環境法
将来世代との共生奥田進一・長島光一 編
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発行:
2023年09月10日
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判型:
A5判並製 -
ページ数:
346頁 -
ISBN:
978-4-7923-3433-8
内容紹介
《目 次》
はしがき i
法令・条約名略称一覧 xii
第1章 環境法のパラダイム転換.........1
Ⅰ 戦前の公害~2つの鉱山問題.........1
1 足尾銅山鉱毒事件(1)
2 別子銅山鉱毒事件(2)
Ⅱ 産業発展による激甚公害.........3
1 公害立法の萌芽(3)
2 高度経済成長の代償(5)
Ⅲ 公害問題から環境問題へ.........6
1 インフラ建設に伴う公害(6)
2 自然環境・景観保全意識の高まり(8)
Ⅳ グローバルな環境問題.........10
Ⅴ めまぐるしく変化する環境問題.........12
第2章 環境法の基本的な考え方.........15
Ⅰ 基本理念と基本原則.........15
1 各法分野の理念と原則(15)
2 環境法の基本理念と基本原則(15)
Ⅱ 基本理念としての持続可能な発展.........17
1 『成長の限界』による警鐘(17)
2 国際社会の共通理念へ(18)
3 SDからMDGsへ,そしてSDGsへ(18)
Ⅲ 未然防止原則と予防原則.........20
1 リスクへの対応(20)
2 未然防止原則(21)
3 予防原則(23)
Ⅳ 汚染者負担原則.........25
1 外部不経済の内部化(25)
2 OECDの汚染者負担に関する考え方(26)
3 日本の汚染者負担に関する考え方(26)
4 拡大生産者責任(28)
第3章 環境法における政策手法.........31
Ⅰ 環境問題と政策手法.........31
Ⅱ 規制的手法.........32
Ⅲ 経済的手法.........33
Ⅳ 合意的手法・自主的取組手法.........36
Ⅴ 情報的手法.........38
Ⅵ おわりに.........40
第4章 環境保護の担い手.........43
Ⅰ 環境基本法の規定.........43
Ⅱ 国・地方公共団体.........44
1 国(44)
2 地方公共団体(46)
Ⅲ 事業者・国民.........48
1 事業者(48)
2 国民(49)
Ⅳ 環境領域における参加.........50
1 オーフス条約(50)
2 日本における参加制度(52)
第5章 環境権・自然享有権・自然の権利.........57
Ⅰ 環境権.........57
1 環境権提起の社会背景(57)
2 環境権の提起(58)
3 私権としての環境権とその限界(59)
4 環境権訴訟の動向(59)
Ⅱ 自然享有権.........61
1 自然享有権の内容(61)
2 自然享有権提起の背景(62)
3 自然享有権訴訟の動向(63)
Ⅲ 自然の権利訴訟.........65
1 アメリカにおける自然の権利の源流(65)
2 わが国の自然の権利と訴訟の動向(66)
Ⅳ 生態系サービスにおける人間の役割.........68
第6章 環境アセスメント.........71
Ⅰ 環境アセスメントの必要性.........71
1 環境を守るための手続(71)
2 環境アセスメントの意義(71)
3 環境アセスメントのプロセス(72)
4 環境アセスメントの効果(73)
Ⅱ 環境影響評価法制定と法律の概要.........73
1 国内外の環境アセスメントの制度(73)
2 日本における環境影響評価法制定までの経緯(74)
3 環境影響評価法の改正(76)
4 環境影響評価法の内容(76)
5 市民参加(78)
6 条例との関係(79)
7 環境影響評価法に違反した場合(79)
Ⅲ 環境アセスメント手続違反の効果 ―環境アセスメントをめぐる訴訟.........80
1 民事訴訟の場合(80)
2 行政訴訟の場合(81)
3 住民訴訟の場合(82)
Ⅳ 環境アセスメントの限界と今後の課題.........83
