民法講義 0 ゼロからの民法入門
教養としての民法近江幸治 著
定価:3,080円(税込)-
在庫:
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発行:
2012年02月10日
-
判型:
A5版上製 -
ページ数:
304頁 -
ISBN:
978-4-7923-2618-0
内容紹介
細 目 次
緒言
第1部 ゼロからの民法入門
1 法律の勉強のしかた 1
(1) どうして法律を学ぶのか?
―法律の機能を理解する 1
(a) 法律の2つの機能(社会的作用)
(b) 総合的な学習を!
(2) 講義のきき方 2
(a) 大学の「講義」とは?
(b) 「講義」の2つの形式
(c) 「予習」に限る!
(d) “先読み”の重要性
(3) 教科書で“考える” 5
(a) 教科書―講義の補助手段として
(b) “じっくり考える場”として
(c) アナログ(紙媒体)かデジタルか?
(4) 必須の六法全書 7
(a) 六法の使い方
(b) どのような六法が使いやすいか?
(5) 「判例」の意義とその勉強方法
9
(a) 「判例」とは何か
(b) 「法源」の機能と存在形態
―判例は法源か?
(c) 成文法下での判例研究
(d) レベルに応じた判例の学習
(6) 「学説」はどのように理解するか
12
(a) 法律学にはなぜ「学説」があるのか?
(b) 学説は考え方の筋道を理解することが重要!
(c) 学説の勉強は?
2 「民法」とは何か 15
(1) 市民生活にどうしても必要な
「民法」 15
(a) 2つの社会規範
(b) 生活・取引規範としての民法
(2) 「接触」関係によって生じる法律関係 16
(a) 人との関係
(b) 物との関係
(c) 2つに分ける意義
(3) 民法は「実体法」―手続法との関係 18
(a) 権利・義務の存否を決定づける典拠
(b) 手続法での処遇
(4) 裁判のステージでは―当事者主義・弁論主義 20
(a) 権利は実現されるのか?
(b) 当事者主義・弁論主義
(5) 「法律要件」は誰が証明するのか?―証明責任の分配 21
(a) 法律要件と要件事実
(b) 法律要件分類説
(c) 証明の困難さと不衡平
3 日本民法の成り立ち 23
(1) 日本民法の系譜―旧民法から明治民法へ 23
(a) 近代民法と2つの法体系
【近代民法典の系譜図】
(b) フランス法を継受した「旧民法」
(c) パンデクテン体系の「明治民法」
(2) パンデクテン体系の意味するもの 25
(a) パンデクテン体系とは何か?
(b) パンデクテン体系の意義
第2部 教養民法(民法概論)
第1章 「人」に関する法律関係
27
1 なぜ「人」を取り扱うか
―権利主体 27
(1) 「権利能力」ということ 27
(a) 権利・義務の主体者「人」
(b) 「権利能力」の享有
(c) 出生から死ぬまで
(2) 人の「死亡」をめぐる問題 29
(a) 「死」は何によって判定するか
(b) 「同時死亡」推定制度
(c) 「認定死亡」制度
(3) 「人」の生死状態が不明!
―失踪宣告 30
(a) 失踪宣告の要件と手続
(b) 失踪宣告の効果
(c) 失踪宣告の取消し
(d) 取消しの効果
2 「意思能力」・「行為能力」というとらえ方 34
(1) 「意思能力」と「行為能力」
―民法の根本概念 34
(a) 「意思能力」ということの意味
(b) 「行為能力」概念の必要性
(2) 「未成年者」の行為能力 35
(a) 「未成年者」に対する保護
(b) 法定代理人の「同意」と取消し
【「法定代理人」とは何か?】
(c) 未成年者が単独でできる場合
(d) 法定代理人による「代理」
(3) 「成年被後見人」の行為能力
37
(a) 「成年被後見人」に対する保護
(b) 後見開始の効果
(4) 「被保佐人」の行為能力 38
(a) 「被保佐人」に対する保護
(b) 保佐開始の効果
(c) 保佐人の「同意」を得なければならない行為
(5) 「被補助人」の行為能力 39
(a) 「被補助人」に対する保護
(b) 補助開始の効果―特定の法律行為の「同意」または「代理」
3 「意思表示」と「法律行為」と
いう概念 40
(1) 法律関係の変動―法律要件と法律事実 40
(a) 実体法規定の構造―《要件→効果》
(b) 意思表示と法律行為
(2) 意思表示の構造 41
(a) 「意思」の「表示」
(b) 意思と表示との不一致
(3) 心裡留保(93条) 41
(a) 「心裡留保」という法律行為
(b) 心裡留保の効果
(4) 虚偽表示(94条) 42
(a) 虚偽表示は無効
(b) 虚偽表示の要件
(c) 第三者に対する「対抗」
(d) 「第三者」と転得者
(e) 94条2項の類推適用―権利外観保護の法理への展開
(5) 錯誤(95条) 46
(a) 法律行為の「要素の錯誤」
(b) 表意者に重過失がないこと
(c) 錯誤の効果「無効」―「相対的無効」論
(6) 詐欺と強迫による意思表示
(96条) 48
(a) 瑕疵ある意思表示
(b) 「詐欺」による意思表示
(c) 善意の第三者に対抗できない
(d) 「強迫」による意思表示
4 人を「代理」する 50
(1) 人を「代理」するとは? 50
(a) 顕名主義と「他人効」
(b) 代理の2つの形態
(c) 自己契約・双方代理の禁止
(d) 代理権・代表権の濫用
(2) 無権代理 52
(a) 代理権のない代理行為
(b) 「他人効」が発生する場合
(3) 本人・無権代理人の地位の同化 53
(a) 無権代理人が本人を相続(無権代理人相続型)
(b) 本人が無権代理を相続(本人相続型)
(c) 共同相続
(4) 表見代理 54
(a) 帰責性を前提とする「表見代理」
(b) 代理権授与の表示による表見代理〔Ⅰ型〕
(c) 権限外行為の表見代理〔Ⅱ型〕
(d) 代理権消滅後の表見代理〔Ⅲ型〕
(e) 表見代理の重畳適用〔Ⅳ型〕
5 「法人」―もう1つの「人」 58
(1) 「法人」とは何か 58
(a) 「法人」の社会的実在性
(b) 「目的の範囲内」
(c) 社団法人と財団法人
【新たな法人制度】
(2) 一般法人と公益法人 59
(a) 一般法人
(b) 準則主義による成立
(c) “公益認定”による公益法人
(3) 法人の権利能力と行為能力 59
(a) 権利能力
(b) 権利能力のない社団
(c) 行為能力
(4) 法人の不法行為責任 60
(a) 法人自身の不法行為―一般法人法78条責任
(b) 理事の個人責任(709条)
(c) 代表者の越権行為と法人の責任
第2章 「所有」をめぐる法律関係 62
1 「所有」の保障と所有権の内容 62
(1) 「所有権絶対」の原則と権利濫用の禁止 62
(a) 所有権絶対の原則
(b) 権利濫用の禁止
(2) 「物」を「支配」するとは?
―「排他的」な「支配権」
63
(a) 「支配」権の内容―使用・収益・処分
(b) 「排他的」な支配権
(3) 物の支配が妨害されたらどうする?―物権的請求権〔設例〕
63
(a) 「支配」の復元力―物権的請求権
(b) 誰に対して請求するのか?
(c) 「費用負担」の問題
(4) 土地所有権の及ぶ範囲 66
(a) 「土地の上下」に及ぶ
(b) 地下水と鉱物
(c) 海(海面下の土地)
(5) 隣地との利益の調整―相隣関係 66
(a) 隣地使用に関する相隣関係
(b) 水に関する相隣関係
(c) 境界に関する相隣関係
(d) 竹木剪せん除じょに関する相隣関係
(e) 境界線付近の建築の制限
【筆界特定】
(6) 所有権の取得―遺失物拾得と付合 69
(a) 所有権はどのような場合に取得するか?
(b) 誰かの物を拾った!―遺失物拾得
(c) 付 合
(7) 共有(共同所有) 70
(a) 「共有」の形態と問題点
【共有の3形態】
(b) 持分権
(c) 共有物の管理
(d) 分割請求
2 不動産の売買 72
(1) 所有権移転の原則 72
(a) 所有権が移転することの意味
(b) 意思表示による効力発生
(2) 「登記」は対抗要件 74
(a) 「第三者に対抗」とは何をいうのか?
(b) 背信的悪意者を第三者から排除!
