仲裁法概説
中村達也 著
定価:3,630円(税込)-
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発行:
2022年05月01日
-
判型:
A5判並製 -
ページ数:
474頁 -
ISBN:
978-4-7923-2784-2
内容紹介
《目 次》
はしがき i
目次 iii
凡例 xxi
第1章 仲裁制度
1 仲裁とは何か 1
(1) 日常用語としての仲裁と法律用語としての仲裁 (1)
(2) 仲裁以外のADR、訴訟との異同 (2)
2 仲裁の起源と史的発展 2
3 国家の司法制度における仲裁の位置付け 3
(1) 国家の仲裁への介入・関与 (3)
(2) 国家による自国への国際仲裁の誘致合戦 (4)
4 仲裁法の法源
(1) 仲裁法 (5)
(2) 条約 (6)
(a) ジュネーヴ議定書、ジュネーヴ条約
(b) ニューヨーク条約(NY条約) (7)
(c) 投資紛争解決条約 (8)
5 仲裁法の解釈基準 8
(1) 民事訴訟法の類推適用の適否 (8)
(2) モデル法、NY 条約の解釈 (9)
(3) 仲裁の訴訟代替性 (10)
6 仲裁制度の特徴 10
(1) 仲裁制度のメリット (10)
(a) 柔軟性 (10)
(b) 専門性 (11)
(c) 非公開性と当事者の秘密保持義務 (12)
(d) 仲裁判断の国際的効力 (13)
(e) 中立性 (14)
(f) 迅速性・低廉性 (15)
(2) 仲裁制度のデメリット (15)
(a) 仲裁合意の必要性 (15)
(b) 上訴制度がない(単審制) (16)
(c) 費用負担 (16)
(3) 裁判所の国際化 (16)
7 機関仲裁とアド・ホック仲裁 17
(1) 機関仲裁 (18)
(2) アド・ホック仲裁 (18)
8 わが国における仲裁の実情 19
(1) 主な仲裁機関 (19)
(a) 公的機関 (19)
(b) 民間仲裁機関 (22)
(2) 仲裁の利用状況の推移と現状 (24)
(a) 仲裁の利用状況の推移 (24)
(b) 現状 (26)
第2章 仲裁合意
1 仲裁合意とは何か 31
(1) 仲裁合意の定義 (31)
(2) 仲裁合意の性質 (31)
(a) 訴訟契約説、実体契約説、混合契約説 (31)
(b) 性質論の意義 (32)
2 仲裁合意の対象となる紛争 32
(1) 仲裁法の規定 (32)
(2) 「民事上」の紛争とは何か (33)
(3) 非訟事件と民事上の「紛争」 (33)
(4) 「民事上の紛争」は「法律上の争訟」でなければならないか (34)
(a) 多数説が妥当か (34)
(b) 「法律上の争訟」とは何か (35)
(5) 和解可能性 (40)
(a) 和解可能性の意義 (40)
(b) 離婚、離縁事件 (41)
(6) 仲裁可能性が問題となる紛争 (42)
(a) 公序良俗違反と仲裁可能生 (42)
(b) 知的財産関係事件 ―特許の有効性― (43)
(c) 独占禁止法関係事件 (46)
(d) 会社関係事件 (47)
(e) 人事訴訟事件 (47)
(f) 行政事件 (47)
(7) 「将来において生じる一定の法律関係に関する」紛争 (49)
(a) 趣旨 (49)
(b) 当事者の予見可能性を確保するための規定か (50)
(8) 消費者仲裁合意・個別労働仲裁合意の特則 (50)
(a) 趣旨 (50)
(b) 消費者保護規定 (51)
(c) 労働者保護規定 (52)
(d) 両者の保護規定の違い (52)
3 仲裁付託の意思 53
(a) 紛争の解決を第三者に「委ねる」合意 (53)
(b) 第三者の判断に「服する」旨の合意 (53)
(c) 紛争の解決を「第三者」に委ねる合意 (53)
(d) 仲裁法上の「仲裁」合意 (54)
4 仲裁合意の成否の解釈 54
(1) 解釈の基準 (54)
(2) 実体法上の契約の解釈と異なるか (56)
(3) 約款法理の適用の可否 (57)
5 仲裁合意の方式 58
(1) 要式性とモデル法 (58)
(2) 仲裁法13条2項の書面要件 (58)
(a) 当事者が署名した文書、当事者が交換した書簡等による場合 (58)
(b) 「その他の書面」とは何を指すか (60)
(3) 13条4項の電磁的記録による場合 (61)
(4) 仲裁法13条3項の「仲裁条項が記載された他文書の引用」による場合 (62)
(a) 一般的指示文句と特定的指示文句 (62)
(b) 仲裁条項が記載された文書が「当該契約の一部を構成するものとして引用されているとき」の意味 (63)
(5) 仲裁法13条5項により書面要件を具備する場合 (64)
(6) 妨訴抗弁の局面 (65)
(7) モデル法の2006年改正とそれに対応する仲裁法の改正
6 仲裁合意の当事者に関わる有効要件 66
(1) 当事者能力 (66)
(2) 仲裁合意締結能力 (67)
(3) 仲裁合意締結権限 (68)
(4) 意思表示の瑕疵 (68)
7 仲裁合意の効力 68
(1) 仲裁合意の積極的効力 (68)
(2) 仲裁合意の消極的効力 (69)
(a) 妨訴抗弁 (69)
(b) 答弁書の陳述擬制 (70)
(c) 抗弁権の失効 (70)
(d) 相殺の抗弁 (71)
(e) 訴訟判決の効果 (71)
(f) 妨訴抗弁を主張できる手続 (72)
(g) 仲裁廷の手続続行権 (72)
(h) ADR 前置合意は妨訴抗弁として働くか (73)
(3) 仲裁合意の効力の主観的範囲 (77)
(a) 学説 (77)
(b) 判例 (79)
(c) 当事者の意思解釈の問題 (80)
(d) 当事者の意思に依拠しない場合 (81)
(4) 仲裁合意上の地位の移転 (82)
(a) 包括承継 (82)
(b) 債権譲渡 (82)
(c) 手形債権の譲受人 (86)
(d) 債務引受人 (87)
(e) 契約上の地位の譲受人 (88)
(f) 海上運送契約の荷受人 (90)
(g) 保険代位、代位弁済、債権者代位等 (91)
(h) 破産管財人、破産債権者 (92)
(5) 仲裁合意の効力の客観的範囲 (99)
(6) 仲裁合意の分離独立性 (99)
(a) 分離独立性の根拠 (100)
(b) 仲裁法13条6項の規定の趣旨 (101)
(c) 分離独立性が機能する(しない)場合 (101)
(d) 分離独立性の原則と仲裁廷の仲裁権限判断権との関係 (104)
8 仲裁合意の無効・失効 105
(a) 無効・取消事由 (105)
(b) 解除 (105)
(c) 妨訴抗弁と失効 (106)
(d) 仲裁判断と失効 (106)
9 仲裁鑑定契約 106
(1) 仲裁鑑定契約の意義 (106)
(2) 仲裁鑑定契約の効力 (107)
(3) 裁定の効力と仲裁鑑定手続 (108)
(4) 事実の存否に関する紛争を仲裁合意の対象とすることができるか (109)
(5) 第三者による契約の補充、適応―広義の仲裁鑑定 (111)
(a) 仲裁鑑定との異同 (111)
(b) 契約の補充、適応を第三者に委ねる合意の効力 (111)
(c) 第三者の裁定の効力と裁定手続 (112)
