
2 「不法領得の意思」 (219)
§4 自己の財物に関する特例 219
1 本規定の趣旨 (219)
2 本権説と所持説の対立 (220)
3 自己所有物と「不法領得の意思」 (220)
§5 親族相盗例 220
1 規定の趣旨 (221)
2 親族関係 (222)
Lesson18 強盗の罪─財産権に対する罪② ─ 225
§1 総 説 225
1 強盗の罪の種類 (225)
2 保護法益 (226)
§2 財物強盗罪 226
1 客 体 (226)
2 暴行・脅迫 (226)
3 強 取 (228)
4 未遂と既遂 (228)
§3 利益強盗罪 229
1 客 体 (229)
2 利 得 (229)
§4 強盗予備罪 231
§5 事後強盗罪 232
1 その性格 (232)
2 窃盗行為と暴行・脅迫との時間的・場所的間隔 (237)
3 本罪の未遂・既遂 (237)
§6 昏酔強盗罪 238
§7 強盗致死傷罪 239
1 本罪の性格 (239)
2 強盗致傷・強盗傷害罪 (240)
3 強盗致死・強盗殺人罪 (240)
4 基本犯と加重結果との関係 (241)
§8 強盗・強制性交等罪及び同致死罪 242
1 本罪の性格 (242)
2 死亡結果について故意がある場合 (243)
3 致傷の場合 (244)
Lesson19 詐欺・恐喝の罪─財産権に対する罪③ ─ 249
§1 総 説 249
1 詐欺罪の性格と保護法益 (249)
2 国家機関を相手方とする詐欺罪 (250)
3 詐欺罪等の客体 (253)
§2 詐欺罪 253
1 詐欺罪の構造 (253)
2 欺罔行為 (254)
3 利得目的 (255)
4 財物の交付 (257)
5 被欺罔者、処分行為者、被害者の関係 (258)
6 不動産の移転時期 (260)
7 財産上の利益 (262)
8 処分行為 (263)
9 損害の発生 (265)
10 不法原因給付と詐欺罪 (267)
11 処分行為と損害および利得の直接性 (268)
12 罪 数 (269)
§3 電子計算機使用詐欺罪 269
1 本条の趣旨 (270)
2 保護法益 (270)
3 客 体 (270)
4 行 為 (270)
5 本罪の未遂・既遂 (271)
§4 準詐欺罪 272
1 本罪の性格 (272)
2 本罪の成立要件 (272)
§5 恐喝罪 273
1 本罪の性格 (273)
2 脅迫の範囲 (273)
3 権利行使と恐喝罪(ないし詐欺罪) (273)
Lesson20 横領の罪─財産権に対する罪④ ─ 278
§1 総 説 278
1 横領の罪の種類 (278)
2 横領の罪の性格 (278)
3 保護法益 (280)
§2 委託物横領罪 280
1 主 体 (281)
2 客 体 (281)
3 委託関係 (282)
4 他人の物 (282)
5 不法原因給付と横領 (285)
6 盗品等の横領 (286)
7 横領行為 (287)
8 「不法領得の意思」の窃盗罪への接近 (288)
9 未遂と既遂 (289)
§3 業務上横領罪 290
1 本条の趣旨 (290)
2 「業務」の意味 (290)
§4 遺失物等横領罪 290
1 本条の趣旨 (291)
2 客 体 (291)
3 横領行為 (292)
§5 横領罪の共犯、罪数 292
1 共犯関係 (292)
2 罪数、他の罪との関係 (293)
§6 親族間の犯罪に関する特例 293
1 趣 旨 (293)
2 親族の意義 (293)
3 親族関係を要する範囲 (294)
Lesson21 背任の罪─財産権に対する罪⑤ ─ 296
§1 総 説 296
§2 背任罪の本質 297
1 権限濫用説と背信説 (297)
2 事務処理違反説 (298)
§3 背任罪の成立要件 298
1 背任罪の主体─事務処理者─ (298)
2 背任行為 (300)
3 財産上の損害 (301)
4 利得・加害の目的 (301)
5 背任罪の共犯 (302)
§4 背任と委託物横領の関係 303
1 具体例 (303)
2 諸学説 (304)
3 結 論 (304)
Lesson22 盗品等に関する罪─財産権に対する罪⑥ ─ 307
§1 盗品罪の種類と性格 307
1 盗品罪の種類 (307)
2 本罪の性格 (308)
§2 盗品罪の本質 308
1 「追求権説」と「違法状態維持説」 (308)
2 「盗品等」の意味 (309)
§3 本罪の主観的要件 312
1 盗品性の認識 (312)
2 不法領得の意思 (312)
3 本犯者との「合意」の要否 (313)
§4 共犯と罪数 313
1 本犯と盗品罪 (313)
2 盗品罪相互の関係 (313)
§5 親族等の間の犯罪に関する特例 314
1 本条の趣旨 (314)
