民法講義Ⅳ 債権総論 第4版
近江幸治 著
定価:3,520円(税込)-
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発行:
2020年09月20日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
352頁 -
ISBN:
978-4-7923-2758-3
内容紹介
目 次
緒 言
第1章 債権法の基礎理論
1 「債権」とは何か 1
⑴ 債権法原理と物権法原理 1
⑵ 「債権が発生する」とはどのようなことか 2
*「債権の消滅」と規範的拘束 *給付行為
⑶ 「債権」の義務履行の構造 6 *給付義務・付随義務・保護義務
⑷ 債権法「総論」と債権法「各論」 12
2 「債権」の効力の一般理論 13
⑴ 債権の構造 13 *請求力と摑取力 ⑵ 債権と請求権 15
⑶ 債権の性質 16
3 いわゆる「不完全債務」論 17
⑴ 債権の訴求力と執行力 17
⑵ 「訴求力を欠く債務」―「自然債務」論 18
⑶ 「執行力を欠く債務」―「債務と責任」論 22
第2章 債権の目的
序説 債権の目的の意義 25
⑴ 「債権の目的」 25 ⑵ 債権の目的(給付)の要件 25
⑶ 給付の種類―給付上の分類 26
第1節 特定物債権と種類債権 28
1 特定物債権 28
⑴ 「特定の物」の引渡しを目的とする債権の意義 28
⑵ 保管義務の内容 29
2 種類債権 30
⑴ 種類債権の意義 30 ⑵ 種類債権の特定(集中) 33
⑶ 特定の効果―特定物債権への転化 34
第2節 金銭債権と利息債権 36
1 金銭債権 36
⑴ 金銭債権の意義 36 ⑵ 金銭債権の種類(分類) 36
⑶ 金銭債権に関する特則 37
2 利息債権 38
⑴ 利息債権の意義 38 *利息債権と元本債権の関係 ⑵ 利率と重利 40
3 金利規制 42
⑴ 利息の制限―民事法的規制(利息制限法) 42
⑵ 刑事罰による制限―刑事法的規制(出資法) 43
⑶ 貸金業に対する規制(貸金業法) 44
第3節 選択債権と任意債権 48
1 選択債権 48
⑴ 選択債権の意義 48 ⑵ 選択権の特定 49
2 任意債権 49
第3章 債権の効力(1)―債務不履行(給付障害)
第1節 「債権の効力」と「債務不履行」の構造 50
⑴ 「請求力」と「履行請求権」の関係 50
⑵ 履行請求権の顕在化と履行請求権の限界 51
第2節 債務不履行 53
1 履行遅滞―履行請求権の発動 53
⑴ 履行遅滞とは何か 53 ⑵ 「追完請求権」―完全履行請求権Ⅰ 54
⑶ 「履行の強制」―完全履行請求権Ⅱ 58
2 「履行不能」―履行請求権の限界 61
⑴ 履行不能とは何か 61 ⑵ 「代償請求権」 62
第3節 受領遅滞(債権者遅滞) 66
1 「受領遅滞」の意義 66
⑴ 「受領遅滞」と弁済提供 66 ⑵ 法的性質論 67
2 受領遅滞の要件・効果 70
⑴ 受領遅滞の要件 70 *給付不能と受領不能論 ⑵ 受領遅滞の効果 74
第4章 債権の効力(2)―損害賠償
第1節 「損害賠償」制度総説 76
⑴ 「損害賠償」制度の意義 76 ⑵ 「損害」の概念 77
⑶ 損害の分類 79
第2節 損害賠償の方法 82
⑴ 「金銭」による賠償 82 ⑵ 「中間利息」の控除 82
⑶ 過失相殺 84 ⑷ 損益相殺 84 ⑸ 賠償額の予定 85
⑹ 損害賠償による代位 86
第3節 「賠償」の法理(賠償すべき損害の範囲) 88
⑴ 416条の意義―賠償範囲の合理的制限 88
