刑法講義総論 新版第5版

刑法講義総論 新版第5版

大谷 實 著
定価:4,400円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2019年04月20日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    638頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5276-9
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内容紹介




目   次
新版第5版はしがき
凡 例

第1編 刑法の基礎
第1章 刑法と刑法学… 3
■1  刑法の意義… 3
1 刑法の概念 3
  *刑法の定義  *法典とは
2 刑法の目的・任務 4
3 刑法の分類 5
4 刑法の規範 6
  *法定犯の自然犯化
■2  刑法の社会的機能… 7
1 規制機能 7
2 社会秩序維持機能 7
 (1) 法益保護機能
 (2) 人権保障機能
 (3) 謙抑主義
 (4) 社会秩序維持と人権保障との関係
■3  刑法と社会倫理…10
1 社会倫理と刑法との関係 10
  *非犯罪化
2 刑法における社会倫理の機能
  11
■4  刑法学…13
1 刑法解釈学 13
2 基礎刑法学 13
3 刑事法学 14

第2章 刑法学の歩み…15
第1節 古典学派と近代学派…15
■1  古典学派…15
■2  啓蒙思想と刑法理論…16
1 ベッカリーア 16
2 フォイエルバッハ 16
  *ベンサム
■3  啓蒙思想と刑事立法…17
1 フランス 17
2 ドイツ 18
3 イギリス 18
第2節 近代刑法学の展開…19
■1  応報刑論…19
1 カントとヘーゲル 19
2 ビンディング 20
■2  古典学派と近代学派…21
1 古典学派の特徴 21
2 近代学派(新派) 21
 (1) イタリア学派
 (2) リスト
  (ア) 行為者主義
  (イ) 意思決定論
■3  学派の争いとその克服…23
1 ビルクマイヤーとリスト 23
2 学派対立の克服 25
■4  20世紀の刑事立法…26
1 第二次大戦まで 26
 (1) 刑罰と保安処分
 (2) 新古典学派
   *新社会防衛論
 (3) 刑罰一元主義
2 第二次大戦後 28
第3節 わが国における刑法の歩み
…28
■1  旧刑法まで…28
■2  旧刑法・現行刑法…29
1 旧刑法の制定 29
2 現行刑法の制度から終戦まで
30
 (1) 現行刑法の背景と性格
 (2) 学界の状況
 (3) 改正刑法仮案
■3  第二次世界大戦以降…31
1 立法の動向 31
2 学派の争いの状況 32
3 戦後の刑法改正作業 33
 (1) 二つの草案
 (2) 改正刑法草案に対する批判
   *日弁連の態度と刑法研究会
4 刑事立法の活性化 34
5 今後の学説の動向 35

第3章 刑法理論…37
第1節 犯罪論…37
■1  非決定論と決定論…37
■2  行為主義と客観主義…38
■3  法益保護主義とその修正…39
第2節 刑罰論…39
■1  刑罰の理念をめぐる対立…39
*刑罰論の史的展開
■2  刑罰の本質…41
1 目的刑主義と応報原理 41
2 統合主義 41
  *併合説批判
3 二元主義 42
  *分配説
■3  刑罰の機能…43
1 報復機能 43
2 一般予防機能 43
  *一般予防刑論の再興
3 特別予防機能 44
4 各機能の関係 45
 (1) 残虐な刑罰の禁止
 (2) 個人の尊重
 (3) 三つの機能の統合
■4  刑罰の種類…47
1 刑罰の分類 47
2 現行法上の刑罰 47
  *行政罰

第4章 刑法の法源と解釈…49
第1節 罪刑法定主義…49
■1  意義および沿革…49
1 意 義 49
2 沿 革 49
 (1) 西欧
  (ア) マグナカルタから人権宣言へ
  (イ) 罪刑法定主義の危機
  (ウ) 罪刑法定主義の確立
 (2) 日本
   *現行刑法典と罪刑法定主義
■2  罪刑法定主義の内容…52
1 理論的根拠 52
 (1) 三権分立論と心理強制説
 (2) 二つの要請
2 法規上の根拠 53
3 派生的原則 54
第2節 刑法の法源…54
■1  法律主義…54
1 意 義 54
2 政令と罰則 55
  *包括的委任  *猿払事件
3 条例と罰則 56
  *法律による授権
4 慣習・条理,判例 57
 (1) 慣習・条理
 (2) 判例
■2  刑罰法規適正の原則(実体的
デュー・プロセス)…58
1 意 義 58
2 明確性の原則 59
  *明確性に関する判例
3 過度の広範性の理論 60
  *合憲的限定解釈
4 無害な行為の不処罰 62
5 罪刑の均衡 63
6 絶対的不確定刑の禁止 63
第3節 刑法の解釈…64
■1  類推解釈の禁止…64
1 類推解釈の意義 64
  *類推解釈肯定説
2 刑罰法規の解釈の限界 65
  *厳格解釈と判例
  *拡張解釈と類推解釈
  *裁判員制度と刑法の解釈
■2  類推解釈の許容…68
*参考となる判例

第2編 犯  罪
第1章 犯罪理論…71
第1節 犯罪の基本概念…71
■1  当罰的行為と可罰的行為…71
1 当罰的行為 71
2 可罰的行為 71
■2  犯罪成立要件…72
1 意 義 72
2 行 為 72
3 構成要件該当性 72
4 違法性 73
5 責 任 74
  *客観的処罰条件
■3  犯罪成立阻却事由…74
1 意 義 74
2 違法性阻却事由 75
3 責任阻却・減軽事由 75
  *人的処罰阻却事由
第2節 犯罪論の体系…75
■1  犯罪論体系の意義…75
*体系的思考から問題解決的思考へ
■2  犯罪要素の体系化…76
1 四つの要素 76
2 形式性と実質性 77
3 違法性判断と責任判断 78
■3  形式的犯罪論と実質的犯罪論…78
1 総 説 78
2 構成要件と形式性 79
■4  犯罪の種類…80
1 自然犯・刑事犯と法定犯・行政犯  80
2 政治犯と確信犯 81
3 親告罪と非親告罪 81
第3節 行 為…81
■1  総 説…81
■2  行為をめぐる諸説…82
1 自然的行為論 82
2 目的的行為論 83
3 人格的行為論 84
4 社会的行為論 84
■3  刑法における行為…85
1 意思支配の可能性 85
 (1) 自然現象との区別
 (2) 忘却犯の行為性
2 外部的態度 86
 (1) 社会生活上意味ある態度
 (2) 統一機能と限界機能
 (3) 行為の定義
   *行為性が問題となった事例