2 誰との間に親族関係があれば適用されるのか? (315)
Lesson23 毀棄および隠匿の罪─財産権に対する罪⑦ ─ 318
§1 現行法の構成 318
§2 各犯罪類型 319
1 公用文書毀棄罪 (319)
2 私用文書毀棄罪 (320)
3 建造物等損壊罪・同致死傷罪 (321)
4 器物損壊罪 (323)
5 自己の物の損壊等 (325)
6 境界損壊罪 (325)
7 信書隠匿罪 (326)
第7部 社会法益に対する罪
Lesson24 社会法益に対する罪・総説 331
§1 社会法益の意義 331
§2 社会法益に対する罪の分類 331
1 公共危険犯、偽造の罪、風俗犯 (331)
2 あへん煙に関する罪と飲料水に関する罪 (332)
Lesson25公共の安全に対する罪①
─公共危険犯・総説、騒乱の罪─ 335
§1 公共危険犯・総説 335
1 騒乱の罪の位置づけ (335)
2 抽象的危険犯と具体的危険犯 (335)
§2 騒乱の罪の構成 336
1 その構成 (336)
2 保護法益 (337)
§3 騒乱罪 337
1 主 体 (337)
2 行 為 (337)
3 主観的要件─「共同暴行の意思」─ (338)
4 共犯、罪数 (340)
§4 多衆不解散罪 340
Lesson26 公共の安全に対する罪②
─放火および失火の罪、出水および水利に関する罪─ 343
§1 放火および失火の罪・総説 343
1 放火罪の諸類型 (343) 2 放火罪の保護法益 (345)
§2 放火罪の基本的諸問題 345
1 抽象的危険犯と具体的危険犯 (345)
2 「焼損」概念 (345)
3 罪 数 (347)
4 現住性と非現住性 (348)
5 被害者の同意 (348)
§3 放火罪の各犯罪類型 348
1 現住建造物等放火罪 (348)
2 非現住建造物等放火罪 (349)
3 建造物等以外放火罪 (351)
4 延焼罪 (353)
5 消火妨害罪 (353)
6 激発物破裂罪 (354)
7 ガス等漏出罪 (354)
8 失火罪、業務上失火・重失火罪等 (355)
§4 出水および水利に関する罪 356
1 出水および水利に関する罪 (356)
2 出水罪 (356)
3 水利妨害罪 (357)
Lesson27 公共の安全に対する罪③ ─往来を妨害する罪─ 359
§1 総 説 359
§2 各犯罪類型 359
1 往来妨害罪・同致死傷罪 (359)
2 往来危険罪・過失往来危険罪 (360)
3 汽車等転覆・破壊罪・同致死傷罪 (362)
4 往来危険による汽車転覆罪 (364)
Lesson28 公衆の健康に対する罪 368
§1 総 説 368
§2 あへん煙に関する罪 368
1 あへん煙輸入罪 (369)
2 あへん煙吸食器具輸入罪 (369)
3 税関職員によるあへん煙輸入罪 (369)
4 あへん煙吸食罪・場所提供罪 (370)
5 あへん煙等所持罪 (370)
§3 飲料水に関する罪 371
1 浄水汚染罪 (371)
2 水道汚染罪 (371)
3 浄水毒物等混入罪 (372)
4 浄水汚染等致死傷罪 (372)
5 水道毒物等混入罪・同致死罪 (372)
6 水道損壊・閉塞罪 (373)
Lesson29 公共の信用に対する罪①
─偽造罪総説、文書偽造の罪─ 376
§1 総 説 376
1 各種偽造罪の犯罪類型 (376)
2 保護法益 (377)
§2 文書偽造の罪に関する共通問題 378
1 「偽造」の定義─形式主義と実質主義─ (378)
2 「文書」の概念 (380)
3 作成者 (381)
4 (作成)名義人 (382)
5 代理・代表名義の冒用 (383)
6 肩書き詐称・資格冒用 (385)
7 虚無人名義と通称使用 (386)
8 虚偽文書の作成(無形偽造) (388)
9 有形偽造の「間接正犯」 (389)
10 変 造 (389)
11 「行使」および「行使の目的」 (390)
§3 詔書偽造罪・公文書偽造罪・同行使罪 390
1 詔書偽造罪 (391)
2 公文書偽造罪 (391)
3 補助公務員 (392)
§4 虚偽公文書作成罪・公正証書原本等不実記載罪 392
1 虚偽公文書作成罪 (393)
2 「間接無形偽造」 (393)
3 公正証書原本等不実記載罪 (394)
§5 私文書偽造罪・虚偽診断書作成罪・同行使罪 394
1 私文書偽造罪 (395)
2 名義冒用の「同意」? (396)
3 虚偽診断書作成罪 (396)
§6 電磁的記録不正作出罪・不正電磁的記録供用罪 396
1 総 説 (396)
2 電磁的記録不正作出・供用罪 (397)
3 公的電磁的記録不正作出罪 (398)
4 不正電磁的記録供用罪 (398)
Lesson30 公共の信用に対する罪② ─その他の偽造罪─ 400
