アメリカの司法と政治
大沢秀介 著
定価:3,300円(税込)-
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発行:
2016年09月10日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
378頁 -
ISBN:
978-4-7923-0599-4
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内容紹介
目 次
はしがき
第1章 イントロダクション1
1 アメリカにおける司法と政治及び最近の話題1
2 トックヴィルの言葉の2つの意味2
(1)政治的な紛争の最終的解決機関としての連邦最高裁2
(2)政策決定者としての裁判官4
(3)連邦最高裁の制度が及ぼす影響5
3 日本との関連性5
(1)わが国の司法消極主義5
(2)日本人の法意識論6
(3)日本人の司法利用行動と法意識の問題7
(4)文化説8
①文化説の主張8
②文化説の具体的内容8
③文化説の問題9
(5)機能不全説11
①機能不全説の主張11
②機能不全説のメリット12
③機能不全説の問題12
(6)予測可能説13
①予測可能説の主張13
②予測可能説の特徴13
③予測可能説の問題点14
(7)最近の見解14
(8)司法制度改革論議との関連15
第2章 訴訟社会アメリカ17
1 訴訟社会の到来17
2 訴訟社会の具体例18
(1)マクドナルドコーヒーやけど事件18
(2)その他の例20
3 訴訟社会の背景にみられる特徴──3点21
(1)訴訟の相手方──Deep Pocket21
(2)陪審の役割21
(3)懲罰的損害賠償22
4 懲罰的損害賠償の制限の動き22
5 訴訟社会化の評価24
(1)訴訟社会化の背景24
(2)訴訟社会化の原因25
(3)イースト・パロアルト市をめぐる紛争29
6 ヤング教授の見解32
(1) 紛争解決手段としての裁判所32
(2) 法明確化機関としての裁判所33
(3) 社会変化手段としての裁判所34
第3章 合衆国憲法の制定と連邦最高裁の誕生37
1 イギリスのアメリカ植民地経営37
(1)アメリカでの植民地建設37
(2)植民地とイギリス政府との対立40
(3)法の担い手としてのエリート層の存在41
(4)独立戦争までの経緯43
(5)大陸会議の開催と独立宣言45
(6)独立宣言の内容45
(7)独立戦争とパリ条約46
2 ヴァージニア憲法47
(1)特色47
(2)権利の章典48
(3)「政府の枠組み」49
3 連合規約50
(1)連合規約の3つの特色50
(2)連合会議の権限の制限51
(3)連合規約の問題点51
(4)連合規約の改正が急がれた政治的要因52
4 合衆国憲法53
(1)憲法制定会議と2つの案53
(2)特色54
(3)権利保障規定の少ない理由56
(4)憲法修正の手続57
(5)これまでの憲法修正の特徴59
第4章 連邦司法府の成立とマーベリー事件61
1 合衆国憲法と連邦司法府の成立61
(1)合衆国憲法と司法府61
(2)憲法制定会議での議論61
2 連邦の司法制度63
(1)当初の制度63
(2)現在の制度64
(3)連邦最高裁による州法の違憲判断65
(4)連邦最高裁と憲法判断66
(5)連邦司法府の組織・構成67
3 初期の連邦最高裁の影響力68
(1)政治的影響の源68
(2)憲法制定当初の連邦最高裁70
4 マーベリー対マディソン事件71
(1)マーベリー事件と政治的背景71
①フェデラリスト党とリパブリカン党の反目71
②外国人・反活動取締法をめぐる対立71
③1800年の大統領選挙73
(2)アダムズ大統領による司法府への勢力温存策74
①憲法上の規定とレーム・ダック・セッション74
②アダムズ大統領の具体策75
(3)マーベリー事件の具体的内容76
①真夜中の判事(Midnight Judge)の誕生76
②ジェファーソン大統領の対応76
③連邦最高裁の置かれた政治状況77
④事件での難問77
(4)マーシャル首席裁判官の判決78
①3つの法的論点78
②第4の論点79
③判決の影響80
④判決受容の理由81
⑤違憲審査権と民主主義82
(5)違憲審査制の根拠83