1 環境アセスメントの限界(83)
2 戦略的環境影響評価(SEA)の考え方(84)
3 今なお続く課題とその事例から考えるべきこと ―将来世代に豊かな自然をどのように残すのか(86)
第7章 環境紛争の解決(1).........89
Ⅰ 環境紛争の民事的解決.........89
Ⅱ 民事裁判と環境ADRの役割分担.........90
1 環境紛争における裁判とその複雑化(90)
2 環境ADR(91)
Ⅲ 不法行為に対する救済.........92
1 不法行為の要件(92)
2 過失(92)
3 権利・利益侵害と違法性(93)
4 因果関係(94)
5 共同不法行為(95)
6 損害(95)
Ⅳ 差止による救済.........96
1 差止の意義と要件(96)
2 環境破壊に対する差止(97)
Ⅴ 環境紛争の民事訴訟手続の取扱い.........97
Ⅶ 環境紛争の和解による解決 ―裁判から政策へ.........99
1 政策形成訴訟の意義(99)
2 裁判過程の和解による解決(99)
3 司法・行政・立法の役割(102)
Ⅷ よりよい環境紛争の解決に向けて.........103
第8章 環境紛争の解決(2).........105
Ⅰ 環境行政訴訟は何を目指すか.........105
1 なぜ裁判で環境を守れないのか(105)
2 環境行政訴訟につきまとう限界(108)
Ⅱ 環境紛争解決の住民訴訟.........111
1 公共事業による環境破壊を止められるか(111)
2 海浜を埋立てる公共事業を例に―泡瀬干潟埋立事件(112)
Ⅲ 環境紛争解決の抗告訴訟.........115
1 環境に負荷を与える行政処分を覆せるか(115)
2 都市計画事業認可の取消訴訟を例に―小田急線高架化事件(116)
Ⅳ 公害紛争処理手続.........120
1 環境ADRの存在意義(120)
2 公害紛争処理制度の概観(121)
3 公調委による環境保護の可能性(122)
第9章 汚染防止・対策法.........125
Ⅰ 汚染防止・対策法の概況.........125
Ⅱ 大気汚染防止法.........126
1 ばい煙(126)
2 揮発性有機化合物(VOC)(127)
3 粉じん(128)
4 水銀とその化合物(129)
5 有害大気汚染物質(129)
6 自動車排出ガス(129)
Ⅲ 水質汚濁防止法.........130
1 工場および事業場に対する排水規制(130)
2 地下浸透規制(131)
3 生活排水対策(132)
Ⅳ 土壌汚染対策法132
1 土壌汚染の調査の契機と区域指定(133)
2 土壌汚染の除去等の措置(134)
第10章 感覚公害(悪臭,騒音,振動).........139
Ⅰ 感覚公害の概要.........139
Ⅱ 悪臭.........140
1 法律による規制(140)
2 規制対象物質・事業場(141)
3 規制手法(142)
Ⅲ 騒音.........143
1 法律による規制(143)
2 規制対象(144)
3 規制手法(145)
Ⅳ 振動.........146
1 法律による規制(146)
2 規制対象(147)
3 規制手法(148)
Ⅴ 訴訟.........149
第11章 循環管理に関する法制度.........151
Ⅰ 問題の概況.........151
Ⅱ 循環型社会形成のための基本的法枠組み.........152
1 循環基本法および基本計画(152)
2 法体系(153)
3 国際的な枠組み(154)
Ⅲ 廃棄物の処理に関する法.........155
1 廃棄物処理法(155)
2 法改正とその背景(156)
Ⅳ リサイクルに関する法.........157
1 資源有効利用促進法(157)
2 容器包装リサイクル法(158)
3 プラスチック資源循環促進法(159)
Ⅴ おわりに.........160
第12章 化学物質の管理・規制・被害救済と法.........163
Ⅰ はじめに.........163
Ⅱ 化審法の概要.........164
1 制定の背景と改正の経緯(164)
2 目的・対象(164)
3 全体像(165)
Ⅲ 化管法の概要.........169