(3) 各物権変動と「登記」 75
(a) 取消しと登記
(b) 解除と登記
(c) 取得時効と登記
(d) 相続と登記
(4) 不動産登記制度 80
【登記事項証明書】
(a) 登記事項証明書の見方
(b) 登記の申請方法
3 動産の売買 82
(1) 意思表示による所有権移転と対抗要件 82
(a) 意思表示による所有権移転
(b) 多様な「引渡し」(4形態)
(2) 即時取得(外観信頼保護制度) 83
(a) 外観に対する信頼の保護
(b) 盗品・遺失物に対する特則
(3) 占有改定で即時取得は成立するか? 84
4 所有権以外の物権 86
(1) 占有権 86
(a) 占有権の構造
(b) 概念の整理
(c) 占有権の承継取得
(d) 占有者と回復者との関係
(e) 「準占有」という概念
(2) 用益物権の意義 88
(a) 用益物権とは何か?
(b) 用益権の二重構造
(3) 地上権 89
(a) 地上権とは何か?
(b) 〈借地借家法による修正〉
(4) 永小作権 90
(a) 永小作権とは何か?
(b) 〈農地法による修正〉
(5) 地役権 90
(a) 地役権とは何か?
(b) 地役権の「対抗力」
(6) 入会権 92
(a) 入会権とは何か?
(b) これからの入会権
第3章 「契約」の成立と債権保護のしくみ 93
1 「契約」が成立するとどうなる? 93
(1) 履行義務(債権関係)の発生
93
(a) 契約規範の発生
【契約締結上の過失責任と契約規範】
(b) 債権の消滅(義務履行)に向けた規範的拘束
(2) 債権の効力―「債権」を保護するしくみ 95
(a) 債権の本質は「請求力」
(b) 「掴かく取しゅ力」
(c) 民法の債権保護のシステム
(3) 債権の義務履行の構造 96
(a) 給付義務
(b) 付随義務
(c) 保護義務(独立的注意義務)
2 履行障害 98
(1) 履行障害とその処遇 98
〔第1〕・〔第2〕・〔第3〕
(2) 債務不履行の態様 98
(a) 履行遅滞
(b) 履行不能
(c) 不完全履行
(d) 受領遅滞
3 損害賠償 100
(1) 債務不履行に基づく損害賠償 100
(a) 遅延賠償
(b) 【填】補賠償
(c) 信義則上の義務違反の場合(契約締結上の過失責任・拡大損害(積極的債権侵害)・安全配慮義務違反)
(2) 損害賠償の範囲 101
(a) 通常損害(原則)
(b) 特別損害(予見可能性)
(3) 損害賠償の免責事由―責任根拠との関係 101
(a) 賠償免責の必要性
(b) 「責めに帰すべき事由」か「契約の拘束力」か
(c) 「履行補助者の故意・過失」をどう考えるか
(4) 損害の分類 103
(a) 財産的損害・非財産的損害
(b) 積極的損害・消極的損害
(c) 履行利益・信頼利益
4 解 除 104
(1) 契約の解除の意義 104
(a) 契約の白紙撤回!
(b) 解除事由
(2) 催告解除と無催告解除 104
(a) 催告解除
(b) 無催告解除
(c) 「信頼関係破壊」法理による解除
(3) 解除の効果 105
5 履行の確保(責任財産の保全) 106
(1) 債権者代位権 106
(a) 債権者代位権とは何か?
〔設例〕
(b) 要件―債務者の「無資力」
(c) 効果―「共同担保」の保全
(d) 「無効の主張」の代位は?
(e) 債権者代位権の「転用」
(2) 詐害行為取消権(債権者取消権) 108
(a) 詐害行為取消権とは何か?
〔設例〕
(b) 要件―「詐害行為」と「詐害意思」
(c) 効果―「共同担保の保全」
(d) 「取消し」と「返還請求」の関係
6 双務契約の効力 110
(1) 同時履行の抗弁権 110
(a) 双務契約の牽連性
(b) 「同時履行」関係の意義
(c) 「抗弁」的構造
(d) 同時履行の抗弁権の効果
(e) 「不安の抗弁権」との関係
(2) 危険負担 111
(a) 危険負担とは何か?
〔設例〕
(b) 「特定物」危険負担債権者主義の修正
7 債権譲渡と債務引受け 113
(1) 債権譲渡 113
(a) 債権譲渡とは何か?
(b) 債権譲渡の対抗要件
〔設例〕
(c) 異議を留めない承諾―抗弁の喪失
(d) 債務者以外の第三者に対する「対抗」 〔設例〕
(e) 「登記」による対抗
(2) 債務引受け 115
(a) 債務引受けとは何か?
(b) 併存的債務引受け(重畳的債務引受け)
(c) 契約引受け(契約上の地位の移転)
8 債権の消滅 117
(1) 弁 済 117
(a) 「弁済」の意義
(b) 弁済者
(c) 債権の準占有者への弁済
(d) 弁済の充当
(e) 弁済の提供
(f) 提供の効果
(2) 弁済による代位(弁済者代位) 119
(a) 「弁済による代位」とは何か?
(b) 法定代位
(c) 任意代位(承諾代位)
(d) 代位弁済の効果
(e) 債権者の担保保存義務
(3) 代物弁済 121
(a) 代物弁済とは何か?
(b) 代物弁済の構造
(c) 代物弁済の効果
(4) 供 託 122
(a) 「供託」とは何か
(b) 供託の要件・方法
(c) 供託の効果
(5) 相 殺 123
(a) 「相殺」とは何か
(b) 相殺の形態
(c) 相殺の要件―相殺適状
(d) 相殺の方法・効果
(e) 相殺の禁止
(6) 相殺の担保的機能〔設例〕
124
(a) “担保としての相殺”
(b) 法定相殺
(c) 相殺予約
(d) 債権譲渡と相殺
(7) 更 改 127
(a) 更改とは何か
(b) 「債務の要素」の変更
(c) 更改契約の効果
(8) 免 除 128
(9) 混 同 128
9 各種の契約 129
(1) 売 買 129
(a) 債権関係の発生
(b) 手 付
(c) 果実の帰属
(d) 「権利の瑕疵」―追奪担保責任
(e) 「物の瑕疵」―瑕疵担保責任
〔設例〕
(f) 買戻し(特約)
(2) 贈 与 132
(a) 無償行為と契約性
(b) 贈与の撤回
(c) 担保責任の軽減
(d) 履行が終わった贈与の撤回・贈与物の返還請求
(3) 交 換 133
(a) 交換の歴史的意義
(b) 交換の成立と効果
(4) 消費貸借 134
(a) 消費貸借とは何か
(b) 貸主の瑕疵担保責任
(c) 借主の返還義務
(d) 準消費貸借
(5) 使用貸借 135
(a) 無償の“貸し・借り”
(b) 借主の用方遵守義務
(c) 使用貸借の対抗力
(d) 「使用及び収益を終わった時」による使用貸借の終了
(e) 「使用及び収益をするのに足りる期間」の経過による終了
(f) 「借主の死亡」による終了
(6) 賃貸借 137
(a) 賃料を払う“貸し・借り”
(b) 不動産用益権の二重構造と賃借権保護の必要性
(c) 賃貸借の成立と存続期間
(d) 賃貸借の効力
(e) 賃貸人の権利・義務
(f) 賃借人の権利・義務
(g) 敷 金 〔設例〕
(h) 賃借権の譲渡・転貸
(i) 賃貸借の終了
〈建物賃貸借の強化〉
(7) 請 負 141
(a) 請負とは何か
(b) 請負人の義務
(c) 完成物の所有権は誰に帰属するか?