*相当因果関係説と保護範囲説
⑵ 通常損害・特別損害と「予見可能性」 91
⑶ 価格の変動(高騰)の問題 94 ⑷ 賠償額の算定時期 97
第4節 債務不履行の損害賠償 100
⑴ 債務不履行と「不可抗力」による免責 100
⑵ 「遅延賠償」―損害賠償の一般原則 101
⑶ 「填補賠償」―履行請求権の限界 102 ⑷ 金銭債務の特則 104
第5節 信義則上の義務違反 105
⑴ 義務違反による損害賠償の根拠 105
⑵ 付随義務違反と保護義務違反 106
⑶ 契約締結上の過失責任 107 ⑷ 安全配慮義務違反 108
⑸ 積極的債権侵害(拡大損害) 112
第5章 債権の効力(3)―責任財産の保全
《責任財産保全制度の意義》 115
第1節 債権者代位権 117
1 債権者代位権の意義 117
⑴ 「債権者代位権」とは何か 117
⑵ 債権者代位権制度の基本構造 118
2 債権者代位権の要件 120
⑴ 債権保全の必要性―「無資力」要件〔要件Ⅰ〕 120
⑵ 債務者の権利不行使〔要件Ⅱ〕 121
⑶ 被保全債権の履行期到来〔要件Ⅲ〕 121
3 債権者代位権の客体および行使 122
⑴ 債権者代位権の客体 122 ⑵ 債権者代位権の行使 124
4 債権者代位権の「転用」 126
⑴ 債権者代位権の「転用」の意義 126
⑵ 「登記請求権」の保全〔転用Ⅰ〕 128
⑶ 「妨害排除請求権」の保全〔転用Ⅱ〕 130
第2節 詐害行為取消権 132
1 詐害行為取消権の意義 132
⑴ 「詐害行為取消権」とは何か 132
⑵ 詐害行為取消権制度の目的―行為の「取消し」と財産の「返還」 132
2 詐害行為取消権の要件 133
⑴ 「債権者を害する行為」=客観的要件 133
⑵ 「詐害意思」=主観的要件 135
⑶ 「転得者」に対する詐害行為取消請求 136
⑷ 「要件」をめぐる解釈問題 137
*不動産の相当対価での処分 *特定債権者への本旨弁済
*債務者の「非義務行為」 *過大な代物弁済の特則 *担保の供与
*離婚に伴う財産分与・慰謝料等 *遺産分割の協議
3 詐害行為取消権の行使・範囲 141
⑴ 詐害行為取消権の行使の方法 141 ⑵ 取消しの範囲 143
4 詐害行為取消権行使の効果 146
⑴ 認容判決の効力が及ぶ範囲 146
⑵ 債務者が取得した反対給付に対する受益者の権利 146
⑶ 受益者の債権の回復 147 ⑷ 転得者の権利 147
⑸ 債権者への直接の支払又は引渡し 148
5 詐害行為取消権の期間制限 148
第6章 債権侵害に対する保護
1 不法行為に基づく損害賠償 149
⑴ 債権「侵害」の問題点 149 ⑵ 不法行為の成立要件の問題点 150
⑶ 債権侵害による不法行為の態様 151
2 債権に基づく妨害排除請求 153
⑴ 問題の所在 153 *2つの紛争類型
⑵ 妨害排除請求をどのように論拠づけるか 154
第7章 多数当事者の債権関係
序説 「多数当事者の債権及び債務」の意義 159
⑴ 「多数当事者の債権関係」とは何か 159 ⑵ 分析視角 160
第1節 分割債権関係 161
1 分割債権関係の意義 161
⑴ 多数当事者債権関係の「原則形態」 161
⑵ 分割債権と分割債務 162
2 分割債権関係の効力 163
⑴ 対外的効力 163 ⑵ 一人について生じた事由 164
⑶ 内部関係 164
第2節 不可分債権関係 166
1 不可分債権・債務の意義 166
《「性質上の不可分」の場合に限定》 166
2 不可分債権 167
⑴ 不可分債権の意義 167 ⑵ 対外的効力 167