1 制定の背景(169)
2 目的・対象(169)
3 全体像(170)
Ⅳ 化学物質を起因とした健康被害に関する訴訟等.........171
1 化学物質過敏症に関する訴訟・紛争(171)
2 シックハウス症候群に関する訴訟(173)
第13章 気候変動と法政策.........177
Ⅰ 気候変動訴訟の世界的展開.........177
1 パリ協定の発効(177)
2 気候変動訴訟の増加(177)
Ⅱ 人権を主張の基礎とする気候変動訴訟.........180
1 気候変動訴訟における人権概念の導入(180)
2 気候変動訴訟が不成功に終わった主な事例(181)
3 気候変動訴訟が成功を収めた主な事例(184)
Ⅲ 人権アプローチによる気候変動訴訟の先駆け ―ウルヘンダ財団事件.........186
1 事案の背景(186)
2 被告の反論(187)
3 オランダ最高裁判決の核心部分(188)
4 若干の懸念事項(189)
第14章 再生可能エネルギーと法.........193
Ⅰ カーボンニュートラルをめぐる動向.........193
Ⅱ 再エネ発電設備の設置に関する主な関係法令.........195
1 電気設備の安全性を確保(195)
2 促進区域の指定(197)
3 FITからFIPへ(199)
4 環境影響評価法による規制緩和(200)
5 土地造成の安全性確保(203)
Ⅲ 条例の動き.........204
第15章 原子力への法対応.........207
Ⅰ 原発再稼働の可否の議論.........207
Ⅱ 原子力発電の法規制.........208
1 原子力発電の歴史と法規制(208)
2 原子炉施設の安全性と公衆被ばく(209)
3 事故による対応(209)
Ⅲ 原発の差止めをめぐる訴訟.........210
1 裁判における政策と科学(210)
2 福島原発事故前の差止裁判の状況(211)
3 事故後の差止訴訟の傾向(212)
Ⅳ 原発事故の責任と救済.........214
1 原発事故の被害救済(214)
2 原発事故の責任(215)
Ⅴ 原発事故の損害論.........216
1 原発事故の被害―原発事故の損害論(216)
2 事故関連被害の多様さ(217)
3 放射性物質の除染と復興(218)
Ⅵ 放射性廃棄物と世代間公平.........219
第16章 生態系保全・生物多様性保全の法.........223
Ⅰ はじめに.........223
Ⅱ 現行法制度の大まかな分類.........224
1 第1世代―貴重な・希少な自然の保護(224)
2 第2世代―生物多様性の保全(226)
3 第3世代―「人間が作りだした・破壊した自然」の保護と,「人間が作りだした自然への脅威」への対策(227)
Ⅲ 国際法との比較―カルタヘナ議定書とカルタヘナ法を例に.........232
Ⅳ 今後の課題.........233
第17章 自然保護・保全の法.........237
Ⅰ 自然保護・保全とは.........237
Ⅱ 自然環境保全法.........238
1 制定当時の自然環境保全法(238)
2 現在の自然環境保全法(239)
Ⅲ 自然公園法.........239
1 自然公園の歴史と日本の自然公園(239)
2 自然公園法の目的(240)
3 自然公園法の仕組み(241)
4 法改正の内容をたどる(246)
第18章 二次的自然と法制度.........251
Ⅰ 二次的自然とは何か.........251
Ⅱ 二次的自然としての入会林野.........252
1 里山と入会林野(252)
2 入会林野の歴史(253)
3 近年の動向(254)
Ⅲ 農業環境政策.........255
1 諸外国の動向(255)
2 気候変動適応法(256)
3 日本型直接支払(256)
Ⅳ 里海と里地里山の繋がり.........258
1 里海(258)
2 維持管理主体(258)
第19章 水資源と法.........261
Ⅰ 日本における水管理法制の展開.........261
1 環境法の根本的課題としての水資源管理(261)
2 水汚染対策(262)
3 治水・地盤沈下対策(263)
