クルツ・レーアブーフ
民法総則 第2版
藤井俊二 著
定価:3,300円(税込)-
在庫:
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発行:
2020年03月20日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
336頁 -
ISBN:
978-4-7923-2749-1
内容紹介
[目 次]
第2版はしがき i
はしがき iii
凡例 xv
第1章 序論 1
第1節 民法Zivilrechtとは 1
Ⅰ 日常生活を規律する法 1
Ⅱ 私法Privatrechtと公法öffentliches Recht 2
Ⅲ 私法の一般法gemeines Recht 2
第2節 民法の法源 3
Ⅰ 法源の意義 3
Ⅱ 民法典 4
Ⅲ 民事特別法 6
Ⅳ 慣習法Gewohnheitsrecht 7
Ⅴ 判例法 7
Ⅵ 条理 8
第3節 民法総則とは 9
第2章 権利の主体(1) ─自然人─ 11
第1節 人Person 11
第2節 権利能力Rechtsfähigkeit 11
第3節 権利能力平等の原則 12
第4節 権利能力の始期 13
第5節 胎児の権利能力 14
Ⅰ 序論 14
Ⅱ 「既に生まれたものとみなす」とは 14
1 不法行為による損害賠償〔慰謝料〕の請求の問題 15
2 相続に関する問題 15
第6節 権利能力の終期 16
Ⅰ 自然人の権利能力の終期 16
Ⅱ 認定死亡(戸籍法89条) 17
Ⅲ 同時死亡の推定 17
第3章 意思能力・行為能力 19
第1節 意思能力Willensfähigkeit 19
Ⅰ 意義 19
Ⅱ 無効とは 20
Ⅲ 意思無能力による無効の問題点 20
1 意思無能力者にとっての問題 20
2 相手方にとっての問題 21
第2節 行為能力Geschäftsfähigkeit 21
Ⅰ 序 21
Ⅱ 未成年者 22
1 未成年者とは 22
2 未成年者の行為能力 22
3 法定代理人 24
Ⅲ 成年被後見人 24
1 成年後見制度の理念 25
2 成年被後見人とは 25
3 成年被後見人の行為能力 26
4 成年後見人 28
5 後見開始の審判の取消し 29
Ⅳ 被保佐人 29
1 被保佐人とは 29
2 被保佐人の行為能力 30
Ⅴ 被補助人 32
1 被補助人とは 32
2 補助開始の審判 32
3 被補助人の行為能力 33
4 補助人の権限・義務 34
5 補助開始の審判の取消し 34
Ⅵ 任意後見制度 35
1 意義 35
2 任意後見契約の締結 35
3 家庭裁判所による任意後見監督人の選任 36
4 任意後見人の権限・義務 36
5 任意後見監督人の職務 37
6 任意後見人および任意後見監督人の解任 37
7 任意後見契約の解除 37
8 代理権消滅の対抗 38
Ⅶ 制限行為能力者の相手方の保護 38
1 序 38
2 相手方の催告権 39
3 制限行為能力者が詐術を用いた場合 41
第3節 住所、不在者の財産管理および失踪宣告 42
Ⅰ 住所Wohnsitz 42
1 住所とは 42
Ⅱ 住所と区別すべき概念 44
1 本籍 44
2 住民登録 44
3 居所 44
4 仮住所 45
Ⅲ 不在者の財産管理 45
1 不在者の財産管理 45
Ⅳ 失踪宣告 47
1 失踪宣告とは 47
2 失踪宣告の要件 47
3 失踪宣告の効果 48
4 失踪宣告の取消し 49
第4章 物 56
第1節 物Sacheとは 56
Ⅰ 有体物 56
Ⅱ 支配可能性 57
Ⅲ 非人格性 57
Ⅳ 独立性と特定性 58
1 独立性 58
2 特定性 58
第2節 不動産と動産 59
Ⅰ 不動産と動産の区別の意義 59
Ⅱ 不動産Immobilien, Grundstück 60
1 不動産とは 60
Ⅲ 動産Mobilien, bewegliche Sache 62
第3節 主物Hauptsacheと従物Zubehör 62
Ⅰ 主物・従物の意義 62
Ⅱ 従物の要件 63
1 独立性 63
2 主物の常用に供されること 63
3 場所的近接性 64
4 従物・主物が同一所有者に属すること 64
Ⅲ 効果 64
Ⅳ 従たる権利 65
第4節 果実Frucht 66
Ⅰ 果実とは 66
Ⅱ 天然果実 66
Ⅲ 法定果実 66
第5章 法律行為 68
第1節 法律行為Rechtsgeschäft序論 68
Ⅰ 権利変動原因(法律要件) 68