§1 通貨偽造の罪 400
1 保護法益 (400)
2 本罪の諸類型 (401)
3 通貨偽造罪・偽造通貨行使罪 (401)
4 偽造通貨収得罪・収得後知情行使罪・通貨偽造等準備罪 (403)
§2 有価証券偽造の罪 406
1 保護法益 (406)
2 「有価証券」 (406)
3 有価証券偽造罪 (407)
4 偽造有価証券行使罪 (407)
§3 支払用カード電磁的記録に関する罪 409
1 保護法益 (409)
2 本罪の諸類型 (410)
§4 印章偽造の罪 412
1 保護法益 (412)
2 本罪の諸類型 (413)
§5 不正指令電磁的記録に関する罪 415
Lesson31 風俗に対する罪 417
§1 総 説 417
1 「風俗犯」の分類 (417)
2 「風俗」という保護法益 (417)
§2 わいせつの罪 418
1 総 説 (418)
2 公然わいせつ罪・わいせつ物頒布罪 (419)
3 重婚罪 (423)
§3 賭博および富くじに関する罪 424
1 賭博罪・常習賭博罪・賭博場開張罪 (424)
2 富くじ罪 (426)
§4 礼拝所および墳墓に関する罪 426
1 総 説 (426)
2 死体損壊罪の保護法益 (427)
3 礼拝所不敬罪・説教妨害罪 (429)
4 墳墓発掘罪・死体損壊罪・墳墓発掘死体損壊罪 (429)
第8部 国家法益に対する罪
Lesson32 国家法益に対する罪・総説 435
§1 国家法益の意味 435
§2 国家法益に対する罪の分類 436
1 国家法益に対する罪の3分類 (436)
2 国家の作用に対する罪の分類 (437)
3 公務の執行を妨害する罪の中の「経済犯罪」 (437)
4 偽証の罪・虚偽告訴の罪の性格 (438)
5 汚職の罪の性格 (438)
Lesson33 国家の存立・国交に関する罪 441
§1 総 説 441
§2 内乱に関する罪 441
1 内乱罪 (442)
2 総則共犯規定の適否 (444)
3 内乱予備および陰謀 (444)
4 内乱幇助 (445)
§3 外患に関する罪 445
1 外患誘致罪 (445)
2 外患援助罪 (446)
3 外患予備および陰謀 (446)
§4 国交に関する罪 447
1 外国国章損壊罪 (447)
2 私戦予備および陰謀 (448)
3 中立命令違反罪 (448)
Lesson34 公務執行妨害の罪 450
§1 総 説 450
1 保護法益 (450)
2 「経済犯罪」の性格をもつもの (450)
§2 公務執行妨害罪・職務強要罪 451
1 本罪の意味 (451)
2 職務を執行するに「当たり」 (451)
3 職務執行の「適法性」 (452)
4 「適法性」に関する行為者側の錯誤 (456)
5 暴行・脅迫 (456)
6 職務強要罪 (457)
§3 その他の公務に対する罪 457
1 封印破棄罪・強制執行妨害目的財産損壊罪・強制執行行為妨害罪・強制執行関係売却妨害罪・加重封印等破棄罪 (458)
2 公契約関係競売等妨害罪・談合罪 (460)
Lesson35 司法作用に対する罪 464
§1 総 説 464
1 沿 革 (464)
2 保護法益 (464)
§2 逃走の罪 465
1 逃走の罪の分類 (465) 2 逃走罪・加重逃走罪 (466)
3 被拘禁者奪取罪 (467)
4 逃走援助罪・看守者等による逃走援助罪 (468)
§3 犯人蔵匿および証拠隠滅の罪 470
1 総 説 (470)
2 犯人蔵匿罪 (470)
3 証拠隠滅罪 (472)
4 証人威迫罪 (474)
5 蔵匿罪、隠滅罪をめぐる特殊問題 (475)
§4 偽証の罪 478
1 偽証罪 (478)
2 虚偽鑑定罪 (480)
§5 虚偽告訴の罪 480
Lesson36 汚職の罪 484
§1 総 説 484
§2 職権濫用の罪 484
1 その構成 (485)
2 公務員職権濫用罪 (485)
3 特別公務員職権濫用罪・同暴行陵虐罪 (487)
§3 賄賂の罪 489
1 賄賂罪の本質 (489)
2 賄賂罪の諸類型 (491)
3 「賄賂」の意味 (491)
4 「職務に関し」 (492)
5 (単純)収賄罪・受託収賄罪 (495)
6 事前収賄罪 (496)
7 第三者供賄罪 (497)
8 加重収賄罪 (497)
9 事後収賄罪 (498)
10 あっせん収賄罪 (498)
11 贈賄罪 (499)
12 没収・追徴 (500)
事項索引 505
判例索引 515
第5版はしがき
参考文献
第1部 序 論
Lesson1「刑法各論」とは何か? 3
§1 刑法各論の意義と課題 3
1 泥棒に殺人罪を適用しないために (3)
2 「各論」の意味と射程 (4)
3 「法益」の意味 (4)
4 「各論」学習の方法 (5)
§2 刑法各論の「体系」 6