(d) 契約の補充、適応を仲裁合意の対象とすることができるか (112)
第3章 仲裁人
1 仲裁人・仲裁廷の意義 115
2 仲裁人の資格 115
(1) 仲裁人の公正性・独立性との関係 (116)
(2) 弁護士法72条との関係 (116)
3 仲裁人の選任 117
(1) 仲裁人の数 (117)
(2) 仲裁人の選任手続 (118)
(a) 当事者が2人の場合 (118)
(b) 当事者が3人以上の場合 (118)
(c) 裁判所による仲裁人の選任 (119)
(3) 仲裁人選任手続における当事者平等取扱の原則 (120)
(a) 当事者が2人の場合 (120)
(b) 当事者が3人以上の場合 (122)
4 仲裁人契約 125
(1) 仲裁人契約の意義・性質 (125)
(2) 仲裁人契約の終了 (126)
(a) 仲裁合意の失効 (126)
(b) 仲裁手続の終了 (127)
(c) 仲裁人の任務終了 (127)
5 仲裁人の忌避 130
(1) 忌避制度の意義 (130)
(2) 除斥・回避制度はない (130)
(3) 仲裁法と旧法の違い (131)
(a) 忌避事由 (131)
(b) 忌避権の喪失 (132)
(c) 仲裁人・仲裁人候補者の開示義務 (132)
(d) 忌避手続 (132)
(4) 仲裁人の忌避事由 (133)
(a) 仲裁人の公正性・独立性 (133)
(b) 旧法の「仲裁の公正を妨げるべき事情」との関係 (135)
(c) 裁判官の除斥事由との関係 (136)
(d) 裁判官の忌避事由の範囲(忌避判断基準)との異同 (136)
(e) 当事者が選任する仲裁人と第三者が選任する仲裁人の忌避事由の範囲(忌避判断基準)の異同 (137)
(f) 当事者の合意による忌避事由の変更の可否 (138)
(5) 仲裁人・仲裁人候補者の公正独立阻害事由の開示義務 (138)
(a) 制度趣旨 (138)
(b) 仲裁人による公正独立阻害事由に係る事前表明 (139)
(c) 当事者は仲裁人・仲裁人候補者の開示義務を合意により免除できるか (140)
(6) 仲裁人・仲裁人候補者の調査義務 (140)
(7) 忌避手続 (142)
(a) 当事者による解任、仲裁人の辞任 (142)
(b) 当事者間に忌避手続について合意がない場合 (142)
(c) 忌避決定と仲裁法37条3項が定める手続上の事項との関係 (143)
(d) 忌避申立期間と忌避事由の主張制限の可否 (143)
(e) 絶対的忌避事由と相対的忌避事由の区分 (144)
(f) 忌避権の事前放棄の可否 (145)
(g) 当事者は、裁判所に対し忌避申立てをしない場合、忌避事由を主張する権利を喪失するか (146)
(h) 仲裁廷の手続続行権 (148)
(8) 忌避裁判の効力 (148)
(a) 忌避事由の存否の確定 (148)
(b) 忌避を理由があるとする決定がされた場合における当該仲裁人が関与した手続の効力 (149)
(9) 仲裁判断と忌避手続 (150)
(a) 仲裁判断後の忌避申立て (150)
(b) 忌避申立ての決定前に仲裁判断がされた場合 (150)
(10) 忌避申立てが認められた場合の手続のやり直しの要否 (150)
(11) 忌避最終裁定条項の有効性 (151)
6 仲裁人の権利・義務 152
(1) 仲裁法上の権利・義務 (152)
(2) 善管注意義務 (153)
(3) 秘密保持義務 (153)
(4) 仲裁人の義務違反 (154)
第4章 仲裁手続
1 仲裁手続の開始 155
(1) 仲裁手続の開始日 (155)
(2) 紛争を仲裁手続に付する旨の通知と請求の特定 (155)
(3) 民事保全との関係 (156)
(4) 時効の完成猶予・更新 (156)
(a) 趣旨 (156)
(b) 時効の完成猶予・更新の効力が生じる時期 (157)
(c) 時効の完成猶予・更新の効力が生じない場合 (158)
(d) 催告による時効の完成猶予との関係 (158)
(e) 仲裁判断が取り消された場合 (159)
2 書面による通知 160
(1) 到達主義 (160)
(2) 擬制的通知 (161)
(a) 相当の調査 (161)
(b) 擬制的通知と手続保障との関係 (161)
(3) 裁判所がする送達 (162)
(a) 制度趣旨 (162)
(b) 要件 (163)
(c) 送達方法 (163)
(d) 管轄裁判所 (163)
(e) 手続 (164)
3 仲裁地 164
(a) 仲裁地の意味 (164)
(b) 仲裁地の決定 (164)
(c) 裁判所の管轄との関係 (164)
(d) 国際仲裁と仲裁地 (165)
4 仲裁手続の代理 165
5 仲裁手続の準則と基本原則 165
(1) 仲裁手続の準則 (165)
(2) 仲裁手続の基本原則 (166)
(3) 合議体である仲裁廷の議事 (166)
6 異議権の喪失 167
(1) 趣旨 (167)
(2) 異議権の事前放棄 (167)
(3) 異議権の喪失の要件と効果 (167)
(4) 仲裁合意の書面性と異議権の喪失 (168)
(5) 忌避事由と異議権の喪失 (169)
(6) 当事者の利益(私益)を保護する強行規定と異議権の喪失 (169)
7 仲裁権限の有無についての紛争 171
(1) 仲裁廷の判断権 (171)
(a) 問題の所在 (171)
(b) 仲裁権限判断権 (172)
(2) 仲裁被申立人が仲裁権限を争う場合 (172)
(a) 主張の提出期限 (172)
(b) 正当な理由とは (173)
(c) 当事者による仲裁人の選任等との関係(173)
(3) 失権効が及ばない場合 (173)
(a) 仲裁被申立人による手続不参加と失権効 (173)
(b) 失権効の趣旨 (174)
(c) 手続不参加の仲裁被申立人には失権効は及ばない (174)
(4) 仲裁権限の有無についての仲裁廷の判断の形式 (175)
(a) 仲裁廷が仲裁権限を肯定する場合 (175)
(b) 仲裁廷が仲裁権限を否定する場合 (177)
(5) 仲裁法23条4項、5項の問題点(その1) (177)
(a) 終局的解決が図れない (177)
(b) モデル法の考え方 (178)
(6) 仲裁法23条4項、5項の問題点(その2) (179)
(a) 仲裁廷が仲裁権限を否定した場合、裁判所に対する不服申立制度が置かれていない理由 (179)
(b) モデル法採用国の立法等による対応 (179)
(7) 仲裁権限の有無についての判断を仲裁判断として示す可能性 (180)
(8) 仲裁合意に係る確認請求訴訟等の可否 (182)
(a) 仲裁法4条との関係 (182)
(b) 仲裁差止請求訴訟 (183)
(9) 仲裁権限最終裁定条項の有効性 (183)
(10) ADR 前置合意と仲裁手続の終了決定 (185)
8 仲裁廷による暫定保全措置 185
(1) 趣旨 (185)
(2) 暫定保全措置の種類 (186)
(3) 暫定保全措置の担保 (187)
(4) 暫定保全措置命令の執行力 (188)
(5) 裁判所の保全処分との関係 (188)
9 審理方法 189
(1) 審理方式 (189)
(a) 仲裁手続の準則と当事者自治の原則 (189)