⑶ 不可分債権者の一人について生じた事由 168 ⑷ 内部関係 168
⑸ 可分債権への変更 169
3 不可分債務 169
⑴ 不可分債務の意義 169 ⑵ 対外的効力 169
⑶ 不可分債務者の一人に生じた事由 169 ⑷ 内部関係(求償権) 170
⑸ 可分債務への変更 170
第3節 連帯債権 171
1 連帯債権の意義 171
⑴ 「法令の規定又は当事者の意思表示」による「不可分」 171
⑵ 現実にどのような場合か 171
2 連帯債権の効力 172
⑴ 対外的効力 172 ⑵ 連帯債権者の一人について生じた事由 172
⑶ 内部関係 173
第4節 連帯債務 174
1 連帯債務の意義 174
⑴ 「連帯債務」とは何か 174 ⑵ 連帯債務についての考え方 175
2 連帯債務の効力 178
⑴ 対外的効力―請求の独立性 178
⑵ 連帯債務者の一人について生じた事由 179
*絶対的効力事由
⑶ 内部関係(求償関係) 180
第5節 保証債務 183
1 保証債務の意義 183
⑴ 保証債務とは何か 183
⑵ 「保証」の現代的展開 185
2 保証債務の成立 186
⑴ 保証契約 186 ⑵ 保証契約の成立要件 187
3 保証債務の内容 189
⑴ 保証債務の「目的又は態様」 189 ⑵ 保証債務の範囲 190
*解除・無効・取消しによる原状回復義務
4 保証債務の効力 193
⑴ 対外的効力(保証人の抗弁権) 193
*催告・検索の抗弁権 *相殺権・取消権・解除権
⑵ 主たる債務者・保証人に生じた事由 196
⑶ 内部関係(求償関係) 197
*求償権の基礎 *事前求償権
5 債権者の情報提供義務 203
⑴ 主たる債務の「履行状況」に関する情報提供義務 203
⑵ 主たる債務者の「期限の利益喪失」に関する情報提供義務 203
6 保証債務の特殊形態 204
⑴ 連帯保証 204 ⑵ 共同保証 205 ⑶ 個人根保証契約 207
⑷ 事業保証契約 211 ⑸ 身元保証―身元保証法 213
第8章 債権譲渡と債務の引受け
第1節 債権譲渡 215
1 指名債権の譲渡 215
⑴ 債権の譲渡性《原則》 215
⑵ 債権の譲渡性に対する制限⑴―性質上の非譲渡性 217
⑶ 債権の譲渡性に対する制限⑵―譲渡制限特約 218
⑷ 譲渡性に対する制限⑶―法律による譲渡禁止 221
2 債務者に対する「対抗」 222
⑴ 債権譲渡の対抗要件の構造 222
⑵ 「通知・承諾」の意義 223
⑶ 債務者の「抗弁」 225
⑷ 債務者の「相殺権」 226
3 債務者以外の第三者に対する「対抗」 228
⑴ 第三者に対する「対抗」の意義 228
⑵ 債権の二重譲渡 230 *優劣関係の基準 *同時到達の法律関係
4 「登記」による「対抗」―対抗要件の特則 236
⑴ 動産・債権譲渡特例法の意義 236 ⑵ 登記手続き 236
⑶ 「登記」(対抗要件)の効力 238
5 特殊目的の債権譲渡―信託的譲渡 239
⑴ 「信託的譲渡」とは何か 239 ⑵ 取立のための債権譲渡の解釈論 241
第2節 債務引受・契約上の地位の移転 242
1 「債務引受」とは何か 242
《債務引受の2形態》―免責的債務引受と併存的債務引受 242
2 併存的債務引受 243
⑴ 併存的債務引受の契約 243
⑵ 併存的債務引受の効果―「同一債務」の「連帯負担」 244
⑶ 引受人の抗弁等 244
3 免責的債務引受 245
⑴ 免責的債務引受の契約 245
⑵ 免責的債務引受の効果―債務者の「債務」の移転 246