1 「法益」による分類 (6)
2 「静的状態」の保護と「動的自由」の保護 (6)
3 検討の順序 (7)
第2部 個人法益に対する罪(1)
─「ヒト」の生命・身体に対する罪─
Lesson2「人」の「始期」と「終期」 11
§1 「人」の「始期」 11
1 その意義 (11)
2 一部露出説と全部露出説 (12)
3 母体外での生育可能性と「人」 (14)
4 胎児傷害 (15)
§2 「人」の「終期」 16
1 その意義 (16)
2 「三徴候説」と「脳死説」 (17)
3 「(全)脳死」の意味 (18)
§3 残された問題─受精卵および胚の保護─ 19
1 受精卵および胚の法的地位 (19)
2 立法の必要性 (21)
Lesson3 殺人の罪 24
§1 総 説 24
1 殺人の罪の分類 (24)
2 不特定・多数人に対する大量殺人との関係 (24)
§2 尊属殺人罪(旧200条) 25
1 最高裁による違憲判決 (25)
2 尊属犯罪一般の削除 (26)
§3 自殺関与・同意殺人 26
1 自殺(未遂)不処罰の根拠と自殺関与の着手時期 (26)
2 自殺と他殺の区別 (28)
3 同意殺人罪 (30)
4 詐欺または脅迫によって同意が得られた場合 (30)
5 同意に関する行為者の錯誤 (31)
6 安楽死・尊厳死と自殺関与・同意殺人 (32)
§4 殺人予備罪 33
Lesson4 傷害の罪 36
§1 総 説 36
§2 傷害罪 36
1 傷害罪の客体 (37)
2 行為と結果 (37)
3 傷害罪の故意 (39)
4 傷害罪と被害者の同意 (39)
§3 傷害致死罪 41
1 結果的加重犯 (41)
2 結果的加重犯と危険性説 (41)
§4 傷害現場助勢罪 42
§5 同時傷害の特例 43
1 本規定の意味 (43)
2 本規定適用の要件 (44)
3 本規定の適用範囲 (44)
§6 暴行罪 45
1 暴行の概念 (46)
2 「暴行」の多様性 (46)
3 本罪の故意 (47)
§7 凶器準備集合罪・同結集罪 47
1 本罪の性格 (47)
2 共同加害目的 (48)
3 「凶器」 (49)
4 罪数関係 (50)
Lesson6 過失傷害の罪 52
§1 総 説 52
§2 過失傷害罪、過失致死罪 52
§3 業務上過失致死傷罪 53
1 「業務上過失」の定義 (53)
2 重い法定刑の根拠 (54)
§4 重過失致死傷罪 55
§5 危険運転致死傷罪 56
1 立法の特色 (56)
2 行為類型 (58)
3 共犯と罪数 (59)
4 準危険運転致死傷罪 (60)
§6 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪 61
§7 過失運転致死傷罪 62
Lesson6 堕胎の罪 66
§1 総 説 66
1 その本質と保護法益 (66)
2 堕胎行為 (66)
3 母体保護法との関係 (68)
4 立法問題 (68)
§2 各犯罪類型 69
1 自己堕胎罪 (69)
2 同意堕胎罪・同致死傷罪 (70)
3 業務上堕胎罪・同致死傷罪 (70)
4 自己堕胎罪と同意堕胎罪・業務上堕胎罪との共犯関係 (71)
5 不同意堕胎罪・同致死傷罪 (72)
Lesson7 遺棄の罪 75
§1 総 説 75
1 その性格と保護法益 (75)
2 遺棄の客体 (76)
3 「遺棄」の意味 (76)
§2 各犯罪類型 79
1 遺棄罪 (79)
2 保護責任者遺棄罪 (79)
3 遺棄致死傷罪 (81)
第3部 個人法益に対する罪(2)─自由に対する罪─
Lesson8 逮捕および監禁の罪─自由に対する罪① ─ 87
§1 総 説 87
§2 逮捕・監禁罪 88
1 逮捕と監禁の区別 (88)
2 本罪の客体と保護法益 (88)
3 逮捕・監禁行為 (90)
4 「不法に」 (91)
5 逮捕・監禁罪は「継続犯」 (91)
§3 逮捕・監禁致死傷罪 92
1 逮捕・監禁致死傷罪の性格 (92)
2 死傷結果 (92)
Lesson9 脅迫の罪─自由に対する罪② ─ 94
§1 総 説 94
1 その性格と保護法益 (94)
2 「脅迫」の意味 (95)
§2 脅迫罪 96
1 脅迫行為 (96)
2 故 意 (97)
§3 強要罪 97
1 強要行為 (97)
2 未遂─着手時期─ (98)
3 他罪との関係 (98)
§4 特別法の規定 98
1 人質をとっての強要 (98)
2 集団的脅迫等 (99)
Lesson10 略取、誘拐および人身売買の罪
─自由に対する罪③ ─ 101
§1 総 説 101
1 略取、誘拐および人身売買の罪の構成 (101)
2 本罪の性格と保護法益 (103)
§2 未成年者拐取罪 104
1 行 為 (104)
2 被害者の同意 (105)