1 意思表示による権利変動 68
2 意思表示によらない権利変動 69
Ⅱ 私的自治と法律行為 70
Ⅲ 法律行為と準法律行為 70
1 表現行為 71
2 非表現行為 71
Ⅳ 法律行為の種類 72
1 意思表示の態様による分類 72
2 意思表示の形式による分類─要式行為・不要式行為─ 74
3 生前行為・死後行為(死因行為) 74
4 財産行為・身分行為 74
5 発生する効果の種類による分類─債権行為・処分行為─ 75
6 有因行為・無因行為 75
第2節 法律行為が有効であるための要件 76
Ⅰ 法律行為の解釈─確定性─ 76
1 内容の確定 76
2 当事者意思の探求 77
3 客観的解釈 77
4 例文解釈 78
5 補充的解釈とその標準 79
Ⅱ 実現可能性 82
1 原始的不能 82
2 後発的不能 83
Ⅲ 適法性 85
1 強行規定違反 85
2 任意規定と強行規定の区別 85
3 行政的取締規定 86
4 脱法行為 87
Ⅳ 社会的妥当性 88
1 人倫に反する行為 88
2 正義の観念に反する行為 89
3 個人の自由を極度に制限する行為 89
4 憲法の認める基本的価値に反する行為 90
5 経済的自由を制限する行為 91
6 暴利行為Wucher 91
7 著しく不公正な取引方法による法律行為 91
8 動機の不法 92
9 公序良俗違反の判定時期 92
10 公序良俗違反の効果 93
第3節 意思表示Willenserklärung総論 94
Ⅰ 意思表示の意義 94
Ⅱ 意思表示の構造 94
Ⅲ 意思主義と表示主義 95
1 自己決定 96
2 取引の安全 96
3 相手方の信頼の保護 97
4 帰責事由の必要性 97
Ⅳ 意思表示の成立・内容・効力 97
1 意思の不存在(民法の現代語化前は、「意思の欠缺」と呼ばれていた) 97
2 瑕疵ある意思表示 98
第4節 意思の不存在 98
Ⅰ 心裡留保Geheimer Vorbehalt 98
1 意義 98
2 効果 99
3 93条の適用範囲 100
Ⅱ 虚偽表示Scheingeschäft 100
1 意義 100
2 要件 101
3 効果 101
4 94条2項の類推適用 109
第5節 瑕疵ある意思表示 120
Ⅰ 錯誤Irrtum 114
1 錯誤の意義 114
2 意思の不存在としての錯誤(95条1項1号表示錯誤) 115
3 動機錯誤Motivirrtum 115
4 錯誤による意思表示の効力 120
5 錯誤による意思表示の効力否定 122
6 第三者の保護 122
7 95条の適用範囲 124
Ⅱ 詐欺Täuschungによる意思表示 125
1 詐欺の意義 125
2 要件 125
3 第三者による詐欺の場合における相手方の悪意 127
4 善意の第三者の保護 128
Ⅲ 強迫Drohungによる意思表示 133
1 強迫の意義 133
2 要件 133
3 効果 134
Ⅳ 消費者契約法における特別規定 136
1 消費者契約法の意義 136
2 消費者の取消権の発生要件 136
3 消費者の取消権 138
Ⅴ 意思表示の効力発生時期 139
1 序論 139
2 到達主義の原則 139
3 表意者の死亡・意思能力の喪失・行為能力の制限 140
4 意思表示の受領能力 141
5 公示による意思表示 141
第6章 無効・取消し 143
第1節 序説 143
第2節 無効Nichtigkeit 143
Ⅰ 無効の意義 143
Ⅱ 無効の効果 143
1 不当利得の規定 144
2 有償行為における原状回復義務 144
3 無償行為における原状回復義務 145
4 意思無能力でした無効な行為における原状回復 145
Ⅲ 無効行為の追認 145
Ⅳ 一部無効 146
Ⅴ 無効行為の転換 147
第3節 取消しAnfechtung 147
Ⅰ 取消しの意義 147
Ⅱ 取消権者 148
1 行為能力の制限に違反した場合 148
2 瑕疵ある意思表示の場合 149
Ⅲ 取消しの方法 149
Ⅳ 取消しの効果 149
1 原則 149
2 制限行為能力者の返還義務の特則 150
Ⅴ 取り消すことができる行為を有効な行為として確定する事由 150
1 追認 150
第7章 代理Vertretung 155
第1節 代理の意義と存在理由 155
Ⅰ 意義 155
Ⅱ 存在理由 156
1 私的自治の拡張 156
2 私的自治の補充 156
第2節 代理の分類 156