⑶ 引受人の抗弁等 246 ⑷ 担保の移転 247
4 履行の引受け 248
⑴ 「履行引受」とは何か 248
⑵ 履行引受の効果 248
5 契約上の地位の移転 249
⑴ 「契約上の地位の移転」の意義 249
⑵ 「契約上の地位の移転」の要件 250
⑶ 「契約上の地位の移転」の効果 251
第9章 債権の消滅
《債権の消滅原因》 252
第1節 弁 済 254
第1款 「弁済」制度 254
1 弁済制度の意義 254
⑴ 「弁済」とは何か 254 ⑵ 弁済の法的性質 255
2 弁済の方法 255
《民法の解釈規定》 255
⑴ 弁済の目的物 255
⑵ 弁済の場所及び時間 256 ⑶ 弁済の時期及び費用 256
⑷ 弁済の証拠 257
3 弁済者と弁済受領者 258
⑴ 弁済者 258 *第三者からの弁済 ⑵ 弁済の受領及び効力 260
⑶ 受領権者以外の者への弁済 261
4 弁済の充当 264
⑴ 弁済充当の意義 264
⑵ 指定充当(当事者の一方の指定による充当) 265 ⑶ 法定充当 265
⑷ 充当方法に対する制限 266
5 弁済の提供 267
⑴ 弁済提供制度 267 ⑵ 現実の提供 268 ⑶ 口頭の提供 269
⑷ 「提供」の効果 271
第2款 弁済による代位(弁済者代位) 273
1 「弁済による代位」の意義 273
⑴ 「弁済による代位」とは何か―「弁済者代位権」の取得 273
⑵ 「弁済者代位権」の要件 274
2 「弁済による代位」の効果 275
⑴ 求償権と代位権(原債権・担保権)との関係 275
*求償権と原債権 *内入弁済と充当
⑵ 代位権者と債権者―担保保存義務 278
⑶ 求償権の特約による制約 279
⑷ 「免責」の承継―担保放棄後の第三取得者 280
⑸ 担保保存義務「免除」特約 281
⑹ 一部弁済による代位と債権者 282
⑺ 法定代位権者の相互間 284
*保証人と物上保証人
第3款 代物弁済 289
⑴ 代物弁済の意義 289 ⑵ 代物弁済の要件 291
⑶ 代物弁済の効果 292
第4款 供 託 293
⑴ 供託制度の意義 293 ⑵ 供託の要件 293 ⑶ 供託の方法 295
⑷ 供託の効果 295 ⑸ 供託物の取戻し(取戻しの要件) 296
第2節 相 殺 298
1 相殺の意義 298
⑴ 「相殺」とは何か 298 ⑵ 相殺の機能 298 ⑶ 相殺の形態 300
*法定相殺と相殺予約
2 相殺の要件・方法・効果 301
⑴ 相殺の要件―相殺適状 301 *弁済期 ⑵ 相殺の方法 304
⑶ 相殺の効果 305 *遡及効
3 相殺の禁止 308
⑴ 当事者の意思表示による禁止 308 ⑵ 法律による禁止 308
*不法行為による損害賠償債権
4 相殺の担保的機能―「差押えと相殺」 310
⑴ 差押えに対する第三債務者の「相殺」 310 ⑵ 相殺予約 312
第3節 更 改 315
⑴ 更改の意義 315 ⑵ 更改契約の成立要件 316
⑶ 更改契約の効果 316 ⑷ 更改契約の取消し・解除 317
第4節 免 除 318
⑴ 免除の意義 318 ⑵ 免除の要件・効果 318
第5節 混 同 320
⑴ 混同の意義 320 ⑵ 混同の効果(例外) 320
第10章 有価証券
1 指図証券 321
⑴ 指図証券の譲渡―裏書 321 ⑵ 指図証券の権利行使 321
⑶ 指図証券の担保 322 ⑷ 指図証券の弁済 322 ⑸ 証券の喪失 322
2 記名式所持人払証券 323
⑴ 記名式所持人払証券の譲渡 323
⑵ 記名式所持人払証券の権利行使 323