①アメリカの違憲審査制の特徴83
②憲法起草者の意思83
③ハミルトンの見解84
④その他の正当化根拠85
(6)連邦最高裁のその後86
第5章 南北戦争と連邦最高裁
――ドレッド・スコット事件連邦最高裁判決89
1 州法と連邦最高裁89
(1)州法に対する違憲判決89
(2)フレッチャー判決とマーティン判決の意味91
2 ドレッド・スコット事件に到る経緯92
(1)南北戦争の背景92
(2)奴隷制の存在94
①合衆国憲法と奴隷制94
②憲法制定と奴隷制をめぐる妥協95
③南部と北部の産業構造96
(3)南北戦争への経緯98
①北部の奴隷解放運動の高揚98
②ナット・ターナーの反乱99
③2つの妥協と反発100
④ミズーリの妥協100
⑤カンザス・ネブラスカ法をめぐる南北の対立102
3 ドレッド・スコット事件103
(1)事実の概要103
(2)判決の内容104
(3)判決の政治的メッセージ105
①連邦議会へのメッセージ105
②ブキャナン大統領へのメッセージ106
(4)ドレッド・スコット判決の影響107
4 リンカーンと連邦最高裁108
(1)スプリングフィールドでの演説108
(2)連邦最高裁とリンカーン109
第6章 南北戦争後の南部と連邦最高裁113
1 南北戦争後の南部再建113
(1)リンカーンの見解113
①「分かれたる家は立つこと能わず」演説113
②奴隷解放宣言114
(2)リンカーン大統領と南部の再建115
①リンカーン大統領の南部再建策115
②リンカーン大統領の暗殺116
(3)ジョンソン大統領の南部再建策117
(4)連邦議会の南部再建策118
(5)ジョンソン大統領の弾劾裁判120
2 南部再建の問題点121
(1)再建策の特色121
(2)南部共和党州政府への反感122
(3)クー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan)の誕生123
(4)北部の南部に対する関心の低下124
3 南部からの北部の撤退124
(1)1876年の大統領選挙124
(2)1877年の妥協とその意味125
①妥協の内容125
②再建後の南部経済125
(3)経済的な側面での黒人に対する扱い――シェアクロッパー制126
(4)黒人の政治的取り扱い127
(5)政治プロセスにかかわる黒人差別127
①祖父条項127
②人頭税128
③識字テスト128
④白人予備選挙(ホワイト・プライマリー)129
4 南部の白人支配の復活と連邦最高裁129
(1)公民権法129
(2)ジム・クロー法130
(3)スローター・ハウス事件連邦最高裁判決130
5 公民権事件連邦最高裁判決131
(1)公民権法にかかわる状況131
(2)公民権事件判決132
①争点132
②連邦最高裁判決133
(3)公民権事件判決の影響134
①3つの影響134
6 プレッシー対ファーガソン事件連邦最高裁判決135
(1)人種分離を定める州法と合衆国憲法修正14条135
(2)テスト・ケースの側面135
(3)事件の内容136
(4)連邦最高裁の判決136
(5)判決の影響138
第7章 ニュー・ディール政策と連邦最高裁141
1 20世紀初頭のアメリカ141
(1)経済の発展141
①経済活動に必要な基礎的な発明141
②鉄道網の発達141
③製鉄業,石油業の発達と独占企業の登場142
④自動車産業の発展143
⑤家電産業の発展145
(2)革新主義と連邦最高裁145
①科学的管理法と労働者145
②革新主義の内容146
(3)ロックナー事件連邦最高裁判決147
①ロックナー事件の内容147
②ロックナー判決の影響148
2 繁栄の時代から大恐慌へ149
(1)1920年代の繁栄と暗黒の火曜日149
①消費は美徳149
②暗黒の火曜日150
(2)1920年代の経済,政治の動向151
(3)共和党政権の対応152
3 ニュー・ディール政策153
(1)ルーズヴェルトの大統領当選153
(2)ニュー・ディールの意味154
(3)ブレイン・トラストの存在155
(4)ニュー・ディール政策の内容155
4 ルーズヴェルト大統領の憲法理解156
(1)ニュー・ディール政策と大統領権限の拡大156
(2)最初の百日間157
(3)全国産業復興法と農業調整法158