Ⅰ 能働代理と受働代理 156
Ⅱ 任意代理と法定代理 157
第3節 代理の法的構造 157
Ⅰ 顕名 157
Ⅱ 代理権 158
第4節 代理と類似する制度 158
Ⅰ 間接代理 158
Ⅱ 使者 159
Ⅲ 法人の代表 159
第5節 代理権 160
Ⅰ 代理権の意義 160
Ⅱ 代理権の発生原因 160
1 法定代理権の発生原因 160
2 任意代理権の発生原因 160
3 代理権授与行為の認定 161
Ⅲ 代理権の範囲 162
1 法定代理権の範囲 162
2 任意代理権の範囲 162
Ⅳ 復代理 163
1 復代理の意義 163
2 復代理人の選任 163
3 復代理人の地位 164
Ⅴ 代理権の制限 165
1 自己契約・双方代理の禁止 165
2 利益相反行為 167
3 共同代理 168
Ⅵ 代理権の消滅 169
1 法定代理権および任意代理権に共通する消滅原因 169
2 任意代理に特有の消滅原因 169
第6節 代理行為 169
Ⅰ 代理行為の意義 169
Ⅱ 代理における行為者 170
Ⅲ 顕名 171
1 顕名の原則 171
2 顕名の方法 171
3 顕名がない場合 172
Ⅳ 代理行為の瑕疵 173
1 代理人が相手方に意思表示をする場合 173
2 相手方が意思表示をする場合 173
3 特定の行為を委託された代理人の場合 174
Ⅴ 代理人の行為能力 175
第7節 無権代理Vertretung ohne Vertretungsmacht 176
Ⅰ 無権代理の意義 176
Ⅱ 代理行為の効果の不帰属 177
Ⅲ 本人の追認と追認拒絶 178
1 本人の追認権 178
2 本人の追認拒絶権 179
3 相手方の催告権と取消権 179
Ⅳ 単独行為の無権代理 180
Ⅴ 無権代理人の責任 181
1 意義・性質 181
2 要件 181
3 責任の内容 183
Ⅵ 無権代理と相続 183
1 問題の所在 183
2 無権代理人相続型 184
3 本人相続型 188
4 第三者相続型 189
第8節 表見代理Scheinvollmacht 190
Ⅰ 序 190
Ⅱ 代理権授与表示による表見代理 191
1 意義 191
2 要件 191
3 効果 197
Ⅲ 権限外の行為の表見代理 198
1 意義 198
2 要件 198
3 効果 201
4 法定代理においても110条の表見代理が成立するか 202
5 110条の第三者 203
Ⅳ 代理権消滅後の表見代理 204
1 意義 204
2 要件 204
3 効果 206
Ⅴ 狭義の無権代理と表見代理の関係 206
Ⅵ 代理権の濫用 207
第8章 条件・期限 209
第1節 序 209
第2節 条件Bedingung 210
Ⅰ 意義 210
Ⅱ 停止条件・解除条件 210
1 停止条件Aufschiebende Bedingung 211
2 解除条件Auflösende Bedingung 211
Ⅲ 条件となりうる事実 211
1 発生不確実な事実 211
2 将来の事実 212
Ⅳ 条件に親しまない行為 212
Ⅴ 条件付法律行為の効力 213
1 一般的効力 213
Ⅵ 条件成就の効果 214
Ⅶ 条件の成就・不成就の擬制 214
Ⅷ 条件の成否未定の間における期待権の保護 215
1 期待権侵害からの保護 216
第3節 期限Befristung 216
1 意義 216
2 期限の種類 217
3 期限付法律行為の効力 218
4 期限の利益 218
第9章 権利の主体(2) ─法人Juristische Person─ 221
第1節 法人の意義・本質 221
Ⅰ 法人の意義 221
Ⅱ 権利能力付与の意味 222
1 活動主体としての法人 222
2 権利・義務の帰属主体としての法人 222
3 法人の本質論 223
第2節 法人の種類 225
Ⅰ 公法人と私法人 225
Ⅱ 社団法人と財団法人 225
Ⅲ 公益法人・非営利法人・営利法人 225
1 法人の種類 225
2 平成18年の法人制度大改正前 226
3 平成18年の法人制度大改正 227
第3節 法人設立に関する諸主義 227
Ⅰ 法定主義 227
Ⅱ 許可主義 227
Ⅲ 認可主義 228
Ⅳ 認証主義 228
Ⅴ 準則主義 228
Ⅵ 自由設立主義 228
第4節 一般社団法人の設立と社員 229
Ⅰ 定款の作成 229
Ⅱ 定款の記載事項 229
1 必要的記載事項 229
2 相対的記載事項 229