第2章 構成要件…89
第1節 構成要件の概念…89
■1  構成要件の意義…89
1 意 義 89
  *構成要件の理論
2 構成要件の内容 91
  *定型説
3 構成要件と違法性・責任との関係 92
 (1) 学説の検討
 (2) 原則と例外
   *違法・責任類型説に対する批判
■2  構成要件の機能…94
1 理論的機能 94
  *刑事訴訟法上の機能
2 社会的機能 95
■3  構成要件の種類…96
1 基本的構成要件・修正された構成要件 96
 (1) 両者の意義
 (2) 両者の関係
   *修正された構成要件の例
2 閉ざされた構成要件・開かれた構成要件 97
3 積極的構成要件と消極的構成要件 97
4 消極的構成要件要素の理論 98
第2節 構成要件要素…98
■1  構成要件該当性と構成要件要素
…98
1 構成要件該当性 98
 (1) 該当性の判断
 (2) 価値関係的事実判断
 (3) 「該当」と「充足」
2 構成要件要素 99
■2  客観的構成要件要素…100
1 行為の主体 100
 (1) 身分犯
 (2) 法人の犯罪能力
  (ア) 意義
  (イ) 学説の対立
    *判例の態度
  (ウ) 根拠
  (エ) 現行法上の法人処罰
   (a) 法人処罰の形式
     *犯罪能力否定説と法人処罰
   (b) 両罰規定の処罰根拠
   (c) 両罰規定の適用
     *法人処罰の動向
2 行為の客体 106
3 行為の状況 106
4 行 為 107
5 行為と結果 107
 (1) 結果犯・挙動犯
  (ア) 結果的加重犯
  (イ) 挙動犯
 (2) 実質犯・形式犯
 (3) 実害犯・危険犯
  (ア) 抽象的危険犯
  (イ) 形式犯との区別
  (ウ) 準抽象的危険犯
  (エ) 具体的危険犯
 (4) 即成犯・状態犯・継続犯
  (ア) 即成犯
  (イ) 状態犯
  (ウ) 継続犯
    *犯罪の既遂時期と終了時期
6 行為と結果との因果関係 111
■3  主観的構成要件要素…111
1 意 義 111
2 一般的主観的要素 112
 (1) 構成要件要素としての故意・過失
 (2) 故意と過失の関係
   *「特別の規定」と判例
 (3) 故意・過失の体系的地位
3 特殊的主観的要素 114
 (1) 目的犯
 (2) 表現犯
   *傾向犯
■4  構成要件要素の分類…115
1 記述的構成要件要素と規範的構成要件要素 115
 (1) 記述的構成要件要素
 (2) 規範的構成要件要素
2 違法類型および責任類型としての構成要件要素 116
 (1) 違法類型としての要素
  (ア) 客観的構成要件要素
  (イ) 主観的構成要件要素
 (2) 責任類型としての要素
   *構成要件的故意・過失
■5  構成要件の解釈…118
1 構成要件の確定 118
2 開かれた構成要件の場合 119
3 規範的構成要件要素の場合 119
4 修正された構成要件の場合 120
第3節 構成要件該当性…120
第1款 実行行為の意義…120
■1  構成要件該当性の意義…120
■2  実行行為…121
1 意 義 121
  *実行行為の多義性
2 実行行為の態様 123
第2款 不作為犯…124
■1  総 説…124
1 作為犯と不作為犯 124
  *行政取締法規上の真正不作為犯
2 不作為犯の理論 125
 (1) 不作為の行為性
 (2) 不作為の因果性
 (3) 不作為犯と違法性
3 不真正不作為犯の問題性 127
  *不真正不作為犯と罪刑法定主義
4 不真正不作為犯の実行行為性 128
 (1) 実行行為の確定
 (2) 作為犯との同価値性
5 不真正不作為犯における作為義務 130
 (1) 作為義務をめぐる諸説
 (2) 保障人説
   *保障人的地位と保障人的義務
6 身分犯としての不真正不作為犯 131
■2  不真正不作為犯の成立要件
…132
1 法律上の作為義務があること
  132
 (1) 結果発生の現実的危険が生ずること
 (2) 結果防止の可能性
   *結果防止の可能性と因果関係
 (3) 社会生活上の具体的依存関係が存在していること
   *緊急救助義務
  (ア) 法令
  (イ) 契約・事務管理
  (ウ) 条理・慣習
   (a) 先行行為の場合
     *先行行為の事例
   (b) 所有者・管理者の場合
   (c) 財産上の取引の場合
   (d) 慣習の場合
 (4) 作為の可能性
   *作為の容易性
   *作為義務と判例
2 作為義務違反(実行行為) 137
  *成立要件と主観的要素
3 不作為による殺人罪と保護責任者遺棄致死罪との区別 139
第3款 間接正犯…140
■1  正犯と共犯…140
1 直接正犯と間接正犯 140
2 間接正犯と共犯 140
3 正犯の意義 140
  *間接正犯規定の創設
■2  間接正犯の要件…141
1 間接正犯の正犯性 141
2 成立要件 141
  *規範的障害
■3  間接正犯の成立範囲…142
1 身体活動の利用 142
 (1) 意思能力を欠如する者の利用
   *判例の態度
 (2) 行為でない他人の身体活動の利用
   *意思を抑圧されている場合
2 一定の構成要件要素を欠く他人の行為の利用 143
 (1) 故意のない者の行為の利用
   *団藤博士の設例
 (2) 適法行為の利用
 (3) 身分のない者の行為の利用
 (4) 構成要件に該当するが違法性が阻却される他人の行為の利用
3 故意ある幇助的道具の利用 145
  *幇助的道具の利用と主観的正犯概念
■4  自手犯…146
第4款 故 意…147
■1  故意の概念…147
1 意 義 147
2 故意の体系的地位 148
3 故意が過失から区別される根拠 148
