現代国際刑事法

現代国際刑事法

-国内刑事法との協働を中心として-
城 祐一郎 著
定価:4,950円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2018年03月10日
  • 判型:
    A5判
  • ページ数:
    528頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5236-3
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内容紹介

目  次
はしがき
凡  例
第1章 国際刑事法の基本構造
第1 は じ め に1
第2 犯罪処罰のための法源2
1 国内法上の法源及び国際法上の法源2
⑴ 一 般 原 則 2  ⑵ 国際刑事裁判所 3
2 条約等の役割及びその手続4
⑴ 条約の定義 5  ⑵ 条約の種類 5  ⑶ 条約締結の手続 6
⑷ 条約の形式以外の合意によるもの 8
第3 法源である国内刑事法の効力の及ぶ範囲(刑法の場所的、人的適用範囲の問題)9
1 刑法上の規定及びその考え方9
2 属地主義によるもの9
⑴ 刑法1条1項による基本的な適用範囲 9
⑵ 刑法1条2項による基本的な適用範囲 12
3 属人主義によるもの13
4 保護主義によるもの(その1)14
5 保護主義によるもの(その2)15
6 保護主義によるもの(その3)16
7 世界主義によるもの17
⑴ 世界主義の概念 17  ⑵ 世界主義の適用 18
⑶ 刑法4条の2の適用について 19
第4 この章のおわりに20
第2章 逃亡犯罪人引渡し及び国際刑事共助
第1 は じ め に23
第2 逃亡犯罪人引渡及び国際刑事共助に関して問題となる設例24
第3 逃亡犯罪人引渡しに関する諸問題25
1 逃亡犯罪人引渡しに関する問題の所在25
2 外国から我が国に対する逃亡犯罪人引渡請求の場合25
⑴ 我が国における逃亡犯罪人引渡法の基本的な解釈等 25
⑵ 日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約(以下「日米犯罪
人引渡条約」という。)の概要 28
⑶ 犯罪人引渡しに関する日本国と大韓民国との間の条約(以下「日韓犯罪人引渡
条約」という。)の概要 30
⑷ 引渡法2条9号の自国民不引渡しの原則の適用について 32
⑸ 引渡法2条3、4及び5号の双罰性について 33
⑹ 引渡法2条1及び2号の政治犯不引渡しの原則について 40
⑺ 引渡法2条6号の「引渡犯罪について請求国の有罪の裁判がある場合を除き、逃亡犯罪人がその引渡犯罪に係る行為を行ったことを疑うに足りる相当な理由がないとき」との要件について 42
⑻ 特定主義について 51  ⑼ 条約前置主義及び相互主義について 52
⑽ 我が国に対する逃亡犯罪人引渡請求の手続について 53
3 我が国から外国に対する逃亡犯罪人引渡請求の場合54
⑴ 我が国からの引渡請求についての法的根拠 54
⑵ 我が国からの逃亡犯罪人引渡請求の手続について 56
⑶ 我が国からの引渡請求に対して、実際に引渡しがなされた事案 57
⑷ 退去強制による事実上の逃亡犯罪人引渡しの問題について 59
⑸ 我が国からの引渡請求の際における死刑問題 60
第4 代理処罰の問題61
1 代理処罰の必要性61
2 代理処罰が問題となった事例62
⑴ 静岡県湖西市における女児交通事故死亡事件 62
⑵ 静岡県焼津市内におけるブラジル人男性による3名殺害事件 63
⑶ 茨城県内におけるブラジル人男性による郵便局強盗等事件 63
⑷ 群馬県太田市内におけるペルー人による殺人事件 64
⑸ ブラジル人男性による浜松市内のレストラン経営者殺害事件 64
⑹ 静岡県浜松市内における女子高校生ひき逃げ死亡事件 64
⑺ ピンク・パンサー事件 65
3 代理処罰の際の刑罰の実態65
4 代理処罰における残された問題66
第5 国際刑事共助に関する諸問題66