(d) 請負人の倒産と請負契約の解除
(e) 請負瑕疵担保責任
(f) 仕事完成前の注文者の解除権
(8) 委 任 143
(a) 委任とは何か
(b) 委任の成立と委任状
(c) 受任者の義務
(d) 任意解除と終了事由
(9) 寄 託 144
(a) 「物」を預ける契約
(b) 受寄者の保管義務
(c) 寄託物の返還による終了
(d) 消費寄託
(10) 組 合 145
(a) 組合契約と組合
(b) 組合の業務執行
(c) 組合財産の制限
(d) 組合員の無限責任
(e) 脱 退
(11) 和 解 146
(a) 和解とは何か
(b) 和解と類似する制度
(c) 法律関係の確定効
第4章 法律による債権の発生
148
《法律による債権の発生とは?》
1 事務管理 148
(1) 「事務管理」―要務の管理行為 〔設例〕 148
(2) 事務管理の成立要件 149
(ⅰ) 「事務の管理」Ⅰ
(ⅱ) 「他人のために」Ⅱ
(ⅲ) 「義務なくして」Ⅲ
(ⅳ) 「本人の意思に反し,または本人に不利であること」Ⅳ
(ⅴ) 「始める」Ⅴ
(3) 事務管理の効果 150
(a) 違法性阻却
(b) 管理者の義務―管理義務
(c) 本人の費用償還義務
(4) 「準」事務管理とは何か 〔設例〕 151
2 不当利得 152
(1) 「不当な利得」の排除 152
(a) 「不当利得」とは何か 〔設例①〕〔設例②〕
(b) 「侵害不当利得」と「給付不当利得」の峻別
【日本不当利得法の問題点と類型論】
(2) 不当利得の成立要件 153
(a) 「法律上の原因」の欠如
(b) 「受益」・「損失」
(c) 「因果関係」
(3) 不当利得の効果 154
(a) 不当利得の返還の範囲
(b) 侵害不当利得―所有権法秩序違反
(c) 給付不当利得―契約法秩序違反
(4) 三者関係的不当利得 156
(a) 騙取金銭による弁済
(b) 「転用物訴権」
(5) 特殊な不当利得 157
(a) 非債弁済
(b) 期限前の弁済
(c) 誤信による他人の債務の弁済
(d) 不法原因給付
第5章 債権を「担保」する制度 159
《物的担保制度と人的担保制度》
1 抵当権 159
(1) 抵当制度を支える諸原則 159
(a) 「非占有」担保権
(b) なぜ優先弁済ができるのか?
(c) 付従性
(d) 抵当権の多重設定と順位昇進の原則
(e) 物上保証
(2) 抵当権の効力の及ぶ目的物の範囲 161
(a) 「付加して一体となっている物」
(b) 「付合物」
(c) 「従物」
(d) 「従たる権利」
(e) 付加物が分離された場合
(f) 果 実
(3) 物上代位 163
(a) 「物上代位」とは何か
(b) 物上代位の目的物
(c) 「払渡し・引渡し」と「差押え」
(d) 物上代位権の行使の方法
(4) 優先弁済の方法―抵当権の実行 164
(a) 担保不動産競売
(b) 担保不動産収益執行
(5) 法定地上権 166
(a) 法定地上権とは何か
(b) 抵当権設定時,土地上に建物が存すること(要件Ⅰ)
(c) 抵当権設定時,土地と建物とが同一所有者に属すること(要件Ⅱ)
(6) 抵当権と賃貸借 168
(a) 建物「明渡猶予」制度
(b) 抵当権者の同意による賃貸借対抗力の付与
(7) 抵当権の消滅請求 169
(8) 抵当権の処分 169
(a) 抵当権の譲渡
(b) 抵当権の放棄
(c) 順位の譲渡
(d) 順位の放棄
(e) 「順位の変更」
(9) 共同抵当 170
(a) 「共同抵当」の考え方
(b) 同時配当=割付主義
(c) 異時配当=全部配当主義+代位権付与
(d) 共同抵当権の「放棄」と代位権
(10) 根抵当 173
(a) 「根」抵当とは何か
(b) 被担保債権の範囲
(c) 極度額
(d) 「確定」前の根抵当関係の変動
(e) 債権譲渡・債務引受け
(f) 合併・会社分割
(g) 根抵当権の譲渡
(h) 「確定」―根抵当関係の終了
2 質 権 176
(1) 担保制度の“原型” 176
(a) 「占有の移転」
(b) 優先弁済権
(2) 質権の設定と効力 176
(a) 質権の設定
(b) 要物契約性―効力発生要件
(c) 占有改定の禁止
(d) 流質契約の禁止
(3) 転 質 177
(a) 「転質」とは何か
(b) 責任加重
(c) 転質の実行
(d) 当事者に対する拘束
(4) 動産質 178
(a) 即時取得による質権の取得
(b) 動産質権の対抗要件―占有の継続
(c) 質物の回復手段
(d) 優先弁済の方法
(5) 不動産質 178
(a) 不動産質の歴史的意義
(b) 不動産質権の設定
(c) 使用収益権能の移転
(d) 優先弁済的効力
3 変則担保(非典型担保) 180
(1) 不動産譲渡担保 180
(a) 「譲渡担保」とは何か
(b) 譲渡担保の設定―所有権の移転
(c) 譲渡担保権の実行―「通知」による所有権の取得
(d) 清算義務
(e) 受戻権
(f) 譲渡担保権者の処分
(2) 仮登記担保 184
(a) 「仮登記担保」とは何か
(b) 仮登記担保制度のしくみ
(c) 仮登記担保契約
(d) 公示―仮登記(「対抗力」の付与)
(e) 受戻権
(3) 動産譲渡担保 185
(a) 「動産抵当」としての機能
(b) 対抗要件
(c) 動産譲渡担保権の実行
(d) 設定者の処分
(e) 二重譲渡担保の設定
(f) 設定者の一般債権者の差押え
(4) 集合動産譲渡担保 187
(a) 集合動産譲渡担保の意義
(b) 「集合物」概念の導入
(c) 集合動産の「特定」
(d) 対抗要件
(5) 集合債権譲渡担保 188
(a) 「集合債権」譲渡担保とは何か
(b) 集合債権譲渡担保の形態
(c) 集合債権の範囲の限定(債権の特定)
(d) 対抗要件
4 法定の担保物権 190
(1) 留置権 190
(a) 留置権とは何か
(b) 「物に関して生じた債権」
(c) 留置権の目的物の譲渡
(d) 譲渡担保権者の目的物の譲渡
(e) 借地・借家と留置権
(f) 「事後的な不法」と留置権
(2) 先取特権 192
(a) 特権としての「特別な債権」の保護
(b) 優先弁済の順位原則
(c) 質権との関係
(d) 譲渡担保との関係
(e) 動産に対する追及効の制限
5 人的担保制度 195
《統一的な「人的担保」制度はない》
(1) 保 証 195
(a) 「保証人」となることの意味
(b) 書面による保証契約
(c) 保証債務の範囲
(d) 催告の抗弁権・検索の抗弁権
(e) 主債務者の抗弁権の援用
(f) 主債務者・保証人に生じた事由
(g) 内部関係(求償関係)
(h) 根保証(貸金等根保証契約)
(2) 連帯債務 198
(a) 債務の「連帯」
(b) 連帯債務の効力
(3) 不真正連帯債務 199
(a) 「不真正連帯」とは何か
(b) 不真正連帯債務を生じる場合
(c) 不真正連帯債務の効力
(4) 不可分債務 200
(a) 「不可分」債務とは何か
(b) 不可分債務の効力
第6章 民事「責任」制度 201
1 一般不法行為 201
(1) 損害の賠償―被害者の救済 201
(a) 被害者救済
(b) 法定債権の発生
(2) 過失責任主義と無過失責任主義 202
(a) 過失責任主義
(b) 無過失責任主義
2 一般的不法行為の成立要件
203
(1) 過 失 203
(a) 主観的過失から客観的過失へ
(b) 「抽象的過失」が基準
(c) 予見可能性と結果回避可能性
(d) 軽過失と重過失
(2) 故 意 204
(a) 「認識」と「認容」
(b) 「故意」による不法行為
(3) 立証責任 205
(a) 「原告」立証の原則―法律要件分類説
(b) 立証責任の転換
(4) 過失の推定 206
(5) 違法性(権利・法的保護利益の
侵害) 206
(a) 「権利又は法律上保護される利益」の侵害
(b) 過失と違法性との関係
(c) 法益保護の諸類型
(d) 違法性阻却
(6) 損害の発生と因果関係 207
(a) 「損害」と「行為」の因果関係
(b) 因果関係の立証責任
(7) 責任能力 207
(a) 責任能力と意思能力
(b) 責任能力制限者
(c) 監督者の責任
3 一般不法行為の効果 209
(1) 損害賠償の方法 209
(a) 金銭賠償主義
(b) 特定的救済(非金銭的救済)
(2) 生命侵害の場合 210
(a) 損害賠償請求権は相続されるか?
