イギリス刑法の原理

イギリス刑法の原理

同志社大学イギリス刑事法研究会 訳 アンドリュー・アシュワース/ジェレミー・ホーダー 著
定価:10,450円(税込)
  • 在庫:
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  • 発行:
    2021年02月20日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    466頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5322-3
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内容紹介

《目 次》

推薦のことば(ⅰ)
邦訳に寄せて(ⅱ)
訳者はしがき(ⅴ)
原書はしがき(ⅹ)

第1章 刑事司法と刑法 1
 第1節 刑事責任の概要 6
 第2節 イギリス刑法の構造 8
 第3節 イギリス刑法の法源 9
 第4節 刑法適用の実態 11
 第5節 刑法の目的および機能の概略 20
 第6節 刑法と量刑 22

第2章 犯罪化 29
 第1節 個人の自律原理 31
 第2節 福祉原理 34
 第3節 危害原理と公的不正 37
 第4節 ミニマリスト・アプローチ 42
 (a) 人権の尊重原理(42)
 (b) 処罰されない権利(43)
 (c) 最後の手段としての犯罪化(43)
 (d) 生産的でない場合に、犯罪化しない原理(44)
 第5節 道徳的に不正な行為 46
 第6節 間接的危害 50
 第7節 結論と応用 52

第3章 原理と政策 59
 第1節 ルールと原理 59
 第2節 合憲性と法典化 60
 第3節 人権と刑法 64
 第4節 刑法の範囲 69
 (a) 必要最小限の犯罪化の原理(69)
 (b) 社会防衛という政策(70)
 (c) 不作為ではない作為責任の原理(72)
 (d) 社会的責任の原理(73)
 (e) 競合する権利と緊急避難の原理(74)
 (f) 均衡性の原理(74)
 第5節 法の支配と公正な手続 75
 (a) 不遡及の原理(76)
 (b) 「薄氷」原理(83)
 (c) 最大限の明確性の原理(84)
 (d) 社会防衛の政策(89)
 (e) 厳格解釈の原理(91)
 (f) 広範な目的的アプローチ(94)
 (g) 無罪の推定(97)
 (h) 証明の容易化の政策(98)
 第6節 責任の条件に関連する原理 99
 (a) メンズ・レアの原理(100)
 (b) 客観的責任主義(101)
 (c) 対応の原理(102)
 (d) 擬制責任(103)
 (e) 公正なラベリング(分類)の原理(105)
 (f) 行政の効率(108)
 (g) 同時存在の原理(109)
 (h) 先行する意思的要素の原理(109)
 第7節 結論 110

第4章 犯罪行為:アクトゥス・レウス、因果関係、許容 113
 第1節 刑法の総論 113
 第2節 任意性のない行為 117
 (a) 無意識的行為および行為者性(117)
 (b) 無意識行為の本質(119)
 (c) 精神障害による無意識的行為(122)
 (d) 酩酊による無意識的行為(125)
 (e) 先行する意思的要素(126)
 (f) 法改正(128)
 第3節 行為(作為)、犯罪状況および所持 129
 (a) 状況に対する責任(130)
 (b) 所持犯罪(133)
 第4節 不作為犯 136
 第5節 因果関係 140
 (a) 一般原則(144)
 (b) 行為と結果の間の介在事情(148)
 (ⅰ) 第三者による「無意識の」行為(149)  
 (ⅱ) 医師の行為(152)  
 (ⅲ) 被害者の行為や状況(153)
 (c) 因果関係と不作為(156)
 (d) 他人の行為の惹起(158)
 (e) 結論(159)
 第6節 正当防衛および許容される有形力 160
 (a) 正当防衛と個人の自律(161)
 (b) 衝突する権利の問題(161)
 (c) 規則と原理(164)
 (d) 比例性の基準(165)
 (e) 必要性の要件の観点(168)
 (ⅰ) 急迫性(169)  
 (ⅱ) 闘争を回避する義務?(171)  
 (ⅲ) 行動の自由(172)  
 (ⅳ) 先制攻撃(173)  
 (ⅴ) 必要性、比例性、そして法執行(173)
 (f) 必要性に関する錯誤(175)
 (g) 許容される有形力と動機(176)
 (h) 結論(179)
 第7節 許容、緊急避難、害悪の選択 179
 (a) 許容としての緊急避難(180)
 (b) 医学的緊急避難(182)
 (c) 緊急避難と許容の判例によるその他の発展(184)
 (d) 目的に基づく許容の法的な承認(185)
 第8節 結論 186