■2  故意の要件…149
1 犯罪事実の認識 149
   *形式的故意概念と実質的故意概念
2 認識の要否および程度が問題になる場合 150
 (1) 規範的構成要件要素の場合
   *覚せい剤密輸入事件
 (2) 因果関係の認識
   *実行行為の認識
 (3) 違法性阻却事由の認識
   *ブーメラン現象
3 意思的要素 153
  *故意の本質と判例
■3  未必の故意…154
1 意 義 154
2 学 説 155
 (1) 認容説
 (2) 蓋然性説
 (3) 実現意思説
 (4) 動機説
3 判例の立場 156
  *未必の故意と過失
■4  故意の種類…157
1 確定故意と不確定故意 157
  *条件つき故意
2 事前故意と事後故意 157
3 侵害故意と危険故意 158
4 ウェーバーの概括故意 158
■5  事実の錯誤と故意の阻却…159
1 錯誤の意義 159
 (1) 刑法上の錯誤
 (2) 事実の錯誤
2 事実の錯誤の範囲 160
 (1) 法律的事実の錯誤
   *参考となる判例
 (2) 違法性に関する事実の錯誤
 (3) 規範的構成要件要素の錯誤
  (ア) わいせつ性
  (イ) 職務行為の適法性
  (ウ) 「たぬき・むじな」事件
  (エ) 作為義務の錯誤
3 事実の錯誤の態様 164
 (1) 具体的事実の錯誤と抽象的事実の錯誤
 (2) 客体の錯誤と方法の錯誤
 (3) 因果関係の錯誤
4 事実の錯誤の解決基準 165
 (1) 学説
 (2) 学説の検討
   *判例の基本的立場
5 具体的事実の錯誤(同一構成要
  件内の錯誤) 167
 (1) 客体の錯誤
   *具体的法定符合説
 (2) 方法の錯誤
  (ア) 具体的符合説の解決方法
  (イ) 法定的符合説の解決方法
  (ウ) 諸類型
   (a) 併発結果の場合
   (b) 過剰結果の場合
     *数故意犯説と一故意犯説
 (3) 因果関係の錯誤の取扱い
 (4) 早すぎた構成要件の実現
  (ア) 下級審の判例(横浜地判昭和58年7月20日判時1108号138頁)
  (イ) 最高裁の判例(最決平成16年3月22日刑集58巻3号187頁)
  (ウ) 取扱い
    *遅すぎた構成要件の実現
6 抽象的事実の錯誤(異なる構成
  要件間の錯誤) 173
 (1) 38条2項の趣旨
 (2) 解決の基準
  (ア) 構成要件の重なり合い
  (イ) 重なり合いの意味
    *重なり合う場合
  (ウ) 諸類型とその取扱い
    *38条2項の「処断」の意義
    *薬物事犯の判例
第5款 過 失…178
■1  総 説…178
1 過失の意義 178
  *刑法上の過失犯
2 伝統的過失論 179
3 新過失論 180
  *過失犯の構造
■2  過失犯の成立要件…181
1 過失犯の構成要件の特徴―開かれた構成要件 181
2 過失犯の実行行為―客観的注意義務違反 182
 (1) 客観的予見可能性
 (2) 予見可能性における予見の対象
  (ア) 予見可能性の範囲
    *危惧感説
  (イ) 予見可能性の程度
    *中間項の理論
    *予見可能性の抽象化
  (ウ) 予見可能性と結果回避義務
  (エ) 客観的注意義務の基準
    *薬害エイズ上告審判決
3 過失行為の主観面―主観的注意義務違反 188
4 信頼の原則 189
 (1) 背景
   *信頼の原則と判例
 (2) 法的性質
 (3) 具体的適用
■3  過失の種類…192
1 通常の過失と業務上の過失
  192
2 重大な過失 193
3 認識なき過失と認識ある過失
  193
■4  過失の競合…193
1 意 義 193
2 単独の行為者の場合 193
3 複数の行為者の場合 194
 (1) 監督過失
   *監督過失に関する指導的判例
 (2) 管理過失
   *管理過失と最高裁判例
■5  結果的加重犯…196
1 意 義 196
  *結果的加重犯の態様
2 要 件 198
第6款 因果関係…199
■1  因果関係の意義と機能…199
1 実行行為と結果 199
  *因果関係論と犯罪論の体系
2 因果関係論の機能 200
■2  因果関係の理論…200
1 条件説 200
2 原因説 202
3 客観的帰属論 202
 (1) 学説
 (2) 批判
   *【遡】及禁止論
4 相当因果関係説 203
  *主観説・客観説・折衷説の解決方法
5 相当因果関係説の妥当性 204
6 折衷説に対する批判 206
■3  因果関係の判断方法…207
1 刑法上の因果関係 207
2 条件関係があること 207
 (1) 具体的・個別的条件関係
   *仮定的因果経過
 (2) 択一的競合
 (3) 重畳的因果関係
 (4) 疫学的因果関係
   *疫学
 (5) 条件関係(因果関係)の断絶
3 相当性が認められること 211
 (1) 相当性の内容
 (2) 相当性が問題となる場合
  (a) 行為時に不明な特殊の事情があった場合
    *特殊事情に関する判例
  (b) 第三者の行為が介在した場合
    *「第三者の暴行」の介在に関する最高裁判例
  (c) 被害者の行為が介在した場合
  (d) 行為者の行為が介在した場合
    *広義の相当性・狭義の相当性
■4  判例の流れ…216
1 四つの最高裁判例 216
 (1) 米兵ひき逃げ事件
 (2) 熊撃ち事件
 (3) 柔道整復師事件
 (4) 大阪南港事件
2 危険の現実化説と折衷的相当因果関係説 219
 (1) 危険の現実化説の意義
 (2) 折衷的相当因果関係説の考え方
■5  不作為の因果関係…223
1 不作為と条件関係 223
2 不作為の実行行為と因果関係
  224
  *不作為の因果関係を認めた判例