4 水管理法の隘路(264)
Ⅱ 水循環基本法.........265
1 健全な水循環(265)
2 水循環基本法の制定(議員立法)(266)
3 水循環基本法の運用と進化(267)
Ⅲ 地下水の採取規制.........269
1 自治体による取組みとその実効性(269)
2 市区町村による規制の可能性(271)
3 地下水「公水」論の法的把握(272)
Ⅳ 地下水汚染リスクへの対応.........275
第20章 国際社会と環境法.........277
Ⅰ 国際法と環境法の接点としての国際環境法.........277
Ⅱ 国際環境法の歴史的発展.........279
1 前史 ―19世紀後半から第2次世界大戦終了まで(~1945年)(279)
2 萌芽期 ―国連の設立からストックホルム会議まで (1945年~1972年)(281)
3 形成期 ―ストックホルム会議からリオ会議まで (1972年~1992年)(282)
4 確立期 ―リオ会議以降(1992年~現在)(283)
Ⅲ 慣習国際法としての国際環境法諸原則.........284
1 実体的義務―越境環境損害防止義務(285)
2 手続的義務(286)
Ⅳ 国際環境法における履行確保と環境損害の救済.........288
1 環境条約の履行確保手段(288)
2 環境損害の救済(289)
第21章 海洋環境をめぐる法.........293
Ⅰ はじめに.........293
1 海洋環境を守る意義(293)
2 海洋環境の汚染原因(294)
Ⅱ 海洋環境に関する国際法・国内法.........295
1 国連海洋法条約(295)
2 海洋環境保護条約と国内実施法(296)
3 地球温暖化問題(300)
4 バラスト水問題(302)
5 旗国検査と寄港国検査(303)
第22章 文化財保護と法.........305
Ⅰ 文化財保護制度の発展.........305
1 将来世代への継承(305)
2 文化財保護制度の変遷(305)
Ⅱ 文化財保護法.........308
1 目的等(308)
2 国による保護の体系(308)
3 有形文化財の保護(313)
Ⅲ 国際的な取組み.........318
1 ユネスコによる文化財保護の取組み(318)
2 世界遺産条約(319)
事項索引.........323
はしがき i
法令・条約名略称一覧 xii
第1章 環境法のパラダイム転換.........1
Ⅰ 戦前の公害~2つの鉱山問題.........1
1 足尾銅山鉱毒事件(1)
2 別子銅山鉱毒事件(2)
Ⅱ 産業発展による激甚公害.........3
1 公害立法の萌芽(3)
2 高度経済成長の代償(5)
Ⅲ 公害問題から環境問題へ.........6
1 インフラ建設に伴う公害(6)
2 自然環境・景観保全意識の高まり(8)
Ⅳ グローバルな環境問題.........10
Ⅴ めまぐるしく変化する環境問題.........12
第2章 環境法の基本的な考え方.........15
Ⅰ 基本理念と基本原則.........15
1 各法分野の理念と原則(15)
2 環境法の基本理念と基本原則(15)
Ⅱ 基本理念としての持続可能な発展.........17
1 『成長の限界』による警鐘(17)
2 国際社会の共通理念へ(18)
3 SDからMDGsへ,そしてSDGsへ(18)
Ⅲ 未然防止原則と予防原則.........20
1 リスクへの対応(20)
2 未然防止原則(21)
3 予防原則(23)
Ⅳ 汚染者負担原則.........25
1 外部不経済の内部化(25)
2 OECDの汚染者負担に関する考え方(26)
3 日本の汚染者負担に関する考え方(26)
4 拡大生産者責任(28)
第3章 環境法における政策手法.........31
Ⅰ 環境問題と政策手法.........31
Ⅱ 規制的手法.........32
Ⅲ 経済的手法.........33
Ⅳ 合意的手法・自主的取組手法.........36
Ⅴ 情報的手法.........38
Ⅵ おわりに.........40
第4章 環境保護の担い手.........43
Ⅰ 環境基本法の規定.........43