3 任意的記載事項 230
4 無益的記載事項 230
Ⅲ 公証人による認証 230
Ⅳ 設立登記 230
Ⅴ 社員 230
第5節 一般財団法人の設立 231
Ⅰ 定款の作成 231
Ⅱ 公証人による認証 232
Ⅲ 財産の拠出 232
Ⅳ 設立登記 232
第6節 一般法人の管理 232
Ⅰ 一般社団法人の機関 233
1 社員総会 233
2 理事 233
3 監事・会計監査人 234
Ⅱ 一般財団法人の機関 234
1 評議員・評議員会 235
2 理事・理事会 235
3 監事・会計監査人 235
第7節 法人の対外的法律関係 236
Ⅰ 法人の権利能力 236
1 法令による制限 236
2 性質による制限 236
3 目的による制限 236
4 目的の範囲に関する具体的解釈 238
Ⅱ 代表者の代表権 240
1 代表者の代表権の範囲に関する原則 240
2 代表権の制限 240
3 利益相反取引の制限 241
Ⅲ 法人の不法行為責任 242
1 一般法人法78条による一般法人の不法行為責任 242
2 一般法人法78条の責任の要件 243
3 代表者の個人責任 245
4 役員等の法人に対する責任 245
5 役員等の第三者に対する損害賠償責任 245
第8節 法人の消滅 246
Ⅰ 法人の解散の意義 246
Ⅱ 解散事由 247
1 一般社団法人・一般財団法人に共通の解散事由 247
2 社団法人に特有の解散事由 247
3 一般財団法人に特有の解散事由 247
Ⅲ 清算 247
第9節 権利能力なき社団Nicht rechtsfähiger Verein 248
Ⅰ 権利能力なき社団 248
1 権利能力なき社団の意義 248
2 社団の構成員資格の得喪 250
3 権利・財産の帰属 250
4 社団債務および責任 252
5 訴訟行為 252
Ⅱ 権利能力のない財団 252
第10章 期間Frist 254
第1節 期間の意義 254
第2節 期間の計算方法 255
Ⅰ 時間によって期間を定めたとき 255
Ⅱ 日、週、月または年によって期間を定めたとき 255
第3節 期間の満了点 255
Ⅰ 日、週、月または年によって期間を定めた場合 255
Ⅱ 週、月または年によって期間を定めた場合 255
Ⅲ 休日の特則 256
第11章 時効 257
第1節 時効序論 257
Ⅰ 時効とは 257
Ⅱ 時効制度の存在理由 258
第2節 取得時効Ersitzung 259
Ⅰ 取得時効にかかる権利 259
1 所有権 259
2 所有権以外の財産権 260
Ⅱ 取得時効の要件 261
1 占有 261
2 取得時効の効果 268
第3節 消滅時効Verjährung 270
Ⅰ 消滅時効にかかる権利 270
Ⅱ 抗弁権の永久性 271
Ⅲ 消滅時効の要件 271
1 消滅時効の期間の起算点 272
2 消滅時効期間 276
Ⅳ 消滅時効の効果 278
Ⅴ 除斥期間 278
1 意義 278
2 除斥期間と消滅時効の相違点 279
3 除斥 期間か、消滅時効かの判断規準 279
Ⅵ 権利失効の原則 280
第4節 時効の障害事由 280
Ⅰ 時効の完成猶予および更新 280
Ⅱ 時効の完成猶予および更新の効果 290
1 完成猶予および更新の基本的効果 290
2 完成猶予または更新の効力が及ぶ者の範囲 (153 条・154 条) 290
第5節 時効の援用と時効利益の放棄 291
Ⅰ 時効の援用 291
1 時効利益を受ける者の意思の尊重 291
2 時効援用・放棄の位置づけに関する学説 292
3 時効援用の方法 293
4 援用権者 294
5 具体的な援用権者 295
6 時効援用の相対効 298
7 援用の撤回 299
Ⅱ 時効利益の放棄 299
1 制度趣旨 299
2 時効利益の放棄の相対効 300
3 時効援用権の喪失 300
第12章 民法の基本原則 302
第1節 民法は歴史の産物 302
第2節 民法典の古典的基本原則 303
Ⅰ 所有権絶対の原則 303
Ⅱ 契約自由の原則 304
Ⅲ 過失責任の原則 305
第3節 現行民法典における基本原則(1条) 306
Ⅰ 公共の福祉の原則 306
Ⅱ 信義誠実Treu und Glaubenの原則(信義則) 306
1 意義 306
2 信義則の具体例 307
3 信義則の機能 307
Ⅲ 権利濫用の禁止 308
1 意義 308
2 要件 308
3 効果 309
事項索引 311
判例索引 315