5 ニュー・ディール立法と連邦最高裁159
(1)連邦最高裁の動き159
(2)シェクター事件連邦最高裁判決160
①事実の概要160
②連邦最高裁の判決160
(3)合衆国対バトラー事件連邦最高裁判決162
6 裁判所抱え込み案164
(1)ルーズヴェルトの再選164
(2)裁判所抱え込み案の具体的内容165
(3)裁判所抱え込み案と連邦最高裁166
(4)裁判所抱え込み政策と連邦議会167
第8章 憲法革命後の連邦最高裁171
1 連邦最高裁の姿勢の変化と1937年の憲法革命171
(1)1937年の憲法革命171
(2)キャロリーン・プロダクツ事件連邦最高裁判決の脚注4173
(3)ニュー・ディール政策をめぐる連邦最高裁と政治過程の関係175
(4)ニュー・ディール連合と人種問題175
2 日系アメリカ人問題と連邦最高裁176
(1)第2次世界大戦の勃発176
(2)日系人強制収容所事件と連邦最高裁177
(3)連邦最高裁と3つの事件179
①争われた3つの問題179
②ヒラバヤシ事件連邦最高裁判決179
③コレマツ事件連邦最高裁判決180
④エンドウ事件連邦最高裁判決181
(4)連邦最高裁の判断の意味182
3 第2次大戦後のアメリカの政治と社会183
(1)ニュー・ディール政策の限界183
(2)第2次大戦後の状況184
(3)スミス法と表現の自由185
(4)デニス事件連邦最高裁判決186
(5)マッカーシズムとリベラル派188
第9章 南部の人種差別と連邦最高裁191
1 南部における公教育と人種差別191
(1)人種別学制の問題191
①政治過程におけるリベラル派の影響力の低下191
②公立学校における人種別学制の状況191
2 「分離すれども平等」の法理をめぐる現実192
(1)NAACPの誕生192
(2)人種差別と教育193
①教育の領域が選ばれた理由193
(3)ヒューストンの戦略194
(4)南部の諸州の対応195
①マリ対メリーランド事件連邦最高裁判決195
3 ブラウン事件連邦最高裁判決198
(1)ブラウン事件の事実の内容198
(2)ブラウン事件の審理と人形テスト199
(3)連邦最高裁の判決200
4 ブラウン判決の影響202
(1)直接的影響202
(2)ブラウン判決の射程203
(3)ブラウン判決と司法府による社会変革204
5 連邦最高裁と人種差別撤廃政策形成とのかかわり204
(1)ブラウンⅡ判決の存在204
(2)選択の内容206
(3)モンゴメリー・バス・ボイコット運動とリトルロック事件207
①モンゴメリー・バス・ボイコット運動207
②リトルロック事件連邦最高裁判決209
(4)その後の展開と3つの特色211
6 連邦最高裁と連邦政治部門213
(1)最近の見解213
①ローゼンバーグの見解213
第10章 ウォーレン・コート下の連邦最高裁219
1 ウォーレン・コートと司法積極主義219
(1)ブラウン判決から1964年公民権法へ219
(2)司法積極主義の意味221
(3)ウォーレン・コート226
2 アール・ウォーレンとはどのような人か227
(1)首席裁判官名で連邦最高裁を呼ぶ意味227
(2)連邦最高裁首席裁判官に至るまでの経歴228
(3)ウォーレンのリーダーシップ230
(4)ウォーレン・コートの重要判例232
①選挙区割事件232
②被告人や被疑者の権利234
③修正1条236
3 ウォーレン・コートの特色239
(1)ウォーレン首席裁判官の見解239
(2)フランクファーター裁判官との確執239
(3) ウォーレン首席裁判官以後のウォーレン・コート240
(4)ブレナン・コート241
①副首席裁判官としてのブレナン裁判官241
②ブレナン裁判官の司法哲学242
第11章 アボーション論争と連邦最高裁245
1 アボーション論争の背景245
(1)アボーション論争の意味245
(2)アボーション論争の歴史的展開245
①19世紀の状況246
②20世紀後半の新たな動き247
③1960年代から70年代初頭までの状況247
(3)アボーション問題と社会の動きとの関係248
①女性解放運動の影響248
②アボーションと宗教249
③政治問題としてのアボーション規制251
2 アボーション論争と連邦最高裁252