3 親告罪 (105)
4 他の拐取罪との関係 (105)
§3 営利目的拐取罪 105
1 営利、わいせつ、結婚または生命もしくは身体に対する加害の目的 (105)
2 甘言と成人被拐取者の同意 (107)
§4 身の代金目的略取罪・要求罪 107
1 本罪の性格と構成 (107)
2 身の代金要求罪 (108)
§5 所在国外移送目的拐取罪・人身売買罪・被略取者等所在国外移送罪 110
§6 被略取者引渡し罪 111
Lesson11 強制わいせつ、強制性交等の罪
─自由に対する罪④ ─ 115
§1 総 説 115
§2 強制わいせつ罪 116
1 本条の趣旨 (116)
2 暴行・脅迫 (117)
3 「わいせつな行為」の意味─本罪は「傾向犯」か?─ (118)
§3 強制性交等罪 120
1 主体と客体 (120)
2 行 為 (121)
3 他罪との関係 (122)
§4 準強制わいせつ及び準強制性交等罪 123
§5 監護者わいせつ及び監護者性交等罪 123
§6 親告罪規定の削除 124
§7 強制わいせつ等による致死傷罪 124
1 本罪の性格 (124)
2 加重結果について故意があるとき (125)
§8 淫行勧誘罪 126
1 本罪の性格 (126)
2 「営利の目的」と「淫行の常習」 (127)
Lesson12 住居を侵す罪─自由に対する罪⑤ ─ 129
§1 総 説 129
1 その構成 (129)
2 本罪の性格と保護法益 (129)
3 公共空間と「侵入」 (131)
4 多元的保護法益論 (133)
§2 住居侵入罪 134
1 行為の客体 (134)
2 「侵入」と居住者の同意 (136)
§3 不退去罪 138
1 退去の要求 (138)
2 不退去行為 (138)
第4部 個人法益に対する罪(3)─人格的法益に対する罪─
Lesson13 秘密に対する罪─人格的法益に対する罪① ─ 145
§1 総 説 145
§2 信書開封罪 145
1 保護法益 (145)
2 成立要件 (146)
3 親告罪 (146)
§3 秘密漏示罪 147
1 行為主体 (147)
2 「人の秘密」 (148)
3 漏示行為 (148)
4 共 犯 (149)
5 罪 数 (149)
Lesson14 名誉に対する罪─人格的法益に対する罪② ─ 151
§1 総 説 151
1 名誉の意味 (151)
2 名誉毀損罪と侮辱罪の区別 (153)
§2 名誉毀損罪 153
1 1947(昭和22)年の改正 (153)
2 「事実の摘示」 (154)
3 「人の名誉」 (155)
4 公然性 (155)
5 罪 数 (156)
§3 事実の証明 156
1 その趣旨 (157)
2 「公共の利害に関する事実」 (157)
3 目的の公益性 (158)
4 ふたつのみなし規定 (158)
5 真実性の証明 (159)
6 証明の効果 (160)
7 真実証明の法的性質と証明に失敗した場合の効果 (160)
8 摘示事実を真実だと信じていた場合の扱い (165)
§4 その他の一般的正当行為 167
§5 死者の名誉毀損 167
1 保護法益 (168)
2 行 為 (168)
§6 侮辱罪 168
1 成立要件 (168)
2 共 犯 (168)
3 罪 数 (169)
第5部 個人法益に対する罪(4)─経営基盤を脅かす罪─
Lesson15 信用・業務に対する罪 173
§1 総 説 173
1 経営基盤を脅かす罪 (173)
2 「自由に対する罪」と「社会的評価に対する罪」への分裂 (174)
3 電子計算機損壊等業務妨害罪の追加 (174)
§2 信用毀損罪 175
1 「信用」 (175)
2 「虚偽の風説の流布」と「偽計」 (176)
3 信用毀損罪の結果 (176)
§3 業務妨害罪 177
1 「業務」概念 (177)
2 「公務」も「業務」か? (178)
3 「虚偽の風説の流布」と「偽計」 (180)
4 「威力」 (180)
5 業務妨害罪の「結果」 (180)
§4 電子計算機損壊等業務妨害罪 181
1 本条の趣旨 (181)
2 「電子計算機」 (182)
第6部 個人法益に対する罪(5)─財産権に対する罪─
Lesson16 財産権に対する罪(財産犯)総論 185
§1 総 説 185
1 財産権のもつ二面性 (185)
2 財産犯の分類と体系 (186)
3 あらたな財産権の保護領域─知的財産権─ (188)
4 刑法による財産権保護と「法秩序の統一性」 (188)
5 財産犯総論であつかう諸問題 (190)
§2 財産犯の客体 190
1 「財物」ないし「物」の意味 (190)
2 「財産上不法の利益」 (193)
§3 財物罪の保護法益 197
1 本権説と所持説 (197)
2 所有権に対する罪か財産権一般に対する罪か? (202)