(b) 財産的損害
(c) 精神的損害(慰謝料)
(3) 損害賠償の範囲と額の算定
211
(a) 賠償範囲限定―相当因果関係
(b) 逸失利益の算定方法
(c) 過失相殺
(4) 損害賠償請求権の消滅時効
212
(a) 短期消滅
(b) 20年消滅(除斥期間)
4 特殊の不法行為 213
(1) 共同不法行為 213
(a) 「共同不法行為」とは何か
(b) 「共同」=関連共同性
(c) 「競合的不法行為」(原因競合)
(2) 使用者責任 214
(a) 「事業の執行」
(b) 準無過失責任
(3) 土地工作物責任 215
(a) 占有者責任
(b) 所有者の絶対責任
(4) 動物占有者責任 215
5 特別法上の不法行為 216
(1) 自動車損害賠償保障法 216
(a) 709条の特別法
(b) 立証責任の転換
(c) 「責任」保険=加害者救済原理
(2) 製造物責任(PL法) 217
(a) 「製造物責任」とは何か
(b) 製造物の欠陥による「拡大損害」の発生
(c) 免責事由
(d) 請求期間の制限
(3) 失火責任法 217
(a) 失火責任法の制定理由
(b) 「重過失」
(c) 債務不履行責任との関係
第7章 「時」の経過による権利の変動 219
1 時効法総則 219
(1) 時効制度の意義 219
(a) 「時効」とは何か
(b) 時効の完成(時効期間の経過)
(c) 除斥期間
(2) 時効利益の援用 220
(a) 援用による時効利益の享受
(b) 援用権者
(c) 援用の相対効
(3) 時効の利益の放棄 220
(a) 時効完成前の時効利益の放棄禁止!
(b) 時効利益の「喪失」
(4) 時効の効果の【遡】及効 221
(5) 時効の中断 222
(a) 時効の「中断」とは何か
(b) 中断の効果
(c) 中断の相対効
(6) 時効の停止 223
(a) 時効の「停止」とは何か
(b) 停止事由
2 取得時効と消滅時効 224
(1) 取得時効 224
(a) 「20年」取得時効
(b) 「10年」―「善意・無過失」占有
(c) 「自己」の物
(d) 賃借権
(2) 消滅時効 225
(a) 権利の不行使と時効の起算
(b) 時効期間
第8章 親族間の法律関係 227
1 家族と親族 227
(1) 「家族」と「親族」 227
(a) 家族―「家」から「夫婦」へ
(b) 「親族」の範囲
【「親族」関係の図】
(c) 親族間の「扶養」義務
(2) 氏・名の取得と戸籍 228
(a) 氏・名の取得
(b) 戸籍とは何か
2 審判・調停・人事訴訟 230
(1) 家事審判 230
(a) 家事「審判」とは何か
(b) 「別表第一」事項と「別表第二」事項
(2) 家事調停 230
(a) 家事「調停」とは何か
(3) 人事訴訟 231
(a) 「人事訴訟」とは何か
(b) 附帯処分の裁判
3 婚 姻 232
(1) 婚姻の要件 232
(a) 法律婚主義
(b) 婚姻年齢と未成年者の婚姻
(c) 再婚禁止期間
(d) 近親婚の禁止
(2) 婚 約 232
(a) 「婚約」とは何か
(b) 婚約の不当破棄―損害賠償責任
(3) 内 縁 233
(a) 「内縁」とは何か
(b) 内縁をなぜ保護するか
(c) 婚姻障害がある場合
(d) 内縁の解消
(e) 「同棲」とは何か
(4) 婚姻関係から生じる諸義務
235
(a) 同居義務・協力扶助義務
(b) 貞操義務
(5) 夫婦「別産制」 235
(a) 別産制の意義
(b) 別産制の問題点
(6) 婚姻費用の分担 236
(a) 「婚姻費用」とは何か
(b) 婚姻費用の「分担」
4 離 婚 237
(1) 協議離婚 237
(a) 協議離婚の成立
(b) 身分関係の終了と復氏
(c) 子の監護に関する取り決め
(2) 財産分与請求権 238
(a) 財産分与請求権の意義
(b) 財産分与の方法・手続
(3) 裁判上の離婚 238
(a) 強制的な婚姻の解消
(b) 離婚原因―有責主義から破綻主義へ
5 親子―実子 240
(1) 嫡出子 240
(a) 嫡出の推定
(b) 出生期間による推定
(2) 嫡出推定を受けない「嫡出子」 240
(a) 「推定されない嫡出子」
(b) 「再婚禁止期間内に生まれた子」(父を定める訴え)
(3) 「嫡出」性の否認 241
(a) 嫡出否認の訴え―「嫡出推定を覆す」
(b) 親子関係不存在確認の訴え
―「嫡出推定が及ばない子」の嫡出否認
(4) 嫡出でない子 242
(a) 「嫡出でない子」とは何か
(b) 任意認知
(c) 強制認知(認知の訴え)
(d) 認知の効果―【遡】及効とその制限
6 親子―養子 243
(1) 養子縁組みの成立 243
(a) 「養子」は何のために
(b) 縁組成立の要件
(2) 縁組みの効力 243
(3) 離 縁 244
(a) 協議上の離縁
(b) 裁判上の離縁事由
(4) 特別養子制度 244
(a) 「特別養子」とは何か
(b) 特別養子縁組の要件
(c) 特別養子縁組の効果
(d) 特別養子縁組の離縁
7 親 権 247
(1) 「親権」とは何か 247
(a) 親権者
(b) 親権共同行使の原則
(2) 親権の効力 247
(a) 身上監護権
(b) 財産管理権と代理権
(c) 利益相反行為―特別代理人選任
8 後 見 249
(1) 「後見」とは何か 249
(2) 未成年後見と成年後見 249
(a) 未成年後見
(b) 成年後見人
第9章 相続をめぐる法律関係
250
1 相続の開始と相続人 250
(1) 「相続」の開始 250
(a) 「相続」とは何か
(b) 遺言相続と法定相続
(c) 遺留分
(2) 相続人 250
(a) 「相続人」と推定相続人
(b) 「子」(第1順位)
(c) 「直系尊属」(第2順位)
(d) 「兄弟姉妹」(第3順位)
(e) 「配偶者」
(3) 代襲相続 251
(a) 「代襲相続」とは何か
(b) 養子の場合
(c) 代襲相続の効果
(4) 相続人の欠格と廃除 252
(a) 「相続欠格」制度
(b) 推定相続人の「廃除」制度
2 相続の効力 254
(1) 相続の一般的効力 254
(a) 一切の権利義務の承継
(b) 相続共有の原則
(c) 可分債権・債務の処遇
(2) 相続分 255
(a) 指定相続分
(b) 法定相続分
(c) 「特別受益者」
(d) 「寄与分」
(e) 相続分取戻権
(3) 遺産分割 257
(a) 「遺産分割」とは何か
(b) 指定分割
(c) 協議分割
(d) 分割の【遡】及効と第三者保護
(4) 相続回復請求権 258
(a) 真正相続人の権利の回復
(b) 相続回復請求権の時効消滅
(c) 共同相続人間で適用されるか?
3 相続の承認と放棄 260
(1) 単純承認 260
(a) 「単純承認」とは何か
(b) 熟慮期間(3か月)
(c) 法定単純承認事由
(2) 「財産分離」請求―単純承認に伴う処置 261
(a) 「財産分離」請求とは何か
(b) 第1種財産分離―相続債権者・受遺者からの請求
(c) 第2種財産分離―相続人の債権者からの請求
(3) 限定承認 261
(a) 限定承認の意義
(b) 限定承認の方式
(c) 限定承認の効果
(d) 公告と期間満了後の弁済
(4) 相続「放棄」 262
(a) 「相続放棄」とは何か
(b) 相続放棄の効果
(c) 相続放棄と第三者
4 遺 言 264
(1) 「遺言」制度の意義 264
(a) 「遺言」とは何か
【遺言適格事項】
(b) 包括遺贈と特定遺贈
(c) 被後見人の遺言の制限
(2) 普通方式による遺言 265
(a) 普通方式による遺言とは?
(b) 自筆証書遺言
(c) 公正証書遺言
(d) 秘密証書遺言
(3) 死亡の危急に迫った者の遺言 266
(4) 遺言の効力 266
(a) 遺言の効力発生時期
(b) 特定遺贈と第三者
(c) 遺贈の放棄・承認等
(d) 負担付遺贈
(5) 遺言の執行 267
(a) 「遺言の執行」とは何か
(b) 遺言執行者の選任と財産処分の制限
(c) 遺言書の「検認」
(d) 遺言執行者
(6) 遺言の撤回および取消し 268
(a) 遺言撤回の自由(意思表示による撤回)
(b) 法定撤回
5 遺留分 269
(1) 「遺留分」制度の意義 269
(a) 「遺留分」とは何か
(b) 遺留分の放棄
(2) 遺留分権利者と遺留分割合 269
(a) 遺留分権利者と遺留分割合
【遺留分割合の基準】
(b) 遺留分の算定
(3) 遺留分減殺請求権 270
(a) 「遺留分減殺」請求とは何か
(b) 当事者
(c) 減殺請求権の行使
(d) 減殺の順序等
(e) 受贈者の目的物の処分等 271
事項索引(273)
判例索引(279)
条文索引(282)
緒言
第1部 ゼロからの民法入門
1 法律の勉強のしかた 1
(1) どうして法律を学ぶのか?