(b) 口頭審理と書面審理 (189)
(c) オンラインによる審理は口頭審理か (190)
(2) 手続保障に関する仲裁法の規定 (191)
(3) 仲裁申立て、答弁の内容および提出期限 (191)
(a) 仲裁申立書の提出 (191)
(b) 答弁書の提出 (192)
(4) 仲裁申立ての変更 (192)
(5) 反対請求の申立ての可否 (193)
(6) 相殺の抗弁の可否 (194)
(a) 学説 (195)
(b) 制限説が妥当か (196)
(7) 不熱心な当事者がいる場合の取扱い (198)
(a) 仲裁申立人の懈怠 (198)
(b) 仲裁被申立人の懈怠 (198)
(c) 審理の現状に基づく仲裁判断 (199)
(8) 証拠調べ (199)
(a) 仲裁廷の権限 (199)
(b) 鑑定 (200)
(c) 私知利用と手続保障 (201)
(d) 裁判所により実施する証拠調べ (201)
10 多数当事者仲裁 204
(1) 仲裁合意が同一の場合 (204)
(2) 仲裁合意が同一でない場合 (205)
(3) スポーツ競技団体による競技大会へ出場する代表選手選考決定の取消しを求める競技者と競技団体との仲裁手続の問題点 (205)
11 仲裁手続と和解 206
(1) 仲裁廷(仲裁人)による和解の試み (206)
(a) 実務に対応した仲裁法38条4項―和解の試みは当事者の承諾が条件(206)
(b) 承諾の撤回は自由 (206)
(c) 承諾・撤回の書面性 (207)
(d) 仲裁手続に付された紛争でなければならない (207)
(e) 仲裁廷(仲裁人)による和解の試みの問題 (207)
(2) 和解的仲裁判断 (208)
(a) 和解的仲裁判断とは何か (208)
(b) 要件 (208)
(c) 仲裁手続前に成立した和解に基づく仲裁判断の可否 (210)
(d) 仲裁廷の裁量 (210)
(e) 和解的仲裁判断の方式 (211)
(3) 和解合意の無効・取消原因を主張する方法 (211)
12 仲裁手続の終了 212
(1) 仲裁判断による終了 (212)
(2) 終了決定による終了 (212)
(a) 仲裁廷が仲裁権限を有しない旨の判断を示す場合 (212)
(b) 仲裁申立人が陳述しない場合 (212)
(c) 仲裁申立人が仲裁申立てを取り下げた場合 (213)
(d) 当事者が仲裁手続を終了させる旨の合意をした場合 (213)
(e) 当事者間に和解が成立した場合 (214)
(f) 仲裁廷が、仲裁手続を続行する必要がなく、または仲裁手続を続行することが不可能であると認めた場合(一般的終了事由) (214)
(3) 終了決定の効果 (215)
(a) 仲裁廷の任務の終了 (215)
(b) 仲裁合意の効力 (215)
13 仲裁費用 215
(1) 仲裁費用とは何か (215)
(a) 訴訟費用 (215)
(b) 仲裁費用 (216)
(2) 仲裁費用の種類 (216)
(3) 仲裁費用の額 (217)
(a) 仲裁廷の費用 (217)
(b) 仲裁機関の費用 (218)
(c) 当事者の費用 (218)
(d) 代理人弁護士の報酬 (218)
(4) 仲裁費用の予納 (220)
(5) 仲裁費用の負担割合 (220)
(a) 当事者均等負担と敗訴者負担の原則 (220)
(b) 負担割合に基づく償還額の確定 (221)
(6) 仲裁廷が仲裁権限を有しないとして仲裁手続の終了決定をする場合における仲裁費用に関する決定 (222)
14 第三者資金提供 222
(1) 第三者資金提供とは何か (222)
(2) 第三者資金提供を利用する場合の仲裁法上の主な問題 (223)
(a) 第三者資金提供者と仲裁人の公正性・独立性 (223)
(b) 当事者の秘密保持義務と資金提供者への開示の許否 (225)
(3) 信託法10条、弁護士法72条、73条との抵触問題 (226)
第5章 仲裁判断
1 仲裁判断とは何か 229
2 仲裁判断の種類 229
(1) 学説の状況 (229)
(2) 一部仲裁判断 (230)
(3) 中間的判断 (231)
(a) 仲裁権限の有無についての判断 (231)
(b) 本案の前提問題についての判断 (232)
(c) 和解的仲裁判断 (233)
(d) 暫定保全措置命令 (233)
3 仲裁判断の判断基準 234
(1) 仲裁法36条1項、2項の適用の可否 (234)
(2) 衡平と善による判断 (234)
(3) 慣習の考慮 (234)
(4) 当事者が主張しない強行法規の適用 (235)
4 申立事項と判断事項 235
5 仲裁判断の内容の確定 236
(1) 仲裁廷の評議 (236)
(2) 仲裁廷の評決 (236)
6 仲裁判断書の作成 238
(1) 仲裁人の署名 (238)
(2) 理由の記載 (238)
(3) 作成年月日・仲裁地の記載 (239)
(4) 仲裁判断の通知 (239)
(5) 少数意見の表明 (239)
(a) 訴訟との違い (239)
(b) 少数意見の表明の適否をめぐる議論 (241)
7 仲裁判断の効力 242
(1) 仲裁判断の成立 (242)
(2) 仲裁判断で確定した権利の消滅時効 (242)
(3) 既判力 (243)
(a) 和解的仲裁判断の既判力 (243)
(b) 客観的範囲 (244)
(c) 理由中の判断 (244)
(d) 主観的範囲 (245)
(e) 抗弁説と職権説 (246)
(f) 処分肯定説と処分否定説 (249)
(g) 仲裁判断の既判力の基準時 (251)
(4) 執行力 (251)
(5) 形成力 (252)
8 仲裁判断の訂正・解釈、追加仲裁判断 252
(1) 仲裁判断の訂正 (253)
(a) 制度の趣旨 (253)
(b) 手続 (253)
(2) 仲裁判断の解釈 (254)
(a) 制度の趣旨 (254)
(b) 手続 (254)
(3) 追加仲裁判断 (255)
(a) 制度の趣旨 (255)
(b) 手続 (256)
第6章 仲裁判断の取消しおよび承認・執行
1 仲裁判断の取消し 257
(1) 取消制度の趣旨 (257)
(2) 内国仲裁判断が取消しの対象となる (258)
(3) 取消事由の限定列挙 (258)
(4) 裁 量 棄 却 (258)
(5) 仲裁判断の承認・執行との関係 (259)
(6) 裁量棄却の基準 (260)
(a) 学説・判例 (260)
(b) 仲裁法27条との関係 (260)
(7) 当事者自治との関係 (261)
(a) 仲裁判断取消しの申立権の放棄の可否 (261)
(b) 取消事由の任意的追加・拡張の可否 (262)
(c) 裁判所に再審査を求めることができる旨の合意の可否 (263)
(8) 仲裁判断の当然無効をめぐる議論 (263)
(a) 判決の場合 (263)
(b) モデル法に準拠とする仲裁法は仲裁判断の当然無効を肯定する (264)
(c) 学説 (265)
(d) 判例 (265)
(e) 当然無効否定説の問題点―取消申立期間経過後の承認拒絶事由の主張の可否― (266)
(f) 当然無効肯定説をとらないドイツ仲裁法が講じている措置 (267)
