民法講義Ⅱ 物権法 第4版

民法講義Ⅱ 物権法 第4版

近江幸治 著
定価:3,080円(税込)
  • 在庫:
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  • 発行:
    2020年04月20日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    322頁
  • ISBN:
    978-4-7923-2754-5
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内容紹介

目   次



諸  言
第1編 物権法総論
第1章 物権法の一般理論
第1節 物権の基本構造 1
□1 物権とは何か 1
*≪社会的接触関係≫―「物」に対する〈支配〉と 「人」に対する〈要求〉
□2 物権の本質―物の「排他的支配」性 3
(1) 物に対する「支配権」  3   (2) 支配の「排他性」  4
第2節 物権の内容 6
□1 物権の種類 6
(1) 物権法定主義  6  *物権法定主義の採用理由と慣習上の物権
(2) 物権の分類と民法の物権構成  10   *物権の分類―〔図〕
□2 物権と債権 12
(1) 物権と債権の峻別構成  12   (2) 物権と債権の法律的差異  14
□3 物権の目的 16
(1) 特定性と独立性  16   (2) 一物一権主義  17
第3節 物権の効力 20
□1 物権の一般的効力とは 20
□2 優先的効力 21
(1) 「優先的効力」の意味  21   (2) 物権相互間―「成立順」原則  21
(3) 物権と債権間―物権優先原則  22
□3 妨害排除的効力―物権的請求権 23
(1) 物権的請求権とはどういうものか  23
(2) 物権的請求権の根拠  25   (3) 物権的請求権の態様  28
(4) 「費用負担」の問題とそれに惹起された議論  30
(5) 物権的請求権と他の請求権の競合  36
□4 追及効 37
*≪追及効の意味≫
第2章 物権の変動
第1節 序  説 38
□1 物権変動の意義 38
(1) 「物権の変動」とは何か  38   (2) 物権変動の種類  38
(3) 物権変動の原因  40
□2 物権変動の公示と公信 40
(1) 物権変動についての公示の原則  40
(2) 物権の存在についての公信の原則  41
第2節 物権変動の一般理論―176条論 43
□1 176条(物権変動)の基本的問題点 43
*≪「意思表示による物権変動」の意義≫
□2 物権変動に必要な行為とは何か―物権行為の問題 45
(1) 立法上の二主義と日本民法  45   (2) 物権行為の独自性  49
(3) 物権行為の有因・無因―債権契約と物権契約との牽連関係  53
□3 物権変動が効力を生じるのはいつか―所有権の移転時期の問題 55
(1) 「所有権の移転時期」の問題―物権変動論の基点  55
(2) 学説・判例の考え方  56
第3節 不動産の物権変動―177条論 65
□1 177条の基本的問題点 65
(1) 物権変動と公示の必要性  65
(2) 対抗要件主義―意思表示による物権変動の多重的発生  65
□2 「対抗することができない」の意味―「対抗」の法的構成 68
(1) 「対抗」と無権利法理の理論的説明  68   (2) 「対抗」の法的構成  69
(3) 「対抗」を考える場合の注意点  72
□3 177条の「第三者」 73
(1) 「第三者」とはいかなる者をいうか  73
(2) 「第三者」の具体的検討  79
(3) 「背信的悪意者」の排除  83
□4 登記が要求される物権変動とは―その具体的検討 89
(1) 「登記がなければ対抗できない物権変動」の視点  89
(2) 「取消し」と登記  91   (3) 「解除」と登記  101
(4) 「取得時効」と登記  106   (5) 「相続」と登記  112
(6) 「公売」と登記  121   (7) 「公用徴収」と登記  122
□5 不動産登記制度 122
(1) 不動産登記の意義  122   (2) 登記簿のしくみ  123
(3) 登記の申請手続  126   (4) 登記請求権  128
(5) 登記の有効要件  129   (6) 登記の種類と効力・順位  136
(7) 登記を要する物権の種類  138   (8) 仮登記  139
第4節 動産の物権変動―178条論 141
□1 178条の基本的問題点 141
(1) 動産物権変動の公示と対抗要件主義  141
(2) 動産物権変動の問題点(特殊性)  142
□2 「対抗」と動産物権変動 143
(1) 「引渡し」(対抗要件)の意義および方法  143
(2) 「対抗することができない」の意味  146
□3 即時取得制度―動産取引における公信主義 149
(1) 即時取得とはどのような制度か  149
(2) 即時取得の要件  151  *占有改定と即時取得
(3) 即時取得の効果  160
(4) 無償行為による即時取得は  160
(5) 即時取得の制限―盗品・遺失物に関する特則  161
第5節 明認方法―慣習法上の対抗要件 166
(1) 明認方法による「公示」  166   (2) 「対抗要件」としての明認方法  166
(3) 明認方法の「対抗力」  168
第6節 物権の消滅 170
□1 物権の消滅原因 170
□2 混  同 170
(1) 混同の定義  170
(2) 所有権と制限物権の同一人への帰属  171
(3) 制限物権とこれを目的とする他の権利の同一人への帰属  172
(4) 占有権は例外である  173
□3 目的物の滅失 174
□4 消滅時効 174
□5 放  棄 175
□6 公用徴収 175