Lesson17 窃盗の罪─財産権に対する罪① ─ 205
§1 総 説 205
§2 窃盗罪 206
1 財物の「占有」 (206)
2 窃取行為 (211)
3 「不法領得の意思」 (213)
§3 不動産侵奪罪 218
1 不動産の「侵奪」 (218)
2 「不法領得の意思」 (219)
§4 自己の財物に関する特例 219
1 本規定の趣旨 (219)
2 本権説と所持説の対立 (220)
3 自己所有物と「不法領得の意思」 (220)
§5 親族相盗例 220
1 規定の趣旨 (221)
2 親族関係 (222)
Lesson18 強盗の罪─財産権に対する罪② ─ 225
§1 総 説 225
1 強盗の罪の種類 (225)
2 保護法益 (226)
§2 財物強盗罪 226
1 客 体 (226)
2 暴行・脅迫 (226)
3 強 取 (228)
4 未遂と既遂 (228)
§3 利益強盗罪 229
1 客 体 (229)
2 利 得 (229)
§4 強盗予備罪 231
§5 事後強盗罪 232
1 その性格 (232)
2 窃盗行為と暴行・脅迫との時間的・場所的間隔 (237)
3 本罪の未遂・既遂 (237)
§6 昏酔強盗罪 238
§7 強盗致死傷罪 239
1 本罪の性格 (239)
2 強盗致傷・強盗傷害罪 (240)
3 強盗致死・強盗殺人罪 (240)
4 基本犯と加重結果との関係 (241)
§8 強盗・強制性交等罪及び同致死罪 242
1 本罪の性格 (242)
2 死亡結果について故意がある場合 (243)
3 致傷の場合 (244)
Lesson19 詐欺・恐喝の罪─財産権に対する罪③ ─ 249
§1 総 説 249
1 詐欺罪の性格と保護法益 (249)
2 国家機関を相手方とする詐欺罪 (250)
3 詐欺罪等の客体 (253)
§2 詐欺罪 253
1 詐欺罪の構造 (253)
2 欺罔行為 (254)
3 利得目的 (255)
4 財物の交付 (257)
5 被欺罔者、処分行為者、被害者の関係 (258)
6 不動産の移転時期 (260)
7 財産上の利益 (262)
8 処分行為 (263)
9 損害の発生 (265)
10 不法原因給付と詐欺罪 (267)
11 処分行為と損害および利得の直接性 (268)
12 罪 数 (269)
§3 電子計算機使用詐欺罪 269
1 本条の趣旨 (270)
2 保護法益 (270)
3 客 体 (270)
4 行 為 (270)
5 本罪の未遂・既遂 (271)
§4 準詐欺罪 272
1 本罪の性格 (272)
2 本罪の成立要件 (272)
§5 恐喝罪 273
1 本罪の性格 (273)
2 脅迫の範囲 (273)
3 権利行使と恐喝罪(ないし詐欺罪) (273)
Lesson20 横領の罪─財産権に対する罪④ ─ 278
§1 総 説 278
1 横領の罪の種類 (278)
2 横領の罪の性格 (278)
3 保護法益 (280)
§2 委託物横領罪 280
1 主 体 (281)
2 客 体 (281)
3 委託関係 (282)
4 他人の物 (282)
5 不法原因給付と横領 (285)
6 盗品等の横領 (286)
7 横領行為 (287)
8 「不法領得の意思」の窃盗罪への接近 (288)
9 未遂と既遂 (289)
§3 業務上横領罪 290
1 本条の趣旨 (290)
2 「業務」の意味 (290)
§4 遺失物等横領罪 290
1 本条の趣旨 (291)
2 客 体 (291)
3 横領行為 (292)
§5 横領罪の共犯、罪数 292
1 共犯関係 (292)
2 罪数、他の罪との関係 (293)
§6 親族間の犯罪に関する特例 293
1 趣 旨 (293)
2 親族の意義 (293)
3 親族関係を要する範囲 (294)
Lesson21 背任の罪─財産権に対する罪⑤ ─ 296
§1 総 説 296
§2 背任罪の本質 297
1 権限濫用説と背信説 (297)
2 事務処理違反説 (298)
§3 背任罪の成立要件 298
1 背任罪の主体─事務処理者─ (298)
2 背任行為 (300)
3 財産上の損害 (301)
4 利得・加害の目的 (301)
5 背任罪の共犯 (302)
§4 背任と委託物横領の関係 303
1 具体例 (303)
2 諸学説 (304)
3 結 論 (304)
Lesson22 盗品等に関する罪─財産権に対する罪⑥ ─ 307
§1 盗品罪の種類と性格 307
1 盗品罪の種類 (307)
2 本罪の性格 (308)
§2 盗品罪の本質 308
1 「追求権説」と「違法状態維持説」 (308)
2 「盗品等」の意味 (309)
§3 本罪の主観的要件 312