第3章 犯罪成立阻却事由…226
第1節 違法性阻却事由…226
第1款 違法性の概念…226
■1  違法性の意義…226
1 違法性と違法性阻却事由 226
2 違法性論 227
3 放任行為 227
■2  違法性の実質…228
1 形式的違法性と実質的違法性
  228
2 法益侵害不可欠の原則 229
3 違法性の客観性 230
 (1) 客観的違法性論と主観的違法性論
 (2) 新客観的違法性論
 (3) 検討
■3  違法要素…232
1 客観的違法要素 232
2 主観的違法要素 232
 (1) 学説の流れ
 (2) 検討
3 人的違法要素 234
4 結果無価値論と行為無価値論
  235
 (1) 対立の背景
   *両者の具体的な対立点
 (2) 違法二元論
   *わが国の行為無価値論
■4  違法性の判断…236
1 判断の基準 236
 (1) 「客観的」の意味
 (2) 違法性の相対性
2 可罰的違法性の理論 237
 (1) 学説
   *可罰的違法性の理論に対する諸批判
 (2) 検討
3 可罰的違法性と判例 239
4 可罰的違法性の判断方法 240
第2款 違法性阻却…240
■1  違法性阻却の意義…240
1 意義と学説 240
2 一般原理 241
■2  違法性阻却事由の種類…241
1 正当行為と緊急行為 241
  *超法規的違法性阻却事由
2 可罰的違法性阻却事由 242
第3款 正当行為…243
■1  総 説…243
1 35条の趣旨 243
2 35条の適用範囲 244
■2  法令行為…244
1 意義と根拠 244
2 職務行為 244
3 権利・義務行為 245
4 政策的理由に基づく行為 245
5 注意的に規定された行為 246
■3  労働争議行為…246
1 意 義 246
2 争議行為の正当性 246
 (1) 目的の正当性
 (2) 手段の相当性
3 公務員・国営企業体等職員の争議行為 247
  *二重の絞り論
■4  業務行為…248
*「業務行為」不要論
■5  その他の正当行為…250
1 意 義 250
2 被害者の同意 251
 (1) 諸類型
 (2) 同意と構成要件該当性
 (3) 違法性阻却の根拠
   *自傷行為(自損行為)
 (4) 被害者の同意の要件
  (ア) 処分可能な法益
    *国による個人の保護
    *同意傷害と判例
  (イ) 有効な同意(嘱託・承諾)
    *法益関係的錯誤
  (ウ) 同意の対象・方法・時期
   (a) 対象
     *過失犯と同意・危険の引受け
   (b) 方法
   (c) 時期
  (エ) 同意の認識
 (5) 被害者の推定的同意
  (ア) 根拠
  (イ) 要件
   (a) 被害者の同意の要件を満たすこと
   (b) 被害者の立場から推定すること
   (c) 同意を得ることが不可能であること
3 社会的相当行為 258
 (1) 治療行為
  (ア) 治療行為と傷害
  (イ) 不可罰の根拠
    *専断的治療行為
  (ウ) 要件
   (a) 主体
   (b) 医学的適応性・医術的正当性
     *ブルーボーイ事件
 (2) 安楽死・尊厳死・脳死
  (ア) 安楽死
   (a) 安楽死の諸類型
   (b) 安楽死に関する学説
   (c) 安楽死の要件
     *二つの判決
    ( )α 死期の切迫
    ( )β 耐えがたい身体的苦痛
    ( )γ 明示の嘱託
    ( )δ 補充性
      *適用の困難
  (イ) 尊厳死
   (a) 学説
     *尊厳死と判例
   (b) 治療中止の許容
  (ウ) 脳死と生命維持治療の中止
   (a) 学説
   (b) 検討
   (c) 生命維持治療の中止
     *脳死と臓器移植
 (3) 自救行為
  (ア) 違法性阻却の根拠
    *自救行為と判例
  (イ) 自救行為の要件
   (a) 法益侵害の存在
   (b) 緊急性
   (c) 被害回復行為の必要性・相当性
   (d) 自救の意思
  (ウ) 過剰自救行為・誤想自救行為
 (4) 業務の衝突
   *義務の衝突と判例
 (5) 許された危険
第4款 正当防衛…271
■1  総 説…271
1 意 義 271
  *緊急行為
2 正当化根拠 272
  *判例における正当防衛の趣旨
  *戦争と正当防衛
■2  正当防衛の成立要件…273
1 急迫不正の侵害 273
 (1) 急迫性
  (ア) 過去の侵害
  (イ) 将来の侵害
    *積極的加害意思と急迫性
 (2) 不正
  (ア) 不正の意義
  (イ) 対物防衛
 (3) 侵害
2 自己または他人の権利の防衛
  277
 (1) 自己・他人の権利
 (2) 防衛行為
  (ア) 防衛行為の結果が第三者に生じた場合
  (イ) 侵害者が第三者の物を利用した場合
  (ウ) 防衛者が第三者の物を利用する場合
3 防衛行為の相当性(やむを得ずした行為) 279
  *具体例
4 正当防衛の意思 281
 (1) 学説の対立
   *偶然防衛
 (2) 防衛意思の内容
  (ア) 認識説
  (イ) 防衛意思と避難の意思
    *過失行為による正当防衛
 (3) 判例の立場
5 防衛行為の社会的相当性 284
 (1) 自招侵害(自ら招いた正当防衛状況)
   *原因において違法な行為の理論
 (2) 喧嘩と正当防衛
■3  過剰防衛…287
1 過剰防衛の意義 287
2 質的過剰と量的過剰 288
  *量的過剰防衛に関する判例
3 故意の過剰防衛と過失の過剰防衛 289
4 過剰防衛の効果 290
■4  誤想防衛…290
1 誤想防衛の意義 290
  *誤想防衛と判例
2 誤想過剰防衛 291
  *誤想過剰防衛に関する判例
■5  盗犯等防止法における特則
…293
*盗犯等防止法と誤想防衛
第5款 緊急避難…294
■1  総 説…294
1 緊急避難の意義 294
 (1) 「正対正」の関係
 (2) 背景
2 根 拠 295
 (1) 学説
 (2) 学説の検討
   *緊急避難に対する正当防衛
■2  緊急避難の成立要件…296
1 現在の危難 296
 (1) 危難の対象(保全法益)
 (2) 現在の危難
   *政治亡命
2 避難行為の相当性 298
 (1) 補充性(補充の原則)
   *つり橋爆破事件
 (2) 法益権衡性(法益権衡の原則)
   *法益権衡の例
3 避難の意思 299
  *過失行為による緊急避難
4 避難行為の社会的相当性 300
  *自招危難と判例
5 業務上特別義務者 301
  *産婆規則違反事件
■3  過剰避難・誤想避難…302
1 過剰避難 302
  *過剰避難と判例
2 誤想避難 303
3 誤想過剰避難 303
第2節 責任阻却事由…303
第1款 責任の概念…303
■1  責任の意義…303
1 責任と責任阻却事由との関係
  303
  *帰責と有責性
2 責任主義 304
 (1) 責任主義の背景と内容
   *厳格責任
 (2) 責任主義の徹底
■2  責任の本質…306
1 責任論の展開 306
 (1) 責任の本質― 道義的責任論と社会的責任論
 (2) 責任の基礎・対象 ― 行為責任論・性格責任論・性格論的責任論・人格責任論
   *人格責任論の系譜
 (3) 責任判断の要素 ― 心理的責任論・規範的責任論・実質的責任論
  (ア) 心理的責任論
  (イ) 規範的責任論
  (ウ) 実質的責任論
2 責任の内容 310
■3  責任要素…311
1 意 義 310
2 主観的責任要素 311
3 客観的責任要素 311
■4  責任判断…312
1 責任の主観性 312
2 責任類型と責任判断 312
 (1) 学説
 (2) 責任判断の内容
3 可罰的責任の理論 313
4 責任阻却・減軽事由 314
第2款 責任能力…314
■1  責任能力の意義…314
1 責任能力の本質 314
2 責任の前提としての責任能力
  315
3 責任能力の存在時期 316
■2  責任無能力・限定責任能力
   …317
1 総 説 317
2 心神喪失者・心神耗弱者 317
 (1) 混合的方法
 (2) 心神喪失者
   *判例の定義
  (ア) 精神の障害
   (a) 精神病
   (b) 意識障害
   (c) その他の精神の障害
  (イ) 弁識能力および制御能力
  (ウ) 一部責任能力
 (3) 心神耗弱者
 (4) 心神喪失・心神耗弱の認定方法
   *判例の態度
3 刑事未成年者 324
  *少年に対する特例
■3  原因において自由な行為…324
1 意 義 324
2 学 説 325
3 学説の検討 326
  *判例の流れ
4 適用範囲 328
 (1) 故意犯の場合
   *故意犯の例
 (2) 過失犯の場合
   *過失犯の例
 (3) 心神耗弱の場合
   *心神耗弱の場合の例
第3款 責任要素としての故意と
過失…332
■1  故 意…332
■2  過 失…333
*主観的注意義務違反の地位
第4款 違法性の意識の可能性
…334
■1  違法性の意識の意義…334
1 意 義 334
2 違法性の意識 334
■2  違法性の意識に関する学説
…336
1 違法性の意識必要説 336
2 違法性の意識不要説 337
3 違法性の意識の可能性必要説
  337
  *制限故意説と判例
4 責任説 338
■3  違法性の意識の可能性…339
1 意 義 339
2 法文上の根拠 340
 (1) 学説
 (2) 学説・判例の検討
   *刑法 38 条 3 項に関する諸説
   *判例の立場
■4  違法性の錯誤…342
1 違法性の錯誤と責任説 343
2 判 例 343
3 違法性の錯誤の態様 344
 (1) 法の不知
 (2) あてはめの錯誤
4 違法性の錯誤の回避可能性
  345
 (1) 「相当の理由」か「回避可能性」か
 (2) 法の不知の場合
 (3) あてはめ(包摂)の錯誤の場合
  (ア) 法規の場合
  (イ) 判決の場合
  (ウ) 公的機関の見解を信頼した場合
  (エ) 私人の意見を信頼した場合
    *アメリカ模範刑法典の取扱い
5 事実の錯誤と違法性の錯誤の区別 347
 (1) 区別の一般基準
 (2) 問題となる場合
  (ア) 規範的構成要件要素の錯誤の場合
    *無免許運転事件
  (イ) 違法性阻却事由の錯誤の場合
第5款 期待可能性…350
■1  期待可能性の意義…350
1 意 義 350
2 背 景 351
  *判例における期待可能性の理論
3 期待可能性の体系的地位 352
■2  期待可能性による責任阻却・減軽事由…353
1 法規上の事由 353
2 解釈上の事由 353
 (1) 違法拘束命令
 (2) 強制による行為
 (3) 義務の衝突・安楽死
■3  期待可能性判断の標準…354
1 学説の対立 354
2 行為者標準説の妥当性 355
■4  期待可能性の錯誤…356

