環境法のフロンティア

環境法のフロンティア

黒川哲志/奥田進一 編
定価:2,640円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2015年03月20日
  • 判型:
    A5判並製
  • ページ数:
    310頁
  • ISBN:
    978-4-7923-3331-7
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内容紹介

目 次
はしがき
第1章 環境法の歴史
Ⅰ 鉱山問題にはじまる戦前の公害
Ⅱ 産業発展による激甚公害
Ⅲ 公害問題から環境問題へ
Ⅳ グローバルな環境問題
Ⅴ めまぐるしく変化する環境問題
第2章 基本理念・基本原則・政策手法
Ⅰ 環境法の基本理念
Ⅱ 環境法の基本原則
1.環境対策の費用負担に関する原則
2.環境対策の実施に関する原則
3.環境政策の主体に関する原則
Ⅲ 政策手法
1.規制的手法   2.経済的手法
3.合意形成手法・自主的取組手法   4.情報的手法
第3章 温暖化とエネルギー
Ⅰ 地球温暖化をめぐる動き
Ⅱ 国連気候変動枠組条約と京都議定書
1.国連気候変動枠組条約   2.京都議定書
3.今後の国際的な取り組み
Ⅲ 国内の地球温暖化対策とエネルギー政策
1.地球温暖化対策の体制整備
2.地球温暖化対策推進法   3.省エネ法
4.エネルギー政策
第4章 大気・水汚染対策法
Ⅰ 規制の法的仕組み
Ⅱ 大気汚染防止法
1.「ばい煙」の排出規制
2.揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制
3.粉じんの排出規制   4.自動車排出ガスの対策
Ⅲ 水質汚濁防止法
1.規制対象   2.環境基準・排水基準
3.総量規制制度   4.地下水の規制
第5章 土壌・化学物質汚染対策法
Ⅰ 土壌・化学物質汚染の歴史と対策
1.土壌・化学物質汚染対策の始まり
2.汚染対策の展開と課題
3.対症療法的取り組みから予防的・順応的取り組みへ
Ⅱ 化学物質の適正管理と情報手法
1.化審法による規制   2.化管法
Ⅲ 土壌汚染対策
1.土壌汚染と法的対応   2.調査のきっかけ
3.区域指定と汚染土壌の搬出規制
4.土壌汚染とその責任
第6章 原子力汚染対策法
Ⅰ 原子力法と環境法
1.原子力法とは   2.放射性物質の汚染と環境法
Ⅱ 原子力安全規制
1.原子力安全規制の目的   2.具体的な規制監督
Ⅲ 核燃料サイクルと放射性廃棄物処理
Ⅳ 原子力災害対策と汚染の除去
1.放射性物質の放出と原子力災害
2.福島第一原発事故による汚染廃棄物の処理
Ⅴ 原子力規制委員会の組織と基本原則
1.組織と業務(権限)の独立性、専門性
2.中立性・公正性   3.情報公開・透明性確保
Ⅵ 原子力損害賠償
1.概 要   2.無過失責任と責任の一元化
3.損害賠償措置(保険契約・補償契約)の義務化
4.国の支援・補償措置
5.福島第一原発事故に伴う損害の賠償
第7章 悪臭・騒音・振動規制法
Ⅰ 感覚公害とは
1.悪臭・騒音・振動の特徴と課題   2.課 題
Ⅱ 現在の法制度
1.悪 臭   2.騒 音   3.振 動
Ⅲ おわりに
第8章 廃棄物対策・循環資源法
Ⅰ 物質循環に関する法制度の展開
1.汚物掃除法・清掃法──公衆衛生の確保
2.廃棄物処理法──生活環境の保全
3.再生資源利用促進法と廃棄物処理法改正──リユース・リサイクルの推進
4.循環型社会形成推進基本法──循環型社会の形成
Ⅱ 現行法制度の概要
1.廃棄物とその処理──廃棄物処理法
2.発生抑制と循環的利用の促進──循環基本法
Ⅲ 今後の課題
第9章 自然公園
Ⅰ 自然保護の法制度
Ⅱ 国立公園制度の特徴
1.地域制公園   2.国立公園制度の目的
3.国定公園と都道府県立自然公園
4.自然環境保全法との役割分担
Ⅲ 国立公園の仕組み
1.ゾーニング   2.利用調整地区と風景地保護協定
3.生態系維持回復事業
4.自然保護官(レンジャー)
Ⅳ 自然保護と財産権保護
おわりに
第10章 生物多様性保全
Ⅰ 生物多様性とその危機
1.生物多様性とは   2.生物多様性の危機
Ⅱ 生物多様性の価値