第2編 占有権と所有権
第1章 占 有 権
第1節 占有制度 178
□1 占有と占有権 178
(1) 「占有」制度の意義  178  *占有と占有権 (2) 占有権の構成  180
□2 占有の種類 182
(1) 自主占有・他主占有  182   (2) 善意占有・悪意占有  184
(3) 過失ある占有・過失なき占有  185   (4) 自己占有・代理占有  185
(5) 単独占有・共同占有 186   (6) 瑕疵ある占有・瑕疵なき占有  186
第2節 占有権の取得 188
□1 占有権の原始取得 188
□2 占有権の承継取得 188
(1) 占有権の譲渡―占有権の特定承継  188
(2) 占有権の相続―占有権の包括承継  189
□3 占有権承継の効果 191
(1) 承継者の「占有」選択権  191
(2) 承継取得における「占有開始時の善意・無過失」  192
第3節 占有権の効力 194
□1 序  説 194
□2 「占有」そのものを保護する効力―占有訴権 195
(1) 占有訴権制度の意義  195   (2) 占有訴権の当事者  198
(3) 占有訴権の態様  198   (4) 占有訴権と本権の訴え  200
□3 本権徴表的効力―「権利の推定」 202
(1) 「占有」の権利存在の推定  202   (2) 推定の内容  202
□4 本権取得的効力 204
□5 占有者と回復者との関係 205
(1) 序 説―規定(189条?191条・196条)の位置づけ  205
(2) 占有者の果実の取得  206
(3) 占有物の滅失・損傷に対する責任  209
(4) 占有者の費用償還請求権  209
第4節 占有権の消滅 210
□1 自己占有(直接占有)の消滅原因 210
□2 代理占有(間接占有)の消滅原因 210
第5節 準占有 212
□1 準占有の意義 212
□2 準占有の内容 212
(1) 準占有の要件  212   (2) 準占有の成立  213
(3) 準占有の効果  213
(4) いわゆる「債権の準占有者」に対する弁済者の保護  214
第2章 所 有 権
第1節 序  説 215
□1 所有権の意義 215
□2 所有権の性質 216
(1) 近代的所有権の性質  216
(2) 制限物権との比較による所有権の性質  217
第2節 所有権の内容 218
□1 所有権の基本的原則 218
□2 所有権の行使に対する制限 219
(1) 法令による制限  219   (2) 判例による制限  220
□3 土地所有権の及ぶ範囲 221
(1) 土地の上下  221   (2) 地中の鉱物  221
(3) 地下水  222   (4) 海面下の土地  222
□4 相隣関係 223
(1) 相隣関係の意義  223   (2) 隣地使用請求に関する相隣関係  224
(3) 水に関する相隣関係  226   (4) 境界に関する相隣関係  228
 *筆界特定制度  *建築基準法65条
第3節 所有権の取得 232
□1 無主物先占 232
□2 遺失物拾得 232
(1) 遺失物拾得の取扱い  232   (2) 拾得者の返還義務と警察署の処置  233
(3) 拾得者の所有権の取得  233   (4) 報労金  234
□3 埋蔵物発見 234
(1) 埋蔵物の所有権取得  234   (2) 埋蔵文化財の特則  235
□4 添  付 235
(1) 添付の意義  235   (2) 付合  236   (3) 混和  239
(4) 加工  239   (5) 添付の効果―第三者の利益の保護  240
第4節 共  有(共同所有) 242
□1 共有の社会的意義 242
(1) 共有の構造  242   (2) 共有理論と共有の形態  242
(3) 共有の成立  244
□2 共有者の権利 244
(1) 持分権  245   (2) 持分の割合(持分率)  245
□3 共有物の管理 245
(1) 共有物の変更・処分  245   (2) 共有物の管理方法  246