1 国際刑事共助に関する問題の所在66
2 外国から我が国に対して捜査共助要請がされた場合68
⑴ 我が国における国際捜査共助等に関する法律の基本的な解釈等 68
⑵ 設例における捜査共助の可否 69
⑶ 我が国内における捜査共助の手続について 70
3 我が国から外国に対して捜査共助要請をした場合71
⑴ 法的根拠及び実際上の手続について 71
⑵ 我が国からの捜査共助要請求の際における死刑問題 72
4 刑事共助条約について74
⑴ 刑事に関する共助に関する日本国とアメリカ合衆国との間の条約について 74
⑵ その他の我が国との間の刑事共助条約について 77
⑶ その他の条約における刑事共助に関する動き 81
5 国際刑事警察機構(ICPO・インターポール)への協力81
第6 刑事共助により得られた証拠、特に供述調書等の証拠能力83
1 問題の所在83
2 米国でなされた証言調書等の証拠能力84
⑴ 東京高判昭和58・10・28判時1107号42頁の事案 84
⑵ 最大判平成7・2・22刑集49巻2号1頁の事案 85
⑶ 最(二小)決平成12・10・31刑集54巻8号735頁の事案 89
⑷ 東京地判平成19・10・25判時1990号158頁の事案 90
3 韓国で録取された証言調書等の証拠能力92
4 中国で録取された供述調書等の証拠能力93
⑴ いわゆる「福岡一家殺害事件」の概要 93
⑵ 福岡地判平成17・5・19判時1903号3頁 94
⑶ 福岡高判平成19・3・8高刑速(平19年)443頁 97
⑷ 最(一小)判平成23・10・20刑集65巻7号999頁 97
⑸ 中国の法制上留意すべきこと 98
第7 この章のおわりに─国際刑事共助に関して残された問題─98
第3章 欧州連合域内における逃亡犯罪人引渡し及び刑事共助
第1 は じ め に101
第2 EUの概要101
1 EUの誕生101
2 EUの機関及び権限等102
3 EU政策の3本柱構造103
4 アムステルダム条約の発効104
第3 EU域内での人の移動の自由等にからむ国際犯罪とその対策104
1 シェンゲン協定に付随して生じた問題104
2 EU域内における犯罪の国際化への対応105
第4 ダイレクト・コンタクト制度等について106
1 新たな協定の締結106
2 ダイレクト・コンタクト制度の必要性106
3 ダイレクト・コンタクト制度のメリット及びデメリット107
4 共同捜査チームについて108
第5 相互承認原則(The Principle of Mutual Recognition)について109
1 相互承認原則とは109
2 相互承認原則の必要性110
3 相互承認原則の導入110
4 欧州逮捕令状の手続について112
⑴ 欧州逮捕令状の執行の実情 112  ⑵ 双罰性の要件の緩和と問題点 113
⑶ 自国民不引渡しの原則との兼合い 115
⑷ 引渡対象者の人権保障について 116
5 欧州逮捕令状以外の相互承認原則に基づく枠組決定について117
⑴ 資産及び証拠の凍結命令における執行に関する枠組決定について 117
⑵ 罰金刑の相互承認原則適用に関する枠組決定について 118
⑶ 没収命令への相互承認原則適用に関する枠組決定について 118
⑷ 問 題 点 118
第6 欧州捜索令状(European Evidence Warrant)について119
第7 刑事共助促進のためのシステム120
1 欧州司法ネットワーク(European Judicial Network)121
2 ユーロジャストによる我が国の刑事事件に対する貢献事案122
⑴ 事案の概要 122  ⑵ ユーロジャストによる捜査協力 122
第8 リスボン条約の発効123
第9 欧州捜査命令(European Investigation Order)の採択124
第10 この章のおわりに125
第4章 来日外国人犯罪者処遇の問題─特に受刑者移送について─
第1 は じ め に127
第2 来日外国人犯罪者処遇の現状127
第3 受刑者移送条約について128