―法律の機能を理解する 1
(a) 法律の2つの機能(社会的作用)
(b) 総合的な学習を!
(2) 講義のきき方 2
(a) 大学の「講義」とは?
(b) 「講義」の2つの形式
(c) 「予習」に限る!
(d) “先読み”の重要性
(3) 教科書で“考える” 5
(a) 教科書―講義の補助手段として
(b) “じっくり考える場”として
(c) アナログ(紙媒体)かデジタルか?
(4) 必須の六法全書 7
(a) 六法の使い方
(b) どのような六法が使いやすいか?
(5) 「判例」の意義とその勉強方法
9
(a) 「判例」とは何か
(b) 「法源」の機能と存在形態
―判例は法源か?
(c) 成文法下での判例研究
(d) レベルに応じた判例の学習
(6) 「学説」はどのように理解するか
12
(a) 法律学にはなぜ「学説」があるのか?
(b) 学説は考え方の筋道を理解することが重要!
(c) 学説の勉強は?
2 「民法」とは何か 15
(1) 市民生活にどうしても必要な
「民法」 15
(a) 2つの社会規範
(b) 生活・取引規範としての民法
(2) 「接触」関係によって生じる法律関係 16
(a) 人との関係
(b) 物との関係
(c) 2つに分ける意義
(3) 民法は「実体法」―手続法との関係 18
(a) 権利・義務の存否を決定づける典拠
(b) 手続法での処遇
(4) 裁判のステージでは―当事者主義・弁論主義 20
(a) 権利は実現されるのか?
(b) 当事者主義・弁論主義
(5) 「法律要件」は誰が証明するのか?―証明責任の分配 21
(a) 法律要件と要件事実
(b) 法律要件分類説
(c) 証明の困難さと不衡平
3 日本民法の成り立ち 23
(1) 日本民法の系譜―旧民法から明治民法へ 23
(a) 近代民法と2つの法体系
【近代民法典の系譜図】
(b) フランス法を継受した「旧民法」
(c) パンデクテン体系の「明治民法」
(2) パンデクテン体系の意味するもの 25
(a) パンデクテン体系とは何か?
(b) パンデクテン体系の意義
第2部 教養民法(民法概論)
第1章 「人」に関する法律関係
27
1 なぜ「人」を取り扱うか
―権利主体 27
(1) 「権利能力」ということ 27
(a) 権利・義務の主体者「人」
(b) 「権利能力」の享有
(c) 出生から死ぬまで
(2) 人の「死亡」をめぐる問題 29
(a) 「死」は何によって判定するか
(b) 「同時死亡」推定制度
(c) 「認定死亡」制度
(3) 「人」の生死状態が不明!
―失踪宣告 30
(a) 失踪宣告の要件と手続
(b) 失踪宣告の効果
(c) 失踪宣告の取消し
(d) 取消しの効果
2 「意思能力」・「行為能力」というとらえ方 34
(1) 「意思能力」と「行為能力」
―民法の根本概念 34
(a) 「意思能力」ということの意味
(b) 「行為能力」概念の必要性
(2) 「未成年者」の行為能力 35
(a) 「未成年者」に対する保護
(b) 法定代理人の「同意」と取消し
【「法定代理人」とは何か?】
(c) 未成年者が単独でできる場合
(d) 法定代理人による「代理」
(3) 「成年被後見人」の行為能力
37
(a) 「成年被後見人」に対する保護
(b) 後見開始の効果
(4) 「被保佐人」の行為能力 38
(a) 「被保佐人」に対する保護
(b) 保佐開始の効果
(c) 保佐人の「同意」を得なければならない行為
(5) 「被補助人」の行為能力 39
(a) 「被補助人」に対する保護
(b) 補助開始の効果―特定の法律行為の「同意」または「代理」
3 「意思表示」と「法律行為」と
いう概念 40
(1) 法律関係の変動―法律要件と法律事実 40
(a) 実体法規定の構造―《要件→効果》
(b) 意思表示と法律行為
(2) 意思表示の構造 41
(a) 「意思」の「表示」
(b) 意思と表示との不一致
(3) 心裡留保(93条) 41
(a) 「心裡留保」という法律行為
(b) 心裡留保の効果
(4) 虚偽表示(94条) 42
(a) 虚偽表示は無効
(b) 虚偽表示の要件
(c) 第三者に対する「対抗」
(d) 「第三者」と転得者
(e) 94条2項の類推適用―権利外観保護の法理への展開
(5) 錯誤(95条) 46
(a) 法律行為の「要素の錯誤」
(b) 表意者に重過失がないこと
(c) 錯誤の効果「無効」―「相対的無効」論
(6) 詐欺と強迫による意思表示
(96条) 48
(a) 瑕疵ある意思表示
(b) 「詐欺」による意思表示
(c) 善意の第三者に対抗できない
(d) 「強迫」による意思表示
4 人を「代理」する 50
(1) 人を「代理」するとは? 50
(a) 顕名主義と「他人効」
(b) 代理の2つの形態
(c) 自己契約・双方代理の禁止
(d) 代理権・代表権の濫用
(2) 無権代理 52
(a) 代理権のない代理行為
(b) 「他人効」が発生する場合
(3) 本人・無権代理人の地位の同化 53
(a) 無権代理人が本人を相続(無権代理人相続型)
(b) 本人が無権代理を相続(本人相続型)
(c) 共同相続
(4) 表見代理 54
(a) 帰責性を前提とする「表見代理」
(b) 代理権授与の表示による表見代理〔Ⅰ型〕
(c) 権限外行為の表見代理〔Ⅱ型〕
(d) 代理権消滅後の表見代理〔Ⅲ型〕
(e) 表見代理の重畳適用〔Ⅳ型〕
5 「法人」―もう1つの「人」 58
(1) 「法人」とは何か 58
(a) 「法人」の社会的実在性
(b) 「目的の範囲内」
(c) 社団法人と財団法人
【新たな法人制度】
(2) 一般法人と公益法人 59
(a) 一般法人
(b) 準則主義による成立
(c) “公益認定”による公益法人
(3) 法人の権利能力と行為能力 59
(a) 権利能力
(b) 権利能力のない社団
(c) 行為能力
(4) 法人の不法行為責任 60
(a) 法人自身の不法行為―一般法人法78条責任
(b) 理事の個人責任(709条)
(c) 代表者の越権行為と法人の責任
第2章 「所有」をめぐる法律関係 62
1 「所有」の保障と所有権の内容 62
(1) 「所有権絶対」の原則と権利濫用の禁止 62
(a) 所有権絶対の原則
(b) 権利濫用の禁止
(2) 「物」を「支配」するとは?
―「排他的」な「支配権」
63
(a) 「支配」権の内容―使用・収益・処分
(b) 「排他的」な支配権
(3) 物の支配が妨害されたらどうする?―物権的請求権〔設例〕
63
(a) 「支配」の復元力―物権的請求権
(b) 誰に対して請求するのか?
(c) 「費用負担」の問題
(4) 土地所有権の及ぶ範囲 66
(a) 「土地の上下」に及ぶ
(b) 地下水と鉱物
(c) 海(海面下の土地)
(5) 隣地との利益の調整―相隣関係 66
(a) 隣地使用に関する相隣関係
(b) 水に関する相隣関係
(c) 境界に関する相隣関係
(d) 竹木剪せん除じょに関する相隣関係
(e) 境界線付近の建築の制限
【筆界特定】
(6) 所有権の取得―遺失物拾得と付合 69
(a) 所有権はどのような場合に取得するか?
(b) 誰かの物を拾った!―遺失物拾得
(c) 付 合
(7) 共有(共同所有) 70
(a) 「共有」の形態と問題点
【共有の3形態】
(b) 持分権
(c) 共有物の管理
(d) 分割請求
2 不動産の売買 72
(1) 所有権移転の原則 72
(a) 所有権が移転することの意味
(b) 意思表示による効力発生
(2) 「登記」は対抗要件 74
(a) 「第三者に対抗」とは何をいうのか?
(b) 背信的悪意者を第三者から排除!
