ドイツ連邦憲法体制の成立
―連合国・基本法・連邦主義―北住炯一 著
定価:10,780円(税込)-
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発行:
2023年02月01日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
508頁 -
ISBN:
978-4-7923-3425-3
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内容紹介
《目 次》
はしがき ⅰ
序章 1
Ⅰ 本書の課題と意義 1
1 本書の課題 1
2 連邦憲法体制研究の意義 1
3 連邦主義・連邦制をめぐる現代的状況 3
Ⅱ 連邦憲法体制形成をめぐる研究状況と問題点 5
1 1949年連邦憲法体制形成の主要因 5
2 連合国の関与の影響力 6
3 占領統治体制の意義 7
4 制憲過程と政党間対抗 9
5 1949年連邦制の特徴 9
Ⅲ 連邦制概念と連邦憲法体制の三要素 10
1 連邦制概念と本書の連邦制理解 10
2 連邦憲法体制の三要素と論点 13
Ⅳ 連邦憲法体制形成分析の方法的視点 14
1 連邦主義言説視点 14
2 政党・政治家の連邦主義政治構想と政党間対抗視点 15
3 州・州政治家視点 15
4 複合占領統治体制と連邦化・国家化視点 16
5 同時代社会経済財政状況視点 17
6 連合国のドイツ政治構想視点 18
7 連合国の関与と影響力視点 19
8 ヨーロッパ視点 19
9 歴史的経路依存視点 20
Ⅴ 本書の構成 21
第一部 連合国のドイツ占領政策と複合占領体制
第1章 連合国のドイツ占領政策と政治構想 33
Ⅰ ドイツの無条件降伏とポツダム会談 33
1 ドイツの無条件降伏と連合国統治の開始 33
2 ポツダム協定の政治・経済原則 34
Ⅱ アメリカのドイツ政策と政治構想 37
1 アメリカの占領と占領軍政府の創設 37
2 アメリカのドイツ占領政策と政治構想 38
Ⅲ イギリスの占領政策と政治構想 49
1 イギリスの占領政策 49
2 ロバートソン演説と占領政策構想 50
3 ベヴィンのドイツ政策と政治構想 52
Ⅳ フランスのドイツ占領政策と政治構想 55
1 ポツダム協定とビドー外相覚書 55
2 ビドーの制憲議会演説とリール演説 56
3 第2回パリ外相会議とフランス 57
4 ロンドン外相代理会談 58
Ⅴ 第4回モスクワ外相会議の対立と決裂 62
1 モスクワ外相会議の開催 62
2 アメリカのドイツ政治構想 63
3 イギリスの政治構想 64
4 フランス外相ビドー提案 67
5 ソ連のドイツ政治構想 68
6 モスクワ外相会議の対立 69
7 トルーマン・ドクトリン、マーシャル・プラン、州首相会議 72
Ⅵ 第5回ロンドン外相会議の決裂 73
1 政治構想をめぐる対抗―連邦国家・国家連合・単一国家 73
2 ロンドン外相会議の決裂と意義 76
第2章 複合占領統治体制と連邦化・国家化 79
Ⅰ 州の形成と行政体化・政治体化―連邦制の基盤形成 79
1 プロイセン解体と州領域化 79
2 アメリカ占領地区の州形成と行政体化・政治体化 81
3 イギリス占領地区の州形成と行政体化・政治体化 93
4 フランス占領地区の州形成と行政体化・政治体化 100
Ⅱ 占領統治機構の形成と発展 104
1 アメリカ占領地区の州評議会と州間協調 104
2 イギリス占領地区の地区諮問会議 113
Ⅲ 英米占領地区統合と英米統合経済領域(ビツォーネ)の創設・展開 120
1 英米占領地区統合の進展と背景 120
2 英米占領地区統合の諸段階 123
Ⅳ 複合占領統治体制と連邦化・国家化 143
第二部 連合国の憲法制定要請と制憲過程
第3章 ロンドン六カ国会議と西ドイツ国家形成の序曲 149
Ⅰ ロンドン外相会議の決裂からロンドン六カ国会議へ 149