(1)ロー判決以前の連邦最高裁252
①州のアボーション規制立法と連邦最高裁252
②グリズウォルド判決252
3 ロー判決255
(1)事実の概要255
(2)ロー判決と女性運動の二人の弁護士255
(3)ロー判決の内容257
(4)ロー判決の問題点258
4 ロー判決の及ぼした政治的影響261
(1)大統領選挙とアボーション問題261
(2)アボ―ション問題をめぐる世論,草の根反対運動262
(3)マクレン事件連邦最高裁判決265
(4)州議会の対応と連邦最高裁267
5 ロー判決以後の連邦最高裁の判例268
(1)ケーシー事件連邦最高裁判決268
①事件の内容268
②先例としてのロー判決269
③新たな判断基準の提示270
(2)カーハート事件連邦最高裁判決271
第12章 司法権の優位と2つの判決275
1 レーガン革命275
(1)レーガン政権の誕生275
(2)レーガン革命276
(3)レーガンと連邦最高裁判所裁判官の任命276
2 レーガン政権と憲法理解278
(1)レーガン大統領の主張278
(2)ミース司法長官の見解279
(3)原意主義の内容280
(4)原意主義の評価281
(5)生ける憲法論283
(6)原意主義とアボーション事件に対する判決285
3 連邦最高裁の新たな役割287
(1)ブッシュ対ゴア事件287
(2)シチズンズ・ユナイテッド事件290
(3)シチズンズ・ユナイテッド判決とオバマ大統領の痛烈な批判
292
第13章 連邦最高裁裁判官297
1 連邦裁判所裁判官の選任過程
――とくに連邦最高裁の場合を中心に297
(1)公式の資格要件297
(2)非公式の条件298
(3)法律家としての能力298
①ジョージ・W・ブッシュ大統領によるマイヤースの指名299
(4)政治的関係299
(5)自己推薦の能力300
(6)幸運300
2 連邦裁判官の選任過程と過程参加者301
(1)大統領の指名301
(2)司法省303
(3)州および地方の政治的指導者303
(4)圧力団体304
(5)アメリカ法律家協会(ABA)305
(6)上院司法委員会306
①上院の議院規則上における役割306
②選任過程への影響307
③委員長の影響力307
(7)上院本会議308
3 大統領と連邦最高裁との関係310
(1)2つの問題310
(2)大統領のための連邦司法府の構成要素311
①大統領のイデオロギー的任命の意思の強さ311
②裁判官の空席の数312
③大統領の政治的影響力の強さ312
④連邦司法府の傾向313
(3)ブッシュ政権の場合314
①大統領のイデオロギー的任命の意思の強さ314
②裁判官の空席の数314
③大統領の政治的勢いの強さ314
④連邦司法府の傾向315
第14章 裁判官の意思決定プロセス317
1 意思決定の流れ317
(1)口頭弁論318
(2)裁判官会議319
(3)判決の執筆の割り当て320
(4)判決の言渡321
2 連邦裁判官の属性321
(1)連邦地方裁判所の裁判官の属性321
①前職との関係322
②学歴322
③人種的マイノリティとの関連322
④ABAの評価323
⑤支持政党323
⑥資産323
(2)連邦控訴裁判所裁判官の属性324
①前職との関係324
②支持政党324
(3)連邦最高裁裁判官の属性325
3 連邦最高裁での意思決定326
(1)基本的なアプローチ326
(2)古典的な制度論的アプローチ326
①アプローチの内容326
②憲法革命の影響327
③法リアリズムの勃興327
(3)司法行動論アプローチ328
①シューバートの研究328
②司法行動論的アプローチの特色と限界329
③司法行動論アプローチに対する批判329
4 新制度論的アプローチ330
①公共選択論的なもの330
②価値の形成的側面を重視するもの331
③構造的影響を重視するもの331
④司法行動論への批判331
5 政治学的アプローチの有効性332
(1)対象とアプローチとの関連333
(2)全体的な構図の必要性333
6 連邦最高裁内部での意思決定334
(1)合図理論334
(2)小集団分析337
①2つのポイント337
②小集団分析の手法337
③小集団分析の問題339
(3)態度理論340
①内容340
②態度理論の有効性340