(3) 各物権変動と「登記」 75
(a) 取消しと登記
(b) 解除と登記
(c) 取得時効と登記
(d) 相続と登記
(4) 不動産登記制度 80
【登記事項証明書】
(a) 登記事項証明書の見方
(b) 登記の申請方法
3 動産の売買 82
(1) 意思表示による所有権移転と対抗要件 82
(a) 意思表示による所有権移転
(b) 多様な「引渡し」(4形態)
(2) 即時取得(外観信頼保護制度) 83
(a) 外観に対する信頼の保護
(b) 盗品・遺失物に対する特則
(3) 占有改定で即時取得は成立するか? 84
4 所有権以外の物権 86
(1) 占有権 86
(a) 占有権の構造
(b) 概念の整理
(c) 占有権の承継取得
(d) 占有者と回復者との関係
(e) 「準占有」という概念
(2) 用益物権の意義 88
(a) 用益物権とは何か?
(b) 用益権の二重構造
(3) 地上権 89
(a) 地上権とは何か?
(b) 〈借地借家法による修正〉
(4) 永小作権 90
(a) 永小作権とは何か?
(b) 〈農地法による修正〉
(5) 地役権 90
(a) 地役権とは何か?
(b) 地役権の「対抗力」
(6) 入会権 92
(a) 入会権とは何か?
(b) これからの入会権
第3章 「契約」の成立と債権保護のしくみ 93
1 「契約」が成立するとどうなる? 93
(1) 履行義務(債権関係)の発生
93
(a) 契約規範の発生
【契約締結上の過失責任と契約規範】
(b) 債権の消滅(義務履行)に向けた規範的拘束
(2) 債権の効力―「債権」を保護するしくみ 95
(a) 債権の本質は「請求力」
(b) 「掴かく取しゅ力」
(c) 民法の債権保護のシステム
(3) 債権の義務履行の構造 96
(a) 給付義務
(b) 付随義務
(c) 保護義務(独立的注意義務)
2 履行障害 98
(1) 履行障害とその処遇 98
〔第1〕・〔第2〕・〔第3〕
(2) 債務不履行の態様 98
(a) 履行遅滞
(b) 履行不能
(c) 不完全履行
(d) 受領遅滞
3 損害賠償 100
(1) 債務不履行に基づく損害賠償 100
(a) 遅延賠償
(b) 【填】補賠償
(c) 信義則上の義務違反の場合(契約締結上の過失責任・拡大損害(積極的債権侵害)・安全配慮義務違反)
(2) 損害賠償の範囲 101
(a) 通常損害(原則)
(b) 特別損害(予見可能性)
(3) 損害賠償の免責事由―責任根拠との関係 101
(a) 賠償免責の必要性
(b) 「責めに帰すべき事由」か「契約の拘束力」か
(c) 「履行補助者の故意・過失」をどう考えるか
(4) 損害の分類 103
(a) 財産的損害・非財産的損害
(b) 積極的損害・消極的損害
(c) 履行利益・信頼利益
4 解 除 104
(1) 契約の解除の意義 104
(a) 契約の白紙撤回!
(b) 解除事由
(2) 催告解除と無催告解除 104
(a) 催告解除
(b) 無催告解除
(c) 「信頼関係破壊」法理による解除
(3) 解除の効果 105
5 履行の確保(責任財産の保全) 106
(1) 債権者代位権 106
(a) 債権者代位権とは何か?
〔設例〕
(b) 要件―債務者の「無資力」
(c) 効果―「共同担保」の保全
(d) 「無効の主張」の代位は?
(e) 債権者代位権の「転用」
(2) 詐害行為取消権(債権者取消権) 108
(a) 詐害行為取消権とは何か?
〔設例〕
(b) 要件―「詐害行為」と「詐害意思」
(c) 効果―「共同担保の保全」
(d) 「取消し」と「返還請求」の関係
6 双務契約の効力 110
(1) 同時履行の抗弁権 110
(a) 双務契約の牽連性
(b) 「同時履行」関係の意義
(c) 「抗弁」的構造
(d) 同時履行の抗弁権の効果
(e) 「不安の抗弁権」との関係
(2) 危険負担 111
(a) 危険負担とは何か?
〔設例〕
(b) 「特定物」危険負担債権者主義の修正
7 債権譲渡と債務引受け 113
(1) 債権譲渡 113
(a) 債権譲渡とは何か?
(b) 債権譲渡の対抗要件
〔設例〕
(c) 異議を留めない承諾―抗弁の喪失
(d) 債務者以外の第三者に対する「対抗」 〔設例〕
(e) 「登記」による対抗
(2) 債務引受け 115
(a) 債務引受けとは何か?
(b) 併存的債務引受け(重畳的債務引受け)
(c) 契約引受け(契約上の地位の移転)
8 債権の消滅 117
(1) 弁 済 117
(a) 「弁済」の意義
(b) 弁済者
(c) 債権の準占有者への弁済
(d) 弁済の充当
(e) 弁済の提供
(f) 提供の効果
(2) 弁済による代位(弁済者代位) 119
(a) 「弁済による代位」とは何か?
(b) 法定代位
(c) 任意代位(承諾代位)
(d) 代位弁済の効果
(e) 債権者の担保保存義務
(3) 代物弁済 121
(a) 代物弁済とは何か?
(b) 代物弁済の構造
(c) 代物弁済の効果
(4) 供 託 122
(a) 「供託」とは何か
(b) 供託の要件・方法
(c) 供託の効果
(5) 相 殺 123
(a) 「相殺」とは何か
(b) 相殺の形態
(c) 相殺の要件―相殺適状
(d) 相殺の方法・効果
(e) 相殺の禁止
(6) 相殺の担保的機能〔設例〕
124
(a) “担保としての相殺”
(b) 法定相殺
(c) 相殺予約
(d) 債権譲渡と相殺
(7) 更 改 127
(a) 更改とは何か
(b) 「債務の要素」の変更
(c) 更改契約の効果
(8) 免 除 128
(9) 混 同 128
9 各種の契約 129
(1) 売 買 129
(a) 債権関係の発生
(b) 手 付
(c) 果実の帰属
(d) 「権利の瑕疵」―追奪担保責任
(e) 「物の瑕疵」―瑕疵担保責任
〔設例〕
(f) 買戻し(特約)
(2) 贈 与 132
(a) 無償行為と契約性
(b) 贈与の撤回
(c) 担保責任の軽減
(d) 履行が終わった贈与の撤回・贈与物の返還請求
(3) 交 換 133
(a) 交換の歴史的意義
(b) 交換の成立と効果
(4) 消費貸借 134
(a) 消費貸借とは何か
(b) 貸主の瑕疵担保責任
(c) 借主の返還義務
(d) 準消費貸借
(5) 使用貸借 135
(a) 無償の“貸し・借り”
(b) 借主の用方遵守義務
(c) 使用貸借の対抗力
(d) 「使用及び収益を終わった時」による使用貸借の終了
(e) 「使用及び収益をするのに足りる期間」の経過による終了
(f) 「借主の死亡」による終了
(6) 賃貸借 137
(a) 賃料を払う“貸し・借り”
(b) 不動産用益権の二重構造と賃借権保護の必要性
(c) 賃貸借の成立と存続期間
(d) 賃貸借の効力
(e) 賃貸人の権利・義務
(f) 賃借人の権利・義務
(g) 敷 金 〔設例〕
(h) 賃借権の譲渡・転貸
(i) 賃貸借の終了
〈建物賃貸借の強化〉
(7) 請 負 141
(a) 請負とは何か
(b) 請負人の義務
(c) 完成物の所有権は誰に帰属するか?