Ⅱ 国・地方公共団体.........44
1 国(44)
2 地方公共団体(46)
Ⅲ 事業者・国民.........48
1 事業者(48)
2 国民(49)
Ⅳ 環境領域における参加.........50
1 オーフス条約(50)
2 日本における参加制度(52)
第5章 環境権・自然享有権・自然の権利.........57
Ⅰ 環境権.........57
1 環境権提起の社会背景(57)
2 環境権の提起(58)
3 私権としての環境権とその限界(59)
4 環境権訴訟の動向(59)
Ⅱ 自然享有権.........61
1 自然享有権の内容(61)
2 自然享有権提起の背景(62)
3 自然享有権訴訟の動向(63)
Ⅲ 自然の権利訴訟.........65
1 アメリカにおける自然の権利の源流(65)
2 わが国の自然の権利と訴訟の動向(66)
Ⅳ 生態系サービスにおける人間の役割.........68
第6章 環境アセスメント.........71
Ⅰ 環境アセスメントの必要性.........71
1 環境を守るための手続(71)
2 環境アセスメントの意義(71)
3 環境アセスメントのプロセス(72)
4 環境アセスメントの効果(73)
Ⅱ 環境影響評価法制定と法律の概要.........73
1 国内外の環境アセスメントの制度(73)
2 日本における環境影響評価法制定までの経緯(74)
3 環境影響評価法の改正(76)
4 環境影響評価法の内容(76)
5 市民参加(78)
6 条例との関係(79)
7 環境影響評価法に違反した場合(79)
Ⅲ 環境アセスメント手続違反の効果 ―環境アセスメントをめぐる訴訟.........80
1 民事訴訟の場合(80)
2 行政訴訟の場合(81)
3 住民訴訟の場合(82)
Ⅳ 環境アセスメントの限界と今後の課題.........83
1 環境アセスメントの限界(83)
2 戦略的環境影響評価(SEA)の考え方(84)
3 今なお続く課題とその事例から考えるべきこと ―将来世代に豊かな自然をどのように残すのか(86)
第7章 環境紛争の解決(1).........89
Ⅰ 環境紛争の民事的解決.........89
Ⅱ 民事裁判と環境ADRの役割分担.........90
1 環境紛争における裁判とその複雑化(90)
2 環境ADR(91)
Ⅲ 不法行為に対する救済.........92
1 不法行為の要件(92)
2 過失(92)
3 権利・利益侵害と違法性(93)
4 因果関係(94)
5 共同不法行為(95)
6 損害(95)
Ⅳ 差止による救済.........96
1 差止の意義と要件(96)
2 環境破壊に対する差止(97)
Ⅴ 環境紛争の民事訴訟手続の取扱い.........97
Ⅶ 環境紛争の和解による解決 ―裁判から政策へ.........99
1 政策形成訴訟の意義(99)
2 裁判過程の和解による解決(99)
3 司法・行政・立法の役割(102)
Ⅷ よりよい環境紛争の解決に向けて.........103
第8章 環境紛争の解決(2).........105
Ⅰ 環境行政訴訟は何を目指すか.........105
1 なぜ裁判で環境を守れないのか(105)
2 環境行政訴訟につきまとう限界(108)
Ⅱ 環境紛争解決の住民訴訟.........111
1 公共事業による環境破壊を止められるか(111)
2 海浜を埋立てる公共事業を例に―泡瀬干潟埋立事件(112)
Ⅲ 環境紛争解決の抗告訴訟.........115
1 環境に負荷を与える行政処分を覆せるか(115)
2 都市計画事業認可の取消訴訟を例に―小田急線高架化事件(116)
Ⅳ 公害紛争処理手続.........120
1 環境ADRの存在意義(120)
2 公害紛争処理制度の概観(121)
3 公調委による環境保護の可能性(122)
第9章 汚染防止・対策法.........125
Ⅰ 汚染防止・対策法の概況.........125
Ⅱ 大気汚染防止法.........126
1 ばい煙(126)
2 揮発性有機化合物(VOC)(127)
3 粉じん(128)
4 水銀とその化合物(129)
5 有害大気汚染物質(129)