第4章 構成要件の修正形式…357
第1節 未遂犯…358
第1款 総 説…358
■1  犯罪遂行の段階的類型…358
1 三つの類型 358
2 予備・陰謀罪 358
 (1) 予備
   *独立予備罪・従属予備罪
 (2) 陰謀
   *共媒
3 未遂犯 360
4 既遂犯 360
■2  予備・陰謀罪および未遂犯の処罰根拠…360
1 学 説 360
2 処罰根拠 361
第2款 未遂犯…362
■1  総 説…362
1 未遂犯の意義 362
2 未遂犯の種類 362
■2  未遂犯の成立要件…363
1 実行の着手 363
 (1) 学説
 (2) 実行の着手の意義
   *着手時期に関する判例
 (3) 実行の着手と主観的要素
 (4) 実行の着手時期が問題となる場合
  (ア) 不作為犯の場合
  (イ) 間接正犯・隔離犯の場合
    *判例の態度
  (ウ) 原因において自由な行為の場合
  (エ) 結合犯の場合
2 構成要件的結果の不発生 369
3 未遂犯の成立が問題となる犯罪 369
 (1) 過失犯・結果的加重犯の場合
 (2) 真正不作為犯の場合
■3  未遂犯の処分…370
第3款 不能犯…371
■1  不能犯の意義と種類…371
1 意 義 371
2 種 類 371
  *事実の欠如(欠缺)
■2  不能犯と未遂犯の区別…372
1 区別の基準に関する学説 372
  *定型説(形式的客観説)
 (1) 客観的危険説
 (2) 修正された客観説
 (3) 主観説
 (4) 抽象的危険説
 (5) 具体的危険説
2 学説の検討 375
3 未遂犯と不能犯の区別 375
4 判例の態度 376
5 具体例の検討 377
 (1) 方法の不能
   *硫黄殺人事件
 (2) 客体の不能
   *客体の不能に関する判例
 (3) 主体の不能
   *不能犯と幻覚犯の区別
 (4) 不能犯と違法性の判断
第4款 中止犯…382
■1  総 説…382
1 意義および刑の減免の根拠
  382
 (1) 学説
 (2) 学説の検討
2 刑の減免の根拠 383
  *刑事政策説と解放減軽
■2  中止犯の成立要件…384
1 中止の任意性 384
 (1) 学説
 (2) 任意性
 (3) 具体的適用
   *任意性に関する判例
2 結果の防止 387
 (1) 中止行為
   *実行行為の終了時
   *中止行為と判例
 (2) 中止行為と結果の不発生
   *不均衡の是正策
■3  予備・陰謀罪の中止…390
1 意 義 390
2 刑の取扱い 391
■4  中止犯の処分…392
第2節 共 犯…392
第1款 共犯と正犯…392
■1  共犯の意義と種類…392
1 共犯の意義 392
  *共犯の実態
2 必要的共犯と任意的共犯 393
 (1) 必要的共犯
 (2) 任意的共犯
 (3) 必要的共犯と任意的共犯との関係
   *「積極的な働きかけ」と教唆犯
3 同時犯 395
■2  正犯と共犯の区別…396
1 区別に関する学説 396
 (1) 主観説と客観説
 (2) 限縮的正犯概念説と拡張的正犯概念説
 (3) 行為支配説
 (4) 形式説
2 正犯と共犯の区別 397
■3  共犯の処罰根拠…398
1 総 説 398
2 責任共犯説と惹起説(因果的
共犯論) 398
3 共犯の処罰根拠 399
■4  共犯の本質…400
1 犯罪共同説・行為共同説 400
 (1) 犯罪共同説
 (2) 行為共同説(事実共同説)
   *各説の具体的適用
 (3) 実行行為の共同
2 共犯従属性説・共犯独立性説
  402
■5  共犯の従属性…404
1 意 義 404
  *平野博士の従属性の分類
2 従属性の有無 404
  *二分説
3 従属性の程度(要素従属性)
  406
 (1) マイヤーの形式
 (2) わが国の従属性説
   *判例と極端従属性説
 (3) 共犯の従属性
   *従属性と判例
 (4) 罪名従属性
第2款 共同正犯…409
■1  総 説…409
1 共同正犯の意義 409
2 「すべて正犯」とされる根拠
  410
■2  実行共同正犯の成立要件…411
1 共同実行の意思 411
2 実行行為共同の事実 411
 (1) 「共同」の意味
   *実行行為分担の例
 (2) 異なる行為の共同
   *共同正犯の罪名と科刑
3 実行共同正犯の成立が問題となる場合 414
 (1) 過失犯の共同正犯
   (ア) 学説と判例
   (イ) 学説の検討
   (ウ) 共同正犯とすべき根拠
   (エ) 成立要件
 (2) 結果的加重犯の共同正犯
   *過失犯の共同正犯との関係
 (3) 承継的共同正犯
  (ア) 意義
    *全部否定説の根拠
    *単独犯との区別
  (イ) 成立要件
  (ウ) 成立範囲
  (エ) 問題となる場合
   (a) 結合犯などの場合
   (b) 結果的加重犯の場合
     *承継的共犯の判例
 (4) 不作為犯の共同正犯
 (5) 予備罪の共同正犯
 (6) 片面的共同正犯
■3  共謀共同正犯…426
1 背 景 426
 (1) 大審院の判例
 (2) 共同意思主体説
 (3) 学説の動向
 (4) その後の展開
2 共謀共同正犯の根拠 429
 (1) 実質的根拠
 (2) 形式的根拠
 (3) 理論的根拠
  (ア) 共同意思主体説
  (イ) 間接正犯類似説
  (ウ) 行為支配説
  (エ) 包括的正犯説
3 共謀共同正犯の成立要件 431
 (1) 共謀の事実
   *黙示的な意思の連絡の例
   *刑事未成年者との共謀
 (2) 共同実行の意思
 (3) 共謀者の一部の者の実行行為
■4  処 分…434
*共同正犯の効果
第3款 教唆犯…434
■1  意 義…434
■2  教唆犯の成立要件…435
1 教唆犯の故意 435
  *共犯従属性と教唆犯の故意
  (ア) 未遂の教唆
  (イ) アジャン・プロヴォカトゥール
  (ウ) 過失による教唆
2 教唆行為 437
  (ア) 方法・手段
  (イ) 過失犯に対する教唆
  (ウ) 不作為犯に対する教唆
  (エ) 共同教唆
  (ォ) 片面的教唆犯
  (カ) 予備・陰謀罪の教唆
3 被教唆者が犯罪を実行したこと
  440
  *教唆の未遂
■2  教唆犯の諸類型…441
1 間接教唆 441
2 再間接教唆 441
3 幇助犯の教唆 442
4 独立教唆犯 442
■3  処 分…442
第4款 幇助犯(従犯)…443
■1  意 義…443
■2  幇助犯の成立要件…443
1 幇助犯の故意 443
  (ア) 未遂の幇助
  (イ) 過失による幇助
2 幇助行為 444
  (ア) 幇助の方法
    *不作為による幇助犯
  (イ) 不作為犯に対する幇助犯
  (ウ) 過失犯に対する幇助犯
  (エ) 共同幇助犯
  (ォ) 片面的幇助犯
  (カ) 承継的幇助犯
  (キ) 予備・陰謀罪に対する幇助犯
3 被幇助者が犯罪を実行したこと 447
■3  幇助犯と共同正犯・教唆犯との区別…448
1 幇助犯と共同正犯との区別
  448
  *区別の参考例
2 幇助犯と教唆犯との区別 449
■4  幇助犯の諸類型…449
1 間接幇助 449
2 再間接幇助 450
3 教唆犯の幇助 450
■4  処 分…450
第5款 共犯と身分…451
■1  総 説…451
1 身分と身分犯 451
 (1) 身分の意義
   *判例にいう身分
 (2) 共犯と身分
2 65条の趣旨 453
 (1) 学説
 (2) 学説の検討
 (3) 65条1項と2項の関係
   *65条2項の共犯
■2  真正身分犯と共犯…456
1 学 説 456
  *判例の態度
2 65条1項の趣旨 457
  *身分者が非身分者の行為に加功する場合
■3  不真正身分犯と共犯…458
1 非身分者が身分者に加功した場合 458
  *判例の態度
2 身分者が非身分者に加功した場合 459
  *判例の流れ
3 65条2項の趣旨 460
第6款 共犯の関連問題…461
■1  不作為と共犯…461
1 総 説 461
2 不作為犯に対する共犯 461
  *不作為による共同正犯の例
3 不作為による共犯 462
  *不作為による幇助を認めた例
■2  共犯の錯誤…463
1 総 説 463
2 同一共犯形式間の錯誤 464
 (1) 共同正犯内の錯誤
 (2) 教唆犯内の錯誤
  (ア) 具体的事実の錯誤の場合
    *共犯の錯誤と具体的符合説
  (イ) 抽象的事実の錯誤の場合
    *判例の態度
  (ウ) 結果的加重犯の場合
 (3) 幇助犯内の錯誤
 (4) 直接共犯と間接共犯の間の錯誤
3 共犯形式相互間の錯誤 467
4 間接正犯と共犯との間の錯誤
  467
 (1) 学説
 (2) 学説の検討
■3  共犯と未遂…468
1 共犯の障害未遂 469
2 共犯の中止犯 469
 (1) 共同正犯の中止
 (2) 教唆犯・幇助犯の場合
 (3) 中止の効果の範囲
3 共犯関係からの離脱・解消 470
 (1) 離脱・解消の意義
 (2) 離脱による解消の要件
  (ア) 共同正犯関係からの離脱
  (イ) 着手前の離脱
  (ウ) 着手後の離脱
    *「離脱」に関する判例
 (3) 教唆犯・幇助犯の場合
  (ア) 教唆犯の場合
  (イ) 幇助犯の場合
 (4) 離脱の効果
■4  共犯の競合・罪数…475
1 共犯の競合 475
2 共犯の罪数 475