1 トリツォーネ形成と英米予備会談 149
2 ロンドン六カ国会議第一部(1948年2月23日~3月6日) 150
3 ロンドン六カ国会議第二部(1948年4月20日~6月2日) 157
Ⅱ フランクフルト文書と州首相会議 167
1 フランクフルト文書の手交 167
2 政党の協議 169
3 コブレンツ州首相会議 171
4 リューデスハイム州首相会議と州首相の回答 177
5 州首相・占領軍政長官会談(第3回)とフランクフルト文書の受諾 184
第4章 ドイツ政党の戦後政治構想と連邦主義 188
Ⅰ 社会民主党と連邦優位型連邦制 188
1 シューマッハー 188
2 ドイツ共和国創建基本方針 190
3 メンツェルの連邦国家観と憲法案 192
4 連邦優位型連邦制構想 196
Ⅱ キリスト教民主同盟と連邦・州対等型連邦制 199
1 アデナウアーの政治・社会観 199
2 党綱領と政治構想 208
Ⅲ キリスト教社会同盟と州優位型連邦制 213
1 キリスト教社会同盟の政治構想と倫理観 213
2 エーハルトと連邦主義 214
3 フントハンマーと州の国家性 223
4 エルバンガー憲法案 224
Ⅳ 自由主義政党と単一国家・連邦国家構想 230
1 アメリカ占領地区の自由主義政党の結成 230
2 イギリス占領地区の自由主義政党と自由民主党 231
3 民主党の結成・分裂と西側占領地区自由民主党の創立 234
第5章 基本法の審議開始と成立 237
Ⅰ ヘレンキームゼー憲法会議と制憲論議 237
1 ヘレンキームゼー憲法会議の発足 237
2 二つの国家論 238
3 ヘレンキームゼー憲法会議報告書と基本法案 240
4 ヘレンキームゼー憲法会議基本法案の評価 242
Ⅱ 議会評議会の開始と政党の憲法・国家観 245
1 議会評議会の開始と構成 245
2 基本法制定過程の三段階 246
3 議会評議会審議開始と連邦主義的国家像 249
Ⅲ 議会評議会の最終審議と基本法案可決 265
1 政党の基本法案評価 265
2 基本法案の可決と連合国の留保つき承認 270
Ⅳ バイエルンと基本法公布 273
1 バイエルンと基本法 273
2 基本法の公布とドイツ連邦共和国の誕生 280
第三部 連邦憲法体制の形成
第6章 連邦参議院の成立―代表連邦制 285
Ⅰ 歴史のなかの第二院―連邦参議院と上院 285
1 神聖ローマ帝国、ライン同盟、ドイツ連邦 285
2 フランクフルト憲法と上院 285
3 第二帝制と連邦参議院 286
4 ワイマール共和制とライヒ参議院 288
Ⅱ ヘレンキームゼー憲法会議における第二院審議 289
1 第二院の在り方 289
2 連邦参議院方式の論拠 289
3 上院方式の論拠 291
4 ヘレンキームゼー憲法会議の第二院案と政党 293
Ⅲ 議会評議会における第二院審議 294
1 第二院の形態―連邦参議院か上院か 294
2 第二院の地位―対等か優越か 303
3 連邦参議院の同意権―同意法を認めるか 306
4 連邦参議院の異議申し立て権―拒否権の条件 307
5 第二院の構成数―州の代表数 309
Ⅳ 連邦参議院の成立 310
1 メンツェル・エーハルト会談とSPD・CSUの妥協 310
2 連合国と第二院 314
3 基本法と連邦参議院 315
Ⅴ 連邦参議院の歴史的位置と成立要因 317
1 連邦参議院の歴史的位置 317
2 連邦参議院の成立要因 318
第7章 権限連邦制の審議とドイツ・連合国間対立 321
Ⅰ 歴史のなかの権限連邦制 321
1 ビスマルク憲法と単一立法制・執行連邦制 321
2 ワイマール憲法のライヒ・ラント権限配分と単一制 324
Ⅱ 議会評議会の連邦・州権限配分審議 326
1 ヘレンキームゼー憲法会議の権限配分案 326
2 議会評議会の連邦・州権限配分論議 327
3 連邦・州立法権限の政党間争点:事例的検討 331
Ⅲ 権限配分をめぐる議会評議会・連合国の対立と制憲危機 343