6 自動車排出ガス(129)
Ⅲ 水質汚濁防止法.........130
1 工場および事業場に対する排水規制(130)
2 地下浸透規制(131)
3 生活排水対策(132)
Ⅳ 土壌汚染対策法132
1 土壌汚染の調査の契機と区域指定(133)
2 土壌汚染の除去等の措置(134)
第10章 感覚公害(悪臭,騒音,振動).........139
Ⅰ 感覚公害の概要.........139
Ⅱ 悪臭.........140
1 法律による規制(140)
2 規制対象物質・事業場(141)
3 規制手法(142)
Ⅲ 騒音.........143
1 法律による規制(143)
2 規制対象(144)
3 規制手法(145)
Ⅳ 振動.........146
1 法律による規制(146)
2 規制対象(147)
3 規制手法(148)
Ⅴ 訴訟.........149
第11章 循環管理に関する法制度.........151
Ⅰ 問題の概況.........151
Ⅱ 循環型社会形成のための基本的法枠組み.........152
1 循環基本法および基本計画(152)
2 法体系(153)
3 国際的な枠組み(154)
Ⅲ 廃棄物の処理に関する法.........155
1 廃棄物処理法(155)
2 法改正とその背景(156)
Ⅳ リサイクルに関する法.........157
1 資源有効利用促進法(157)
2 容器包装リサイクル法(158)
3 プラスチック資源循環促進法(159)
Ⅴ おわりに.........160
第12章 化学物質の管理・規制・被害救済と法.........163
Ⅰ はじめに.........163
Ⅱ 化審法の概要.........164
1 制定の背景と改正の経緯(164)
2 目的・対象(164)
3 全体像(165)
Ⅲ 化管法の概要.........169
1 制定の背景(169)
2 目的・対象(169)
3 全体像(170)
Ⅳ 化学物質を起因とした健康被害に関する訴訟等.........171
1 化学物質過敏症に関する訴訟・紛争(171)
2 シックハウス症候群に関する訴訟(173)
第13章 気候変動と法政策.........177
Ⅰ 気候変動訴訟の世界的展開.........177
1 パリ協定の発効(177)
2 気候変動訴訟の増加(177)
Ⅱ 人権を主張の基礎とする気候変動訴訟.........180
1 気候変動訴訟における人権概念の導入(180)
2 気候変動訴訟が不成功に終わった主な事例(181)
3 気候変動訴訟が成功を収めた主な事例(184)
Ⅲ 人権アプローチによる気候変動訴訟の先駆け ―ウルヘンダ財団事件.........186
1 事案の背景(186)
2 被告の反論(187)
3 オランダ最高裁判決の核心部分(188)
4 若干の懸念事項(189)
第14章 再生可能エネルギーと法.........193
Ⅰ カーボンニュートラルをめぐる動向.........193
Ⅱ 再エネ発電設備の設置に関する主な関係法令.........195
1 電気設備の安全性を確保(195)
2 促進区域の指定(197)
3 FITからFIPへ(199)
4 環境影響評価法による規制緩和(200)
5 土地造成の安全性確保(203)
Ⅲ 条例の動き.........204
第15章 原子力への法対応.........207
Ⅰ 原発再稼働の可否の議論.........207
Ⅱ 原子力発電の法規制.........208
1 原子力発電の歴史と法規制(208)
2 原子炉施設の安全性と公衆被ばく(209)
3 事故による対応(209)
Ⅲ 原発の差止めをめぐる訴訟.........210
1 裁判における政策と科学(210)
2 福島原発事故前の差止裁判の状況(211)
3 事故後の差止訴訟の傾向(212)
Ⅳ 原発事故の責任と救済.........214
1 原発事故の被害救済(214)
2 原発事故の責任(215)
Ⅴ 原発事故の損害論.........216
1 原発事故の被害―原発事故の損害論(216)
2 事故関連被害の多様さ(217)
3 放射性物質の除染と復興(218)