第5章 罪 数…476
第1節 犯罪の個数…476
■1  総 説…476
1 罪数論の意義 476
  *罪数論の任務
2 罪数決定の基準 477
 (1) 学説
 (2) 学説の検討
 (3) 解決の基準
■2  本来的一罪…478
1 単純一罪 478
 (1) 1個の罰条のみが問題となる場合
 (2) 法条競合の場合
  (ア) 特別関係
  (イ) 補充関係
  (ウ) 択一関係
 (3) 結合犯
2 包括一罪 480
 (1) 同質的包括一罪
  (ア) 集合犯
  (イ) 狭義の包括一罪
    *包括一罪の例
   (a) 構成要件上の包括
   (b) 接続犯
   (c) 連続犯
     *旧連続犯規定との関連
 (2) 異質的包括一罪
  (ア) 共罰的事前行為(不可罰的事前行為)
  (イ) 共罰的事後行為(不可罰的事後行為)
    *共罰的事後行為の限界
  (ウ) 法益侵害の一体性
    *異質的包括一罪の例
  (エ) 被害法益の同一性
第2節 科刑上の一罪…486
■1  総 説…486
*実在的競合
■2  観念的競合…487
1 意 義 487
2 要 件 488
 (1) 行為の一個性
  (ア) 1個の行為
    *「1個の行為」に関する学説・判例
  (イ) 重なり合う場合
 (2) 数個の罪名
3 処 分 492
  *罰金刑の取扱い
■3  牽連犯…493
1 意 義 493
  *判例の態度
2 要 件 494
 (1) 手段・結果
  (ア) 「手段」の場合
  (イ) 「結果」の場合
 (2) 他の罪名に触れること
3 処 分 496
■4  科刑上一罪の諸問題…496
1 共犯と罪数 496
 (1) 共同正犯の場合
 (2) 教唆犯・幇助犯の場合
2 不作為犯の罪数 497
3 「かすがい」現象 498
  *不均衡の是正
第3節 併合罪…499
■1  意義・要件…499
1 意 義 499
2 要 件 499
 (1) 確定裁判を経ていない数罪の併合
 (2) 確定裁判前後の犯罪の併合
■2  処 分…501
1 併合罪処分の形式 501
  *吸収主義の趣旨
2 併合罪を同時に審判するとき
  501
  *適用例
3 併合罪につき裁判を経た罪と裁判を経ない罪(余罪)があるとき 502
4 ある罪について大赦を受けたとき 503
■3  単純数罪…503