Ⅲ 生物多様性保全のための法制度
1.国際的法制度   2.国内の法制度
第11章 都市環境と里山保全
Ⅰ 都市環境と里山保全とは──テーマと問題の所在
1.「都市」の環境   2.「里」の環境
3.都市環境と里山保全に対する環境法アプローチ──地域環境空間への着目
Ⅱ 地域環境空間に係る法体系──地域環境空間の分離①
1.都市環境に係る法体系
2.里地里山保全に係る法体系
3.法体系による分離と問題点
Ⅲ 地域環境空間に係る権利──地域環境空間の分離②
1.土地所有権に基づく利用管理と制約
2.慣行利用権を基礎とする管理体制とその限界
3.私的権利から切り離された管理への模索
Ⅳ 地域空間として融合に向けて
1.法体系一体型の制度設計
2.人口減少社会における地域環境空間
3.地域環境空間の多様性を守るために
第12章 農業・林業・漁業
Ⅰ 農業関係法
1.農地法
2.食料・農業・農村基本法(新農基法)
3.農業振興に関する法政策
Ⅱ 森林・林業関係法
Ⅲ 漁業関係法
第13章 鉱物資源
Ⅰ 鉱物資源とその歴史
1.鉱物資源とは   2.わが国の鉱物資源開発の歴史
Ⅱ 鉱物資源問題
1.鉱物資源の枯渇問題   2.鉱物資源と環境問題
3.鉱物資源と南北対立問題
Ⅲ 新しい鉱物資源
1.都市鉱山資源   2.海底鉱物資源
3.鉱業法改正
第14章 水資源環境
Ⅰ 「水」という資源と環境──人間とのかかわり
1.資源としての水   2.環境としての水
3.水資源環境と人間とのかかわり──法の着眼点
Ⅱ 水資源環境をめぐる法体系
1.水資源環境に係る法体系の特色
2.法制度による水の「区分」
3.総括的立法の誕生──水法の新展開
Ⅲ 水資源の帰属問題──水は誰のものか?
1.水資源に対する権利者の有無
2.ウォーター・ビジネス──水資源の争奪戦
3.水資源を守る方策──自治体による模索
Ⅳ 水資源を守る法政策
1.「資源」に着目した環境法──水資源基本法への期待
2.水循環基本法体系の課題
3.人口減少社会の到来と経済活動のグローバル化
第15章 環境アセスメント
Ⅰ 環境アセスメントとは
Ⅱ アセス法への道
1.建国史上最高の輸出品
2.バラバラな制度発展と閣議要綱アセス
Ⅲ 環境影響評価法
Ⅳ 環境アセスメントの意義
1.横断条項   2.環境大臣の意見
3.何のためのアセスなのか
第16章 被害者救済法
Ⅰ 被害者救済法
Ⅱ 被害者救済法のしくみ
Ⅲ 民事訴訟による救済
1.不法行為   2.共同不法行為
Ⅳ その他の救済形態
1.差止訴訟・仮処分申立て   2.国家賠償法
Ⅴ 裁判外の救済手続き
1.公害紛争処理手続き   2.その他の被害者救済法
第17章 環境権
Ⅰ 環境権とは
Ⅱ 環境権訴訟の判決
Ⅲ 環境権の構造
1.人格権と環境権   2.環境権と利益衡量
3.個人の権利か地域コミュニティの権利か
4.環境権と憲法   5.環境権の手続的構成
Ⅳ 自然享有権および「自然の権利」
1.自然享有権   2.自然の権利訴訟
第18章 情報公開・市民参加
Ⅰ はじめに
Ⅱ 情報公開
1.はじめに   2.環境行政における情報公開
3.課 題
Ⅲ 市民参加
1.市民参加とその必要性
2.環境行政における市民参加   3.課 題
第19章 海洋環境
Ⅰ 海洋環境を守る意義
Ⅱ 海洋環境の汚染原因と関連法・条約の概観
Ⅲ MARPOL条約と海洋汚染防止法
1.MARPOL条約(73/78MARPOL条約議定書)
2.海洋汚染防止法   3.旗国検査と寄港国検査
Ⅳ バラスト水
Ⅴ 地球温暖化
1.海底下での二酸化炭素の貯留
2.船舶からの二酸化炭素の排出抑制
第20章 環境NGO・NPO
Ⅰ 環境NGO・NPOとは何か
1.NGOとは   2.NPOとは
3.NGO・NPOのとらえ方
Ⅱ 日本における環境NGO・NPOの動向
Ⅲ 環境NGO・NPOに関わる法制度
Ⅳ 環境立法等にみる環境NGO・NPOの位置づけ
1.国際環境法における状況
2.国内環境法における状況
第21章 環境倫理
Ⅰ 環境倫理とは
Ⅱ 地球全体主義
Ⅲ 自然の権利論
1.人間中心主義   2.非人間中心主義
3.修正人間中心主義
Ⅳ 環境正義
1.世代内倫理   2.世代間倫理
Ⅴ 法律学に投げかけられるもの

索 引