1 占領軍政長官覚書(1948年11月22日) 343
2 議会評議会基本法案(1949年2月10日)と権限配分 344
3 連合国の2・10基本法案検討と占領軍政長官覚書 346
第8章 財政連邦制の審議と制憲危機 356
Ⅰ 歴史のなかの財政連邦制 356
1 第二帝制の分離財政と端緒的結合財政 356
2 ワイマール共和制の財政改革と財政調整 358
Ⅱ 戦後税財政改革の提唱と占領下の税財政状況 359
1 税財行政改革の提唱 359
2 占領下の税財政状況 362
Ⅲ ヘレンキームゼー憲法会議における財政連邦制論議 364
1 財務行政をめぐる選択肢 364
2 租税立法権 366
3 バイエルン州の見解 366
4 財政連邦制論の意義 367
Ⅳ 議会評議会における財政連邦制論議 368
1 ヘプカー・アショフの財政連邦制論 368
2 財政専門家の聴取―租税立法・財政調整・財務行政 372
3 財政委員会におけるヘプカー・アショフ案の採択 376
4 議会評議会基本委員会における財政制度審議と基本法案採択 380
Ⅴ 財政連邦制をめぐるドイツ・連合国の対抗・交錯と制憲危機 386
1 占領軍政長官覚書(1948年11月22日) 386
2 議会評議会・占領軍政長官会談(1948年12月16日)(第1回) 387
3 議会評議会・占領軍政長官会談(第2回)と占領軍政長官覚書(1949年3月2日) 388
4 議会評議会・占領軍政府の協議(1949年3月8日~10日) 391
5 クレイと米政府の軋轢 400
6 財政委員会最終審議と政党合意不成立 402
第9章 ワシントン外相会議と権限連邦制・財政連邦制の成立 405
Ⅰ ワシントン外相会議のメッセージと連合国の妥協・譲歩 405
1 ワシントン外相会議と占領規則、高等弁務官体制への移行 405
2 ワシントン外相会議における基本法ドイツ案の検討とメッセージ 406
Ⅱ 基本法制定をめぐる政党間合意とドイツ・連合国間合意の成立 411
1 議会評議会代表と占領軍政長官の会談(1949年4月14日) 411
2 議会評議会会派間協議と政党間合意(1949年4月22日~24日) 413
3 議会評議会代表・占領軍政長官の最終会談(1949年4月25日) 414
4 ドイツ・連合国の最終合意の成立 418
Ⅲ 権限連邦制の成立 419
1 権限連邦制―統一的連邦立法権・執行連邦制・単一的連邦制 419
2 単一的連邦制・執行連邦制成立の背景・要因 426
Ⅳ 財政連邦制の成立―統一的財政立法、連邦・州分割財務行政、財政調整 428
1 財政連邦制の構造 428
2 財政連邦制成立の背景・要因 434
3 財政連邦制の位置 437
終章 ドイツ連邦共和国と連邦憲法体制の誕生 439
Ⅰ 基本視点と問題設定 439
1 基本視点 439
2 問題設定 439
Ⅱ 連邦憲法体制の制度構造 440
1 代表連邦制 440
2 権限連邦制 441
3 財政連邦制 442
Ⅲ 連邦憲法体制の特徴 443
1 多次元均衡政治システムとしての連邦制 443
2 協調性 444
3 単一性 444
Ⅳ 連邦憲法体制の成立要因 445
1 連邦主義言説要因 445
2 国際関係要因と連合国の制憲要請 446
3 政治主体要因 447
4 複合占領統治体制要因 449
5 同時代社会経済財政要因 450
6 歴史的経路依存要因 450
Ⅴ 連合国の関与と影響力 451
1 連合国の基本姿勢と合意形成 451
2 連合国の関与形態 452
3 連合国の過程的関与の影響力評価 453
4 連合国の制度的関与の影響力評価 454
5 ドイツ・連合国の影響力関係 456
Ⅵ 1949年連邦憲法体制成立の意義 457
1 国家建設 458
2 占領統治の終了と継承 459
3 多重民主主義と多様性 459
4 政治的安定システム 460
5 社会国家の法的基盤 461
6 ヨーロッパの受容と協調 462