第6章 刑法の適用範囲…504
第1節 刑法の時間的適用範囲…504
■1  時間的適用範囲の意義…504
1 【遡】及処罰禁止の原則 504
  *判例の不【遡】及的変更
2 効力の開始 505
■2  犯罪後の法律による刑の変更…506
1 6条の趣旨 506
  *窃盗罪の法定刑に罰金を追加した場合と刑の変更
2 法律による刑の変更 507
 (1) 「刑の変更」
   *刑の変更に関する諸説
 (2) 刑の廃止
   *非刑罰法規の変更
3 行為時法・裁判時法 509
■3  限時法…510
1 意 義 510
2 限時法の理論 511
  *動機説  *限時法と判例
第2節 刑法の場所的適用範囲…512
■1  総 説…512
1 意 義 512
2 基本原則 512
■2  場所的適用範囲…513
1 属地主義 513
 (1) 犯罪地
  (ア) 未遂・予備の場合
  (イ) 共犯の場合
 (2) 日本国内
 (3) 旗国主義
   *わいせつ画像情報の提供
2 属人主義 515
  *代理処罰説
3 保護主義 515
  *改正の趣旨
4 世界主義 516
■3  外国判決の効力…517
*刑事判決の国際的効力
■4  犯罪人の引渡し…518
*遺伝子スパイ事件
第3節 刑法の人的適用範囲…518
■1  意 義…518
■2  適用上の例外…519
1 国内法上の例外 519
 (1) 天皇・摂政
 (2) 議員・大臣
2 国際法上の例外 520
  *外国大使館の日本人職員
第4節 刑法の事項的適用範囲…521