(d) 請負人の倒産と請負契約の解除
(e) 請負瑕疵担保責任
(f) 仕事完成前の注文者の解除権
(8) 委 任 143
(a) 委任とは何か
(b) 委任の成立と委任状
(c) 受任者の義務
(d) 任意解除と終了事由
(9) 寄 託 144
(a) 「物」を預ける契約
(b) 受寄者の保管義務
(c) 寄託物の返還による終了
(d) 消費寄託
(10) 組 合 145
(a) 組合契約と組合
(b) 組合の業務執行
(c) 組合財産の制限
(d) 組合員の無限責任
(e) 脱 退
(11) 和 解 146
(a) 和解とは何か
(b) 和解と類似する制度
(c) 法律関係の確定効
第4章 法律による債権の発生
148
《法律による債権の発生とは?》
1 事務管理 148
(1) 「事務管理」―要務の管理行為 〔設例〕 148
(2) 事務管理の成立要件 149
(ⅰ) 「事務の管理」Ⅰ
(ⅱ) 「他人のために」Ⅱ
(ⅲ) 「義務なくして」Ⅲ
(ⅳ) 「本人の意思に反し,または本人に不利であること」Ⅳ
(ⅴ) 「始める」Ⅴ
(3) 事務管理の効果 150
(a) 違法性阻却
(b) 管理者の義務―管理義務
(c) 本人の費用償還義務
(4) 「準」事務管理とは何か 〔設例〕 151
2 不当利得 152
(1) 「不当な利得」の排除 152
(a) 「不当利得」とは何か 〔設例①〕〔設例②〕
(b) 「侵害不当利得」と「給付不当利得」の峻別
【日本不当利得法の問題点と類型論】
(2) 不当利得の成立要件 153
(a) 「法律上の原因」の欠如
(b) 「受益」・「損失」
(c) 「因果関係」
(3) 不当利得の効果 154
(a) 不当利得の返還の範囲
(b) 侵害不当利得―所有権法秩序違反
(c) 給付不当利得―契約法秩序違反
(4) 三者関係的不当利得 156
(a) 騙取金銭による弁済
(b) 「転用物訴権」
(5) 特殊な不当利得 157
(a) 非債弁済
(b) 期限前の弁済
(c) 誤信による他人の債務の弁済
(d) 不法原因給付
第5章 債権を「担保」する制度 159
《物的担保制度と人的担保制度》
1 抵当権 159
(1) 抵当制度を支える諸原則 159
(a) 「非占有」担保権
(b) なぜ優先弁済ができるのか?
(c) 付従性
(d) 抵当権の多重設定と順位昇進の原則
(e) 物上保証
(2) 抵当権の効力の及ぶ目的物の範囲 161
(a) 「付加して一体となっている物」
(b) 「付合物」
(c) 「従物」
(d) 「従たる権利」
(e) 付加物が分離された場合
(f) 果 実
(3) 物上代位 163
(a) 「物上代位」とは何か
(b) 物上代位の目的物
(c) 「払渡し・引渡し」と「差押え」
(d) 物上代位権の行使の方法
(4) 優先弁済の方法―抵当権の実行 164
(a) 担保不動産競売
(b) 担保不動産収益執行
(5) 法定地上権 166
(a) 法定地上権とは何か
(b) 抵当権設定時,土地上に建物が存すること(要件Ⅰ)
(c) 抵当権設定時,土地と建物とが同一所有者に属すること(要件Ⅱ)
(6) 抵当権と賃貸借 168
(a) 建物「明渡猶予」制度
(b) 抵当権者の同意による賃貸借対抗力の付与
(7) 抵当権の消滅請求 169
(8) 抵当権の処分 169
(a) 抵当権の譲渡
(b) 抵当権の放棄
(c) 順位の譲渡
(d) 順位の放棄
(e) 「順位の変更」
(9) 共同抵当 170
(a) 「共同抵当」の考え方
(b) 同時配当=割付主義
(c) 異時配当=全部配当主義+代位権付与
(d) 共同抵当権の「放棄」と代位権
(10) 根抵当 173
(a) 「根」抵当とは何か
(b) 被担保債権の範囲
(c) 極度額
(d) 「確定」前の根抵当関係の変動
(e) 債権譲渡・債務引受け
(f) 合併・会社分割
(g) 根抵当権の譲渡
(h) 「確定」―根抵当関係の終了
2 質 権 176
(1) 担保制度の“原型” 176
(a) 「占有の移転」
(b) 優先弁済権
(2) 質権の設定と効力 176
(a) 質権の設定
(b) 要物契約性―効力発生要件
(c) 占有改定の禁止
(d) 流質契約の禁止
(3) 転 質 177
(a) 「転質」とは何か
(b) 責任加重
(c) 転質の実行
(d) 当事者に対する拘束
(4) 動産質 178
(a) 即時取得による質権の取得
(b) 動産質権の対抗要件―占有の継続
(c) 質物の回復手段
(d) 優先弁済の方法
(5) 不動産質 178
(a) 不動産質の歴史的意義
(b) 不動産質権の設定
(c) 使用収益権能の移転
(d) 優先弁済的効力
3 変則担保(非典型担保) 180
(1) 不動産譲渡担保 180
(a) 「譲渡担保」とは何か
(b) 譲渡担保の設定―所有権の移転
(c) 譲渡担保権の実行―「通知」による所有権の取得
(d) 清算義務
(e) 受戻権
(f) 譲渡担保権者の処分
(2) 仮登記担保 184
(a) 「仮登記担保」とは何か
(b) 仮登記担保制度のしくみ
(c) 仮登記担保契約
(d) 公示―仮登記(「対抗力」の付与)
(e) 受戻権
(3) 動産譲渡担保 185
(a) 「動産抵当」としての機能
(b) 対抗要件
(c) 動産譲渡担保権の実行
(d) 設定者の処分
(e) 二重譲渡担保の設定
(f) 設定者の一般債権者の差押え
(4) 集合動産譲渡担保 187
(a) 集合動産譲渡担保の意義
(b) 「集合物」概念の導入
(c) 集合動産の「特定」
(d) 対抗要件
(5) 集合債権譲渡担保 188
(a) 「集合債権」譲渡担保とは何か
(b) 集合債権譲渡担保の形態
(c) 集合債権の範囲の限定(債権の特定)
(d) 対抗要件
4 法定の担保物権 190
(1) 留置権 190
(a) 留置権とは何か
(b) 「物に関して生じた債権」
(c) 留置権の目的物の譲渡
(d) 譲渡担保権者の目的物の譲渡
(e) 借地・借家と留置権
(f) 「事後的な不法」と留置権
(2) 先取特権 192
(a) 特権としての「特別な債権」の保護
(b) 優先弁済の順位原則
(c) 質権との関係
(d) 譲渡担保との関係
(e) 動産に対する追及効の制限
5 人的担保制度 195
《統一的な「人的担保」制度はない》
(1) 保 証 195
(a) 「保証人」となることの意味
(b) 書面による保証契約
(c) 保証債務の範囲
(d) 催告の抗弁権・検索の抗弁権
(e) 主債務者の抗弁権の援用
(f) 主債務者・保証人に生じた事由
(g) 内部関係(求償関係)
(h) 根保証(貸金等根保証契約)
(2) 連帯債務 198
(a) 債務の「連帯」
(b) 連帯債務の効力
(3) 不真正連帯債務 199
(a) 「不真正連帯」とは何か
(b) 不真正連帯債務を生じる場合
(c) 不真正連帯債務の効力
(4) 不可分債務 200
(a) 「不可分」債務とは何か
(b) 不可分債務の効力
第6章 民事「責任」制度 201
1 一般不法行為 201
(1) 損害の賠償―被害者の救済 201
(a) 被害者救済
(b) 法定債権の発生
(2) 過失責任主義と無過失責任主義 202
(a) 過失責任主義
(b) 無過失責任主義
2 一般的不法行為の成立要件
203
(1) 過 失 203
(a) 主観的過失から客観的過失へ
(b) 「抽象的過失」が基準
(c) 予見可能性と結果回避可能性
(d) 軽過失と重過失
(2) 故 意 204
(a) 「認識」と「認容」
(b) 「故意」による不法行為
(3) 立証責任 205
(a) 「原告」立証の原則―法律要件分類説
(b) 立証責任の転換
(4) 過失の推定 206
(5) 違法性(権利・法的保護利益の
侵害) 206
(a) 「権利又は法律上保護される利益」の侵害
(b) 過失と違法性との関係
(c) 法益保護の諸類型
(d) 違法性阻却
(6) 損害の発生と因果関係 207
(a) 「損害」と「行為」の因果関係
(b) 因果関係の立証責任
(7) 責任能力 207
(a) 責任能力と意思能力
(b) 責任能力制限者
(c) 監督者の責任
3 一般不法行為の効果 209
(1) 損害賠償の方法 209
(a) 金銭賠償主義
(b) 特定的救済(非金銭的救済)
(2) 生命侵害の場合 210
(a) 損害賠償請求権は相続されるか?