③態度理論の問題点341
④最近の態度理論342
⑤態度理論の意義343
(4)合理的選択モデル343
①内容343
②裁判官の投票行動と合理的選択モデル344
③合理的選択モデルの特色345
(5)総合的な理解の必要性346
事項索引347
はしがき
第1章 イントロダクション1
1 アメリカにおける司法と政治及び最近の話題1
2 トックヴィルの言葉の2つの意味2
(1)政治的な紛争の最終的解決機関としての連邦最高裁2
(2)政策決定者としての裁判官4
(3)連邦最高裁の制度が及ぼす影響5
3 日本との関連性5
(1)わが国の司法消極主義5
(2)日本人の法意識論6
(3)日本人の司法利用行動と法意識の問題7
(4)文化説8
①文化説の主張8
②文化説の具体的内容8
③文化説の問題9
(5)機能不全説11
①機能不全説の主張11
②機能不全説のメリット12
③機能不全説の問題12
(6)予測可能説13
①予測可能説の主張13
②予測可能説の特徴13
③予測可能説の問題点14
(7)最近の見解14
(8)司法制度改革論議との関連15
第2章 訴訟社会アメリカ17
1 訴訟社会の到来17
2 訴訟社会の具体例18
(1)マクドナルドコーヒーやけど事件18
(2)その他の例20
3 訴訟社会の背景にみられる特徴──3点21
(1)訴訟の相手方──Deep Pocket21
(2)陪審の役割21
(3)懲罰的損害賠償22
4 懲罰的損害賠償の制限の動き22
5 訴訟社会化の評価24
(1)訴訟社会化の背景24
(2)訴訟社会化の原因25
(3)イースト・パロアルト市をめぐる紛争29
6 ヤング教授の見解32
(1) 紛争解決手段としての裁判所32
(2) 法明確化機関としての裁判所33
(3) 社会変化手段としての裁判所34
第3章 合衆国憲法の制定と連邦最高裁の誕生37
1 イギリスのアメリカ植民地経営37
(1)アメリカでの植民地建設37
(2)植民地とイギリス政府との対立40
(3)法の担い手としてのエリート層の存在41
(4)独立戦争までの経緯43
(5)大陸会議の開催と独立宣言45
(6)独立宣言の内容45
(7)独立戦争とパリ条約46
2 ヴァージニア憲法47
(1)特色47
(2)権利の章典48
(3)「政府の枠組み」49
3 連合規約50
(1)連合規約の3つの特色50
(2)連合会議の権限の制限51
(3)連合規約の問題点51
(4)連合規約の改正が急がれた政治的要因52
4 合衆国憲法53
(1)憲法制定会議と2つの案53
(2)特色54
(3)権利保障規定の少ない理由56
(4)憲法修正の手続57
(5)これまでの憲法修正の特徴59
第4章 連邦司法府の成立とマーベリー事件61
1 合衆国憲法と連邦司法府の成立61
(1)合衆国憲法と司法府61
(2)憲法制定会議での議論61
2 連邦の司法制度63
(1)当初の制度63
(2)現在の制度64
(3)連邦最高裁による州法の違憲判断65
(4)連邦最高裁と憲法判断66
(5)連邦司法府の組織・構成67
3 初期の連邦最高裁の影響力68
(1)政治的影響の源68
(2)憲法制定当初の連邦最高裁70
4 マーベリー対マディソン事件71
(1)マーベリー事件と政治的背景71
①フェデラリスト党とリパブリカン党の反目71
②外国人・反活動取締法をめぐる対立71
③1800年の大統領選挙73
(2)アダムズ大統領による司法府への勢力温存策74
①憲法上の規定とレーム・ダック・セッション74
②アダムズ大統領の具体策75
(3)マーベリー事件の具体的内容76
①真夜中の判事(Midnight Judge)の誕生76
②ジェファーソン大統領の対応76
③連邦最高裁の置かれた政治状況77
④事件での難問77
(4)マーシャル首席裁判官の判決78
①3つの法的論点78
②第4の論点79
③判決の影響80
④判決受容の理由81
⑤違憲審査権と民主主義82
(5)違憲審査制の根拠83
①アメリカの違憲審査制の特徴83
②憲法起草者の意思83
③ハミルトンの見解84
④その他の正当化根拠85
(6)連邦最高裁のその後86
第5章 南北戦争と連邦最高裁
――ドレッド・スコット事件連邦最高裁判決89
1 州法と連邦最高裁89