7 連邦制改革の起点 462
Ⅶ おわりに―ドイツ連邦憲法体制の示唆 463
1 比較連邦制論とドイツ連邦制 463
2 単一国家と連邦国家 465
基本法制定関連年表 468
政党略語一覧 470
図表一覧 470
参考文献 471
人名索引 489
あとがき 493
はしがき ⅰ
序章 1
Ⅰ 本書の課題と意義 1
1 本書の課題 1
2 連邦憲法体制研究の意義 1
3 連邦主義・連邦制をめぐる現代的状況 3
Ⅱ 連邦憲法体制形成をめぐる研究状況と問題点 5
1 1949年連邦憲法体制形成の主要因 5
2 連合国の関与の影響力 6
3 占領統治体制の意義 7
4 制憲過程と政党間対抗 9
5 1949年連邦制の特徴 9
Ⅲ 連邦制概念と連邦憲法体制の三要素 10
1 連邦制概念と本書の連邦制理解 10
2 連邦憲法体制の三要素と論点 13
Ⅳ 連邦憲法体制形成分析の方法的視点 14
1 連邦主義言説視点 14
2 政党・政治家の連邦主義政治構想と政党間対抗視点 15
3 州・州政治家視点 15
4 複合占領統治体制と連邦化・国家化視点 16
5 同時代社会経済財政状況視点 17
6 連合国のドイツ政治構想視点 18
7 連合国の関与と影響力視点 19
8 ヨーロッパ視点 19
9 歴史的経路依存視点 20
Ⅴ 本書の構成 21
第一部 連合国のドイツ占領政策と複合占領体制
第1章 連合国のドイツ占領政策と政治構想 33
Ⅰ ドイツの無条件降伏とポツダム会談 33
1 ドイツの無条件降伏と連合国統治の開始 33
2 ポツダム協定の政治・経済原則 34
Ⅱ アメリカのドイツ政策と政治構想 37
1 アメリカの占領と占領軍政府の創設 37
2 アメリカのドイツ占領政策と政治構想 38
Ⅲ イギリスの占領政策と政治構想 49
1 イギリスの占領政策 49
2 ロバートソン演説と占領政策構想 50
3 ベヴィンのドイツ政策と政治構想 52
Ⅳ フランスのドイツ占領政策と政治構想 55
1 ポツダム協定とビドー外相覚書 55
2 ビドーの制憲議会演説とリール演説 56
3 第2回パリ外相会議とフランス 57
4 ロンドン外相代理会談 58
Ⅴ 第4回モスクワ外相会議の対立と決裂 62
1 モスクワ外相会議の開催 62
2 アメリカのドイツ政治構想 63
3 イギリスの政治構想 64
4 フランス外相ビドー提案 67
5 ソ連のドイツ政治構想 68
6 モスクワ外相会議の対立 69
7 トルーマン・ドクトリン、マーシャル・プラン、州首相会議 72
Ⅵ 第5回ロンドン外相会議の決裂 73
1 政治構想をめぐる対抗―連邦国家・国家連合・単一国家 73
2 ロンドン外相会議の決裂と意義 76
第2章 複合占領統治体制と連邦化・国家化 79
Ⅰ 州の形成と行政体化・政治体化―連邦制の基盤形成 79
1 プロイセン解体と州領域化 79
2 アメリカ占領地区の州形成と行政体化・政治体化 81
3 イギリス占領地区の州形成と行政体化・政治体化 93
4 フランス占領地区の州形成と行政体化・政治体化 100
Ⅱ 占領統治機構の形成と発展 104
1 アメリカ占領地区の州評議会と州間協調 104
2 イギリス占領地区の地区諮問会議 113
Ⅲ 英米占領地区統合と英米統合経済領域(ビツォーネ)の創設・展開 120
1 英米占領地区統合の進展と背景 120
2 英米占領地区統合の諸段階 123
Ⅳ 複合占領統治体制と連邦化・国家化 143
第二部 連合国の憲法制定要請と制憲過程
第3章 ロンドン六カ国会議と西ドイツ国家形成の序曲 149
Ⅰ ロンドン外相会議の決裂からロンドン六カ国会議へ 149
1 トリツォーネ形成と英米予備会談 149
2 ロンドン六カ国会議第一部(1948年2月23日~3月6日) 150
3 ロンドン六カ国会議第二部(1948年4月20日~6月2日) 157
Ⅱ フランクフルト文書と州首相会議 167
1 フランクフルト文書の手交 167