(g) 信義則違反とモデル法が採用する救済方法の選択 (268)
(9) 取消事由 (269)
(a) 仲裁合意の無効 (269)
(b) 手続保障違反 (270)
(c) 仲裁合意・仲裁申立ての範囲の逸脱 (276)
(d) 仲裁廷の構成・仲裁手続の違反 (280)
(e) 仲裁可能性の欠缺 (285)
(f) 公序違反 (286)
(g) 和解的仲裁判断の場合の取消事由 (290)
(10) 仲裁判断取消しの手続 (293)
(a) 申立て (293)
(b) 申立期間 (293)
(c) 管轄裁判所 (293)
(d) 審理 (294)
(e) 裁判 (295)
(f) 申立期間と取消事由の追加・変更の主張 (297)
(g) 取消手続で主張しなかった取消事由を以後の手続で主張し得るか (300)
(h) 仲裁判断取消しの効果 (303)
2 仲裁判断の承認と執行 305
(1) 仲裁判断の承認の意義 (305)
(2) 仲裁判断の執行の意義 (305)
(3) 承認・執行拒絶事由と裁判所の裁量的判断権 (306)
(4) 執行決定手続 (306)
(a) 申立て (306)
(b) 管轄裁判所 (307)
(c) 審理 (308)
(d) 裁判 (308)
(e) 一部執行 (309)
(f) 裁判の効果 (309)
(g) 仲裁判断の取消しと執行 (310)
(h) 請求異議事由の主張の可否 (310)
第7章 国際仲裁
1 問題の所在 315
2 仲裁と国家の関係 315
(1) 仲裁地と仲裁手続法 (315)
(2) 仲裁地と仲裁手続実施地 (316)
(3) 仲裁地を定めない仲裁合意は無効か (317)
3 NY 条約の適用関係 318
(1) 条約の解釈 (318)
(2) NY 条約の趣旨・目的 (318)
(3) NY 条約とその他の条約との適用関係 (319)
(a) NY 条約とジュネーヴ議定書、ジュネーヴ条約との適用関係 (319)
(b) NY 条約とジュネーヴ議定書、ジュネーヴ条約以外の条約との適用関係 (319)
(4) NY 条約と国内法との適用関係 (321)
(5) NY 条約の適用範囲 (322)
(a) 仲裁判断の適用範囲 (322)
(b) 仲裁合意の適用範囲 (324)
(6) NY 条約7条1項によるNY 条約以外の条約、国内法の適用 (326)
(a) NY 条約7条1項と仲裁合意の承認 (326)
(b) 関係当事者の意義 (327)
(c) 当事者の主張の要否 (328)
(d) NY 条約の規定とそれ以外の条約、国内法の規定を併せて適用することの可否 (328)
4 準拠法 329
(1) 仲裁合意の準拠法 (329)
(a) 問題の所在 (329)
(b) 仲裁法が定める抵触規則 (330)
(c) 判例・学説 (330)
(d) NY 条約、仲裁法の整合的解釈によるのが妥当か (331)
(e) 黙示の意思の探求と客観的連結 (333)
(f) 仲裁合意の準拠法の適用範囲 (335)
(2) 仲裁合意の分離独立性の準拠法 (336)
(3) 仲裁人契約の準拠法 (336)
(4) 仲裁合意の方式の準拠法 (337)
(a) 学説・判例 (337)
(b) NY 条約2条2項の適用 (337)
(c) NY 条約2条2項と5条1項(a)との関係 (338)
(d) NY 条約2条2項と国内法の適用 (338)
(e) 国内法による準拠法の決定ルール (339)
(5) 仲裁合意の許容性の準拠法 (340)
(6) 当事者能力・仲裁合意締結能力の準拠法 (340)
(a) 当事者能力の準拠法 (340)
(b) 仲裁合意締結能力の準拠法 (341)
(7) 仲裁合意上の地位の移転の準拠法 (342)
(a) 包括承継人 (342)
(b) 特定承継人 (343)
(8) 仲裁可能性の準拠法 (344)
(a) 学説 (344)
(b) 仲裁可能性は何を問題とするか (345)
(c) 法廷地法として仲裁法13条1項を適用することの問題点 (349)
(9) 仲裁法附則3条・4条の適用関係 (350)
(a) 附則4条 (350)
(b) 附則3条 (353)
(10) 離婚・離縁紛争の仲裁可能性を否定する仲裁法13条1項の適用関係 (354)
(11) 仲裁手続における準拠法の決定 (355)
(a) 仲裁合意の成立・効力等 (355)
(b) 仲裁判断の準拠法 (355)
(c) ウィーン売買条約の適用関係 (359)
(12) 絶対的強行法規の適用問題 (362)
(a) 仲裁廷による絶対的強行法規の適用 (362)
(b) 妨訴抗弁における問題 (369)
(13) 仲裁手続の準拠法 (374)
(a) 仲裁地法説と当事者自治説 (374)
(b) 仲裁地法が仲裁手続に適用される (374)
(c) 仲裁地の決定 (375)
5 国際仲裁代理 376
6 国際仲裁手続 377
(1) 仲裁人の国籍 (377)
(2) 言語 (378)
(3) 裁判所がする送達 (378)
(4) 審理計画・予定の策定 (379)
7 国際仲裁の場合に問題となる仲裁判断の取消事由 380
(1) 仲裁手続で使用される言語と手続保障 (380)
(2) 仲裁廷による実体準拠法の適用違反 (381)
(a) 仲裁廷が当事者の合意した準拠法を適用しなかった場合 (381)
(b) 仲裁廷が決定した最密接関係地法が正しくない場合 (382)
(3) 実体的公序審査 (382)
8 外国仲裁判断の承認・執行 384
(1) 法源 (384)
(2) NY 条約以外の条約との適用関係 (385)
(3) 国内法(仲裁法)の適用 (385)
(4) 日中貿易協定の適用関係 (386)
(5) NY 条約に基づく外国仲裁判断の承認・執行 (387)
(a) 外国仲裁判断の執行と承認の意義 (387)
(b) NY 条約の適用対象となる仲裁判断とは何か (387)
(c) 仲裁判断の承認・執行拒絶事由と裁判所の裁量的判断権 (398)
(d) 禁反言の法理 (398)
(e) 仲裁判断の承認・執行拒絶事由 (399)
(f) 仲裁判断の承認・執行のために必要な書類(申立要件) (409)
(g) 仲裁判断の取消しの申立てと執行についての決定の延期 (410)
(h) 仲裁判断の執行決定が確定した後に仲裁判断が取り消された場合 (412)
(6) 仲裁法に基づく外国仲裁判断の承認・執行 (412)
(a) NY 条約の規定と実質的にほぼ同じ (412)
(b) 仲裁判断の執行のために必要な書類(申立要件) (412)
(7) 外国執行判決による外国仲裁判断の執行 (413)
9 投資協定仲裁とNY 条約 414
(1) 問題の所在 (414)
(2) 投資協定仲裁の性質 (416)
(a) 国際法仲裁と国内法仲裁 (416)
(b) 投資協定が定めるICSID 条約に基づく仲裁以外の仲裁は国内法仲裁か (416)
(3) 投資協定仲裁判断はNY 条約の適用を受けるか (418)
(a) 国家の主権的行為に関する仲裁判断のNY 条約適用の可否 (418)