⑶ 記名式所持人払証券の質入れ 323
3 その他の記名証券 324
その他の記名証券の譲渡 324
4 無記名証券 324
無記名証券の譲渡 324
事項索引 325
条文索引 329
判例索引 331
緒 言
第1章 債権法の基礎理論
1 「債権」とは何か 1
⑴ 債権法原理と物権法原理 1
⑵ 「債権が発生する」とはどのようなことか 2
*「債権の消滅」と規範的拘束 *給付行為
⑶ 「債権」の義務履行の構造 6 *給付義務・付随義務・保護義務
⑷ 債権法「総論」と債権法「各論」 12
2 「債権」の効力の一般理論 13
⑴ 債権の構造 13 *請求力と摑取力 ⑵ 債権と請求権 15
⑶ 債権の性質 16
3 いわゆる「不完全債務」論 17
⑴ 債権の訴求力と執行力 17
⑵ 「訴求力を欠く債務」―「自然債務」論 18
⑶ 「執行力を欠く債務」―「債務と責任」論 22
第2章 債権の目的
序説 債権の目的の意義 25
⑴ 「債権の目的」 25 ⑵ 債権の目的(給付)の要件 25
⑶ 給付の種類―給付上の分類 26
第1節 特定物債権と種類債権 28
1 特定物債権 28
⑴ 「特定の物」の引渡しを目的とする債権の意義 28
⑵ 保管義務の内容 29
2 種類債権 30
⑴ 種類債権の意義 30 ⑵ 種類債権の特定(集中) 33
⑶ 特定の効果―特定物債権への転化 34
第2節 金銭債権と利息債権 36
1 金銭債権 36
⑴ 金銭債権の意義 36 ⑵ 金銭債権の種類(分類) 36
⑶ 金銭債権に関する特則 37
2 利息債権 38
⑴ 利息債権の意義 38 *利息債権と元本債権の関係 ⑵ 利率と重利 40
3 金利規制 42
⑴ 利息の制限―民事法的規制(利息制限法) 42
⑵ 刑事罰による制限―刑事法的規制(出資法) 43
⑶ 貸金業に対する規制(貸金業法) 44
第3節 選択債権と任意債権 48
1 選択債権 48
⑴ 選択債権の意義 48 ⑵ 選択権の特定 49
2 任意債権 49
第3章 債権の効力(1)―債務不履行(給付障害)
第1節 「債権の効力」と「債務不履行」の構造 50
⑴ 「請求力」と「履行請求権」の関係 50
⑵ 履行請求権の顕在化と履行請求権の限界 51
第2節 債務不履行 53
1 履行遅滞―履行請求権の発動 53
⑴ 履行遅滞とは何か 53 ⑵ 「追完請求権」―完全履行請求権Ⅰ 54
⑶ 「履行の強制」―完全履行請求権Ⅱ 58
2 「履行不能」―履行請求権の限界 61
⑴ 履行不能とは何か 61 ⑵ 「代償請求権」 62
第3節 受領遅滞(債権者遅滞) 66
1 「受領遅滞」の意義 66
⑴ 「受領遅滞」と弁済提供 66 ⑵ 法的性質論 67
2 受領遅滞の要件・効果 70
⑴ 受領遅滞の要件 70 *給付不能と受領不能論 ⑵ 受領遅滞の効果 74
第4章 債権の効力(2)―損害賠償
第1節 「損害賠償」制度総説 76
⑴ 「損害賠償」制度の意義 76 ⑵ 「損害」の概念 77
⑶ 損害の分類 79
第2節 損害賠償の方法 82
⑴ 「金銭」による賠償 82 ⑵ 「中間利息」の控除 82
⑶ 過失相殺 84 ⑷ 損益相殺 84 ⑸ 賠償額の予定 85
⑹ 損害賠償による代位 86
第3節 「賠償」の法理(賠償すべき損害の範囲) 88
⑴ 416条の意義―賠償範囲の合理的制限 88
*相当因果関係説と保護範囲説
⑵ 通常損害・特別損害と「予見可能性」 91
⑶ 価格の変動(高騰)の問題 94 ⑷ 賠償額の算定時期 97
第4節 債務不履行の損害賠償 100
⑴ 債務不履行と「不可抗力」による免責 100