1 受刑者移送の概念128
2 受刑者移送条約の成立過程128
3 我が国の受刑者移送条約への加入129
4 受刑者移送条約の拡大─タイ王国との間での受刑者移送条約の締結─129
5 受刑者移送条約の拡大─ブラジル及びイランとの間での受刑者移送条約の締結─131
6 受入移送と送出移送について131
7 受刑者移送の法的性質132
第4 この章のおわりに133
第5章 マネー・ローンダリングをめぐる国際法上の諸問題
第1 は じ め に135
第2 マネー・ローンダリング罪の発生の由来137
第3 マネー・ローンダリング罪の誕生139
第4 国際社会及び日本におけるマネー・ローンダリング規制の発展の経緯141
1 マネー・ローンダリング対策において国際協調が求められる理由141
2 マネー・ローンダリング対策としての麻薬新条約の成立及び我が国の対応143
3 マネー・ローンダリング対策としてのFATFの設立143
4 FATFによる「40の勧告」に関する活動及び日本の対応144
5 国際組織犯罪防止条約の成立及び日本の対応146
6 米国同時多発テロ直後のFATFの活動状況及び日本の対応146
7 その後のFATFの活動状況及び日本の対応148
8 FATFによる第3次対日相互審査及び日本の対応150
9 本人確認等に関する犯罪収益移転防止法の改正152
10 日本の迅速な対応を促すFATF声明及びそれに対応するための法改正153
⑴ FATFの声明 153
⑵ 疑わしい届出等に関する犯罪収益移転防止法の改正 153
⑶ テロ資金供与処罰法の改正 156
11 最近のFATFの活動としての新しい勧告156
⑴ 新しい40の勧告の策定 156
⑵ リスク・ベースド・アプローチ(Risk Based Approach)の採用 157
⑶ 法人・信託、電信送金システムに関する透明性の向上等 158
⑷ 新たな脅威への対応 159
12 第4次相互審査の開始160
13 FATF以外のマネー・ローンダリング規制のための国際的な枠組みや国際機関161
第5 我が国におけるマネー・ローンダリング対策─麻薬特例法及び組織的犯罪処罰法の適用による刑事処分─161
1 我が国におけるマネー・ローンダリング罪に関する法体系161
2 犯罪収益等に関する各概念163
⑴ 犯罪収益(Proceeds of Crime)とは 163
⑵ 「財産上の不正な利益を得る目的」とは 163
⑶ 前提犯罪(Predicate Offence)とは 163
⑷ 犯罪収益の対象となる財産とは 166
⑸ 国外での行為についての前提犯罪の該当性について 167
第6 不法収益等による法人等の事業経営の支配を目的とする行為の罪(不法収益等による事業経営支配罪・組織的犯罪処罰法第9条違反)167
1 不法収益等による事業経営支配罪の解釈等167
2 不法収益等による法人等の事業経営の支配を目的とする行為の罪(組織的犯罪処罰法9条違反)として処理された事案168
⑴ 事案の概要 168  ⑵ 判決の内容 168
第7 犯罪収益等の仮装・隠匿の罪(組織的犯罪処罰法10条違反)169
1 総   説169
2 犯罪収益等の仮装・隠匿の罪の類型等169
⑴ 犯罪収益等の取につき事実を仮装する行為について 169
⑵ 犯罪収益等の処分につき事実を仮装する行為について 170
⑶ 犯罪収益等を隠匿する行為について 170
⑷ 犯罪収益等を隠匿する行為及び犯罪収益の発生の原因につき事実を仮装する行為について 170
3 犯罪収益等の仮装・隠匿の罪のうち、犯罪収益等の取得につき事実を仮装した罪として処理された事案171
4 犯罪収益等の仮装・隠匿の罪のうち、犯罪収益等の処分につき事実を仮装した罪として処理された事案171
5 犯罪収益等の仮装・隠匿の罪のうち、犯罪収益等を隠匿した罪として処理された事案171
第8 犯罪収益等を収受する罪(組織的犯罪処罰法11条違反)172
1 総   説172
2 犯罪収益等収受罪において禁じられる行為172