Ⅵ 放射性廃棄物と世代間公平.........219
第16章 生態系保全・生物多様性保全の法.........223
Ⅰ はじめに.........223
Ⅱ 現行法制度の大まかな分類.........224
1 第1世代―貴重な・希少な自然の保護(224)
2 第2世代―生物多様性の保全(226)
3 第3世代―「人間が作りだした・破壊した自然」の保護と,「人間が作りだした自然への脅威」への対策(227)
Ⅲ 国際法との比較―カルタヘナ議定書とカルタヘナ法を例に.........232
Ⅳ 今後の課題.........233
第17章 自然保護・保全の法.........237
Ⅰ 自然保護・保全とは.........237
Ⅱ 自然環境保全法.........238
1 制定当時の自然環境保全法(238)
2 現在の自然環境保全法(239)
Ⅲ 自然公園法.........239
1 自然公園の歴史と日本の自然公園(239)
2 自然公園法の目的(240)
3 自然公園法の仕組み(241)
4 法改正の内容をたどる(246)
第18章 二次的自然と法制度.........251
Ⅰ 二次的自然とは何か.........251
Ⅱ 二次的自然としての入会林野.........252
1 里山と入会林野(252)
2 入会林野の歴史(253)
3 近年の動向(254)
Ⅲ 農業環境政策.........255
1 諸外国の動向(255)
2 気候変動適応法(256)
3 日本型直接支払(256)
Ⅳ 里海と里地里山の繋がり.........258
1 里海(258)
2 維持管理主体(258)
第19章 水資源と法.........261
Ⅰ 日本における水管理法制の展開.........261
1 環境法の根本的課題としての水資源管理(261)
2 水汚染対策(262)
3 治水・地盤沈下対策(263)
4 水管理法の隘路(264)
Ⅱ 水循環基本法.........265
1 健全な水循環(265)
2 水循環基本法の制定(議員立法)(266)
3 水循環基本法の運用と進化(267)
Ⅲ 地下水の採取規制.........269
1 自治体による取組みとその実効性(269)
2 市区町村による規制の可能性(271)
3 地下水「公水」論の法的把握(272)
Ⅳ 地下水汚染リスクへの対応.........275
第20章 国際社会と環境法.........277
Ⅰ 国際法と環境法の接点としての国際環境法.........277
Ⅱ 国際環境法の歴史的発展.........279
1 前史 ―19世紀後半から第2次世界大戦終了まで(~1945年)(279)
2 萌芽期 ―国連の設立からストックホルム会議まで (1945年~1972年)(281)
3 形成期 ―ストックホルム会議からリオ会議まで (1972年~1992年)(282)
4 確立期 ―リオ会議以降(1992年~現在)(283)
Ⅲ 慣習国際法としての国際環境法諸原則.........284
1 実体的義務―越境環境損害防止義務(285)
2 手続的義務(286)
Ⅳ 国際環境法における履行確保と環境損害の救済.........288
1 環境条約の履行確保手段(288)
2 環境損害の救済(289)
第21章 海洋環境をめぐる法.........293
Ⅰ はじめに.........293
1 海洋環境を守る意義(293)
2 海洋環境の汚染原因(294)
Ⅱ 海洋環境に関する国際法・国内法.........295
1 国連海洋法条約(295)
2 海洋環境保護条約と国内実施法(296)
3 地球温暖化問題(300)
4 バラスト水問題(302)
5 旗国検査と寄港国検査(303)
第22章 文化財保護と法.........305
Ⅰ 文化財保護制度の発展.........305
1 将来世代への継承(305)
2 文化財保護制度の変遷(305)
Ⅱ 文化財保護法.........308
1 目的等(308)
2 国による保護の体系(308)
3 有形文化財の保護(313)
Ⅲ 国際的な取組み.........318
1 ユネスコによる文化財保護の取組み(318)
2 世界遺産条約(319)
事項索引.........323