(b) 財産的損害
(c) 精神的損害(慰謝料)
(3) 損害賠償の範囲と額の算定
211
(a) 賠償範囲限定―相当因果関係
(b) 逸失利益の算定方法
(c) 過失相殺
(4) 損害賠償請求権の消滅時効
212
(a) 短期消滅
(b) 20年消滅(除斥期間)
4 特殊の不法行為 213
(1) 共同不法行為 213
(a) 「共同不法行為」とは何か
(b) 「共同」=関連共同性
(c) 「競合的不法行為」(原因競合)
(2) 使用者責任 214
(a) 「事業の執行」
(b) 準無過失責任
(3) 土地工作物責任 215
(a) 占有者責任
(b) 所有者の絶対責任
(4) 動物占有者責任 215
5 特別法上の不法行為 216
(1) 自動車損害賠償保障法 216
(a) 709条の特別法
(b) 立証責任の転換
(c) 「責任」保険=加害者救済原理
(2) 製造物責任(PL法) 217
(a) 「製造物責任」とは何か
(b) 製造物の欠陥による「拡大損害」の発生
(c) 免責事由
(d) 請求期間の制限
(3) 失火責任法 217
(a) 失火責任法の制定理由
(b) 「重過失」
(c) 債務不履行責任との関係
第7章 「時」の経過による権利の変動 219
1 時効法総則 219
(1) 時効制度の意義 219
(a) 「時効」とは何か
(b) 時効の完成(時効期間の経過)
(c) 除斥期間
(2) 時効利益の援用 220
(a) 援用による時効利益の享受
(b) 援用権者
(c) 援用の相対効
(3) 時効の利益の放棄 220
(a) 時効完成前の時効利益の放棄禁止!
(b) 時効利益の「喪失」
(4) 時効の効果の【遡】及効 221
(5) 時効の中断 222
(a) 時効の「中断」とは何か
(b) 中断の効果
(c) 中断の相対効
(6) 時効の停止 223
(a) 時効の「停止」とは何か
(b) 停止事由
2 取得時効と消滅時効 224
(1) 取得時効 224
(a) 「20年」取得時効
(b) 「10年」―「善意・無過失」占有
(c) 「自己」の物
(d) 賃借権
(2) 消滅時効 225
(a) 権利の不行使と時効の起算
(b) 時効期間
第8章 親族間の法律関係 227
1 家族と親族 227
(1) 「家族」と「親族」 227
(a) 家族―「家」から「夫婦」へ
(b) 「親族」の範囲
【「親族」関係の図】
(c) 親族間の「扶養」義務
(2) 氏・名の取得と戸籍 228
(a) 氏・名の取得
(b) 戸籍とは何か
2 審判・調停・人事訴訟 230
(1) 家事審判 230
(a) 家事「審判」とは何か
(b) 「別表第一」事項と「別表第二」事項
(2) 家事調停 230
(a) 家事「調停」とは何か
(3) 人事訴訟 231
(a) 「人事訴訟」とは何か
(b) 附帯処分の裁判
3 婚 姻 232
(1) 婚姻の要件 232
(a) 法律婚主義
(b) 婚姻年齢と未成年者の婚姻
(c) 再婚禁止期間
(d) 近親婚の禁止
(2) 婚 約 232
(a) 「婚約」とは何か
(b) 婚約の不当破棄―損害賠償責任
(3) 内 縁 233
(a) 「内縁」とは何か
(b) 内縁をなぜ保護するか
(c) 婚姻障害がある場合
(d) 内縁の解消
(e) 「同棲」とは何か
(4) 婚姻関係から生じる諸義務
235
(a) 同居義務・協力扶助義務
(b) 貞操義務
(5) 夫婦「別産制」 235
(a) 別産制の意義
(b) 別産制の問題点
(6) 婚姻費用の分担 236
(a) 「婚姻費用」とは何か
(b) 婚姻費用の「分担」
4 離 婚 237
(1) 協議離婚 237
(a) 協議離婚の成立
(b) 身分関係の終了と復氏
(c) 子の監護に関する取り決め
(2) 財産分与請求権 238
(a) 財産分与請求権の意義
(b) 財産分与の方法・手続
(3) 裁判上の離婚 238
(a) 強制的な婚姻の解消
(b) 離婚原因―有責主義から破綻主義へ
5 親子―実子 240
(1) 嫡出子 240
(a) 嫡出の推定
(b) 出生期間による推定
(2) 嫡出推定を受けない「嫡出子」 240
(a) 「推定されない嫡出子」
(b) 「再婚禁止期間内に生まれた子」(父を定める訴え)
(3) 「嫡出」性の否認 241
(a) 嫡出否認の訴え―「嫡出推定を覆す」
(b) 親子関係不存在確認の訴え
―「嫡出推定が及ばない子」の嫡出否認
(4) 嫡出でない子 242
(a) 「嫡出でない子」とは何か
(b) 任意認知
(c) 強制認知(認知の訴え)
(d) 認知の効果―【遡】及効とその制限
6 親子―養子 243
(1) 養子縁組みの成立 243
(a) 「養子」は何のために
(b) 縁組成立の要件
(2) 縁組みの効力 243
(3) 離 縁 244
(a) 協議上の離縁
(b) 裁判上の離縁事由
(4) 特別養子制度 244
(a) 「特別養子」とは何か
(b) 特別養子縁組の要件
(c) 特別養子縁組の効果
(d) 特別養子縁組の離縁
7 親 権 247
(1) 「親権」とは何か 247
(a) 親権者
(b) 親権共同行使の原則
(2) 親権の効力 247
(a) 身上監護権
(b) 財産管理権と代理権
(c) 利益相反行為―特別代理人選任
8 後 見 249
(1) 「後見」とは何か 249
(2) 未成年後見と成年後見 249
(a) 未成年後見
(b) 成年後見人
第9章 相続をめぐる法律関係
250
1 相続の開始と相続人 250
(1) 「相続」の開始 250
(a) 「相続」とは何か
(b) 遺言相続と法定相続
(c) 遺留分
(2) 相続人 250
(a) 「相続人」と推定相続人
(b) 「子」(第1順位)
(c) 「直系尊属」(第2順位)
(d) 「兄弟姉妹」(第3順位)
(e) 「配偶者」
(3) 代襲相続 251
(a) 「代襲相続」とは何か
(b) 養子の場合
(c) 代襲相続の効果
(4) 相続人の欠格と廃除 252
(a) 「相続欠格」制度
(b) 推定相続人の「廃除」制度
2 相続の効力 254
(1) 相続の一般的効力 254
(a) 一切の権利義務の承継
(b) 相続共有の原則
(c) 可分債権・債務の処遇
(2) 相続分 255
(a) 指定相続分
(b) 法定相続分
(c) 「特別受益者」
(d) 「寄与分」
(e) 相続分取戻権
(3) 遺産分割 257
(a) 「遺産分割」とは何か
(b) 指定分割
(c) 協議分割
(d) 分割の【遡】及効と第三者保護
(4) 相続回復請求権 258
(a) 真正相続人の権利の回復
(b) 相続回復請求権の時効消滅
(c) 共同相続人間で適用されるか?
3 相続の承認と放棄 260
(1) 単純承認 260
(a) 「単純承認」とは何か
(b) 熟慮期間(3か月)
(c) 法定単純承認事由
(2) 「財産分離」請求―単純承認に伴う処置 261
(a) 「財産分離」請求とは何か
(b) 第1種財産分離―相続債権者・受遺者からの請求
(c) 第2種財産分離―相続人の債権者からの請求
(3) 限定承認 261
(a) 限定承認の意義
(b) 限定承認の方式
(c) 限定承認の効果
(d) 公告と期間満了後の弁済
(4) 相続「放棄」 262
(a) 「相続放棄」とは何か
(b) 相続放棄の効果
(c) 相続放棄と第三者
4 遺 言 264
(1) 「遺言」制度の意義 264
(a) 「遺言」とは何か
【遺言適格事項】
(b) 包括遺贈と特定遺贈
(c) 被後見人の遺言の制限
(2) 普通方式による遺言 265
(a) 普通方式による遺言とは?
(b) 自筆証書遺言
(c) 公正証書遺言
(d) 秘密証書遺言
(3) 死亡の危急に迫った者の遺言 266
(4) 遺言の効力 266
(a) 遺言の効力発生時期
(b) 特定遺贈と第三者
(c) 遺贈の放棄・承認等
(d) 負担付遺贈
(5) 遺言の執行 267
(a) 「遺言の執行」とは何か
(b) 遺言執行者の選任と財産処分の制限
(c) 遺言書の「検認」
(d) 遺言執行者
(6) 遺言の撤回および取消し 268
(a) 遺言撤回の自由(意思表示による撤回)
(b) 法定撤回
5 遺留分 269
(1) 「遺留分」制度の意義 269
(a) 「遺留分」とは何か
(b) 遺留分の放棄
(2) 遺留分権利者と遺留分割合 269
(a) 遺留分権利者と遺留分割合
【遺留分割合の基準】
(b) 遺留分の算定
(3) 遺留分減殺請求権 270
(a) 「遺留分減殺」請求とは何か
(b) 当事者
(c) 減殺請求権の行使
(d) 減殺の順序等
(e) 受贈者の目的物の処分等 271
事項索引(273)
判例索引(279)
条文索引(282)