(1)州法に対する違憲判決89
(2)フレッチャー判決とマーティン判決の意味91
2 ドレッド・スコット事件に到る経緯92
(1)南北戦争の背景92
(2)奴隷制の存在94
①合衆国憲法と奴隷制94
②憲法制定と奴隷制をめぐる妥協95
③南部と北部の産業構造96
(3)南北戦争への経緯98
①北部の奴隷解放運動の高揚98
②ナット・ターナーの反乱99
③2つの妥協と反発100
④ミズーリの妥協100
⑤カンザス・ネブラスカ法をめぐる南北の対立102
3 ドレッド・スコット事件103
(1)事実の概要103
(2)判決の内容104
(3)判決の政治的メッセージ105
①連邦議会へのメッセージ105
②ブキャナン大統領へのメッセージ106
(4)ドレッド・スコット判決の影響107
4 リンカーンと連邦最高裁108
(1)スプリングフィールドでの演説108
(2)連邦最高裁とリンカーン109
第6章 南北戦争後の南部と連邦最高裁113
1 南北戦争後の南部再建113
(1)リンカーンの見解113
①「分かれたる家は立つこと能わず」演説113
②奴隷解放宣言114
(2)リンカーン大統領と南部の再建115
①リンカーン大統領の南部再建策115
②リンカーン大統領の暗殺116
(3)ジョンソン大統領の南部再建策117
(4)連邦議会の南部再建策118
(5)ジョンソン大統領の弾劾裁判120
2 南部再建の問題点121
(1)再建策の特色121
(2)南部共和党州政府への反感122
(3)クー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan)の誕生123
(4)北部の南部に対する関心の低下124
3 南部からの北部の撤退124
(1)1876年の大統領選挙124
(2)1877年の妥協とその意味125
①妥協の内容125
②再建後の南部経済125
(3)経済的な側面での黒人に対する扱い――シェアクロッパー制126
(4)黒人の政治的取り扱い127
(5)政治プロセスにかかわる黒人差別127
①祖父条項127
②人頭税128
③識字テスト128
④白人予備選挙(ホワイト・プライマリー)129
4 南部の白人支配の復活と連邦最高裁129
(1)公民権法129
(2)ジム・クロー法130
(3)スローター・ハウス事件連邦最高裁判決130
5 公民権事件連邦最高裁判決131
(1)公民権法にかかわる状況131
(2)公民権事件判決132
①争点132
②連邦最高裁判決133
(3)公民権事件判決の影響134
①3つの影響134
6 プレッシー対ファーガソン事件連邦最高裁判決135
(1)人種分離を定める州法と合衆国憲法修正14条135
(2)テスト・ケースの側面135
(3)事件の内容136
(4)連邦最高裁の判決136
(5)判決の影響138
第7章 ニュー・ディール政策と連邦最高裁141
1 20世紀初頭のアメリカ141
(1)経済の発展141
①経済活動に必要な基礎的な発明141
②鉄道網の発達141
③製鉄業,石油業の発達と独占企業の登場142
④自動車産業の発展143
⑤家電産業の発展145
(2)革新主義と連邦最高裁145
①科学的管理法と労働者145
②革新主義の内容146
(3)ロックナー事件連邦最高裁判決147
①ロックナー事件の内容147
②ロックナー判決の影響148
2 繁栄の時代から大恐慌へ149
(1)1920年代の繁栄と暗黒の火曜日149
①消費は美徳149
②暗黒の火曜日150
(2)1920年代の経済,政治の動向151
(3)共和党政権の対応152
3 ニュー・ディール政策153
(1)ルーズヴェルトの大統領当選153
(2)ニュー・ディールの意味154
(3)ブレイン・トラストの存在155
(4)ニュー・ディール政策の内容155
4 ルーズヴェルト大統領の憲法理解156
(1)ニュー・ディール政策と大統領権限の拡大156
(2)最初の百日間157
(3)全国産業復興法と農業調整法158
5 ニュー・ディール立法と連邦最高裁159
(1)連邦最高裁の動き159
(2)シェクター事件連邦最高裁判決160
①事実の概要160
②連邦最高裁の判決160
(3)合衆国対バトラー事件連邦最高裁判決162
6 裁判所抱え込み案164