1 盗品性の認識 (312)
2 不法領得の意思 (312)
3 本犯者との「合意」の要否 (313)
§4 共犯と罪数 313
1 本犯と盗品罪 (313)
2 盗品罪相互の関係 (313)
§5 親族等の間の犯罪に関する特例 314
1 本条の趣旨 (314)
2 誰との間に親族関係があれば適用されるのか? (315)
Lesson23 毀棄および隠匿の罪─財産権に対する罪⑦ ─ 318
§1 現行法の構成 318
§2 各犯罪類型 319
1 公用文書毀棄罪 (319)
2 私用文書毀棄罪 (320)
3 建造物等損壊罪・同致死傷罪 (321)
4 器物損壊罪 (323)
5 自己の物の損壊等 (325)
6 境界損壊罪 (325)
7 信書隠匿罪 (326)
第7部 社会法益に対する罪
Lesson24 社会法益に対する罪・総説 331
§1 社会法益の意義 331
§2 社会法益に対する罪の分類 331
1 公共危険犯、偽造の罪、風俗犯 (331)
2 あへん煙に関する罪と飲料水に関する罪 (332)
Lesson25公共の安全に対する罪①
─公共危険犯・総説、騒乱の罪─ 335
§1 公共危険犯・総説 335
1 騒乱の罪の位置づけ (335)
2 抽象的危険犯と具体的危険犯 (335)
§2 騒乱の罪の構成 336
1 その構成 (336)
2 保護法益 (337)
§3 騒乱罪 337
1 主 体 (337)
2 行 為 (337)
3 主観的要件─「共同暴行の意思」─ (338)
4 共犯、罪数 (340)
§4 多衆不解散罪 340
Lesson26 公共の安全に対する罪②
─放火および失火の罪、出水および水利に関する罪─ 343
§1 放火および失火の罪・総説 343
1 放火罪の諸類型 (343) 2 放火罪の保護法益 (345)
§2 放火罪の基本的諸問題 345
1 抽象的危険犯と具体的危険犯 (345)
2 「焼損」概念 (345)
3 罪 数 (347)
4 現住性と非現住性 (348)
5 被害者の同意 (348)
§3 放火罪の各犯罪類型 348
1 現住建造物等放火罪 (348)
2 非現住建造物等放火罪 (349)
3 建造物等以外放火罪 (351)
4 延焼罪 (353)
5 消火妨害罪 (353)
6 激発物破裂罪 (354)
7 ガス等漏出罪 (354)
8 失火罪、業務上失火・重失火罪等 (355)
§4 出水および水利に関する罪 356
1 出水および水利に関する罪 (356)
2 出水罪 (356)
3 水利妨害罪 (357)
Lesson27 公共の安全に対する罪③ ─往来を妨害する罪─ 359
§1 総 説 359
§2 各犯罪類型 359
1 往来妨害罪・同致死傷罪 (359)
2 往来危険罪・過失往来危険罪 (360)
3 汽車等転覆・破壊罪・同致死傷罪 (362)
4 往来危険による汽車転覆罪 (364)
Lesson28 公衆の健康に対する罪 368
§1 総 説 368
§2 あへん煙に関する罪 368
1 あへん煙輸入罪 (369)
2 あへん煙吸食器具輸入罪 (369)
3 税関職員によるあへん煙輸入罪 (369)
4 あへん煙吸食罪・場所提供罪 (370)
5 あへん煙等所持罪 (370)
§3 飲料水に関する罪 371
1 浄水汚染罪 (371)
2 水道汚染罪 (371)
3 浄水毒物等混入罪 (372)
4 浄水汚染等致死傷罪 (372)
5 水道毒物等混入罪・同致死罪 (372)
6 水道損壊・閉塞罪 (373)
Lesson29 公共の信用に対する罪①
─偽造罪総説、文書偽造の罪─ 376
§1 総 説 376
1 各種偽造罪の犯罪類型 (376)
2 保護法益 (377)
§2 文書偽造の罪に関する共通問題 378
1 「偽造」の定義─形式主義と実質主義─ (378)
2 「文書」の概念 (380)
3 作成者 (381)
4 (作成)名義人 (382)
5 代理・代表名義の冒用 (383)
6 肩書き詐称・資格冒用 (385)
7 虚無人名義と通称使用 (386)
8 虚偽文書の作成(無形偽造) (388)
9 有形偽造の「間接正犯」 (389)
10 変 造 (389)
11 「行使」および「行使の目的」 (390)
§3 詔書偽造罪・公文書偽造罪・同行使罪 390
1 詔書偽造罪 (391)
2 公文書偽造罪 (391)
3 補助公務員 (392)
§4 虚偽公文書作成罪・公正証書原本等不実記載罪 392
1 虚偽公文書作成罪 (393)
2 「間接無形偽造」 (393)
3 公正証書原本等不実記載罪 (394)
§5 私文書偽造罪・虚偽診断書作成罪・同行使罪 394
1 私文書偽造罪 (395)
2 名義冒用の「同意」? (396)
3 虚偽診断書作成罪 (396)