⑴ 禁止対象とされる行為 172  ⑵ 除 外 規 定 173
3 犯罪収益等を収受する罪として処理された事案174
第9 この章のおわりに174
第6章 パナマ文書をめぐる国際法上の諸問題
第1 は じ め に177
第2 タックス・ヘイブンに関する基本概念178
1 タックス・ヘイブンとは何か178
2 オフショアとは、オフショア・バンクとは179
3 タックス・ヘイブンの役割179
4 我が国からケイマン諸島へ投資180
第3 タックス・ヘイブンがもたらす租税回避に関する問題及びその
対策180
1 タックス・ヘイブンによる租税回避の方法180
⑴ タックス・ヘイブンに本店を設立する方法 180  ⑵ ファイザー事件 181
2 我が国におけるタックス・ヘイブンによる租税回避対策182
⑴ 法人税法における基本的な規制 182
⑵ 法人税法におけるタックス・ヘイブン対策税制 182
3 タックス・ヘイブンにおける租税回避に関する問題が深刻である理由184
4 租税条約の活用185
第4 タックス・ヘイブンがもたらすマネー・ローンダリング等に関する問題及びその対策187
1 タックス・ヘイブンがもたらす深刻な問題187
2 タックス・ヘイブンに対するFATFの役割188
3 真の受益者に関する問題189
⑴ FATFの対日審査の状況 190
⑵ タックス・ヘイブンにおける金融機関の対応状況 190
4 G20財務大臣・中央銀行総裁会議での対策191
第5 パナマ文書が我が国にもたらしたものは何であったのか192
第6 この章のおわりに194
第7章 国際組織犯罪防止条約とテロ等準備罪
第1 は じ め に195
第2 国際組織犯罪防止条約の成立の経緯及び我が国の対応195
1 国際組織犯罪防止条約の成立195
2 我が国の対応196
第3 国際組織犯罪防止条約の内容196
1 本条約1及び2条について196
2 本条約5条について197
3 本条約6及び7条について198
4 本条約8乃至12、16、18乃至20条について199
5 本条約23条について200
6 本条約26条について201
7 附属議定書について201
第4 我が国が国際組織犯罪防止条約を締結する必要性201
第5 テロ等準備罪等の内容等202
1 テロ等準備罪について202
⑴ 総   説 202
⑵ 条文の具体的な解釈─組織的犯罪処罰法6条の2第1項について─ 204
⑶ 条文の具体的な解釈─組織的犯罪処罰法6条の2第2項について─ 217
⑷ 法定刑について 219
⑸ 計画をした犯罪のための資金として使用する目的で取得した財産の犯罪収益性
について 220
2 証人等買収罪について221
⑴ 本罪が新設された趣旨 221  ⑵ 本条1項の罪が成立する場合 222
⑶ 本条1項の条文の解釈 222  ⑷ 本条2項の趣旨 224
3 国外犯の規定の整備225
⑴ 制度の趣旨 225  ⑵ 本法における国外犯処罰規定の整備の内容 226
⑶ 刑法の贈賄罪の国外犯 226
第6 国際組織犯罪防止条約締結による具体的な効果等227
第7 この章のおわりに228
第8章 国際的な人身取引に関する諸問題
第1 は じ め に229
第2 人身取引の国際的及び国内的実情230
1 人身取引の送出国及び受入国の状況230
2 人身取引であるかどうかの判断基準230
3 我が国における人身取引の保護状況231
4 人身取引事犯の検挙状況等232
5 我が国への不正入国手段232
第3 人身取引に対する国際的取組み234
1 人身取引議定書の採択234
2 本件議定書の内容等234
3 本件議定書の締約状況236
第4 本件議定書に関しての我が国の取組み236
1 本件議定書に関する我が国の対応236
2 我が国における人身取引対策237
⑴ 「人身取引対策に関する関係省庁連絡会議」の設置 237
⑵ 「人身取引対策行動計画2009」の策定 237
3 出入国管理及び難民認定法の改正238
4 我が国の人身取引対策に対する批判239