第5章 犯罪行為能力:メンズ・レアと意思的要素 189
 第1節 問題の所在 189
 第2節 行為選択能力、犯罪行為能力、精神障害 191
 (a) 刑事責任年齢の下限(192)
 (b) 責任無能力に関する特別の評決(194)
 (c) 改正(198)
 第3節 法人の刑事責任 201
 (a) 自然人と法人格(201)
 (b) 法人の刑事責任に向けて(202)
 (ⅰ) 代位責任の可能性(204)  
 (ⅱ) 同一視原理(206)
 (c) 個体主義と協調組合主義(208)
 (d) 法人の刑事責任の根拠の変化(209)
 第4節 意思的要素(落ち度)とメンズ・レア:一般原理 212
 (a) 選択と主観主義原理(212)
 (b) 推定的責任と道徳的運(214)
 (c) 同時存在の原理(216)
 (d) 先行する意思的要素(落ち度)の理論(219)
 第5節 意思的要素の種類 220
 (a) 厳格責任(221)
 (ⅰ) 厳格責任を支持する見解とこれに反対する見解(222)  
 (ⅱ) 新しい憲法的原理?(227)  
 (ⅲ) 憲法的原理の例外?(228)  
 (ⅳ) 結論(231)
 (b) 意図(232)
 (ⅰ) 原理における意図(233)  
 (ⅱ) 裁判所における意図(237)  
 (ⅲ) 結論としての意図(242)
 (c) 無謀(243)
 (ⅰ) 自覚的無謀(244)  
 (ⅱ) 1982年コールドウェルケースと2004年Gケースにおける決定(249)  
 (ⅲ) 無謀の認識(251)
 (d) 認識のない過失(252)
 (e) 客観と主観(257)
 第6節 意思的要素の用語の多様性 258
 第7節 意思的要素の評価基準 260
 (a) 意思的要素、行為、結果(261)
 (b) 予見されない行為類型(262)
 (c) 客体の錯誤(263)
 (d) 移転・意思的要素(264)
 (e) 評価基準の設定(265)

第6章 免責の抗弁 267
 第1節 免責と他の抗弁 267
 第2節 酩酊 268
 (a) イギリスの酩酊に関する準則(268)
 (b) イギリスのアプローチに対する批判(273)
 (c) 酩酊、非難可能性、社会政策(274)
 (d) 自発的・非自発的な酩酊(277)
 (e) 法的解決を見いだす(279)
 第3節 強制と強要 283
 (a) 抗弁の必要条件(283)
 (b) 抗弁のための論理的基礎(290)
 (c) 強制と生命の剥奪(294)
 第4節 合理的錯誤と抗弁の誤想 298
 第5節 法の不知または錯誤 303
 (a) イギリスの原則(303)
 (b) 個々の公正と公共政策(304)
 (c) 信頼事例(308)
 第6節 罠(おとり捜査) 310
 第7節 不許容に基づく抗弁の再検討 312
 (a) 免責理論の承認(313)
 (b) 個人責任(316)
 (c) 社会的責任および社会防衛(318)
 (d) 無罪証明と「応報」(322)

第7章 殺人  [省略]

第8章 身体侵害(暴行罪、傷害罪、性暴力)  [省略]

第9章 財産犯  [省略]

第10章 共犯 327
 第1節 はじめに 327
 第2節 正犯と共犯の区別 331
 第3節 共犯における行為要素 336
 (a) 幇助と教唆(336)
 (b) 共犯の責任と社会的義務(338)
 (c) 助言と勧誘(346)
 (d) 行為要素の諸問題(348)
 第4節 共犯における意思的要素 349
 第5節 共同計画および異なる結果に対する共犯責任 356
 (a) 共同計画:異なる、より重い犯罪に対する責任(359)
 (b) 同じ犯罪、異なる結果(363)
 (c) 異なる、より軽い犯罪(368)
 第6節 派生的責任と失われた環 369
 第7節 共犯における特別抗弁 374
 (a) 離脱(374)
 (b) タイレル原則(376)
 (c) 犯罪の防止(377)
 第8節 結論 377

第11章 未完成犯罪 383
 第1節 未完成犯罪の概念 383
 第2節 犯罪の未遂を処罰する正当化根拠 384
 (a) 導入(384)
 (b) 2つの種類の未遂(385)
 第3節 刑事未遂の構成要素 388
 (a) 意思的要素(388)
 (b) 行為の要素(393)
 (c) 不能性の問題(397)
 (d) 改正(401)
 第4節 共同謀議の罪の正当化根拠 402
 第5節 共同謀議の罪の構成要素 408
 (a) 2人以上の者による同意(408)
 (b) 同意された犯罪行為(410)
 (c) 意思的要件(412)
 第6節 独立教唆 415
 第7節 犯罪の奨励および援助 416
 (a) 犯罪の意図的な奨励または援助(416)
 (b) 遂行されるであろうと思った犯罪の奨励または援助(420)
 (c) 1つまたは複数遂行されるであろうと思った犯罪の奨励または援助(421)
 (d) 特別の抗弁(423)
 (e) 結論:新しい未完成犯罪(425)
 第8節 犯罪目的の自発的な中止 426
 第9節 実体犯罪と未完成犯罪の関係 429
 (a) 二重の未完成犯罪(430)
 (b) 脅迫の罪(430)
 (c) 所持罪(431)
 第10節 未完成責任の位置づけ 433


イギリス刑事法文献 437
事項索引 439