⑵ 「遅延賠償」―損害賠償の一般原則 101
⑶ 「填補賠償」―履行請求権の限界 102 ⑷ 金銭債務の特則 104
第5節 信義則上の義務違反 105
⑴ 義務違反による損害賠償の根拠 105
⑵ 付随義務違反と保護義務違反 106
⑶ 契約締結上の過失責任 107 ⑷ 安全配慮義務違反 108
⑸ 積極的債権侵害(拡大損害) 112
第5章 債権の効力(3)―責任財産の保全
《責任財産保全制度の意義》 115
第1節 債権者代位権 117
1 債権者代位権の意義 117
⑴ 「債権者代位権」とは何か 117
⑵ 債権者代位権制度の基本構造 118
2 債権者代位権の要件 120
⑴ 債権保全の必要性―「無資力」要件〔要件Ⅰ〕 120
⑵ 債務者の権利不行使〔要件Ⅱ〕 121
⑶ 被保全債権の履行期到来〔要件Ⅲ〕 121
3 債権者代位権の客体および行使 122
⑴ 債権者代位権の客体 122 ⑵ 債権者代位権の行使 124
4 債権者代位権の「転用」 126
⑴ 債権者代位権の「転用」の意義 126
⑵ 「登記請求権」の保全〔転用Ⅰ〕 128
⑶ 「妨害排除請求権」の保全〔転用Ⅱ〕 130
第2節 詐害行為取消権 132
1 詐害行為取消権の意義 132
⑴ 「詐害行為取消権」とは何か 132
⑵ 詐害行為取消権制度の目的―行為の「取消し」と財産の「返還」 132
2 詐害行為取消権の要件 133
⑴ 「債権者を害する行為」=客観的要件 133
⑵ 「詐害意思」=主観的要件 135
⑶ 「転得者」に対する詐害行為取消請求 136
⑷ 「要件」をめぐる解釈問題 137
*不動産の相当対価での処分 *特定債権者への本旨弁済
*債務者の「非義務行為」 *過大な代物弁済の特則 *担保の供与
*離婚に伴う財産分与・慰謝料等 *遺産分割の協議
3 詐害行為取消権の行使・範囲 141
⑴ 詐害行為取消権の行使の方法 141 ⑵ 取消しの範囲 143
4 詐害行為取消権行使の効果 146
⑴ 認容判決の効力が及ぶ範囲 146
⑵ 債務者が取得した反対給付に対する受益者の権利 146
⑶ 受益者の債権の回復 147 ⑷ 転得者の権利 147
⑸ 債権者への直接の支払又は引渡し 148
5 詐害行為取消権の期間制限 148
第6章 債権侵害に対する保護
1 不法行為に基づく損害賠償 149
⑴ 債権「侵害」の問題点 149 ⑵ 不法行為の成立要件の問題点 150
⑶ 債権侵害による不法行為の態様 151
2 債権に基づく妨害排除請求 153
⑴ 問題の所在 153 *2つの紛争類型
⑵ 妨害排除請求をどのように論拠づけるか 154
第7章 多数当事者の債権関係
序説 「多数当事者の債権及び債務」の意義 159
⑴ 「多数当事者の債権関係」とは何か 159 ⑵ 分析視角 160
第1節 分割債権関係 161
1 分割債権関係の意義 161
⑴ 多数当事者債権関係の「原則形態」 161
⑵ 分割債権と分割債務 162
2 分割債権関係の効力 163
⑴ 対外的効力 163 ⑵ 一人について生じた事由 164
⑶ 内部関係 164
第2節 不可分債権関係 166
1 不可分債権・債務の意義 166
《「性質上の不可分」の場合に限定》 166
2 不可分債権 167
⑴ 不可分債権の意義 167 ⑵ 対外的効力 167
⑶ 不可分債権者の一人について生じた事由 168 ⑷ 内部関係 168
⑸ 可分債権への変更 169
3 不可分債務 169
⑴ 不可分債務の意義 169 ⑵ 対外的効力 169