第5 本件議定書による人身売買の犯罪化について239
1 新規立法の必要性239
2 改正法の内容等240
⑴ 「手段」について 240  ⑵ 「行為」について 244
⑶ 「搾取の目的」について 246
第6 人身売買罪において支配性の有無が問題となった事例247
第7 人身取引に関する規定の適用事例249
第8 これまでの我が国の対策に対する評価及び更なる新しい対応策
について250
1 米国国務省作成に係る2017年版人身取引報告書250
2 「人身取引対策行動計画2014」の策定251
第9 この章のおわりに252
第9章 汚職をめぐる国際法上の諸問題─外国公務員等に対する贈賄罪を中心として─
第1 は じ め に253
第2 外国公務員贈賄防止条約の成立の経緯等253
1 本条約に関する米国及びOECDの取組み253
2 本条約に関する我が国の取組み255
3 現在の締約国(平成27年(2015年)10月現在)255
4 本条約の主な内容255
第3 国連腐敗防止条約の成立の経緯等256
1 本条約に関する国連の取組み256
2 本条約に関する日本の取組み257
3 現在の締約国257
4 本条約の主な内容258
第4 外国公務員贈賄防止条約を受けて改正された不正競争防止法の規定についての解釈等259
1 総   説259
2 贈賄罪の主体260
3 贈賄罪の客体261
⑴ 客体としての要件 261
⑵ 18条2項1号に該当する外国公務員について 262
⑶ 18条2項2号に該当する外国公務員について 262
⑷ 18条2項3号に該当する外国公務員について 263
⑸ 18条2項4号に該当する外国公務員について 264
⑹ 18条2項5号に該当する外国公務員について 264
4 その他の構成要件265
⑴ ①「国際的な商取引に関して」の要件について 265
⑵ ②「営業上の不正の利益を得るために」の要件について 266
⑶ ③「その職務に関する行為をさせ若しくはさせないこと」の要件について 267
⑷ ④「その地位を利用して他の外国公務員等にその職務に関する行為をさせ若し
くはさせないようにあっせんをさせること」の要件について 267
⑸ ⑤「目的として」の要件について 268
⑹ ⑥「金銭その他の利益」の要件について 269
⑺ ⑦「供与し、又はその申込み若しくは約束をしてはならない。」との要件につい
て 269
⑻ 刑罰の内容 269
5 外国公務員に対する賄賂が組織的犯罪処罰法における犯罪収益になることについて270
第5 外国公務員贈賄防止条約の履行に関する相互審査の状況(その1)271
1 相互審査の機能271
2 第一段階のチェックについて271
3 第二段階のチェックについて272
4 再度の相互審査273
第6 外国公務員に対する贈賄事件の実例273
1 福岡簡略平成19・3・16公刊物等未登載の事案274
2 東京地判平成21・1・29判時2046号159頁の事案274
⑴ 事案の概要 274  ⑵ 罪となるべき事実 274  ⑶ 量刑の理由 275
⑷ 収賄した外国公務員の刑責 276
3 名古屋簡略平成25・10・3公刊物等未登載の事案277
⑴ 事案の概要及び公訴事実の概要 277  ⑵ 背 景 事 情 277
⑶ 処 罰 内 容 278
4 東京地判平成27・2・4公刊物等未登載の事案278
⑴ 事案の概要 278  ⑵ 罪となるべき事実 278  ⑶ 量刑の理由 282
第7 外国公務員贈賄防止条約の履行に関する相互審査の状況(その2)283
第8 米国における外国公務員に対する贈賄罪の規定内容及び執行状況等284
1 概   要284
2 本法の解釈の指針286
⑴ 目的について 286  ⑵ 対象者について 287
⑶ 故意の内容について 287  ⑷ 賄賂の内容について 287
3 取締りの実情287
4 量刑の実情288
第9 この章の終わりに288
第10章 国際サッカー連盟役員らによる大規模汚職事件に関する問題
第1 は じ め に291