(b) 国際法仲裁による仲裁判断はNY 条約の適用を受けるか (421)
(4) 投資協定仲裁判断はNY 条約に基づきわが国で承認・執行されるか (423)
事項索引 425
判例索引 440
はしがき i
目次 iii
凡例 xxi
第1章 仲裁制度
1 仲裁とは何か 1
(1) 日常用語としての仲裁と法律用語としての仲裁 (1)
(2) 仲裁以外のADR、訴訟との異同 (2)
2 仲裁の起源と史的発展 2
3 国家の司法制度における仲裁の位置付け 3
(1) 国家の仲裁への介入・関与 (3)
(2) 国家による自国への国際仲裁の誘致合戦 (4)
4 仲裁法の法源
(1) 仲裁法 (5)
(2) 条約 (6)
(a) ジュネーヴ議定書、ジュネーヴ条約
(b) ニューヨーク条約(NY条約) (7)
(c) 投資紛争解決条約 (8)
5 仲裁法の解釈基準 8
(1) 民事訴訟法の類推適用の適否 (8)
(2) モデル法、NY 条約の解釈 (9)
(3) 仲裁の訴訟代替性 (10)
6 仲裁制度の特徴 10
(1) 仲裁制度のメリット (10)
(a) 柔軟性 (10)
(b) 専門性 (11)
(c) 非公開性と当事者の秘密保持義務 (12)
(d) 仲裁判断の国際的効力 (13)
(e) 中立性 (14)
(f) 迅速性・低廉性 (15)
(2) 仲裁制度のデメリット (15)
(a) 仲裁合意の必要性 (15)
(b) 上訴制度がない(単審制) (16)
(c) 費用負担 (16)
(3) 裁判所の国際化 (16)
7 機関仲裁とアド・ホック仲裁 17
(1) 機関仲裁 (18)
(2) アド・ホック仲裁 (18)
8 わが国における仲裁の実情 19
(1) 主な仲裁機関 (19)
(a) 公的機関 (19)
(b) 民間仲裁機関 (22)
(2) 仲裁の利用状況の推移と現状 (24)
(a) 仲裁の利用状況の推移 (24)
(b) 現状 (26)
第2章 仲裁合意
1 仲裁合意とは何か 31
(1) 仲裁合意の定義 (31)
(2) 仲裁合意の性質 (31)
(a) 訴訟契約説、実体契約説、混合契約説 (31)
(b) 性質論の意義 (32)
2 仲裁合意の対象となる紛争 32
(1) 仲裁法の規定 (32)
(2) 「民事上」の紛争とは何か (33)
(3) 非訟事件と民事上の「紛争」 (33)
(4) 「民事上の紛争」は「法律上の争訟」でなければならないか (34)
(a) 多数説が妥当か (34)
(b) 「法律上の争訟」とは何か (35)
(5) 和解可能性 (40)
(a) 和解可能性の意義 (40)
(b) 離婚、離縁事件 (41)
(6) 仲裁可能性が問題となる紛争 (42)
(a) 公序良俗違反と仲裁可能生 (42)
(b) 知的財産関係事件 ―特許の有効性― (43)
(c) 独占禁止法関係事件 (46)
(d) 会社関係事件 (47)
(e) 人事訴訟事件 (47)
(f) 行政事件 (47)
(7) 「将来において生じる一定の法律関係に関する」紛争 (49)
(a) 趣旨 (49)
(b) 当事者の予見可能性を確保するための規定か (50)
(8) 消費者仲裁合意・個別労働仲裁合意の特則 (50)
(a) 趣旨 (50)
(b) 消費者保護規定 (51)
(c) 労働者保護規定 (52)
(d) 両者の保護規定の違い (52)
3 仲裁付託の意思 53
(a) 紛争の解決を第三者に「委ねる」合意 (53)
(b) 第三者の判断に「服する」旨の合意 (53)
(c) 紛争の解決を「第三者」に委ねる合意 (53)
(d) 仲裁法上の「仲裁」合意 (54)
4 仲裁合意の成否の解釈 54
(1) 解釈の基準 (54)
(2) 実体法上の契約の解釈と異なるか (56)
(3) 約款法理の適用の可否 (57)
5 仲裁合意の方式 58
(1) 要式性とモデル法 (58)
(2) 仲裁法13条2項の書面要件 (58)
(a) 当事者が署名した文書、当事者が交換した書簡等による場合 (58)
(b) 「その他の書面」とは何を指すか (60)
(3) 13条4項の電磁的記録による場合 (61)
(4) 仲裁法13条3項の「仲裁条項が記載された他文書の引用」による場合 (62)
(a) 一般的指示文句と特定的指示文句 (62)
(b) 仲裁条項が記載された文書が「当該契約の一部を構成するものとして引用されているとき」の意味 (63)
(5) 仲裁法13条5項により書面要件を具備する場合 (64)
(6) 妨訴抗弁の局面 (65)
(7) モデル法の2006年改正とそれに対応する仲裁法の改正
6 仲裁合意の当事者に関わる有効要件 66
(1) 当事者能力 (66)
(2) 仲裁合意締結能力 (67)
(3) 仲裁合意締結権限 (68)
(4) 意思表示の瑕疵 (68)
7 仲裁合意の効力 68
(1) 仲裁合意の積極的効力 (68)
(2) 仲裁合意の消極的効力 (69)
(a) 妨訴抗弁 (69)
(b) 答弁書の陳述擬制 (70)
(c) 抗弁権の失効 (70)
(d) 相殺の抗弁 (71)
(e) 訴訟判決の効果 (71)
(f) 妨訴抗弁を主張できる手続 (72)
(g) 仲裁廷の手続続行権 (72)
(h) ADR 前置合意は妨訴抗弁として働くか (73)
(3) 仲裁合意の効力の主観的範囲 (77)
(a) 学説 (77)
(b) 判例 (79)
(c) 当事者の意思解釈の問題 (80)
(d) 当事者の意思に依拠しない場合 (81)
(4) 仲裁合意上の地位の移転 (82)
(a) 包括承継 (82)
(b) 債権譲渡 (82)
(c) 手形債権の譲受人 (86)
(d) 債務引受人 (87)
(e) 契約上の地位の譲受人 (88)
(f) 海上運送契約の荷受人 (90)
(g) 保険代位、代位弁済、債権者代位等 (91)
(h) 破産管財人、破産債権者 (92)
(5) 仲裁合意の効力の客観的範囲 (99)
(6) 仲裁合意の分離独立性 (99)
(a) 分離独立性の根拠 (100)
(b) 仲裁法13条6項の規定の趣旨 (101)
(c) 分離独立性が機能する(しない)場合 (101)
(d) 分離独立性の原則と仲裁廷の仲裁権限判断権との関係 (104)
8 仲裁合意の無効・失効 105
(a) 無効・取消事由 (105)
(b) 解除 (105)
(c) 妨訴抗弁と失効 (106)
(d) 仲裁判断と失効 (106)
9 仲裁鑑定契約 106
(1) 仲裁鑑定契約の意義 (106)
(2) 仲裁鑑定契約の効力 (107)
(3) 裁定の効力と仲裁鑑定手続 (108)
(4) 事実の存否に関する紛争を仲裁合意の対象とすることができるか (109)
(5) 第三者による契約の補充、適応―広義の仲裁鑑定 (111)
(a) 仲裁鑑定との異同 (111)
(b) 契約の補充、適応を第三者に委ねる合意の効力 (111)
(c) 第三者の裁定の効力と裁定手続 (112)
(d) 契約の補充、適応を仲裁合意の対象とすることができるか (112)
第3章 仲裁人
1 仲裁人・仲裁廷の意義 115
2 仲裁人の資格 115
(1) 仲裁人の公正性・独立性との関係 (116)