(3) 共有物に関する債権の取扱い  246
□4 共有物の分割 247
(1) 分割請求  247   (2) 分割の方法  247   (3) 分割の効果  249
□5 準共有 249
第5節 建物区分所有権(マンション法) 251
□1 序  説 251
(1) 区分所有権の意義  251   (2) 建物区分所有と団地  252
□2 建物の区分所有 252
(1) 建物の区分所有権  252   (2) 専有部分と共用部分  253
(3) 敷地利用権  254
□3 区分所有者の権利・義務 255
(1) 団体の構成  255   (2) 団体的規制  255
□4 復旧および建替え 256
(1) 滅失による復旧  256   (2) 建替え決議  257
(3) 団地内の建物の建替え承認決議  258
(4) 団地内の建物の一括建替え決議  259
□5 管理・規約・集会 260
(1) 管理組合と管理者  260   (2) 規約・集会  261
第3編 用益物権
第1章 用益物権論
□1 「用益」物権の意義 263
□2 用益権(利用権)の二重構造―物権的構成と債権的構成 264
(1) 物権的構成と債権的構成の由来  264
(2) 物権的構成と債権的構成の法律的差異  265
□3 特別法による修正 266
(1) 地上権関係  267   (2) 永小作権関係  267   (3) 入会権関係  268
第2章 地 上 権
□1 地上権の意義 269
(1) 地上権とは何か  269   (2) 地上権の法律的性質  269
□2 地上権の成立 270
(1) 地上権設定契約(約定地上権)  270
(2) 法律の規定による地上権の取得  270
□3 地上権の効力 271
(1) 土地使用権  271   (2) 地上権の存続期間  271
(3) 対抗力  272   (4) 地上権の譲渡・工作物等の処分  273
(5) 地代支払義務  273   (6) 地上物の収去権  274
(7) 有益費償還請求権  274   (8) 相隣関係の規定の準用  275
□4 地上権の消滅 275
(1) 地上権者の地上権放棄  275
(2) 土地所有者の消滅請求  276   (3) 約定消滅事由  276
□5 区分地上権 276
(1) 区分地上権とは何か  276   (2) 区分地上権設定による制限  277
第3章 永小作権
□1 永小作権の意義 278
(1) 永小作権の社会的意義  278   (2) 永小作権の法的性質  279
□2 永小作権の成立 279
□3 永小作権の効力 280
(1) 土地使用権  280   (2) 永小作権の存続期間  280
(3) 対抗力  281   (4) 永小作権の処分  281
(5) 小作料支払義務  281
□4 永小作権の消滅 282
(1) 永小作権に特殊な消滅事由  282   (2) 永小作権消滅の効果  283
第4章 地 役 権
□1 地役権の意義 284
(1) 地役権とは何か  284   (2) 地役権の法律的性質  285
□2 地役権の成立 286
(1) 地役権設定契約  286   (2) 時効による取得  286
□3 地役権の効力 288
(1) 土地利用権  288   (2) 存続期間  289   (3) 対抗力  289
(4) 地代  293   (5) 物権的請求権  294
□4 地役権の消滅 294
(1) 承役地の時効取得による消滅  294
(2) 地役権の消滅時効  295
第5章 入 会 権
□1 入会権の意義 296
(1) 入会権の社会的意義  296   (2) 入会権の法律的性質  296
□2 入会権の内容 297
(1) 入会権の主体  297   (2) 管理・処分  297
□3 入会権の変動 298
(1) 入会権の成立  298   (2) 入会権の対抗要件は  298
(3) 入会権の変更・消滅  298
□4 入会権近代化事業 299

事項索引 301
判例索引 304
条文索引 307