第2 FIFA不正事件の概要291
1 起 訴 状291
2 FIFAの組織概要292
3 被 告 人292
⑴ Jeffrey Webb(ジェフリー・ウェブ) 292
⑵ Eugenio Figueredo(エウヘニオ・フィゲレド) 292
⑶ Jack Warner(ジャック・ワーナー) 293
⑷ Nicolas Leoz(ニコラス・レオス) 293  ⑸ その他の被告人 293
4 不正取引共謀と汚職の罪として起訴された犯行全体の概要294
⑴ 汚職原因としてのスポーツ・メディア・マーケットの拡大 294
⑵ ジャック・ワーナーらによる権力の濫用 294
⑶ スポーツ・ビジネスの過熱 294
⑷ ホセ・マルグリエスによるマネー・ローンダリング 295
⑸ ジャック・ワーナーらの汚職の発覚 295
⑹ ジェフリー・ウェブによる権力の濫用 295
⑺ エウヘニオ・フィゲレドによる権力の濫用 296
⑻ 贈収賄スキーム 296
5 2010年(平成22年)ワールドカップ投票汚職の概要296
⑴ ジャック・ワーナーと南アフリカとのつながり 296
⑵ ジャック・ワーナーとモロッコとのつながり 298
⑶ 南アフリカからジャック・ワーナーへの1,000万ドルの支払約束 298
⑷ 2010年ワールドカップ開催国の選定 298
⑸ ジャック・ワーナーへの1,000万ドルの支払 298
⑹ ジャック・ワーナーによる収賄金の使途先及びその過程でのマネー・ローンダリングの状況 299
⑺ 共犯者Aに対する賄賂金の分配 299
6 本件起訴状における訴追対象とされた行為について300
⑴ 概   要 300  ⑵ Title 18, United States Code, について 300
⑶ Section 1962(c)について 301  ⑷ 処罰の対象 302
第3 本件における国際法上の問題302
1 犯行場所について302
2 被告人らの引渡状況303
⑴ ジェフリー・ウェブについて 303  ⑵ ジャック・ワーナーについて 303
⑶ アレハンドロ・ブルサコについて 303
⑷ ニコラス・レオスについて 304
3 米国との間の引渡条約の締結状況304
4 我が国における引渡しの可否(その1)304
5 我が国における引渡しの可否(その2)305
6 我が国における引渡しの可否(その3)306
第4 この章のおわりに307
第11章 アラビア海におけるソマリア沖海賊によるグアナバラ号襲撃事件に関する国際法上及び国内法上の諸問題
第1 は じ め に309
第2 アラビア海等における海賊事件に関する背景事情310
第3 アラビア海等における海賊の実態及び被害状況312
第4 海賊事件に対する国際社会の取組み315
1 海洋法に関する国際連合条約(the United Nations Convention of the
Law of the Sea、以下「国連海洋法条約」という。)の締結及び発効315
⑴ 海賊行為取締り等に関する管轄権について 315
⑵ 海賊行為(Piracy)の定義について 319
2 海洋航行の安全に対する不法行為の防止に関する条約(Convention for the Suppression of Unlawful Acts Against the Safety of Maritime Navigation、以下「海洋航行不法行為防止条約」又は「SUA条約」という。)
の締結及び発効323
⑴ 本条約制定の契機 323  ⑵ 海洋航行不法行為防止条約の内容等 324
3 安保理による取組み325
⑴ ソマリアに対する安保理の関与 325  ⑵ 安保理決議1816の採択 326
⑶ 安保理決議1838、1844及び1846の採択 328
⑷ 安保理決議1851の採択 329  ⑸ 安保理決議1897の採択 332
⑹ 安保理決議1918の採択 333  ⑺ 国連事務総長報告書について 333
4 国際海事機関(IMO)による取組み334
5 周辺国であるケニアによる取組み336