2 政党の協議 169
3 コブレンツ州首相会議 171
4 リューデスハイム州首相会議と州首相の回答 177
5 州首相・占領軍政長官会談(第3回)とフランクフルト文書の受諾 184
第4章 ドイツ政党の戦後政治構想と連邦主義 188
Ⅰ 社会民主党と連邦優位型連邦制 188
1 シューマッハー 188
2 ドイツ共和国創建基本方針 190
3 メンツェルの連邦国家観と憲法案 192
4 連邦優位型連邦制構想 196
Ⅱ キリスト教民主同盟と連邦・州対等型連邦制 199
1 アデナウアーの政治・社会観 199
2 党綱領と政治構想 208
Ⅲ キリスト教社会同盟と州優位型連邦制 213
1 キリスト教社会同盟の政治構想と倫理観 213
2 エーハルトと連邦主義 214
3 フントハンマーと州の国家性 223
4 エルバンガー憲法案 224
Ⅳ 自由主義政党と単一国家・連邦国家構想 230
1 アメリカ占領地区の自由主義政党の結成 230
2 イギリス占領地区の自由主義政党と自由民主党 231
3 民主党の結成・分裂と西側占領地区自由民主党の創立 234
第5章 基本法の審議開始と成立 237
Ⅰ ヘレンキームゼー憲法会議と制憲論議 237
1 ヘレンキームゼー憲法会議の発足 237
2 二つの国家論 238
3 ヘレンキームゼー憲法会議報告書と基本法案 240
4 ヘレンキームゼー憲法会議基本法案の評価 242
Ⅱ 議会評議会の開始と政党の憲法・国家観 245
1 議会評議会の開始と構成 245
2 基本法制定過程の三段階 246
3 議会評議会審議開始と連邦主義的国家像 249
Ⅲ 議会評議会の最終審議と基本法案可決 265
1 政党の基本法案評価 265
2 基本法案の可決と連合国の留保つき承認 270
Ⅳ バイエルンと基本法公布 273
1 バイエルンと基本法 273
2 基本法の公布とドイツ連邦共和国の誕生 280
第三部 連邦憲法体制の形成
第6章 連邦参議院の成立―代表連邦制 285
Ⅰ 歴史のなかの第二院―連邦参議院と上院 285
1 神聖ローマ帝国、ライン同盟、ドイツ連邦 285
2 フランクフルト憲法と上院 285
3 第二帝制と連邦参議院 286
4 ワイマール共和制とライヒ参議院 288
Ⅱ ヘレンキームゼー憲法会議における第二院審議 289
1 第二院の在り方 289
2 連邦参議院方式の論拠 289
3 上院方式の論拠 291
4 ヘレンキームゼー憲法会議の第二院案と政党 293
Ⅲ 議会評議会における第二院審議 294
1 第二院の形態―連邦参議院か上院か 294
2 第二院の地位―対等か優越か 303
3 連邦参議院の同意権―同意法を認めるか 306
4 連邦参議院の異議申し立て権―拒否権の条件 307
5 第二院の構成数―州の代表数 309
Ⅳ 連邦参議院の成立 310
1 メンツェル・エーハルト会談とSPD・CSUの妥協 310
2 連合国と第二院 314
3 基本法と連邦参議院 315
Ⅴ 連邦参議院の歴史的位置と成立要因 317
1 連邦参議院の歴史的位置 317
2 連邦参議院の成立要因 318
第7章 権限連邦制の審議とドイツ・連合国間対立 321
Ⅰ 歴史のなかの権限連邦制 321
1 ビスマルク憲法と単一立法制・執行連邦制 321
2 ワイマール憲法のライヒ・ラント権限配分と単一制 324
Ⅱ 議会評議会の連邦・州権限配分審議 326
1 ヘレンキームゼー憲法会議の権限配分案 326
2 議会評議会の連邦・州権限配分論議 327
3 連邦・州立法権限の政党間争点:事例的検討 331
Ⅲ 権限配分をめぐる議会評議会・連合国の対立と制憲危機 343
1 占領軍政長官覚書(1948年11月22日) 343
2 議会評議会基本法案(1949年2月10日)と権限配分 344
3 連合国の2・10基本法案検討と占領軍政長官覚書 346
第8章 財政連邦制の審議と制憲危機 356
Ⅰ 歴史のなかの財政連邦制 356