(1)ルーズヴェルトの再選164
(2)裁判所抱え込み案の具体的内容165
(3)裁判所抱え込み案と連邦最高裁166
(4)裁判所抱え込み政策と連邦議会167
第8章 憲法革命後の連邦最高裁171
1 連邦最高裁の姿勢の変化と1937年の憲法革命171
(1)1937年の憲法革命171
(2)キャロリーン・プロダクツ事件連邦最高裁判決の脚注4173
(3)ニュー・ディール政策をめぐる連邦最高裁と政治過程の関係175
(4)ニュー・ディール連合と人種問題175
2 日系アメリカ人問題と連邦最高裁176
(1)第2次世界大戦の勃発176
(2)日系人強制収容所事件と連邦最高裁177
(3)連邦最高裁と3つの事件179
①争われた3つの問題179
②ヒラバヤシ事件連邦最高裁判決179
③コレマツ事件連邦最高裁判決180
④エンドウ事件連邦最高裁判決181
(4)連邦最高裁の判断の意味182
3 第2次大戦後のアメリカの政治と社会183
(1)ニュー・ディール政策の限界183
(2)第2次大戦後の状況184
(3)スミス法と表現の自由185
(4)デニス事件連邦最高裁判決186
(5)マッカーシズムとリベラル派188
第9章 南部の人種差別と連邦最高裁191
1 南部における公教育と人種差別191
(1)人種別学制の問題191
①政治過程におけるリベラル派の影響力の低下191
②公立学校における人種別学制の状況191
2 「分離すれども平等」の法理をめぐる現実192
(1)NAACPの誕生192
(2)人種差別と教育193
①教育の領域が選ばれた理由193
(3)ヒューストンの戦略194
(4)南部の諸州の対応195
①マリ対メリーランド事件連邦最高裁判決195
3 ブラウン事件連邦最高裁判決198
(1)ブラウン事件の事実の内容198
(2)ブラウン事件の審理と人形テスト199
(3)連邦最高裁の判決200
4 ブラウン判決の影響202
(1)直接的影響202
(2)ブラウン判決の射程203
(3)ブラウン判決と司法府による社会変革204
5 連邦最高裁と人種差別撤廃政策形成とのかかわり204
(1)ブラウンⅡ判決の存在204
(2)選択の内容206
(3)モンゴメリー・バス・ボイコット運動とリトルロック事件207
①モンゴメリー・バス・ボイコット運動207
②リトルロック事件連邦最高裁判決209
(4)その後の展開と3つの特色211
6 連邦最高裁と連邦政治部門213
(1)最近の見解213
①ローゼンバーグの見解213
第10章 ウォーレン・コート下の連邦最高裁219
1 ウォーレン・コートと司法積極主義219
(1)ブラウン判決から1964年公民権法へ219
(2)司法積極主義の意味221
(3)ウォーレン・コート226
2 アール・ウォーレンとはどのような人か227
(1)首席裁判官名で連邦最高裁を呼ぶ意味227
(2)連邦最高裁首席裁判官に至るまでの経歴228
(3)ウォーレンのリーダーシップ230
(4)ウォーレン・コートの重要判例232
①選挙区割事件232
②被告人や被疑者の権利234
③修正1条236
3 ウォーレン・コートの特色239
(1)ウォーレン首席裁判官の見解239
(2)フランクファーター裁判官との確執239
(3) ウォーレン首席裁判官以後のウォーレン・コート240
(4)ブレナン・コート241
①副首席裁判官としてのブレナン裁判官241
②ブレナン裁判官の司法哲学242
第11章 アボーション論争と連邦最高裁245
1 アボーション論争の背景245
(1)アボーション論争の意味245
(2)アボーション論争の歴史的展開245
①19世紀の状況246
②20世紀後半の新たな動き247
③1960年代から70年代初頭までの状況247
(3)アボーション問題と社会の動きとの関係248
①女性解放運動の影響248
②アボーションと宗教249
③政治問題としてのアボーション規制251
2 アボーション論争と連邦最高裁252
(1)ロー判決以前の連邦最高裁252
①州のアボーション規制立法と連邦最高裁252
②グリズウォルド判決252
3 ロー判決255
(1)事実の概要255
(2)ロー判決と女性運動の二人の弁護士255
(3)ロー判決の内容257