6 ソマリア沖海賊対策に関するコンタクト・グループによる取組み337
第5 海賊事件に対する日本の取組み337
1 ソマリア沖海賊に関する我が国の法制上の問題点及び対策337
2 我が国による経済支援338
第6 海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律(以下「海賊対処法」という。)の成立の経緯339
1 海洋基本法の制定及び海洋基本計画の策定339
2 海賊行為に対する刑法による処罰の可否340
3 海賊行為に対する司法警察権行使上の問題点342
4 海賊対処法の成立及び施行343
第7 海賊対処法の概要343
1 海賊対処法の目的343
2 海賊対処法における海賊の定義及び海賊行為の構成要件344
⑴ 海賊行為の主体、目的及び場所について 344
⑵ 海賊行為の具体的態様(2条1号の行為) 345
⑶ 海賊行為の具体的態様(2条2号の行為) 346
⑷ 海賊行為の具体的態様(2条3号の行為) 346
⑸ 海賊行為の具体的態様(2条4号の行為) 347
⑹ 海賊行為の具体的態様(2条5号の行為) 347
⑺ 海賊行為の具体的態様(2条6号の行為) 348
⑻ 海賊行為の具体的態様(2条7号の行為) 349
3 前記の海賊行為に対する刑罰349
⑴ 2条1号ないし4号の海賊行為に対する刑罰 349
⑵ 2条5号ないし7号の海賊行為に対する刑罰 349
4 海上保安庁等による海賊行為への対処350
⑴ 基本的な対処行為 350  ⑵ 武器使用が許容される場合 350
5 自衛隊による海賊対処行動351
第8 ソマリア沖海賊によるグアナバラ号襲撃事件の事案の概要等352
1 公訴事実の要旨352
2 判決結果等352
3 被害船舶グアナバラ号の概要353
⑴ グアナバラ号の船籍等 353  ⑵ グアナバラ号の海賊対策 353
4 犯行状況等353
5 被告人らの制圧状況及び逮捕状況等355
⑴ 制 圧 状 況 355  ⑵ 逮捕状況等 355
第9 本件海賊事件における捜査上の問題点355
1 外国に裁判を委ねるか否か355
2 刑事訴訟法上の身柄拘束に掛かる時間制限356
3 証拠収集上の問題356
4 通訳の問題357
5 被告人らの人定の問題357
第10 本件海賊事件における法律適用上の問題点358
第11 本件海賊事件における公判上の問題点359
1 被告人らの主張359
2 海賊対処法の合憲性について359
3 刑事裁判管轄権の有無について360
4 被告人らを引き受けた行為等の違法性362
第12 他国での海賊処罰事例364
第13 ソマリア沖海賊対策における最近の立法状況364
第14 この章のおわりに365
第12章 反捕鯨団体シー・シェパード構成員らによる捕鯨調査船妨害事件等
第1 は じ め に367
第2 反捕鯨団体シー・シェパードの概要367
第3 上記判決により認定された犯行に至る経緯及び犯行状況368
1 事案全体の犯行の概要368
2 威力業務妨害及び傷害の犯行に至る経緯368
3 威力業務妨害及び傷害に関して認定された罪となるべき事実369
4 器物損壊、艦船侵入及び銃刀法違反の犯行に至る経緯370
5 器物損壊、艦船侵入及び銃刀法違反に関して認定された罪となるべき事実370
第4 刑法の場所的適用範囲についての検討370
第5 その他の事実認定上の問題について371
1 弁護人の主張371
2 傷害が上記発射行為によって生じたもので因果関係が存するか否か371
3 本件発射行為が暴行に該当するか否か372
4 被告人に暴行及び傷害の故意があったか否か373
5 傷害の程度として全治約1週間もの傷害を負わせたのか否か374
6 結   論374
第6 シー・シェパードをめぐるその他の問題375
第7 この章のおわりに375
第13章 北朝鮮に対する国連安保理決議とその履行としての日本政府の制裁措置及び国内法による刑事処罰等について
第1 は じ め に377