1 第二帝制の分離財政と端緒的結合財政 356
2 ワイマール共和制の財政改革と財政調整 358
Ⅱ 戦後税財政改革の提唱と占領下の税財政状況 359
1 税財行政改革の提唱 359
2 占領下の税財政状況 362
Ⅲ ヘレンキームゼー憲法会議における財政連邦制論議 364
1 財務行政をめぐる選択肢 364
2 租税立法権 366
3 バイエルン州の見解 366
4 財政連邦制論の意義 367
Ⅳ 議会評議会における財政連邦制論議 368
1 ヘプカー・アショフの財政連邦制論 368
2 財政専門家の聴取―租税立法・財政調整・財務行政 372
3 財政委員会におけるヘプカー・アショフ案の採択 376
4 議会評議会基本委員会における財政制度審議と基本法案採択 380
Ⅴ 財政連邦制をめぐるドイツ・連合国の対抗・交錯と制憲危機 386
1 占領軍政長官覚書(1948年11月22日) 386
2 議会評議会・占領軍政長官会談(1948年12月16日)(第1回) 387
3 議会評議会・占領軍政長官会談(第2回)と占領軍政長官覚書(1949年3月2日) 388
4 議会評議会・占領軍政府の協議(1949年3月8日~10日) 391
5 クレイと米政府の軋轢 400
6 財政委員会最終審議と政党合意不成立 402
第9章 ワシントン外相会議と権限連邦制・財政連邦制の成立 405
Ⅰ ワシントン外相会議のメッセージと連合国の妥協・譲歩 405
1 ワシントン外相会議と占領規則、高等弁務官体制への移行 405
2 ワシントン外相会議における基本法ドイツ案の検討とメッセージ 406
Ⅱ 基本法制定をめぐる政党間合意とドイツ・連合国間合意の成立 411
1 議会評議会代表と占領軍政長官の会談(1949年4月14日) 411
2 議会評議会会派間協議と政党間合意(1949年4月22日~24日) 413
3 議会評議会代表・占領軍政長官の最終会談(1949年4月25日) 414
4 ドイツ・連合国の最終合意の成立 418
Ⅲ 権限連邦制の成立 419
1 権限連邦制―統一的連邦立法権・執行連邦制・単一的連邦制 419
2 単一的連邦制・執行連邦制成立の背景・要因 426
Ⅳ 財政連邦制の成立―統一的財政立法、連邦・州分割財務行政、財政調整 428
1 財政連邦制の構造 428
2 財政連邦制成立の背景・要因 434
3 財政連邦制の位置 437
終章 ドイツ連邦共和国と連邦憲法体制の誕生 439
Ⅰ 基本視点と問題設定 439
1 基本視点 439
2 問題設定 439
Ⅱ 連邦憲法体制の制度構造 440
1 代表連邦制 440
2 権限連邦制 441
3 財政連邦制 442
Ⅲ 連邦憲法体制の特徴 443
1 多次元均衡政治システムとしての連邦制 443
2 協調性 444
3 単一性 444
Ⅳ 連邦憲法体制の成立要因 445
1 連邦主義言説要因 445
2 国際関係要因と連合国の制憲要請 446
3 政治主体要因 447
4 複合占領統治体制要因 449
5 同時代社会経済財政要因 450
6 歴史的経路依存要因 450
Ⅴ 連合国の関与と影響力 451
1 連合国の基本姿勢と合意形成 451
2 連合国の関与形態 452
3 連合国の過程的関与の影響力評価 453
4 連合国の制度的関与の影響力評価 454
5 ドイツ・連合国の影響力関係 456
Ⅵ 1949年連邦憲法体制成立の意義 457
1 国家建設 458
2 占領統治の終了と継承 459
3 多重民主主義と多様性 459
4 政治的安定システム 460
5 社会国家の法的基盤 461
6 ヨーロッパの受容と協調 462
7 連邦制改革の起点 462
Ⅶ おわりに―ドイツ連邦憲法体制の示唆 463
1 比較連邦制論とドイツ連邦制 463
2 単一国家と連邦国家 465
基本法制定関連年表 468
政党略語一覧 470
図表一覧 470
参考文献 471
人名索引 489
あとがき 493