⑶ 不可分債務者の一人に生じた事由 169 ⑷ 内部関係(求償権) 170
⑸ 可分債務への変更 170
第3節 連帯債権 171
1 連帯債権の意義 171
⑴ 「法令の規定又は当事者の意思表示」による「不可分」 171
⑵ 現実にどのような場合か 171
2 連帯債権の効力 172
⑴ 対外的効力 172 ⑵ 連帯債権者の一人について生じた事由 172
⑶ 内部関係 173
第4節 連帯債務 174
1 連帯債務の意義 174
⑴ 「連帯債務」とは何か 174 ⑵ 連帯債務についての考え方 175
2 連帯債務の効力 178
⑴ 対外的効力―請求の独立性 178
⑵ 連帯債務者の一人について生じた事由 179
*絶対的効力事由
⑶ 内部関係(求償関係) 180
第5節 保証債務 183
1 保証債務の意義 183
⑴ 保証債務とは何か 183
⑵ 「保証」の現代的展開 185
2 保証債務の成立 186
⑴ 保証契約 186 ⑵ 保証契約の成立要件 187
3 保証債務の内容 189
⑴ 保証債務の「目的又は態様」 189 ⑵ 保証債務の範囲 190
*解除・無効・取消しによる原状回復義務
4 保証債務の効力 193
⑴ 対外的効力(保証人の抗弁権) 193
*催告・検索の抗弁権 *相殺権・取消権・解除権
⑵ 主たる債務者・保証人に生じた事由 196
⑶ 内部関係(求償関係) 197
*求償権の基礎 *事前求償権
5 債権者の情報提供義務 203
⑴ 主たる債務の「履行状況」に関する情報提供義務 203
⑵ 主たる債務者の「期限の利益喪失」に関する情報提供義務 203
6 保証債務の特殊形態 204
⑴ 連帯保証 204 ⑵ 共同保証 205 ⑶ 個人根保証契約 207
⑷ 事業保証契約 211 ⑸ 身元保証―身元保証法 213
第8章 債権譲渡と債務の引受け
第1節 債権譲渡 215
1 指名債権の譲渡 215
⑴ 債権の譲渡性《原則》 215
⑵ 債権の譲渡性に対する制限⑴―性質上の非譲渡性 217
⑶ 債権の譲渡性に対する制限⑵―譲渡制限特約 218
⑷ 譲渡性に対する制限⑶―法律による譲渡禁止 221
2 債務者に対する「対抗」 222
⑴ 債権譲渡の対抗要件の構造 222
⑵ 「通知・承諾」の意義 223
⑶ 債務者の「抗弁」 225
⑷ 債務者の「相殺権」 226
3 債務者以外の第三者に対する「対抗」 228
⑴ 第三者に対する「対抗」の意義 228
⑵ 債権の二重譲渡 230 *優劣関係の基準 *同時到達の法律関係
4 「登記」による「対抗」―対抗要件の特則 236
⑴ 動産・債権譲渡特例法の意義 236 ⑵ 登記手続き 236
⑶ 「登記」(対抗要件)の効力 238
5 特殊目的の債権譲渡―信託的譲渡 239
⑴ 「信託的譲渡」とは何か 239 ⑵ 取立のための債権譲渡の解釈論 241
第2節 債務引受・契約上の地位の移転 242
1 「債務引受」とは何か 242
《債務引受の2形態》―免責的債務引受と併存的債務引受 242
2 併存的債務引受 243
⑴ 併存的債務引受の契約 243
⑵ 併存的債務引受の効果―「同一債務」の「連帯負担」 244
⑶ 引受人の抗弁等 244
3 免責的債務引受 245
⑴ 免責的債務引受の契約 245
⑵ 免責的債務引受の効果―債務者の「債務」の移転 246
⑶ 引受人の抗弁等 246 ⑷ 担保の移転 247
4 履行の引受け 248
⑴ 「履行引受」とは何か 248
⑵ 履行引受の効果 248
5 契約上の地位の移転 249
⑴ 「契約上の地位の移転」の意義 249