(2) 弁護士法72条との関係 (116)
3 仲裁人の選任 117
(1) 仲裁人の数 (117)
(2) 仲裁人の選任手続 (118)
(a) 当事者が2人の場合 (118)
(b) 当事者が3人以上の場合 (118)
(c) 裁判所による仲裁人の選任 (119)
(3) 仲裁人選任手続における当事者平等取扱の原則 (120)
(a) 当事者が2人の場合 (120)
(b) 当事者が3人以上の場合 (122)
4 仲裁人契約 125
(1) 仲裁人契約の意義・性質 (125)
(2) 仲裁人契約の終了 (126)
(a) 仲裁合意の失効 (126)
(b) 仲裁手続の終了 (127)
(c) 仲裁人の任務終了 (127)
5 仲裁人の忌避 130
(1) 忌避制度の意義 (130)
(2) 除斥・回避制度はない (130)
(3) 仲裁法と旧法の違い (131)
(a) 忌避事由 (131)
(b) 忌避権の喪失 (132)
(c) 仲裁人・仲裁人候補者の開示義務 (132)
(d) 忌避手続 (132)
(4) 仲裁人の忌避事由 (133)
(a) 仲裁人の公正性・独立性 (133)
(b) 旧法の「仲裁の公正を妨げるべき事情」との関係 (135)
(c) 裁判官の除斥事由との関係 (136)
(d) 裁判官の忌避事由の範囲(忌避判断基準)との異同 (136)
(e) 当事者が選任する仲裁人と第三者が選任する仲裁人の忌避事由の範囲(忌避判断基準)の異同 (137)
(f) 当事者の合意による忌避事由の変更の可否 (138)
(5) 仲裁人・仲裁人候補者の公正独立阻害事由の開示義務 (138)
(a) 制度趣旨 (138)
(b) 仲裁人による公正独立阻害事由に係る事前表明 (139)
(c) 当事者は仲裁人・仲裁人候補者の開示義務を合意により免除できるか (140)
(6) 仲裁人・仲裁人候補者の調査義務 (140)
(7) 忌避手続 (142)
(a) 当事者による解任、仲裁人の辞任 (142)
(b) 当事者間に忌避手続について合意がない場合 (142)
(c) 忌避決定と仲裁法37条3項が定める手続上の事項との関係 (143)
(d) 忌避申立期間と忌避事由の主張制限の可否 (143)
(e) 絶対的忌避事由と相対的忌避事由の区分 (144)
(f) 忌避権の事前放棄の可否 (145)
(g) 当事者は、裁判所に対し忌避申立てをしない場合、忌避事由を主張する権利を喪失するか (146)
(h) 仲裁廷の手続続行権 (148)
(8) 忌避裁判の効力 (148)
(a) 忌避事由の存否の確定 (148)
(b) 忌避を理由があるとする決定がされた場合における当該仲裁人が関与した手続の効力 (149)
(9) 仲裁判断と忌避手続 (150)
(a) 仲裁判断後の忌避申立て (150)
(b) 忌避申立ての決定前に仲裁判断がされた場合 (150)
(10) 忌避申立てが認められた場合の手続のやり直しの要否 (150)
(11) 忌避最終裁定条項の有効性 (151)
6 仲裁人の権利・義務 152
(1) 仲裁法上の権利・義務 (152)
(2) 善管注意義務 (153)
(3) 秘密保持義務 (153)
(4) 仲裁人の義務違反 (154)
第4章 仲裁手続
1 仲裁手続の開始 155
(1) 仲裁手続の開始日 (155)
(2) 紛争を仲裁手続に付する旨の通知と請求の特定 (155)
(3) 民事保全との関係 (156)
(4) 時効の完成猶予・更新 (156)
(a) 趣旨 (156)
(b) 時効の完成猶予・更新の効力が生じる時期 (157)
(c) 時効の完成猶予・更新の効力が生じない場合 (158)
(d) 催告による時効の完成猶予との関係 (158)
(e) 仲裁判断が取り消された場合 (159)
2 書面による通知 160
(1) 到達主義 (160)
(2) 擬制的通知 (161)
(a) 相当の調査 (161)
(b) 擬制的通知と手続保障との関係 (161)
(3) 裁判所がする送達 (162)
(a) 制度趣旨 (162)
(b) 要件 (163)
(c) 送達方法 (163)
(d) 管轄裁判所 (163)
(e) 手続 (164)
3 仲裁地 164
(a) 仲裁地の意味 (164)
(b) 仲裁地の決定 (164)
(c) 裁判所の管轄との関係 (164)
(d) 国際仲裁と仲裁地 (165)
4 仲裁手続の代理 165
5 仲裁手続の準則と基本原則 165
(1) 仲裁手続の準則 (165)
(2) 仲裁手続の基本原則 (166)
(3) 合議体である仲裁廷の議事 (166)
6 異議権の喪失 167
(1) 趣旨 (167)
(2) 異議権の事前放棄 (167)
(3) 異議権の喪失の要件と効果 (167)
(4) 仲裁合意の書面性と異議権の喪失 (168)
(5) 忌避事由と異議権の喪失 (169)
(6) 当事者の利益(私益)を保護する強行規定と異議権の喪失 (169)
7 仲裁権限の有無についての紛争 171
(1) 仲裁廷の判断権 (171)
(a) 問題の所在 (171)
(b) 仲裁権限判断権 (172)
(2) 仲裁被申立人が仲裁権限を争う場合 (172)
(a) 主張の提出期限 (172)
(b) 正当な理由とは (173)
(c) 当事者による仲裁人の選任等との関係(173)
(3) 失権効が及ばない場合 (173)
(a) 仲裁被申立人による手続不参加と失権効 (173)
(b) 失権効の趣旨 (174)
(c) 手続不参加の仲裁被申立人には失権効は及ばない (174)
(4) 仲裁権限の有無についての仲裁廷の判断の形式 (175)
(a) 仲裁廷が仲裁権限を肯定する場合 (175)
(b) 仲裁廷が仲裁権限を否定する場合 (177)
(5) 仲裁法23条4項、5項の問題点(その1) (177)
(a) 終局的解決が図れない (177)
(b) モデル法の考え方 (178)
(6) 仲裁法23条4項、5項の問題点(その2) (179)
(a) 仲裁廷が仲裁権限を否定した場合、裁判所に対する不服申立制度が置かれていない理由 (179)
(b) モデル法採用国の立法等による対応 (179)
(7) 仲裁権限の有無についての判断を仲裁判断として示す可能性 (180)
(8) 仲裁合意に係る確認請求訴訟等の可否 (182)
(a) 仲裁法4条との関係 (182)
(b) 仲裁差止請求訴訟 (183)
(9) 仲裁権限最終裁定条項の有効性 (183)
(10) ADR 前置合意と仲裁手続の終了決定 (185)
8 仲裁廷による暫定保全措置 185
(1) 趣旨 (185)
(2) 暫定保全措置の種類 (186)
(3) 暫定保全措置の担保 (187)
(4) 暫定保全措置命令の執行力 (188)
(5) 裁判所の保全処分との関係 (188)
9 審理方法 189
(1) 審理方式 (189)
(a) 仲裁手続の準則と当事者自治の原則 (189)
(b) 口頭審理と書面審理 (189)
(c) オンラインによる審理は口頭審理か (190)
(2) 手続保障に関する仲裁法の規定 (191)