(4)ロー判決の問題点258
4 ロー判決の及ぼした政治的影響261
(1)大統領選挙とアボーション問題261
(2)アボ―ション問題をめぐる世論,草の根反対運動262
(3)マクレン事件連邦最高裁判決265
(4)州議会の対応と連邦最高裁267
5 ロー判決以後の連邦最高裁の判例268
(1)ケーシー事件連邦最高裁判決268
①事件の内容268
②先例としてのロー判決269
③新たな判断基準の提示270
(2)カーハート事件連邦最高裁判決271
第12章 司法権の優位と2つの判決275
1 レーガン革命275
(1)レーガン政権の誕生275
(2)レーガン革命276
(3)レーガンと連邦最高裁判所裁判官の任命276
2 レーガン政権と憲法理解278
(1)レーガン大統領の主張278
(2)ミース司法長官の見解279
(3)原意主義の内容280
(4)原意主義の評価281
(5)生ける憲法論283
(6)原意主義とアボーション事件に対する判決285
3 連邦最高裁の新たな役割287
(1)ブッシュ対ゴア事件287
(2)シチズンズ・ユナイテッド事件290
(3)シチズンズ・ユナイテッド判決とオバマ大統領の痛烈な批判
292
第13章 連邦最高裁裁判官297
1 連邦裁判所裁判官の選任過程
――とくに連邦最高裁の場合を中心に297
(1)公式の資格要件297
(2)非公式の条件298
(3)法律家としての能力298
①ジョージ・W・ブッシュ大統領によるマイヤースの指名299
(4)政治的関係299
(5)自己推薦の能力300
(6)幸運300
2 連邦裁判官の選任過程と過程参加者301
(1)大統領の指名301
(2)司法省303
(3)州および地方の政治的指導者303
(4)圧力団体304
(5)アメリカ法律家協会(ABA)305
(6)上院司法委員会306
①上院の議院規則上における役割306
②選任過程への影響307
③委員長の影響力307
(7)上院本会議308
3 大統領と連邦最高裁との関係310
(1)2つの問題310
(2)大統領のための連邦司法府の構成要素311
①大統領のイデオロギー的任命の意思の強さ311
②裁判官の空席の数312
③大統領の政治的影響力の強さ312
④連邦司法府の傾向313
(3)ブッシュ政権の場合314
①大統領のイデオロギー的任命の意思の強さ314
②裁判官の空席の数314
③大統領の政治的勢いの強さ314
④連邦司法府の傾向315
第14章 裁判官の意思決定プロセス317
1 意思決定の流れ317
(1)口頭弁論318
(2)裁判官会議319
(3)判決の執筆の割り当て320
(4)判決の言渡321
2 連邦裁判官の属性321
(1)連邦地方裁判所の裁判官の属性321
①前職との関係322
②学歴322
③人種的マイノリティとの関連322
④ABAの評価323
⑤支持政党323
⑥資産323
(2)連邦控訴裁判所裁判官の属性324
①前職との関係324
②支持政党324
(3)連邦最高裁裁判官の属性325
3 連邦最高裁での意思決定326
(1)基本的なアプローチ326
(2)古典的な制度論的アプローチ326
①アプローチの内容326
②憲法革命の影響327
③法リアリズムの勃興327
(3)司法行動論アプローチ328
①シューバートの研究328
②司法行動論的アプローチの特色と限界329
③司法行動論アプローチに対する批判329
4 新制度論的アプローチ330
①公共選択論的なもの330
②価値の形成的側面を重視するもの331
③構造的影響を重視するもの331
④司法行動論への批判331
5 政治学的アプローチの有効性332
(1)対象とアプローチとの関連333
(2)全体的な構図の必要性333
6 連邦最高裁内部での意思決定334
(1)合図理論334
(2)小集団分析337
①2つのポイント337
②小集団分析の手法337
③小集団分析の問題339
(3)態度理論340
①内容340
②態度理論の有効性340
③態度理論の問題点341
④最近の態度理論342
⑤態度理論の意義343
(4)合理的選択モデル343
①内容343
②裁判官の投票行動と合理的選択モデル344
③合理的選択モデルの特色345
(5)総合的な理解の必要性346
事項索引347