第3編 刑罰と保安処分
第1章 刑罰の体系…525
第1節 刑罰および刑罰権…525
■1  刑罰の本質と機能…525
■2  刑罰権…526
1 刑罰権の意義 526
2 客観的処罰条件 526
3 現実的法律関係 527
第2節 刑罰の種類…527
■1  総 説…527
■2  死 刑…528
1 死刑の意義 528
  *死刑に処しうる犯罪
2 死刑制度の現状 528
 (1) 死刑の言い渡し数
 (2) 死刑の執行
 (3) 死刑の選択
3 死刑存廃論 530
 (1) 死刑廃止論
   *死刑を廃止している主な国または州
 (2) 存置論
4 死刑の将来 531
  *死刑の残虐性
■3  自由刑…533
1 自由刑の意義と種類 533
2 自由刑の機能 534
■4  財産刑…534
1 総 説 534
2 罰金・科料 534
 (1) 現行法上の罰金
 (2) 労役場留置
3 没収・追徴 535
 (1) 没収の意義
 (2) 没収の対象
  (ア) 組成物件
  (イ) 供用物件
  (ウ) 産出物件・取得物件・報酬物件
  (エ) 対価物件
 (3) 没収の要件
 (4) 追徴
   *特別法上の没収・追徴

第2章 刑の適用…538
第1節 法定刑とその加減…538
■1  法定刑とその軽重…538
1 意 義 538
2 刑の適用の段階 538
  *裁判員
3 法定刑の軽重 539
■2  法定刑の加重・減軽…539
1 法律上の刑の加重・減軽事由
  539
2 裁判上の刑の加重・減軽事由
  540
■3  累犯・常習犯…540
1 累犯の意義 540
2 累犯加重の要件 540
3 処 分 541
4 常習犯 541
 (1) 常習賭博罪
 (2) 常習窃盗・強盗罪
■4  自首・首服・自白…542
1 自 首 542
  *虚偽申告と自首
2 首 服 542
3 自 白 543
■5  酌量減軽…543
■6  加減例…543
1 法律上の減軽方法 543
2 数個の刑名がある場合 544
3 端数の切捨て 544
4 酌量減軽の方法 544
5 加減の順序 544
第2節 刑の量定・言渡し・免除
…545
■1  刑の量定…545
1 法定刑・処断刑・宣告刑 545
2 量刑基準 546
  *求刑
3 量刑の資料 548
■2  刑の言渡し・免除…548
1 宣告刑 548
2 刑の言渡し・刑の免除 549
 (1) 刑の言渡し・効果
 (2) 刑の免除

第3章 刑の執行および執行猶予
…551
第1節 刑の執行…551
■1  総 説…551
■2  死刑の執行…551
■3  自由刑の執行…552
■4  未決勾留の算入…553
■5  財産刑の執行…553
第2節 刑の執行猶予…554
■1  刑の執行猶予の意義…554
■2  刑の全部の執行猶予言渡しの要件
 …554
1 初度目の要件 554
2 再度の執行猶予 555
3 刑の全部の執行猶予の期間
  555
4 刑の全部の保護観察付執行猶予
  555
■3  刑の全部の執行猶予の取消し
 …556
1 必要的取消し 556
2 刑の全部の裁量的取消し 556
3 刑の全部の執行猶予取消しの手続 556
■4  刑の全部の執行猶予の効力…556
1 刑の全部の執行猶予の効果
  556
2 刑の全部の執行猶予期間経過の効力 557
■5  刑の一部の執行猶予…557
1 意 義 557
2 言渡しの要件 557
3 執行猶予の期間および保護観察 558
4 刑の一部の執行猶予の取消し
  558
5 刑の一部の執行猶予の効力
  558
第3節 仮釈放…559
■1  仮釈放の意義…559
■2  仮釈放…559
1 仮釈放の要件 559
2 仮釈放の取消し 560
3 仮釈放取消しの手続 560
4 残刑期間経過後の効力 560
■3  仮出場…560

第4章 刑の消滅…561
■1  刑罰権の消滅事由…561
■2  犯人の死亡・法人の消滅…561
■3  恩 赦…561
1 意 義 561
2 種類・手続 562
  *前科の抹消
3 効 力 562
■4  刑事上の時効…563
1 意 義 563
  *刑事上の時効の趣旨
2 公訴の時効 563
 (1) 公訴時効の期間
 (2) 公訴時効の停止
3 刑の時効 564
  *死刑の時効
 (1) 刑の時効の停止・中断
 (2) 刑の時効の効果
■5  刑の消滅…565
1 意 義 565
2 要件・効果 565
  *犯罪人名簿

第5章 保安処分…567
■1  保安処分の意義と沿革…567
1 意 義 567
 (1) 刑罰と保安処分
 (2) 二元主義
 (3) 刑罰と保安処分の相違
2 沿 革 568
  *英米刑法と保安処分
■2  保安処分の基礎…569
1 犯罪反復の危険性 569
  *保安処分と治療・改善
2 保安処分の法定 570
■3  保安処分と刑罰との関係…570
1 併科主義 570
2 代替主義 571
3 択一主義 571
■4  現行法上の保安処分…571
1 補導処分 571
2 保護観察 572
3 更生緊急保護 572
4 精神障害者に対する入院措置
  572
5 団体の規制処分 573
  *その他の処分
■5  わが国における保安処分問題
 …573
1 刑法改正と保安処分 573
2 制度創設の視点 574
  *保安処分制度(刑事局案)の骨子
■6  心神喪失者等医療観察…575
1 精神保健福祉法から心神喪失者等医療観察法へ 575
2 審判手続 575
 (1) 対象者
 (2) 検察官による申立て
 (3) 裁判所の審理・決定
 (4) 期間
 (5) 抗告
3 対象者に対する処遇 578
 (1) 指定医療機関における医療
   *入院命令の要件
 (2) 地域社会における処遇
■7  保護処分…579
1 保護処分の法的性質 579
2 保護処分の対象 579
3 手 続 580
事項索引…581
判例索引…592