(3) 仲裁申立て、答弁の内容および提出期限 (191)
(a) 仲裁申立書の提出 (191)
(b) 答弁書の提出 (192)
(4) 仲裁申立ての変更 (192)
(5) 反対請求の申立ての可否 (193)
(6) 相殺の抗弁の可否 (194)
(a) 学説 (195)
(b) 制限説が妥当か (196)
(7) 不熱心な当事者がいる場合の取扱い (198)
(a) 仲裁申立人の懈怠 (198)
(b) 仲裁被申立人の懈怠 (198)
(c) 審理の現状に基づく仲裁判断 (199)
(8) 証拠調べ (199)
(a) 仲裁廷の権限 (199)
(b) 鑑定 (200)
(c) 私知利用と手続保障 (201)
(d) 裁判所により実施する証拠調べ (201)
10 多数当事者仲裁 204
(1) 仲裁合意が同一の場合 (204)
(2) 仲裁合意が同一でない場合 (205)
(3) スポーツ競技団体による競技大会へ出場する代表選手選考決定の取消しを求める競技者と競技団体との仲裁手続の問題点 (205)
11 仲裁手続と和解 206
(1) 仲裁廷(仲裁人)による和解の試み (206)
(a) 実務に対応した仲裁法38条4項―和解の試みは当事者の承諾が条件(206)
(b) 承諾の撤回は自由 (206)
(c) 承諾・撤回の書面性 (207)
(d) 仲裁手続に付された紛争でなければならない (207)
(e) 仲裁廷(仲裁人)による和解の試みの問題 (207)
(2) 和解的仲裁判断 (208)
(a) 和解的仲裁判断とは何か (208)
(b) 要件 (208)
(c) 仲裁手続前に成立した和解に基づく仲裁判断の可否 (210)
(d) 仲裁廷の裁量 (210)
(e) 和解的仲裁判断の方式 (211)
(3) 和解合意の無効・取消原因を主張する方法 (211)
12 仲裁手続の終了 212
(1) 仲裁判断による終了 (212)
(2) 終了決定による終了 (212)
(a) 仲裁廷が仲裁権限を有しない旨の判断を示す場合 (212)
(b) 仲裁申立人が陳述しない場合 (212)
(c) 仲裁申立人が仲裁申立てを取り下げた場合 (213)
(d) 当事者が仲裁手続を終了させる旨の合意をした場合 (213)
(e) 当事者間に和解が成立した場合 (214)
(f) 仲裁廷が、仲裁手続を続行する必要がなく、または仲裁手続を続行することが不可能であると認めた場合(一般的終了事由) (214)
(3) 終了決定の効果 (215)
(a) 仲裁廷の任務の終了 (215)
(b) 仲裁合意の効力 (215)
13 仲裁費用 215
(1) 仲裁費用とは何か (215)
(a) 訴訟費用 (215)
(b) 仲裁費用 (216)
(2) 仲裁費用の種類 (216)
(3) 仲裁費用の額 (217)
(a) 仲裁廷の費用 (217)
(b) 仲裁機関の費用 (218)
(c) 当事者の費用 (218)
(d) 代理人弁護士の報酬 (218)
(4) 仲裁費用の予納 (220)
(5) 仲裁費用の負担割合 (220)
(a) 当事者均等負担と敗訴者負担の原則 (220)
(b) 負担割合に基づく償還額の確定 (221)
(6) 仲裁廷が仲裁権限を有しないとして仲裁手続の終了決定をする場合における仲裁費用に関する決定 (222)
14 第三者資金提供 222
(1) 第三者資金提供とは何か (222)
(2) 第三者資金提供を利用する場合の仲裁法上の主な問題 (223)
(a) 第三者資金提供者と仲裁人の公正性・独立性 (223)
(b) 当事者の秘密保持義務と資金提供者への開示の許否 (225)
(3) 信託法10条、弁護士法72条、73条との抵触問題 (226)
第5章 仲裁判断
1 仲裁判断とは何か 229
2 仲裁判断の種類 229
(1) 学説の状況 (229)
(2) 一部仲裁判断 (230)
(3) 中間的判断 (231)
(a) 仲裁権限の有無についての判断 (231)
(b) 本案の前提問題についての判断 (232)
(c) 和解的仲裁判断 (233)
(d) 暫定保全措置命令 (233)
3 仲裁判断の判断基準 234
(1) 仲裁法36条1項、2項の適用の可否 (234)
(2) 衡平と善による判断 (234)
(3) 慣習の考慮 (234)
(4) 当事者が主張しない強行法規の適用 (235)
4 申立事項と判断事項 235
5 仲裁判断の内容の確定 236
(1) 仲裁廷の評議 (236)
(2) 仲裁廷の評決 (236)
6 仲裁判断書の作成 238
(1) 仲裁人の署名 (238)
(2) 理由の記載 (238)
(3) 作成年月日・仲裁地の記載 (239)
(4) 仲裁判断の通知 (239)
(5) 少数意見の表明 (239)
(a) 訴訟との違い (239)
(b) 少数意見の表明の適否をめぐる議論 (241)
7 仲裁判断の効力 242
(1) 仲裁判断の成立 (242)
(2) 仲裁判断で確定した権利の消滅時効 (242)
(3) 既判力 (243)
(a) 和解的仲裁判断の既判力 (243)
(b) 客観的範囲 (244)
(c) 理由中の判断 (244)
(d) 主観的範囲 (245)
(e) 抗弁説と職権説 (246)
(f) 処分肯定説と処分否定説 (249)
(g) 仲裁判断の既判力の基準時 (251)
(4) 執行力 (251)
(5) 形成力 (252)
8 仲裁判断の訂正・解釈、追加仲裁判断 252
(1) 仲裁判断の訂正 (253)
(a) 制度の趣旨 (253)
(b) 手続 (253)
(2) 仲裁判断の解釈 (254)
(a) 制度の趣旨 (254)
(b) 手続 (254)
(3) 追加仲裁判断 (255)
(a) 制度の趣旨 (255)
(b) 手続 (256)
第6章 仲裁判断の取消しおよび承認・執行
1 仲裁判断の取消し 257
(1) 取消制度の趣旨 (257)
(2) 内国仲裁判断が取消しの対象となる (258)
(3) 取消事由の限定列挙 (258)
(4) 裁 量 棄 却 (258)
(5) 仲裁判断の承認・執行との関係 (259)
(6) 裁量棄却の基準 (260)
(a) 学説・判例 (260)
(b) 仲裁法27条との関係 (260)
(7) 当事者自治との関係 (261)
(a) 仲裁判断取消しの申立権の放棄の可否 (261)
(b) 取消事由の任意的追加・拡張の可否 (262)
(c) 裁判所に再審査を求めることができる旨の合意の可否 (263)
(8) 仲裁判断の当然無効をめぐる議論 (263)
(a) 判決の場合 (263)
(b) モデル法に準拠とする仲裁法は仲裁判断の当然無効を肯定する (264)
(c) 学説 (265)
(d) 判例 (265)
(e) 当然無効否定説の問題点―取消申立期間経過後の承認拒絶事由の主張の可否― (266)
(f) 当然無効肯定説をとらないドイツ仲裁法が講じている措置 (267)
(g) 信義則違反とモデル法が採用する救済方法の選択 (268)
(9) 取消事由 (269)
(a) 仲裁合意の無効 (269)