⑵ 「契約上の地位の移転」の要件 250
⑶ 「契約上の地位の移転」の効果 251
第9章 債権の消滅
《債権の消滅原因》 252
第1節 弁 済 254
第1款 「弁済」制度 254
1 弁済制度の意義 254
⑴ 「弁済」とは何か 254 ⑵ 弁済の法的性質 255
2 弁済の方法 255
《民法の解釈規定》 255
⑴ 弁済の目的物 255
⑵ 弁済の場所及び時間 256 ⑶ 弁済の時期及び費用 256
⑷ 弁済の証拠 257
3 弁済者と弁済受領者 258
⑴ 弁済者 258 *第三者からの弁済 ⑵ 弁済の受領及び効力 260
⑶ 受領権者以外の者への弁済 261
4 弁済の充当 264
⑴ 弁済充当の意義 264
⑵ 指定充当(当事者の一方の指定による充当) 265 ⑶ 法定充当 265
⑷ 充当方法に対する制限 266
5 弁済の提供 267
⑴ 弁済提供制度 267 ⑵ 現実の提供 268 ⑶ 口頭の提供 269
⑷ 「提供」の効果 271
第2款 弁済による代位(弁済者代位) 273
1 「弁済による代位」の意義 273
⑴ 「弁済による代位」とは何か―「弁済者代位権」の取得 273
⑵ 「弁済者代位権」の要件 274
2 「弁済による代位」の効果 275
⑴ 求償権と代位権(原債権・担保権)との関係 275
*求償権と原債権 *内入弁済と充当
⑵ 代位権者と債権者―担保保存義務 278
⑶ 求償権の特約による制約 279
⑷ 「免責」の承継―担保放棄後の第三取得者 280
⑸ 担保保存義務「免除」特約 281
⑹ 一部弁済による代位と債権者 282
⑺ 法定代位権者の相互間 284
*保証人と物上保証人
第3款 代物弁済 289
⑴ 代物弁済の意義 289 ⑵ 代物弁済の要件 291
⑶ 代物弁済の効果 292
第4款 供 託 293
⑴ 供託制度の意義 293 ⑵ 供託の要件 293 ⑶ 供託の方法 295
⑷ 供託の効果 295 ⑸ 供託物の取戻し(取戻しの要件) 296
第2節 相 殺 298
1 相殺の意義 298
⑴ 「相殺」とは何か 298 ⑵ 相殺の機能 298 ⑶ 相殺の形態 300
*法定相殺と相殺予約
2 相殺の要件・方法・効果 301
⑴ 相殺の要件―相殺適状 301 *弁済期 ⑵ 相殺の方法 304
⑶ 相殺の効果 305 *遡及効
3 相殺の禁止 308
⑴ 当事者の意思表示による禁止 308 ⑵ 法律による禁止 308
*不法行為による損害賠償債権
4 相殺の担保的機能―「差押えと相殺」 310
⑴ 差押えに対する第三債務者の「相殺」 310 ⑵ 相殺予約 312
第3節 更 改 315
⑴ 更改の意義 315 ⑵ 更改契約の成立要件 316
⑶ 更改契約の効果 316 ⑷ 更改契約の取消し・解除 317
第4節 免 除 318
⑴ 免除の意義 318 ⑵ 免除の要件・効果 318
第5節 混 同 320
⑴ 混同の意義 320 ⑵ 混同の効果(例外) 320
第10章 有価証券
1 指図証券 321
⑴ 指図証券の譲渡―裏書 321 ⑵ 指図証券の権利行使 321
⑶ 指図証券の担保 322 ⑷ 指図証券の弁済 322 ⑸ 証券の喪失 322
2 記名式所持人払証券 323
⑴ 記名式所持人払証券の譲渡 323
⑵ 記名式所持人払証券の権利行使 323
⑶ 記名式所持人払証券の質入れ 323
3 その他の記名証券 324
その他の記名証券の譲渡 324
4 無記名証券 324
無記名証券の譲渡 324
事項索引 325
条文索引 329
判例索引 331