第2 北朝鮮による対外的挑発活動及び安保理の対応377
1 安保理決議825の採択377
2 安保理議長によるプレス声明378
3 安保理決議1695の採択379
4 安保理決議1718の採択380
5 安保理議長による議長声明の採択382
6 安保理決議1874の採択383
7 安保理議長による議長声明の採択385
8 安保理決議2087の採択386
9 安保理決議2094の採択387
10 上記各決議等採択後の状況389
11 安保理決議2270の採択390
12 安保理決議2321の採択391
13 安保理決議2356号の採択392
14 安保理決議2371号の採択392
15 安保理決議2375の採択393
第3 日本政府による対北朝鮮制裁措置394
1 法改正及び新規立法による対処394
2 2006年(平成18年)7月5日の弾道ミサイル発射への制裁措置394
3 最初の核実験への制裁措置395
4 2009年(平成21年)4月5日の弾道ミサイルの発射への制裁措置396
5 二度目の核実験への制裁措置398
6 北朝鮮による韓国哨戒艦沈没事件への制裁措置399
7 三回目の核実験への制裁措置400
8 制裁措置の一部解除400
9 四回目の核実験への制裁措置400
10 五回目の核実験への制裁措置401
11 近時における制裁措置401
第4 対北朝鮮制裁措置に関する法改正及び新規立法の概要等402
1 外為法の改正402
⑴ これまでの外為法による規制 402
⑵ 経済制裁をする上での外為法改正の必要性 402
⑶ 国会によるコントロール 405
2 特定船舶入港禁止法の制定406
⑴ 本法の目的について 406  ⑵ 特定船舶の入港禁止の手続 406
⑶ 入港禁止措置及び罰則 406
3 船舶の貨物検査をめぐる法律上の問題407
⑴ 船舶検査活動法による船舶の積荷に検査について 407
⑵ 海上保安庁法による船舶の立入検査について 408  ⑶ 立法の必要性 408
4 貨物検査等特別措置法の制定409
⑴ 本法の目的について 409
⑵ 貨物検査行為について─海上保安庁と税関─ 409
⑶ 検査妨害について 411  ⑷ 検査対象貨物について 411
⑸ 提出命令について 412  ⑹ 回航命令について 412
⑺ 国際法上の問題点 412
第5 対北朝鮮制裁措置に関連した刑事処分の実施状況414
1 刑事処分の実施状況の概要414
2 北朝鮮に対する不正送金事案414
3 北朝鮮に対する無許可輸出事案415
⑴ 国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものの無許可輸出について 415
⑵ 横浜地判平成16・5・10公刊物等未登載 417
⑶ 東京地判平成21・7・16公刊物等未登載 417
4 安保理決議に基づく対北朝鮮制裁措置に係る未承認輸入事案419
⑴ 北朝鮮からの輸入に関する法規制 419  ⑵ 未承認輸入事案について 421
5 安保理決議に基づく対北朝鮮制裁措置に係る未承認輸出事案425
⑴ 北朝鮮への輸出に関する法規制 425  ⑵ 未承認輸出事案 428
第6 この章のおわりに430
資料
【資料】日本国とアメリカ合衆国との間の犯罪人引渡しに関する条約431
【資料】犯罪人引渡しに関する日本国と大韓民国との間の条約435
【資料】刑事に関する共助に関する日本国とアメリカ合衆国との間の条約440
【資料】刑を言い渡された者の移送に関する条約446
【資料】FATF勧告(仮訳)452
【資料】国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約465
【資料】国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し、抑止及び処罰するための議定書485
【資料】国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約491
事項索引495
判例索引499