§6 電磁的記録不正作出罪・不正電磁的記録供用罪 396
1 総 説 (396)
2 電磁的記録不正作出・供用罪 (397)
3 公的電磁的記録不正作出罪 (398)
4 不正電磁的記録供用罪 (398)
Lesson30 公共の信用に対する罪② ─その他の偽造罪─ 400
§1 通貨偽造の罪 400
1 保護法益 (400)
2 本罪の諸類型 (401)
3 通貨偽造罪・偽造通貨行使罪 (401)
4 偽造通貨収得罪・収得後知情行使罪・通貨偽造等準備罪 (403)
§2 有価証券偽造の罪 406
1 保護法益 (406)
2 「有価証券」 (406)
3 有価証券偽造罪 (407)
4 偽造有価証券行使罪 (407)
§3 支払用カード電磁的記録に関する罪 409
1 保護法益 (409)
2 本罪の諸類型 (410)
§4 印章偽造の罪 412
1 保護法益 (412)
2 本罪の諸類型 (413)
§5 不正指令電磁的記録に関する罪 415
Lesson31 風俗に対する罪 417
§1 総 説 417
1 「風俗犯」の分類 (417)
2 「風俗」という保護法益 (417)
§2 わいせつの罪 418
1 総 説 (418)
2 公然わいせつ罪・わいせつ物頒布罪 (419)
3 重婚罪 (423)
§3 賭博および富くじに関する罪 424
1 賭博罪・常習賭博罪・賭博場開張罪 (424)
2 富くじ罪 (426)
§4 礼拝所および墳墓に関する罪 426
1 総 説 (426)
2 死体損壊罪の保護法益 (427)
3 礼拝所不敬罪・説教妨害罪 (429)
4 墳墓発掘罪・死体損壊罪・墳墓発掘死体損壊罪 (429)
第8部 国家法益に対する罪
Lesson32 国家法益に対する罪・総説 435
§1 国家法益の意味 435
§2 国家法益に対する罪の分類 436
1 国家法益に対する罪の3分類 (436)
2 国家の作用に対する罪の分類 (437)
3 公務の執行を妨害する罪の中の「経済犯罪」 (437)
4 偽証の罪・虚偽告訴の罪の性格 (438)
5 汚職の罪の性格 (438)
Lesson33 国家の存立・国交に関する罪 441
§1 総 説 441
§2 内乱に関する罪 441
1 内乱罪 (442)
2 総則共犯規定の適否 (444)
3 内乱予備および陰謀 (444)
4 内乱幇助 (445)
§3 外患に関する罪 445
1 外患誘致罪 (445)
2 外患援助罪 (446)
3 外患予備および陰謀 (446)
§4 国交に関する罪 447
1 外国国章損壊罪 (447)
2 私戦予備および陰謀 (448)
3 中立命令違反罪 (448)
Lesson34 公務執行妨害の罪 450
§1 総 説 450
1 保護法益 (450)
2 「経済犯罪」の性格をもつもの (450)
§2 公務執行妨害罪・職務強要罪 451
1 本罪の意味 (451)
2 職務を執行するに「当たり」 (451)
3 職務執行の「適法性」 (452)
4 「適法性」に関する行為者側の錯誤 (456)
5 暴行・脅迫 (456)
6 職務強要罪 (457)
§3 その他の公務に対する罪 457
1 封印破棄罪・強制執行妨害目的財産損壊罪・強制執行行為妨害罪・強制執行関係売却妨害罪・加重封印等破棄罪 (458)
2 公契約関係競売等妨害罪・談合罪 (460)
Lesson35 司法作用に対する罪 464
§1 総 説 464
1 沿 革 (464)
2 保護法益 (464)
§2 逃走の罪 465
1 逃走の罪の分類 (465) 2 逃走罪・加重逃走罪 (466)
3 被拘禁者奪取罪 (467)
4 逃走援助罪・看守者等による逃走援助罪 (468)
§3 犯人蔵匿および証拠隠滅の罪 470
1 総 説 (470)
2 犯人蔵匿罪 (470)
3 証拠隠滅罪 (472)
4 証人威迫罪 (474)
5 蔵匿罪、隠滅罪をめぐる特殊問題 (475)
§4 偽証の罪 478
1 偽証罪 (478)
2 虚偽鑑定罪 (480)
§5 虚偽告訴の罪 480
Lesson36 汚職の罪 484
§1 総 説 484
§2 職権濫用の罪 484
1 その構成 (485)
2 公務員職権濫用罪 (485)
3 特別公務員職権濫用罪・同暴行陵虐罪 (487)
§3 賄賂の罪 489
1 賄賂罪の本質 (489)
2 賄賂罪の諸類型 (491)
3 「賄賂」の意味 (491)
4 「職務に関し」 (492)
5 (単純)収賄罪・受託収賄罪 (495)
6 事前収賄罪 (496)
7 第三者供賄罪 (497)
8 加重収賄罪 (497)
9 事後収賄罪 (498)
10 あっせん収賄罪 (498)
11 贈賄罪 (499)
12 没収・追徴 (500)
事項索引 505
判例索引 515