(b) 手続保障違反 (270)
(c) 仲裁合意・仲裁申立ての範囲の逸脱 (276)
(d) 仲裁廷の構成・仲裁手続の違反 (280)
(e) 仲裁可能性の欠缺 (285)
(f) 公序違反 (286)
(g) 和解的仲裁判断の場合の取消事由 (290)
(10) 仲裁判断取消しの手続 (293)
(a) 申立て (293)
(b) 申立期間 (293)
(c) 管轄裁判所 (293)
(d) 審理 (294)
(e) 裁判 (295)
(f) 申立期間と取消事由の追加・変更の主張 (297)
(g) 取消手続で主張しなかった取消事由を以後の手続で主張し得るか (300)
(h) 仲裁判断取消しの効果 (303)
2 仲裁判断の承認と執行 305
(1) 仲裁判断の承認の意義 (305)
(2) 仲裁判断の執行の意義 (305)
(3) 承認・執行拒絶事由と裁判所の裁量的判断権 (306)
(4) 執行決定手続 (306)
(a) 申立て (306)
(b) 管轄裁判所 (307)
(c) 審理 (308)
(d) 裁判 (308)
(e) 一部執行 (309)
(f) 裁判の効果 (309)
(g) 仲裁判断の取消しと執行 (310)
(h) 請求異議事由の主張の可否 (310)
第7章 国際仲裁
1 問題の所在 315
2 仲裁と国家の関係 315
(1) 仲裁地と仲裁手続法 (315)
(2) 仲裁地と仲裁手続実施地 (316)
(3) 仲裁地を定めない仲裁合意は無効か (317)
3 NY 条約の適用関係 318
(1) 条約の解釈 (318)
(2) NY 条約の趣旨・目的 (318)
(3) NY 条約とその他の条約との適用関係 (319)
(a) NY 条約とジュネーヴ議定書、ジュネーヴ条約との適用関係 (319)
(b) NY 条約とジュネーヴ議定書、ジュネーヴ条約以外の条約との適用関係 (319)
(4) NY 条約と国内法との適用関係 (321)
(5) NY 条約の適用範囲 (322)
(a) 仲裁判断の適用範囲 (322)
(b) 仲裁合意の適用範囲 (324)
(6) NY 条約7条1項によるNY 条約以外の条約、国内法の適用 (326)
(a) NY 条約7条1項と仲裁合意の承認 (326)
(b) 関係当事者の意義 (327)
(c) 当事者の主張の要否 (328)
(d) NY 条約の規定とそれ以外の条約、国内法の規定を併せて適用することの可否 (328)
4 準拠法 329
(1) 仲裁合意の準拠法 (329)
(a) 問題の所在 (329)
(b) 仲裁法が定める抵触規則 (330)
(c) 判例・学説 (330)
(d) NY 条約、仲裁法の整合的解釈によるのが妥当か (331)
(e) 黙示の意思の探求と客観的連結 (333)
(f) 仲裁合意の準拠法の適用範囲 (335)
(2) 仲裁合意の分離独立性の準拠法 (336)
(3) 仲裁人契約の準拠法 (336)
(4) 仲裁合意の方式の準拠法 (337)
(a) 学説・判例 (337)
(b) NY 条約2条2項の適用 (337)
(c) NY 条約2条2項と5条1項(a)との関係 (338)
(d) NY 条約2条2項と国内法の適用 (338)
(e) 国内法による準拠法の決定ルール (339)
(5) 仲裁合意の許容性の準拠法 (340)
(6) 当事者能力・仲裁合意締結能力の準拠法 (340)
(a) 当事者能力の準拠法 (340)
(b) 仲裁合意締結能力の準拠法 (341)
(7) 仲裁合意上の地位の移転の準拠法 (342)
(a) 包括承継人 (342)
(b) 特定承継人 (343)
(8) 仲裁可能性の準拠法 (344)
(a) 学説 (344)
(b) 仲裁可能性は何を問題とするか (345)
(c) 法廷地法として仲裁法13条1項を適用することの問題点 (349)
(9) 仲裁法附則3条・4条の適用関係 (350)
(a) 附則4条 (350)
(b) 附則3条 (353)
(10) 離婚・離縁紛争の仲裁可能性を否定する仲裁法13条1項の適用関係 (354)
(11) 仲裁手続における準拠法の決定 (355)
(a) 仲裁合意の成立・効力等 (355)
(b) 仲裁判断の準拠法 (355)
(c) ウィーン売買条約の適用関係 (359)
(12) 絶対的強行法規の適用問題 (362)
(a) 仲裁廷による絶対的強行法規の適用 (362)
(b) 妨訴抗弁における問題 (369)
(13) 仲裁手続の準拠法 (374)
(a) 仲裁地法説と当事者自治説 (374)
(b) 仲裁地法が仲裁手続に適用される (374)
(c) 仲裁地の決定 (375)
5 国際仲裁代理 376
6 国際仲裁手続 377
(1) 仲裁人の国籍 (377)
(2) 言語 (378)
(3) 裁判所がする送達 (378)
(4) 審理計画・予定の策定 (379)
7 国際仲裁の場合に問題となる仲裁判断の取消事由 380
(1) 仲裁手続で使用される言語と手続保障 (380)
(2) 仲裁廷による実体準拠法の適用違反 (381)
(a) 仲裁廷が当事者の合意した準拠法を適用しなかった場合 (381)
(b) 仲裁廷が決定した最密接関係地法が正しくない場合 (382)
(3) 実体的公序審査 (382)
8 外国仲裁判断の承認・執行 384
(1) 法源 (384)
(2) NY 条約以外の条約との適用関係 (385)
(3) 国内法(仲裁法)の適用 (385)
(4) 日中貿易協定の適用関係 (386)
(5) NY 条約に基づく外国仲裁判断の承認・執行 (387)
(a) 外国仲裁判断の執行と承認の意義 (387)
(b) NY 条約の適用対象となる仲裁判断とは何か (387)
(c) 仲裁判断の承認・執行拒絶事由と裁判所の裁量的判断権 (398)
(d) 禁反言の法理 (398)
(e) 仲裁判断の承認・執行拒絶事由 (399)
(f) 仲裁判断の承認・執行のために必要な書類(申立要件) (409)
(g) 仲裁判断の取消しの申立てと執行についての決定の延期 (410)
(h) 仲裁判断の執行決定が確定した後に仲裁判断が取り消された場合 (412)
(6) 仲裁法に基づく外国仲裁判断の承認・執行 (412)
(a) NY 条約の規定と実質的にほぼ同じ (412)
(b) 仲裁判断の執行のために必要な書類(申立要件) (412)
(7) 外国執行判決による外国仲裁判断の執行 (413)
9 投資協定仲裁とNY 条約 414
(1) 問題の所在 (414)
(2) 投資協定仲裁の性質 (416)
(a) 国際法仲裁と国内法仲裁 (416)
(b) 投資協定が定めるICSID 条約に基づく仲裁以外の仲裁は国内法仲裁か (416)
(3) 投資協定仲裁判断はNY 条約の適用を受けるか (418)
(a) 国家の主権的行為に関する仲裁判断のNY 条約適用の可否 (418)
(b) 国際法仲裁による仲裁判断はNY 条約の適用を受けるか (421)
(4) 投資協定仲裁判断はNY 条約に基づきわが国で承認・執行されるか (423)
事項索引 425
判例索引 440